「貨幣」の持つ危険性や、それをめぐるさまざまな問題とそれへの対策の検討がわかりやすく書かれている本。
賠償システムや信用の問題、学問や芸術の尺度、さらにはイラク人質事件からロールズの論の検討などと、いろいろと面白いことが書かれている。
だが、引用が、特に小説からのが、やたらと多く読みにくい。
「ヴェニスの商人」は短編名作だからまあいいとしても、「ファウスト」は名前だけが多いだろうし、「海辺のカフカ」「蹴りたい背中」「蛇にピアス」「アッシュベイビー」あたりは読んでいない。
そして、読んでいない小説から、「この部分からは、こういうことが読み取れる」と書かれても困る。
そういう批評は、読んでいない小説にたいして行われても「で?」としかならない。
「「不自由」論」や「「分かりやすさ」の罠」のように、哲学者の引用であれば読んでいても知識が増え楽しいのだが・・・
そうしたところで星一つ減点。
いいテーマ設定だけに惜しい。
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お金に「正しさ」はあるのか (ちくま新書) 新書 – 2004/10/6
仲正 昌樹
(著)
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2004/10/6
- ISBN-104480062009
- ISBN-13978-4480062000
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2004/10/6)
- 発売日 : 2004/10/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 221ページ
- ISBN-10 : 4480062009
- ISBN-13 : 978-4480062000
- Amazon 売れ筋ランキング: - 524,282位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,661位ちくま新書
- - 2,349位経済学 (本)
- - 25,344位投資・金融・会社経営 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年1月5日に日本でレビュー済み
本書を要約すれば、「生活する中でお金を完全に否定することはできない」と解せると思います。
ただ、論拠を小説に置いており、なぜフィクション性が高い小説でお金というリアリティの高いものを解釈するのかの説明がないので違和感がありました。
また、キリスト教、マルクス、現代の小説等を引用解釈して述べていますが、一貫性を感じない構成です。お金の解釈の歴史的変遷なのか、お金の役割の広がりなのか、テーマが解りづらいものでした。
お金という切り口からの文学解釈本としか読めず、題名との乖離を感じます。
ただ、論拠を小説に置いており、なぜフィクション性が高い小説でお金というリアリティの高いものを解釈するのかの説明がないので違和感がありました。
また、キリスト教、マルクス、現代の小説等を引用解釈して述べていますが、一貫性を感じない構成です。お金の解釈の歴史的変遷なのか、お金の役割の広がりなのか、テーマが解りづらいものでした。
お金という切り口からの文学解釈本としか読めず、題名との乖離を感じます。
2005年2月4日に日本でレビュー済み
お金はものごとを計測する道具である。民事訴訟などを見ると、お金で計れないようなものにも、計測結果が与えられていることが分かる。この考えを推し進めれば、「私」という人間においてもお金による取引可能性があると本書は述べる。
「私」がお金で計測された先には、精神的なものとされがちな正義概念の拠り所としてお金を無視できないと結ぶ。
「私」がお金で計測された先には、精神的なものとされがちな正義概念の拠り所としてお金を無視できないと結ぶ。