『金融vs.国家』というタイトルですが、むしろ中世以来の金融と国家の強固な結びつきをテーマにしています。メディチ家やロスチャイルド家とかですね。近現代では、イギリス・アメリカの政策や制度、基軸通貨などに詳しくふれたいます。
金融というと「カネは何も生まない」とか「とにかくカネもうけできればいい」という両極端に分かれてしまう感のある日本人にとっては、あまりお目にかかれない議論もたくさん紹介されています。ややもするとテクニカルな知識にかたよる感のある実務家にとっても、著者なりの歴史的視点とその大切さを教えてくれる良書です。
個人的には、市場経済の根幹の通貨や貨幣(それなしの市場経済は考えにくい)が、かくも国家の強い管理下に置かれている現状(貨幣は国家が独占し、量などは中央銀行が管理しているのがいい例)は、むしろ嘆かわしいと思いますが、国家はほぉっておかないのでしょう、これからもずっと。
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金融vs.国家 (ちくま新書 724) 新書 – 2008/6/1
倉都 康行
(著)
- ISBN-104480064281
- ISBN-13978-4480064288
- 出版社筑摩書房
- 発売日2008/6/1
- 言語日本語
- 本の長さ252ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2008/6/1)
- 発売日 : 2008/6/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 252ページ
- ISBN-10 : 4480064281
- ISBN-13 : 978-4480064288
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,053,880位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,013位一般・投資読み物 (本)
- - 2,495位ちくま新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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鳥取県倉吉市出身 1955年生まれ 東京大学経済学部卒業
東京銀行で東京5年、ロンドン10年、香港2年勤務、バンカース・トラスト、チェースマンハッタン・バンクを経て2001年に金融シンクタンクのRPテック(株)設立、代表取締役就任。
NHKマネーワールド・コメンテーター、中央大学大学院客員教授、金融庁意見申立委員、預金保険機構買取審査委員など歴任。
現在、産業ファンド投資法人執行役員、マネタリー・アフェアーズ誌編集人、立教大学専任講師などを兼務。金融学会会員。
有料メルマガ「デイリー・マネタリー・アフェアーズ」、週刊「世界潮流アップデート」などの執筆のほか、論壇誌や雑誌、学会誌などへの寄稿も多数。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年8月5日に日本でレビュー済み
現在の金融の世界を「歴史」という文脈を踏まえて概観した本である。本書によると、古代の政治権力がもつ軍事力は搾取によって支えられたものであったが、徐々にそれは献金や借入金によって賄われるように変化、14世紀には、英国エドワード3世のように何度も債務不履行を起こした国王さえもいたという。
世界の基軸通貨として君臨し続けている米ドルであるが、本書は、1997年のアジア危機で、地域資本を地域で資本化する手段をもたず、資金の資本化を欧州市場に委ねることがいかに危険なことであるかを明らかになったと指摘。日本については、金融の卑しい面だけをことさらに強調して批判するのは、経済成長の重要な源泉を捨てるに等しいと警鐘を鳴らす。
そして、ゼロ金利政策や低金利社会を批判して著者は、現在のアベノミクスをどのように捉えているのであろうか。著者の現在の解説はネット上で参照できるが、歴史的背景を解説してくれる本書の存在は大きい。
