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無思想の発見 (ちくま新書) 新書 – 2005/12/6
養老 孟司
(著)
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日本人は無宗教・無思想・無哲学だという。さて無思想とは、どのような事態か。もしかするとそれは、「ゼロ」のようなものではないのか。つまりゼロとは、「なにもない」状態をあらわしつつ、同時に数字の起点でもある。ならば、「思想がない」というのも、ひとつの「思想」のあり方ではないか。日本の風土が生んだ「無思想という思想」を手がかりに、現代を取り巻く諸問題、さらには、意識/無意識とはなにかを、大胆に、されど精緻に考え尽し、閉塞した現代に風穴を開ける。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2005/12/6
- ISBN-104480062807
- ISBN-13978-4480062802
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商品の説明
著者について
養老/孟司
1937年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ入る。95年同医学部教授を退官し、現在東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)『バカの壁』(毎日出版文化賞)など多数がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1937年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ入る。95年同医学部教授を退官し、現在東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)『バカの壁』(毎日出版文化賞)など多数がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2005/12/6)
- 発売日 : 2005/12/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4480062807
- ISBN-13 : 978-4480062802
- Amazon 売れ筋ランキング: - 107,433位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 272位哲学・思想の論文・評論・講演集
- - 370位ちくま新書
- - 1,302位思想
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本には哲学が育たないというか哲学が無いという事実を分かり易く解説する秀逸な書である。かといって卑下を薦める訳でもなく、日本の特質を上手く説明してくれる。
2019年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分とは、日本の社会では「世間的に作られる自分」である。
世間的な自分は、作られるものだから、「後から自分ができてくる」のである。
いうなれば「他人がみる自分こそが自分だ」すら言える。
以上、「自分とは」を冒頭に始まる本書、その後
「俺には思想がない」という思想をどう維持するか、という話になっていきます。
話し言葉に近い文体で書かれた本書、どこか言葉遊びの印象を受ける場面もあるかもしれませんが、養老孟司はいたって真面目です。
そして日本人の「無思想という思想」についても、決してダメだと言っているわけではなく、逆に日本人の無思想という思想を有思想の他国にいかに説明するかを説いています。
たとえば有思想の国である中国に対して、いくら靖国参拝の是非を議論しても、そんなものは空である。有思想に対しては感覚世界で対応するしかない。そのためには、日本は中国にひたすら木を植えるといいという。
面白い。
さらに「思想がないという思想」を考えると様々な日本的特質の説明が可能となるという。
茶道、武道、など日本の伝統的な「道」を思想として説明するのは困難で、「理屈ではない」それより形を重んじるとの考え方は、まさに無思想という思想からくるものである。
「ない」思想をどう説明するかの解決策として「ゼロ」の発見があげられています。ゼロは「ない」ということだがそれでも数字である。それならゼロについて説明できるはずである。
なかなかユニークな本でした。
世間的な自分は、作られるものだから、「後から自分ができてくる」のである。
いうなれば「他人がみる自分こそが自分だ」すら言える。
以上、「自分とは」を冒頭に始まる本書、その後
「俺には思想がない」という思想をどう維持するか、という話になっていきます。
話し言葉に近い文体で書かれた本書、どこか言葉遊びの印象を受ける場面もあるかもしれませんが、養老孟司はいたって真面目です。
そして日本人の「無思想という思想」についても、決してダメだと言っているわけではなく、逆に日本人の無思想という思想を有思想の他国にいかに説明するかを説いています。
