本書は、著者が実際に世界各地で日本のアニメに関する講演会を開き、現地の若者と語り合った経験に基づくもの。その訪問地の多さはアニメ関係者の中でも群を抜いているのではないか。イタリア、スペイン、フランス、サウジアラビア、ミャンマー、ラオス等実に多種多様な場所で日本のアニメについて講演している。聴衆の反応(熱狂ぶり?)は、どの国でも著者の想像をはるかに超えており、著者はこれを驚きと喜びをもって語っている。
著者も指摘するとおり、海外でのアニメ普及はインターネットの違法ダウンロードによるものが多く、産業として成立するためには多くの課題が存在する。本書は著作権の問題については、「クリエイターへの敬意を育てる」ことにより解決が可能ではないかとしており、若干理想論であるように感じる。このほか「官」と「民」の役割についても触れているが、まだ研究途上の感があり、今後この部分はさらに膨らましてほしいと思う。
ただ、著作権等の課題は今後のこととして、まずは日本のアニメがいかに海外で受け入れられているのかを知っただけでも大きな収穫だった。来るべき時代の最初の道しるべになる本のような気がする。
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アニメ文化外交 (ちくま新書 782) 新書 – 2009/5/7
櫻井 孝昌
(著)
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- 本の長さ245ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2009/5/7
- ISBN-104480064877
- ISBN-13978-4480064875
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2009/5/7)
- 発売日 : 2009/5/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 245ページ
- ISBN-10 : 4480064877
- ISBN-13 : 978-4480064875
- Amazon 売れ筋ランキング: - 436,769位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,457位ちくま新書
- - 2,569位漫画・アニメ・BL(イラスト集・オフィシャルブック)
- - 116,851位文学・評論 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2024年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、日本のポップ・カルチャーの研究家として活躍された桜井孝昌氏が世界各地でアニメに関する講演を行った際の体験談を元に、世界のアニメ人気とそれを如何に外交に活かすかという思いを綴った著作である。
実は私はこの分野に疎く、漫画も読まなければアニメも観なかったのだが、たまたま外国人と接する機会が多い環境の中で、愈々アニメを見逃せなくなって来た…即ち、以前は、能や歌舞伎、浮世絵等の知識(然も簡単な)で十分に有難がられたのだが、いまやアニメを知らないと「外国人が話す国日本の話題に付いていけない」…いやいや日本のアニメ、恐るべし…という訳で、昨今では少しずつ「日本文化としてのアニメ」を勉強している。
そんな中で本書に出逢い「アニメの世界事情」を知る事が出来たと同時に、アニメ外交を一つの戦略として活用する事の可能性について考える機会を与えられたように思う。
さて、著者が講演を行ったのはヨーロッパではフランス、イタリア、スペイン、チェコ、ドイツ、アジアではミャンマー、カンボジア、ラオス、そして中東ではサウジアラビア等々、とにかく精力的に各地を回った事が判るが、取り分け驚かされるのは文化も価値観も宗教も全く違い、然も今でも外国文化に精通するには中々厳しい環境であろうと思われる国々の方達が、日本のアニメを求める、その熱量である…彼等は不自由な環境の中でも日本のアニメを捜し求め、日本語を勉強し、そして日本に憧れてくれているのだ。
そして、これは著者も指摘するように、嘗ての日本人は欧米に憧れ、ハリウッドの名作に親しみ、子供達にその素晴らしさを伝えて来たからこそ「欧米文化に価値を見出す世代」が生まれた訳だが、実はこれが今ではそのまま日本のアニメに置き換える事が出来る。
