著者は博報堂から社会学者へ転身したという人物。広告や現代世相を専門にしているらしい。
本書は、ファッション誌を中心に一般誌を取り上げたもので、タイトルから想起されるような文芸誌や専門誌、趣味誌などは対象でない。
戦後、特に1980年代から現在までが対象。
著者は創刊号の収集を趣味としているそうで、創刊にまつわる秘話、出版上の手続きなど、かなりマニアックな話題も。
全体的には、無数の雑誌を並べていく手法で、『JJ』『女性自身』『PLAYBOY』『Cawaii!』『OUT』『egg』『an-an』『Gainer』など100誌ほどが取り上げられている。
グラビアに誰が出ているか、どんな特集が組まれているか、編集者は誰か、読者のターゲットはどのあたりか、雑誌同士の関係性と距離感といったあたりが分析されている。 そうした切り口はおもしろいのだが、むしろひたすらたくさん並べて概観するのが目的なようで、いささか消化不良な思いが残る。もう少しきちんと分析してほしかった。
また、編集者のコメントや思い出話の引用が多すぎるのもどうか。
表紙をメインに、大量の写真が使われているのは嬉しい。
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創刊の社会史 (ちくま新書 763) 新書 – 2009/1/1
難波 功士
(著)
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2009/1/1
- ISBN-104480064559
- ISBN-13978-4480064554
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2009/1/1)
- 発売日 : 2009/1/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 254ページ
- ISBN-10 : 4480064559
- ISBN-13 : 978-4480064554
- Amazon 売れ筋ランキング: - 628,530位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2016年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書では、若者向け(ほぼ女性向け)のライフスタイル誌・ファッション誌の発生を系統的に紹介している。女性誌内での姉誌・妹誌という縦方向の展開、男性誌における姉誌・妹誌あるいは女性誌における兄誌・弟誌という異種展開、さらにライバル誌の誕生など、さまざまな雑誌の進化過程がかなり網羅的に捉えられている。その解説にあたり、もちろん創刊号の紹介だけでなく、その雑誌が主としてどういう方向に展開していったのかも簡潔に抑えられている。アンアン以降、小悪魔agehaまでの当該ジャンルの展開をきわめて効率良く俯瞰できる内容になっている。
全体像を俯瞰することに重点が置かれているためか、個々の雑誌の分析はたしかに細かくはない。しかし、巻末に掲載されている参考文献一覧が充実しており、興味を持った箇所があれば、それに関連する文献を知ることができる。アンアン以降の女性誌を研究するには、じつに手頃なガイドブックとして使うこともできる。
この本の終盤はギャル誌とローティーン向け雑誌の盛り上がりが詳細に記述されている。とりわけ注目されていたのがeggと小悪魔agehaだった。しかし、これの雑誌の「その後」は承知のとおりで、それを知った時点で読むとどうしても違和感を禁じ得ない。もちろん雑誌の将来を予測しながら書くことなど不可能なので、著者に責任は一切ないが、読む側でそのあたりを差し引いておく必要があるだろう。
「おわりに」のところで、最も衝撃を受けた創刊号としてポップティーンを挙げていた。じつはわたし自身もまったくおなじだった。著者とは同学年なのだが、雑誌研究に対する関心もかなり重なっているのかもしれないと思った。
全体像を俯瞰することに重点が置かれているためか、個々の雑誌の分析はたしかに細かくはない。しかし、巻末に掲載されている参考文献一覧が充実しており、興味を持った箇所があれば、それに関連する文献を知ることができる。アンアン以降の女性誌を研究するには、じつに手頃なガイドブックとして使うこともできる。
この本の終盤はギャル誌とローティーン向け雑誌の盛り上がりが詳細に記述されている。とりわけ注目されていたのがeggと小悪魔agehaだった。しかし、これの雑誌の「その後」は承知のとおりで、それを知った時点で読むとどうしても違和感を禁じ得ない。もちろん雑誌の将来を予測しながら書くことなど不可能なので、著者に責任は一切ないが、読む側でそのあたりを差し引いておく必要があるだろう。
「おわりに」のところで、最も衝撃を受けた創刊号としてポップティーンを挙げていた。じつはわたし自身もまったくおなじだった。著者とは同学年なのだが、雑誌研究に対する関心もかなり重なっているのかもしれないと思った。
2009年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
オタク系の人が自分の趣味の中で書かれた本ですね。
購入時に、雑誌の時代背景になにがあり、なにが起きていたかをもっと知りたかったなーと感じています。
購入時に、雑誌の時代背景になにがあり、なにが起きていたかをもっと知りたかったなーと感じています。
2009年1月14日に日本でレビュー済み
『an・an』や『POPYEY』から最近のギャル(男)雑誌まで、戦後日本における主に若者のファッション・ライフスタイル誌の興亡戦を跡付けた作品である。各誌の創刊事情と当時の社会的な雰囲気を記述することに徹しているため、分析が弱いが、それでも、雑誌の想定読者の絞込み(マーケティング)が進化しまたその対象の若年化が進行していること、海外事情の紹介よりも国内の男女の「モテ」に熱意を注ぐ傾向が強いこと、総じて、若者雑誌が次第に個別分化し「雑」誌的でなくなってきていること(著者はこうした風潮を嘆く)、などが指摘され、それなりになるほど、と思った。創刊号の意気込みあふれる表紙や、登場する有名人や組まれる特集なども意外性があり興味深く(この雑誌にあの人が!あの雑誌でかつてこんな記事が!)、サブカルうんちくを学ぶのにも有益である。