私の理解力では、現在、著者が経済問題を解説記事を読んでもわからないときがある。しかし、このような本で全体像を把握させてもらったおかげで幾分理解が進んだ。
著者に指摘するように、現代に見られる金融危機の本質は、大恐慌のそれと大きく異なるものではないのかもしれない。今日の世界金融を知るためにも、「歴史」を学ぶことは大切だと感じさせてもらった。
世界の基軸通貨として君臨し続けている米ドルであるが、本書は、1997年のアジア危機で、地域資本を地域で資本化する手段をもたず、資金の資本化を欧州市場に委ねることがいかに危険なことであるかを明らかになったと指摘。日本については、金融の卑しい面だけをことさらに強調して批判するのは、経済成長の重要な源泉を捨てるに等しいと警鐘を鳴らす。
そして、ゼロ金利政策や低金利社会を批判して著者は、現在のアベノミクスをどのように捉えているのであろうか。著者の現在の解説はネット上で参照できるが、歴史的背景を解説してくれる本書の存在は大きい。
私の理解力では、現在、著者が経済問題を解説記事を読んでもわからないときがある。しかし、このような本で全体像を把握させてもらったおかげで幾分理解が進んだ。
著者に指摘するように、現代に見られる金融危機の本質は、大恐慌のそれと大きく異なるものではないのかもしれない。今日の世界金融を知るためにも、「歴史」を学ぶことは大切だと感じさせてもらった。
2010年2月12日に日本でレビュー済み
世界史の教科書に載っている経済政策史を
金融部門だけちょっと詳しくしてまとめ、
最近の基本的な金融トピックスをまぶして
一冊の本にまとめたもの。
初心者向け。特に新味なし。
金融部門だけちょっと詳しくしてまとめ、
最近の基本的な金融トピックスをまぶして
一冊の本にまとめたもの。
初心者向け。特に新味なし。
2009年7月16日に日本でレビュー済み
ある程度金融になじんでいる人向け。構成は、コラムに近い。よく話題が飛びます。基本的な知識があることを前提としているので、体系だった知識は得られません。本としてよりは、講演を聴いていると思って読む方が、楽しめます。
知識を深めたい、金融関係に勤めるビジネスマン向きです。あと、文章は、英語を普段使ってらっしゃる方が書かれたためか、文法が英語に近くなっているので、諸所わかりにくいところがあります。私は、頭の中で英訳しながら読みました。
金融の成立から、必要性、発展をイギリス、フランス、アメリカ、日本と、国ごとに比較しながら、書かれているので、全体図がつかみやすい。タイトル通り、国家と金融との密接な関わりを中心に置いているので、一歩掘り下げた歴史を知ることができます。展開されている論も、筆者の経験に基づいた、日本金融の問題も、とてもわかりやすかったです。
金融界を知るための取っ掛かりには良書ですが、もっと詳しく注釈がほしかったことと、文章がちょっとイラついたことから、星3つで。
知識を深めたい、金融関係に勤めるビジネスマン向きです。あと、文章は、英語を普段使ってらっしゃる方が書かれたためか、文法が英語に近くなっているので、諸所わかりにくいところがあります。私は、頭の中で英訳しながら読みました。
金融の成立から、必要性、発展をイギリス、フランス、アメリカ、日本と、国ごとに比較しながら、書かれているので、全体図がつかみやすい。タイトル通り、国家と金融との密接な関わりを中心に置いているので、一歩掘り下げた歴史を知ることができます。展開されている論も、筆者の経験に基づいた、日本金融の問題も、とてもわかりやすかったです。
金融界を知るための取っ掛かりには良書ですが、もっと詳しく注釈がほしかったことと、文章がちょっとイラついたことから、星3つで。
2010年5月9日に日本でレビュー済み
この本は決して初心者向けではない。金融をある程度理解した人が、金融が如何に国家に依存して、或いは時に国家に反発して生き延びてきた存在であるか、を再認識するのに極めて有用な視点を提供している。とくに最近の米国金融のように政治と密着して社会倫理を無視してきた存在を、日本が理想像として崇めてきたことへの反省材料として読むことも出来る。純粋に、面白かった。
2008年6月25日に日本でレビュー済み
金融の歴史について、中世から現代まで大きく取り上げた金融政策史。それは国家戦略と密接に結びつき、今に至るものだ。米国の基軸通貨政策や英国のシティなどはそういった戦略の結実といえる。