更には、アニメは嘗て「子供の為のもの」であったが、その概念を覆したのが日本のアニメだとも言えるとも言えるし、即ち、子供の頃に楽しんで「卒業」してしまうのではなく「親世代」になっても楽しめる構図が成立…成程、この流れを是非とも受け継いでいくべきであり、その為には日本のアニメも常にあらゆる世代に支持されるように発展して行かなくてはならないのは、最早「使命」とも言えよう。
因みに、本書では日本での「教育」にも注文をつけているが、現代では美術大学に既にアニメの学部が取り入れられているように確実に育っていると思われるのでクリア…これに対し、「官」という点については課題が残ろうか…勿論、本書で紹介している「オタク外交官」の山田氏の一例もあるものの、果たして日本の政治に関わる方達がアニメをどのように見ているかは疑問が残るし、こうした意味に於いては、本書でも指摘がある通り、韓国を少しは見習った方が良いのかもしれない。
韓国はもともと国内の市場がそれほど見込まれない事から、早い段階でK-POPを世界に売り出す戦略を取ったし、これはアニメについても同様であるようだ…その一方で、日本は単純に人気にあやかってアニメを利用しているだけで、真剣に外交政策に組み入れてはいないように感じるのは私だけだろうか…それには、私達が改めて「アニメ」を重要な「日本文化」として再認識する必要があるであろう。
尚、最後になるが、本書が上梓されたのは2009年とやや古かったので、最新情報をアップデートした著作はないのかと思って検索し、初めて著者が不幸な事故で既にお亡くなりになっているという事実を知った。
当時よりも更に日本のアニメ人気が世界を席巻している状況を著者にも知って貰いたかったと思うと同時に、今は亡き著者の思いは確実に受け継がれていますよ…と言ってあげたい気持ちになる…合掌。
実は私はこの分野に疎く、漫画も読まなければアニメも観なかったのだが、たまたま外国人と接する機会が多い環境の中で、愈々アニメを見逃せなくなって来た…即ち、以前は、能や歌舞伎、浮世絵等の知識(然も簡単な)で十分に有難がられたのだが、いまやアニメを知らないと「外国人が話す国日本の話題に付いていけない」…いやいや日本のアニメ、恐るべし…という訳で、昨今では少しずつ「日本文化としてのアニメ」を勉強している。
そんな中で本書に出逢い「アニメの世界事情」を知る事が出来たと同時に、アニメ外交を一つの戦略として活用する事の可能性について考える機会を与えられたように思う。
さて、著者が講演を行ったのはヨーロッパではフランス、イタリア、スペイン、チェコ、ドイツ、アジアではミャンマー、カンボジア、ラオス、そして中東ではサウジアラビア等々、とにかく精力的に各地を回った事が判るが、取り分け驚かされるのは文化も価値観も宗教も全く違い、然も今でも外国文化に精通するには中々厳しい環境であろうと思われる国々の方達が、日本のアニメを求める、その熱量である…彼等は不自由な環境の中でも日本のアニメを捜し求め、日本語を勉強し、そして日本に憧れてくれているのだ。
そして、これは著者も指摘するように、嘗ての日本人は欧米に憧れ、ハリウッドの名作に親しみ、子供達にその素晴らしさを伝えて来たからこそ「欧米文化に価値を見出す世代」が生まれた訳だが、実はこれが今ではそのまま日本のアニメに置き換える事が出来る。
更には、アニメは嘗て「子供の為のもの」であったが、その概念を覆したのが日本のアニメだとも言えるとも言えるし、即ち、子供の頃に楽しんで「卒業」してしまうのではなく「親世代」になっても楽しめる構図が成立…成程、この流れを是非とも受け継いでいくべきであり、その為には日本のアニメも常にあらゆる世代に支持されるように発展して行かなくてはならないのは、最早「使命」とも言えよう。
因みに、本書では日本での「教育」にも注文をつけているが、現代では美術大学に既にアニメの学部が取り入れられているように確実に育っていると思われるのでクリア…これに対し、「官」という点については課題が残ろうか…勿論、本書で紹介している「オタク外交官」の山田氏の一例もあるものの、果たして日本の政治に関わる方達がアニメをどのように見ているかは疑問が残るし、こうした意味に於いては、本書でも指摘がある通り、韓国を少しは見習った方が良いのかもしれない。
韓国はもともと国内の市場がそれほど見込まれない事から、早い段階でK-POPを世界に売り出す戦略を取ったし、これはアニメについても同様であるようだ…その一方で、日本は単純に人気にあやかってアニメを利用しているだけで、真剣に外交政策に組み入れてはいないように感じるのは私だけだろうか…それには、私達が改めて「アニメ」を重要な「日本文化」として再認識する必要があるであろう。
尚、最後になるが、本書が上梓されたのは2009年とやや古かったので、最新情報をアップデートした著作はないのかと思って検索し、初めて著者が不幸な事故で既にお亡くなりになっているという事実を知った。
