文章自体は多少、冗長気味な感は否めませんが、彼女が当時危惧していた事象が現在の世相に重なって見え、末恐ろしく思えます。
現在では(当時と比べて)世間一般への認知度が浸透してきたオタクや、特に腐女子(BLにハマる女性)に対する考察には、反論や批判もあるようですが、商業ベースに乗った現在の「BL」と、当時以前から半ばアンダーグラウンドの存在であった「JUNE」は、もはや別物だと思うので、そこを一緒にされるのはなあ、という気がします。
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コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫 な 11-4) 文庫 – 1995/12/1
中島 梓
(著)
- 本の長さ339ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1995/12/1
- ISBN-104480031340
- ISBN-13978-4480031341
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1995/12/1)
- 発売日 : 1995/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 339ページ
- ISBN-10 : 4480031340
- ISBN-13 : 978-4480031341
- Amazon 売れ筋ランキング: - 199,873位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仕事関係で購入して拝読しました。とても読みやすく一気に最後まで読みました。精神的問題に対する切り口はとても難しいと思います。医師目線からはわからないことも多々あると思います。やはり経験者からしか伺えないアドバイスというものが、とくにこの領域には必要だと思いました。
2008年1月19日に日本でレビュー済み
オタク女子に関する本だと思われている様ですが、それだけではありません。
オタク関係に興味がなくても、「ダイエット症候群」それに続く「病気の時代」はダイエットや摂食障害、
また羨望されたい願望の病に関心がある人に一度読んでみて欲しいです。
何故過剰なやせ願望を「持たなくてはならないか」、この本に書いてあります。
「彼女たちは体重を減らしたいから、スリムになりたいから、男にもてたいから(略)ダイエットをしているのではない。
彼女たちが求めているのは、社会に受け入れられる事、それ自体である」
「本当に恐ろしいのは、ダイエットと言う形でしか適応できない社会構造その物である」
(意訳)
皆にかわいがられ、愛され、求められたいのは、自分の存在をより多くの他者によって保証されたいから―これは昨今のモテ願望その物です。
その点では女性に限らず男性にも興味あるテーマだと思います。
2000年を超えて益々過剰になったダイエット、テリトリーの確保競争、人間の商品化。
この本は91年初出ですが、それらについて書かれています。
過剰な競争社会の構造を書き出しています。フェミニズム本よりよほど的確です。
年代のため細かい所で違いはありますが、今の2000年代以降の社会が既に20年以上も前から追われ続けた結果であると、
学生世代でこの閉塞的な社会がどうなっているのか訳もわからず苦しんでいる人に読んでみて欲しい本です。
オタク女子に関してはそれほど突っ込まれていない感がありますが、それは次作「タナトスの子供たち」に詳しいです。
オタク関係に興味がなくても、「ダイエット症候群」それに続く「病気の時代」はダイエットや摂食障害、
また羨望されたい願望の病に関心がある人に一度読んでみて欲しいです。
何故過剰なやせ願望を「持たなくてはならないか」、この本に書いてあります。
「彼女たちは体重を減らしたいから、スリムになりたいから、男にもてたいから(略)ダイエットをしているのではない。
彼女たちが求めているのは、社会に受け入れられる事、それ自体である」
「本当に恐ろしいのは、ダイエットと言う形でしか適応できない社会構造その物である」
(意訳)
皆にかわいがられ、愛され、求められたいのは、自分の存在をより多くの他者によって保証されたいから―これは昨今のモテ願望その物です。
その点では女性に限らず男性にも興味あるテーマだと思います。
2000年を超えて益々過剰になったダイエット、テリトリーの確保競争、人間の商品化。
この本は91年初出ですが、それらについて書かれています。
過剰な競争社会の構造を書き出しています。フェミニズム本よりよほど的確です。
年代のため細かい所で違いはありますが、今の2000年代以降の社会が既に20年以上も前から追われ続けた結果であると、
学生世代でこの閉塞的な社会がどうなっているのか訳もわからず苦しんでいる人に読んでみて欲しい本です。
オタク女子に関してはそれほど突っ込まれていない感がありますが、それは次作「タナトスの子供たち」に詳しいです。