同時に、シンガポールや香港といった新興国も、既成秩序への参入を虎視眈々と狙っている。特に人民元は、筆者の言うようにいずれ円を脅かす地域通貨になるのは間違いない。
その中でいかに国内の独自性を残しつつ、国際競争に勝てるだけの魅力を生み出せるか。残念ながら通貨政策も金融戦略も、日本は長期的な展望を欠いたままだ。
その辺についてもうちょっと突っ込んだ提案が見たい気もするが、本書が優れた入門書であることは変わりない。
同時に、シンガポールや香港といった新興国も、既成秩序への参入を虎視眈々と狙っている。特に人民元は、筆者の言うようにいずれ円を脅かす地域通貨になるのは間違いない。
その中でいかに国内の独自性を残しつつ、国際競争に勝てるだけの魅力を生み出せるか。残念ながら通貨政策も金融戦略も、日本は長期的な展望を欠いたままだ。
その辺についてもうちょっと突っ込んだ提案が見たい気もするが、本書が優れた入門書であることは変わりない。
2010年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本も「世界のなかで日本が立ち遅れることなく経済成長を続けるためには」というのが出発点になっています。国際金融に限らず、この出発点をまるで自明のものとして展開される無数の論は、いかに装いを異にしていてもひとつの枠内に収まります。しかし、この出発点は本当に自明なのでしょうか。私としては、今起こっている閉塞と貧困を見るに、国家そのものを問うのです。その意味でこの本に期待したのは国際金融戦争から垣間見える「国家とはなにか」だったのですが、見当はずれでした。
2008年7月30日に日本でレビュー済み
タイトルと内容はまったく一致していませんが満足のいく充実の内容です
内容と一致させるのならば仮に「日本と世界の金融史」サブタイトルに「過去・現在から国内金融の未来を模索する」ってところでしょうか?
そんな地味なタイトルでは読者の眼に点きませんが・・・(汗)
日本はいままで米国追従の金融政策を採ってきたのと「日本らしさ」の独自路線をユラユラと・・・時には激しい論戦を交えながらも現在に至ってきた感がある
そして世界の金融は最先端を行く自分のまいた種「サブプライム問題」で大変な事態に陥っている
そこに新興国やオイルマネーはそれらの金融機関を買い漁っているが日本はそれほど大胆には参戦していない
バブルのツケの代償に手間取っていたので時代に取り残されたとも言えるし
取り残されたからこそサブプライムからは信じられないほど傷口が浅く済んだとも言える
それが実は文中にあるようにバブル崩壊からの教訓でリスクの対応が日本独自のやり方としてサブプライム危機から逃れたとも言えて何が正しくて何が正しくないのかはわからない
話をはじめに戻すと欧米化か日本独自化は今後もバランス良くユラユラと揺れ動くのが正しいのかは誰にもわからないが悪くはないとも思う
読み終えても正しい答えは在るようで無いような感想です
内容と一致させるのならば仮に「日本と世界の金融史」サブタイトルに「過去・現在から国内金融の未来を模索する」ってところでしょうか?
そんな地味なタイトルでは読者の眼に点きませんが・・・(汗)
日本はいままで米国追従の金融政策を採ってきたのと「日本らしさ」の独自路線をユラユラと・・・時には激しい論戦を交えながらも現在に至ってきた感がある
そして世界の金融は最先端を行く自分のまいた種「サブプライム問題」で大変な事態に陥っている
そこに新興国やオイルマネーはそれらの金融機関を買い漁っているが日本はそれほど大胆には参戦していない
バブルのツケの代償に手間取っていたので時代に取り残されたとも言えるし
取り残されたからこそサブプライムからは信じられないほど傷口が浅く済んだとも言える
それが実は文中にあるようにバブル崩壊からの教訓でリスクの対応が日本独自のやり方としてサブプライム危機から逃れたとも言えて何が正しくて何が正しくないのかはわからない
話をはじめに戻すと欧米化か日本独自化は今後もバランス良くユラユラと揺れ動くのが正しいのかは誰にもわからないが悪くはないとも思う
読み終えても正しい答えは在るようで無いような感想です