当時よりも更に日本のアニメ人気が世界を席巻している状況を著者にも知って貰いたかったと思うと同時に、今は亡き著者の思いは確実に受け継がれていますよ…と言ってあげたい気持ちになる…合掌。
2010年2月28日に日本でレビュー済み
本書で、
著者はアニメに対して現在、世界中の若者が熱中しつつある状況を報告しています。
その背景には、インターネットの爆発的な普及により、
優れたコンテンツは一瞬で世界中で共有される環境があることが言われています。
なるほど。
サウジアラビア、ミャンマー、チェコ。。。
米国やフランスではなく、
文化的・情報的な障壁の高いと思われる国での、
アニメオタクの姿がビビッドに迫ってきます。
アニメの何が支持されているのか、
本書はそこまで論を深めていませんが、
ファッションとのコンビネーション、
自由で民主的な発想、
多様なストーリー、
高品質の作画、キャラクターの魅力などが複合的に絡まって、
こういう状況が出来つつあるようだということが分かります。
作者の各国での体験での感動が伝わってくる、
優れた新書だと思います。
お勧めです。
著者はアニメに対して現在、世界中の若者が熱中しつつある状況を報告しています。
その背景には、インターネットの爆発的な普及により、
優れたコンテンツは一瞬で世界中で共有される環境があることが言われています。
なるほど。
サウジアラビア、ミャンマー、チェコ。。。
米国やフランスではなく、
文化的・情報的な障壁の高いと思われる国での、
アニメオタクの姿がビビッドに迫ってきます。
アニメの何が支持されているのか、
本書はそこまで論を深めていませんが、
ファッションとのコンビネーション、
自由で民主的な発想、
多様なストーリー、
高品質の作画、キャラクターの魅力などが複合的に絡まって、
こういう状況が出来つつあるようだということが分かります。
作者の各国での体験での感動が伝わってくる、
優れた新書だと思います。
お勧めです。
2011年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界各国で日本のアニメほか文化についてどのような状況なのかの把握には、事実体験したことを平易な文章で記載してあり役立つ。
しかし、当該著者の書籍全般に言えることだが、特別な体験をした著者個人としての独自の見解、論理展開などはないに等しい。本当にあったことのそのまま書いたという感じ。本書を資料にして、自分なりに考えたい思考力豊かな方にとっては十分かもしれないが、著者の優れた思考、主義主張を本書購入の目的とする方は拍子抜けするかもしれない。
しかし、当該著者の書籍全般に言えることだが、特別な体験をした著者個人としての独自の見解、論理展開などはないに等しい。本当にあったことのそのまま書いたという感じ。本書を資料にして、自分なりに考えたい思考力豊かな方にとっては十分かもしれないが、著者の優れた思考、主義主張を本書購入の目的とする方は拍子抜けするかもしれない。
2012年5月10日に日本でレビュー済み
都内M大3年の者です。日本外交戦略をテーマとして研究している関連で読んだんですけど、今まで全くアニメやマンガに興味を持っていなかった私が、かなり興味深く読み進めることが出来ました。
ちなみに、具体的なエピソードや写真があってイメージしやすいです。
外交や、クール・ジャパン、ソフトパワーを勉強してる方は必読の書。アニメやマンガに興味がある方もない方も、両者にとって必読です。すなわち、アニメ・マンガの好き嫌いと、外交におけるアニメ文化の有用性は全く関係ないんです。勿論、アニメ・マンガが大好きである方も必読ですね。
ちなみに、具体的なエピソードや写真があってイメージしやすいです。
外交や、クール・ジャパン、ソフトパワーを勉強してる方は必読の書。アニメやマンガに興味がある方もない方も、両者にとって必読です。すなわち、アニメ・マンガの好き嫌いと、外交におけるアニメ文化の有用性は全く関係ないんです。勿論、アニメ・マンガが大好きである方も必読ですね。
2009年10月3日に日本でレビュー済み
欧米や東南アジア(ここでは、タイやシンガポールなど、一足早く発展し始めた国を指す)
に於ける和製アニメの勢いについては、既に類書で語られておりますし、一部は私自身も
現地のオタクショップを覗いたことがあるので、理解をしている「つもり」でした。
が、和製アニメは既に前述したような地域は飛び越えて、より多くの国に広がっていたの
です。ネットのおかげで(功罪については、本書でも著作権の問題と絡めて触れている)。
