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甲骨文字に歴史をよむ (ちくま新書 732) 新書 – 2008/7/1

3.9 5つ星のうち3.9 9個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2008/7/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/7/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 228ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4480064311
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480064318
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 9個の評価

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落合 淳思
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カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2009年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本題の「歴史をよむ」に関しては色々ご意見もあろうかと思いますが、各所に引用されている甲骨文字による占い文とその現代語訳は一読の価値があります。講談社で発行されている同じ著者の「甲骨文字の読み方」が基礎編だとすれば、こちらはその応用編に相当するでしょう。甲骨文字ファンなら、両方とも間違いなく必読の書です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国の甲骨文字は、4大歴史の中でも唯一現在でも我々が使用している文字。これを六書の中で
この漢字はどのように誕生したか、意味は何を語るのか、を知ることができる。日本人として読んでおきたい。
2009年5月19日に日本でレビュー済み
 甲骨文の内容などが書き下し文で書かれていてその内容を知る上では大変解りやすい。そのため読者を引き込みやすい。今までの研究者の内容批判も新たな事を知ったと読者の興奮を起こすだろう。
 しかし、今度は逆に甲骨文や金文を重視しすぎているかのように思える。

 酒池肉林がなかったとされるが、考古学では動物を集めて飼っていたと思われる広大な園の後が発掘されているので、歪んで伝えられた可能性はあるもののまったくなかったとは言い難い。

 また太公望の斉という地名が殷の時代にも見られたから架空というのもちょっと早計に思われる。
 確かに彼の名は成周金文には見られないが、彼の出身である羌という異民族が殷の奴隷として働かされ、周と婚籍関係を結んでおり、周と協力関係にあったのは王姜などの婦人の名が成周金文に記載されていることから明白であり、そのパイプ役としての人物が太公望のモデルと考えられたりするため中々架空と見ることは出来ないのであって、殷側の資料である甲骨文や殷の金文、しかも限定されて使われる物で判断するのはどうかと思われる。
 また、哀公後殷の習慣から脱したかもと書かれているが、斉独自の長女が家廟を護る巫女としての習慣などは漢代までみられたので、はなはだ怪しい見解である。
 第一、土地の名が斉であるだけで、革命後、太公望が殷の時とは違う斉の国を建ててもなにもおかしくはないのだ。当時の軍事基地のあった斉の領主を倒して建てた可能性も考えられる。

 他の方が書いている内容のように酒が無関係だったと解くのも難しいし、亀の文字の説明など結構ボロがでているように思われる。
 この時代に詳しい人なら紂王が暴君ではないという事は研究者達の成果によって理解しているだろうし、酒池肉林というのが、もしあったとしても決して悪逆な理由で行われたのではないと言うこともとっくの昔に発表されている。今更暴君ではないという見解をだされてもただ頷きだけで驚くことでもない。

 なぜ研究者が文献資料を頼るか、それは金文は甲骨文は限定的な内容の資料であり、占いによって見えることも多いが、何故そうなったなどの出来事が考古学などでは見えない場合が多いから、伝承を多く記述した文献資料が必要となるのだが、筆者の場合はそれを無視して強引に仮説を立ててるように見える。

また、P197の人方に対して勝利した利用の軍事力をそのまま周に向ければ防げるのかもよくわからない。著者は人方は遠征と語っている。勝利した結果は甲骨文の通りなので別に良いが、どの程度殷側に被害にでたのか甲骨文ではわからないし、軍をだすだけで後の時代でも一年分の国費を使用してしまうようなので、遠征によって国力が下がり、軍が疲弊し、士気が下がるというのは大いにありえる。まして拡大した周に対して遠征で疲弊し、軍事力が回復しきったかもわからない軍を送ればよいと考えるのもどうかと思われる。

 著者の説の通り前半期が人方で後半期が孟方の反乱であろうと、人方の遠征による負担が多かったため孟方が反乱したと考えることも可能であり、直接的な原因にはならないものの遠因になることは大いにありえる。殷が滅亡した原因にはならないとはとてもいえない。

 他の部分は文献資料に頼らざる終えないと著者自身が書いてはいるが、どうも偏っていて言葉通りのようには受け入れられない。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年8月12日に日本でレビュー済み
甲骨文字で書かれた古代中国の文章から、殷代の社会の姿を読み解いていく、という趣旨の本。
だが、同著者の前著である『甲骨文字の読み方』を読んだ人間にとっては、どうも同じような内容に思えてしまい、驚きや新鮮味などはかなり劣ってしまう。