たとえば有思想の国である中国に対して、いくら靖国参拝の是非を議論しても、そんなものは空である。有思想に対しては感覚世界で対応するしかない。そのためには、日本は中国にひたすら木を植えるといいという。
面白い。
さらに「思想がないという思想」を考えると様々な日本的特質の説明が可能となるという。
茶道、武道、など日本の伝統的な「道」を思想として説明するのは困難で、「理屈ではない」それより形を重んじるとの考え方は、まさに無思想という思想からくるものである。
「ない」思想をどう説明するかの解決策として「ゼロ」の発見があげられています。ゼロは「ない」ということだがそれでも数字である。それならゼロについて説明できるはずである。
なかなかユニークな本でした。
2019年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の本はたくさん読んでいます。
こんなに良い本を書く人は、万に一。
この方の本は、いつまでもいつまでも、残り、読まれていくべき本だと思います。
読まれるだけでなく、実行されるべきでもある。
参勤交代は私も大賛成です。
こんなに良い本を書く人は、万に一。
この方の本は、いつまでもいつまでも、残り、読まれていくべき本だと思います。
読まれるだけでなく、実行されるべきでもある。
参勤交代は私も大賛成です。
2022年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ところどころスパイスの効いた一文はあるのだが、特にしっかりとして構成があるわけでもなく、話があっちこっちに飛んで読みづらい。著者のアイデアをもう少し濃縮できた段階で本にしたほうが良かったのではないかと思う。
2012年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多読して自分が共感、共鳴するものを引用しながらの話です。
だから日本が無思想だと発見したとなっていますが、こういう事を
違う言葉で表現している人が過去にも何人もいたのも合わせて
紹介する形になっています。
だから日本が無思想だと発見したとなっていますが、こういう事を
違う言葉で表現している人が過去にも何人もいたのも合わせて
紹介する形になっています。
2006年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
養老先生の本は好きで読んでいますが、読んでいて「なるほど!こういう見方・考え方は面白い!」と思ったのは久々でした。個人的には養老先生の原点にある「唯脳論」、ものの見方のスタンスを明確に提示した「人間科学」、そして本書は先生の著作の中でも、考え方がはっきりしていて、際立って面白いと思います。
「無思想」を普通に考えられている西洋的な「思想」、「哲学」、「宗教」と対比しながら、日本独特の思想であることを明らかにしようとしています。
「哲学」を語るところでは、思想は風土からもたらされ、日本の風土は日本独特の思想(無思想)をもたらすであろうこと、「宗教」を語るところでは、西洋的思想<有思想>」と「無思想」という構造を一神教と仏教との対比によって語ろうとしています。そのためか、同じことを何度も語っている印象もありますが、私にとっては、おかげさまで判りやすくなりました。
また「無思想」を数字のゼロと見立てるところは「なるほど」と思いました。ゼロは何もないことを表しつつ、数字(数学)を支える必要不可欠なものです。たしかコンピュータの祖フォン・ノイマンが定義した自然数も空集合(=0)が起点でしたよね。概念世界の代表である数学・数字との共通性は、「無思想」が思想足りえる根拠のひとつにはなりそうですね。
養老先生も本書の中で言っているように、正しいかどうかは判らないことですが、無思想を日本独自の思想として、その利点(欠点もある)を認識していこうとするモノの見方は、日本人が自分を見つめ世界にスタンスを発表していく際の拠りどころになりうるのではないでしょうか。
「壁」シリーズよりお勧めです!
「無思想」を普通に考えられている西洋的な「思想」、「哲学」、「宗教」と対比しながら、日本独特の思想であることを明らかにしようとしています。
「哲学」を語るところでは、思想は風土からもたらされ、日本の風土は日本独特の思想(無思想)をもたらすであろうこと、「宗教」を語るところでは、西洋的思想<有思想>」と「無思想」という構造を一神教と仏教との対比によって語ろうとしています。そのためか、同じことを何度も語っている印象もありますが、私にとっては、おかげさまで判りやすくなりました。
また「無思想」を数字のゼロと見立てるところは「なるほど」と思いました。ゼロは何もないことを表しつつ、数字(数学)を支える必要不可欠なものです。たしかコンピュータの祖フォン・ノイマンが定義した自然数も空集合(=0)が起点でしたよね。概念世界の代表である数学・数字との共通性は、「無思想」が思想足りえる根拠のひとつにはなりそうですね。
養老先生も本書の中で言っているように、正しいかどうかは判らないことですが、無思想を日本独自の思想として、その利点(欠点もある)を認識していこうとするモノの見方は、日本人が自分を見つめ世界にスタンスを発表していく際の拠りどころになりうるのではないでしょうか。
「壁」シリーズよりお勧めです!