2018年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
題名が革命的に素晴らしいので購入。しかし、冒頭から辛抱して読み続けて行っても、なかなか核心に到達しない・・・。どうでもいいような無駄話が焦り気味の饒舌で原稿用紙を埋め尽くしていく。筆者には悪いけれども、こういう原稿の書き方を許す編集者がよくないと思う。売れっ子の書いたものはなんでも送り出すというのではね。
しかし、題名は素晴らしいね。
ところで、この問題については、昨年、花村萬月の出した『心中旅行』の冒頭のエピソードでうつ病の若い編集者の行動に即して実によく書いてあった。「うつ病」を盾に「コミュニケーション不全」を正当化する人たちの登場がまさに描かれていた。
問題がつかまれても、それを書くためには実力が必要なんだなとつくづく思いますね。
しかし、題名は素晴らしいね。
ところで、この問題については、昨年、花村萬月の出した『心中旅行』の冒頭のエピソードでうつ病の若い編集者の行動に即して実によく書いてあった。「うつ病」を盾に「コミュニケーション不全」を正当化する人たちの登場がまさに描かれていた。
問題がつかまれても、それを書くためには実力が必要なんだなとつくづく思いますね。
2017年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非常に内容が深いので、良いですが、私には読みずらく、一般的なレベルですと
最後まで読むのは、難しいと思う。
最後まで読むのは、難しいと思う。
2005年12月24日に日本でレビュー済み
現代という時代に「適応」している、そのことがそもそも「異常」である。
本書を通して繰り返し語られる上記のような指摘は、多数派に属していると「思い込む」ことで安心している人々の生活を根底から揺るがすものだ。
10年前に出版された本とは思えない、リアルで生々しいメッセージに背筋が冷たくなる。
当時宮崎某、女子高生コンクリ詰め事件を根拠に語られたこの現代病は、むしろその病状を悪化拡大させているのではあるまいか。
母親を毒殺しかけた女子高生、友達を刺殺した小学生、幼馴染をメッタ刺しにした少年…
閉じた世界で、麻痺していく対人感覚。短絡的になる思考。
人間が人間を、人間だと思えなくなる世界。
10年前に著者がシミュレートした世界は、今や現実の姿になりつつある。
「やおい」や「拒食症」にまつわるジェンダー論としても面白いのだが、その他にオタクや凶悪犯罪等、全てにつながるものとしての「コミュニケーション不全症候群」という仮想現代病には説得力がある。
何よりも「現代」に慣れきってしまっている人達に読んで欲しい。そして改めて気付いて欲しい。
自分達が今生きる世界は、随分と不自然で歪な姿をしているのだと。
本書を通して繰り返し語られる上記のような指摘は、多数派に属していると「思い込む」ことで安心している人々の生活を根底から揺るがすものだ。
10年前に出版された本とは思えない、リアルで生々しいメッセージに背筋が冷たくなる。
当時宮崎某、女子高生コンクリ詰め事件を根拠に語られたこの現代病は、むしろその病状を悪化拡大させているのではあるまいか。
母親を毒殺しかけた女子高生、友達を刺殺した小学生、幼馴染をメッタ刺しにした少年…
閉じた世界で、麻痺していく対人感覚。短絡的になる思考。
人間が人間を、人間だと思えなくなる世界。
10年前に著者がシミュレートした世界は、今や現実の姿になりつつある。
「やおい」や「拒食症」にまつわるジェンダー論としても面白いのだが、その他にオタクや凶悪犯罪等、全てにつながるものとしての「コミュニケーション不全症候群」という仮想現代病には説得力がある。
何よりも「現代」に慣れきってしまっている人達に読んで欲しい。そして改めて気付いて欲しい。
自分達が今生きる世界は、随分と不自然で歪な姿をしているのだと。
2016年9月11日に日本でレビュー済み
わたしには、少女をかばうような分析が鮮烈だった。目から鱗だった。女であり、選別にさらされ続け、行き場所を見失ったこの人達が自らを消し去りたいとまで思う。それほどの重圧を世の女性が受けている事をうかつにも、男である私は知らなかった。
オタクと女の子たちの自己否定について書かれている。
これが書かれた当時は、誰もまだこの2つが結びつくとは思っていなかったであろう。凄まじい予見力だと思う。
女たちの自己否定がやがて文化を生むと。世界をリードするにまで至ると。その予見はむしろ祈りだったのかもしれない。
オタクと女の子たちの自己否定について書かれている。
これが書かれた当時は、誰もまだこの2つが結びつくとは思っていなかったであろう。凄まじい予見力だと思う。
女たちの自己否定がやがて文化を生むと。世界をリードするにまで至ると。その予見はむしろ祈りだったのかもしれない。
2010年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容は面白いのだが、ところどころ日本語がおかしい。この筆者の本はこれが初めてで、他の書籍の紹介文を見ると天才作家と書いてあったが、冗談と思った。