もっとも、あの本は甲骨文字のしくみについて相当ディープに踏み込んだ本だから、より気軽に甲骨文字のことが知りたい、殷代の中国の姿をのぞいてみたい、という人には、こちらの本の方がお勧めということになるのだろう。

個人的に、むしろ興味深かったのは後半。
前半とはちょっと趣が異なり、『史記』などの文献資料にばかり頼って歴史を読み解こうとする歴史学者を痛烈に批判しつつ、甲骨文字という一次資料を使って著者が導き出した殷の系譜や殷滅亡の真実を説く、という内容になっている。

抑えた筆致ながら(いや、そうでもないか?)、考えの凝り固まった学者たちを批判しつつ持論を展開する様はなかなか興味深い。
正直、門外漢には何が正しいのかよくわからないというのが本音だが、限られた一次資料の点と点を結び合わせて、なるほどと思わせる仮説が立てられていく過程は、非常に興味深いものがある。

まさに、歴史研究の面白さを味わわせてくれる一冊だ。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年3月15日に日本でレビュー済み
いろんなことが書かれているが、本書で述べられていることは、まだ、落合説、という段階のはずだ。

なのに、著者は「白川静は間違っていた」と言い切っている。しかも、白川をかばって、「当時は、あまり資料がなかったので、白川が間違うのもやむを得ない。」と言っている。彼の中では、もう、「白川は絶対に間違っていた」ということになっているのだろう。

白川にも間違いはあっただろうと思う。しかし、落合説も、これから先、間違っていた、ということにもなりえるのだから、もう少し、執筆には謙虚な態度が必要だ。

17ページでは、著者は「ちなみに、日本で殷代政治史を継続したのは、初期の研究者を除けばごく少数であり、現在では私がただ一人という状況である」と書いている。本当なのだろうか? 本当に、この日本でたった一人なのだろうか? 他の研究者は、継続的に研究をしていないのだろうか? こんなセリフを言って、他の研究者たちの怒りを買わないのだろうか。私も研究者の端くれだが、こんなだいそれたことはとてもじゃないが言えない。「亀にはツメも尾もないのに、なぜ漢字に表したのだろうか。殷人は誤解している。」という書き方からみても、「自分が間違っているかもしれない」という可能性を考えることができない人物のようだ。よっぽど自分の研究に自信があるのだろう。その割には、自説の検証がおそまつだ。
20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、この本の何よりの価値は、白川静も含めた既存の大家たちをきちんと批判していることだ。批判というのは誹謗中傷とは違う。学問的な成果とユニークな発想を正当に評価した上で、科学的に問題点を指摘する、という、いわば学者として当たり前の行為だ。

ところが世の中はなかなかそうはいかない。白川静の説は、非常に大胆で独創的なことは認めるが、メディアはあたかもそれが定説として確立したかのように扱う。そして、批判を許さないような雰囲気が世間にまん延する。そんなことは白川氏も望んでいないだろう。

著者の前著「甲骨文字の読み方」は、大学一年生の教科書かと思うほど、まじめに一般読者に甲骨文字を読ませようという力みに満ちた一冊だったが、それゆえに少々かったるかった。本書は適度に力が抜けて、教養と知的好奇心を適度に刺激するつくりになっている。

殷代、周代の歴史に関する解釈に少々牽強付会なところは感じる。それから、日本語を愛する者さんが書いておられるとおり、生物としての亀への致命的な誤解は、早めに訂正されるべきだろう。とはいえ、最先端の学者が甲骨文字からどう歴史を読もうとしているか、ということが十分理解できる。中国古代史や古代文字学に興味がある人は、漢文や中国語の素養がなくても一読に値する本だと思う。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年12月29日に日本でレビュー済み
 あまり類書のない、甲骨文字の入門書。前半は甲骨文字について必要なことをかいつまんで解説し、その読み方や文法も見ていく。なかなかエキゾチックであるが、われわれの文字先祖でもある文字を読み解くのはスリリングでもある。
 後半はそれをもとに、殷代の社会や文化を見ていく。呪術や祭礼が重視されながらも、相当に行動な文化を誇った社会であったことがうかがわれる。特に興味深いのは王の系譜の成立についてや、紂王が暴君でなかったという点か。
 史記をはじめとする長年にわたる権威や、先行研究と闘ってきたという筆者の意気込みはあちこちに感じられるが、若気の至りによる点もまま見受けられる。ともあれ、研究の余地の大きい分野ではあるから、今後が楽しみである。