2020年3月6日に日本でレビュー済み
2006再掲
図書館本
さて、山梨が生んだスーパースター中田英寿は残念ながらこの本は読んでいないようだ。
もし読んでいたら引退を表明したHPに「自分さがし」の言葉は使用しなかったであろう。
前半部から後半部分は中々読み難い、おそらくバカの壁等のような口述筆記や編集者の手があまり入っていないのであろう。でも最後の方は非常にクリアーに理解出来ると思う。
おそらく主旨は簡単なんだと思う。日本には無宗教と言う宗教が存在し、無思想と言う思想を持ったのが日本だという事。概念世界と感覚世界を行ったり来たりする努力が足りない人々が多い。
さて「自分さがし」である。自分さがしとか、自分にあった仕事を探すだとか言う若者が多いと指摘する。その理由は「自分という実体」の確信に欠けるからだと。これは感覚世界の不在つまり経験の不足であると。
最後の方に日中関係に触れて、日本人がひと月、参勤交代制で中国に通い植樹する。植樹特攻隊であると。「木を植えなきゃ、地球が保たないだよ」議論はそれで十分だろう。と言う。中略 それなら無益かというなら、木は勝手に育つ。経済成長よりもはるかに確実に「成長する」のである。その確実さ、それが感覚世界のいいところある。共産主義だろうが、資本主義だろうが、木は育つ。
以前養老先生は書名は忘れたが、あとがきで、言いたい事は全て言ったと書かれていたが、今回のあとがきで、ぼちぼち70歳に近くなってきた。そうなったら、意外にも日本が心配である。と書かれている。さらにガンガンと言って欲しい、書いて欲しいものだ。
図書館本
さて、山梨が生んだスーパースター中田英寿は残念ながらこの本は読んでいないようだ。
もし読んでいたら引退を表明したHPに「自分さがし」の言葉は使用しなかったであろう。
前半部から後半部分は中々読み難い、おそらくバカの壁等のような口述筆記や編集者の手があまり入っていないのであろう。でも最後の方は非常にクリアーに理解出来ると思う。
おそらく主旨は簡単なんだと思う。日本には無宗教と言う宗教が存在し、無思想と言う思想を持ったのが日本だという事。概念世界と感覚世界を行ったり来たりする努力が足りない人々が多い。
さて「自分さがし」である。自分さがしとか、自分にあった仕事を探すだとか言う若者が多いと指摘する。その理由は「自分という実体」の確信に欠けるからだと。これは感覚世界の不在つまり経験の不足であると。
最後の方に日中関係に触れて、日本人がひと月、参勤交代制で中国に通い植樹する。植樹特攻隊であると。「木を植えなきゃ、地球が保たないだよ」議論はそれで十分だろう。と言う。中略 それなら無益かというなら、木は勝手に育つ。経済成長よりもはるかに確実に「成長する」のである。その確実さ、それが感覚世界のいいところある。共産主義だろうが、資本主義だろうが、木は育つ。
以前養老先生は書名は忘れたが、あとがきで、言いたい事は全て言ったと書かれていたが、今回のあとがきで、ぼちぼち70歳に近くなってきた。そうなったら、意外にも日本が心配である。と書かれている。さらにガンガンと言って欲しい、書いて欲しいものだ。
2021年4月3日に日本でレビュー済み
たまたま今読んでいるシュティルナーの「唯一者とその所有」の中で以下の部分がある。
‐‐‐そしてただ、この無思想性によってのみ、ただこの否認された思想の自由もしくは思想からの自由によってのみ、君は君自身のものであるのだ。かかる無思想からしてのみ、君は、言語を君の所有として用益することに至りうるのだ‐‐‐ こちらは19世紀のドイツの思想家の本です。
‐‐‐そしてただ、この無思想性によってのみ、ただこの否認された思想の自由もしくは思想からの自由によってのみ、君は君自身のものであるのだ。かかる無思想からしてのみ、君は、言語を君の所有として用益することに至りうるのだ‐‐‐ こちらは19世紀のドイツの思想家の本です。