Kindle版の試し読みで目次を確認いただければ分かる通り、広い範囲の話題が取り上げられています。それぞれの分野が興味深いです。ただ、それぞれが深堀りするに値するテーマなのですが、この本は軽い話題として紹介するのが趣旨ですので、そうはいきません。だからちょっと食い足りなさが残るんですよね。
この本だけ読んでもイギリス英語への理解が深まるとかいうことはないです。新書に幅と深さの両方を求めるのはそもそも筋違いなので、巻末で紹介されている参考図書などを更に読む「必要」があると思います。
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イギリス英語の裏表 (ちくま新書 284) 新書 – 2001/2/1
小林 章夫
(著)
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2001/2/1
- ISBN-104480058842
- ISBN-13978-4480058843
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商品の説明
商品説明
イギリス英語という言い方を英訳したらどうなるのだろうか。まさか「English English」でもあるまいが、こんなトートロジーがにわかかに不自然だと感じられないほどに、英語の国際化・無国籍化は進んでいる。
本書によれば、17世紀イギリスには王立協会が提唱する「普遍言語」なる発想があったらしい。その後、大した展開もないようなので、もともと優れたアイデアではなかったのだろうが、ともあれこの例から推測できるのは、ひとつの言語の恣意的な遍在が、普遍言語どころかどうやら多彩な方言を生み出すらしいという事実だ。
英語が国際語という画一化の仮構を装う中で、イギリス英語が多彩な地方性を保っているという事実。これを豊かで健康な事態だと考えるのが、本書の立脚点である。
話題は多彩だ。地理、文学、政治、社会…、イギリス文化の土壌のそちこちから、「裏表」という表題のどおり、著者はさまざまなおもしろおかしいエピソードを持ち出しては、手堅く料理してみせる。包丁さばきは軽快で気取りなく、とても読みやすい。時折はさまれる対訳つきの英文には、無菌化されたファミリー・レストラン風の英語では味わえない、素材独特の珍味を味わう楽しさがある。
100年前、ロンドンに留学した夏目漱石はコックニーなまりを評して、「『ロンドン』児の言語はワカラナイ閉口」と書いたという。この言葉に表れた、どこか笑いを誘うような豊かさは、100年後の今も変わっていないのである。(今野哲男)
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2001/2/1)
- 発売日 : 2001/2/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 189ページ
- ISBN-10 : 4480058842
- ISBN-13 : 978-4480058843
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,133,141位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2003年7月22日に日本でレビュー済み
本文中にも書かれているけれど、英語の語学力をつけるために書かれた本ではありません。
この本はイギリス英語についての雑学本。
日本に外来語があるように、英語にも外来語があり、その語を通して見える歴史的、文化的な背景や、日本をはじめとする諸外国の関係について書かれた本です。
歴史や文化といってもお堅いものではなく、みかんについてだったり、パブについてだったりと身近な題材が多く、「へぇ~」と感心しているうちにイギリスについて詳しくなれます。
本文中に英文が出てきますが、ほぼ訳付きなので読むのに困ることはありません。
イギリスに行ったことのある人もない人も、イギリスに興味があるならかなり面白いと思います。
この本はイギリス英語についての雑学本。
日本に外来語があるように、英語にも外来語があり、その語を通して見える歴史的、文化的な背景や、日本をはじめとする諸外国の関係について書かれた本です。
歴史や文化といってもお堅いものではなく、みかんについてだったり、パブについてだったりと身近な題材が多く、「へぇ~」と感心しているうちにイギリスについて詳しくなれます。
本文中に英文が出てきますが、ほぼ訳付きなので読むのに困ることはありません。
イギリスに行ったことのある人もない人も、イギリスに興味があるならかなり面白いと思います。
2009年10月16日に日本でレビュー済み
裏表、なる言葉がタイトルについているが、別に京都を語る際に良くある「ゆっくりしていってください」という言葉+ブブ漬けは「さっさと帰れ」の意味である、なんて話はない
ごく普通に、方言という以上に多彩な言葉を有する、我々の呼ぶところの「イギリス」の言語の紹介、といったところだろう
英語というものが多くの要素(フランス語、ラテン語など)を取り込むことに寛容で、変化していった言葉であることが本書を読むと良く分かる
事実、英語は本来屈折語であるはずなのに、膠着語化している部分が多くあることを考えると頷ける
しかしまあイギリスはなぜそんなにフランスばかり目の敵にせねばならんのか
北欧にだって大分恨みがあるんじゃないのか?
まあ現在イギリスを牛耳ってる奴らの多くの始まりがゲルマン系だから?
そこんとこが難しい
しかしフランスもゲイのことを「イギリスの悪徳」と呼ぶとはなかなかやり返してますね
フランスが言語を国家で統制しようと研究所を立ち上げるけれど、イギリスはそれが実現しなかったりするところに、やっぱりフランスは官僚国家の名にふさわしく中央集権的なんだなあと思ったり、イギリスは経験主義の名に恥じず、やってみてやばかったら作ってみるのかな?なんて思いました
結構読みやすいですし、一読に値すると思います
とくに言語の「標準語」問題を考えている人(それが日本語であっても)におすすめ
ごく普通に、方言という以上に多彩な言葉を有する、我々の呼ぶところの「イギリス」の言語の紹介、といったところだろう
英語というものが多くの要素(フランス語、ラテン語など)を取り込むことに寛容で、変化していった言葉であることが本書を読むと良く分かる
事実、英語は本来屈折語であるはずなのに、膠着語化している部分が多くあることを考えると頷ける
しかしまあイギリスはなぜそんなにフランスばかり目の敵にせねばならんのか
北欧にだって大分恨みがあるんじゃないのか?
まあ現在イギリスを牛耳ってる奴らの多くの始まりがゲルマン系だから?
そこんとこが難しい
しかしフランスもゲイのことを「イギリスの悪徳」と呼ぶとはなかなかやり返してますね
フランスが言語を国家で統制しようと研究所を立ち上げるけれど、イギリスはそれが実現しなかったりするところに、やっぱりフランスは官僚国家の名にふさわしく中央集権的なんだなあと思ったり、イギリスは経験主義の名に恥じず、やってみてやばかったら作ってみるのかな?なんて思いました
結構読みやすいですし、一読に値すると思います
とくに言語の「標準語」問題を考えている人(それが日本語であっても)におすすめ
2001年3月30日に日本でレビュー済み
イギリスとBritish Englishに深い愛情と、計り知れないほどの豊富な知識を持っている筆者の珠玉の作品。 イギリス英語のFanにとってはMust(必読書)のひとつです。 また筆者の数々のイギリス関係の著作を読む取っ掛かりの一冊としてもふさわしい本です。 奥深いイギリス英語を堪能しましょう。