本書は前後編の二章立てと言っても問題無いでしょう。前半は、冒頭で挙げた国々に
加えて、中東(それもサウジだ)や東南アジア(ミャンマーやカンボジアといったASEAN諸国
でも後進地域だ)における、日本アニメの人気度について、著者が行った講演の様子と合わせ
述べられております。
(欧米と違い、近年和製アニメが浸透した国々は、ネットによる視聴なので、国民総人口から
みれば極一部なのでしょう)
後半は、ではこの優れたコンテンツを外交にどう生かせるか?という政策論(のようなもの)
になっております。後半部分は結局「日本を知ってもらおう」「日本好きを増やそう」「それ
にはアニメが使えるぞ」という風に、論としては少し弱い感を受けました。現在、行っている
ことは少なくても、今後どう生かすのか?という点は、逆に現場を知っている人だからこそ
机上の空論に終わらない物を提供出来るのでは?と考えるのです。
とは言え、海の向こうに出て行った和製アニメのホットな現状をコンパクトにまとめた
一冊だとは思います。どんなものが受け入れられているのか?とか、諸外国の若者が抱く
日本のイメージはどんなものか?なんてことを知りたい方には良いのでは、と思った次第
です。新書と言うことでサクサク読めますし、財布にも優しいですから。
に於ける和製アニメの勢いについては、既に類書で語られておりますし、一部は私自身も
現地のオタクショップを覗いたことがあるので、理解をしている「つもり」でした。
が、和製アニメは既に前述したような地域は飛び越えて、より多くの国に広がっていたの
です。ネットのおかげで(功罪については、本書でも著作権の問題と絡めて触れている)。
本書は前後編の二章立てと言っても問題無いでしょう。前半は、冒頭で挙げた国々に
加えて、中東(それもサウジだ)や東南アジア(ミャンマーやカンボジアといったASEAN諸国
でも後進地域だ)における、日本アニメの人気度について、著者が行った講演の様子と合わせ
述べられております。
(欧米と違い、近年和製アニメが浸透した国々は、ネットによる視聴なので、国民総人口から
みれば極一部なのでしょう)
後半は、ではこの優れたコンテンツを外交にどう生かせるか?という政策論(のようなもの)
になっております。後半部分は結局「日本を知ってもらおう」「日本好きを増やそう」「それ
にはアニメが使えるぞ」という風に、論としては少し弱い感を受けました。現在、行っている
ことは少なくても、今後どう生かすのか?という点は、逆に現場を知っている人だからこそ
机上の空論に終わらない物を提供出来るのでは?と考えるのです。
とは言え、海の向こうに出て行った和製アニメのホットな現状をコンパクトにまとめた
一冊だとは思います。どんなものが受け入れられているのか?とか、諸外国の若者が抱く
日本のイメージはどんなものか?なんてことを知りたい方には良いのでは、と思った次第
です。新書と言うことでサクサク読めますし、財布にも優しいですから。
2013年12月6日に日本でレビュー済み
タイトルからは「アニメという文化を使っての外交を考えた本」と考えがちですが、内容は全く違います。内容は、筆者が海外のどこどこで講演して、またはイベントに参加して、こんな日本文化(アニメ)のファンを見た、彼らと交流した、という話の羅列に過ぎません。政府による「文化産業参入」が伝えられる今、その最終目的である「外交」(または外貨取得?)についての討論を期待したのですが、拍子抜けでした。こちらと前後して、同年(2009年)に出版された「世界カワイイ革命」と同じように、海外でこういったアニメファンとの交流が無い日本人の読者向けに「こんなに人気がある」「注目されている」を繰り返しています。なんだか、「好きって言ってもらえるだけで嬉しい(喜ぶべきだ)」もしくは「これを(政治的、経済的に)利用しない手は無い」と言っているようで、読者自身が自国の文化に対して認識を深めたりする手だてにもならなそうだったし、いろいろな意味で残念でした。同著者の、「日本はアニメで再興する」も参考に読みましたが、ほとんど同じような内容でした。
巻末の山田彰氏へのインタビューにもあるように、「外交」とは「自国の安全保障の環境を良くする」(223)というのが究極目標の政治的活動だと思います。今までの「外交」を論じた上で、もしこういったアニメを通じての日本熱が事実だとしたら展開できる、パブリック・ディプロマシー(同じく山田氏によって「国民・世論に幅広く訴える」と定義されている 223ページ)とそれプラスの何かをフルに使った「新しい外交」を論じた本は無いものかなあと思います。
巻末の山田彰氏へのインタビューにもあるように、「外交」とは「自国の安全保障の環境を良くする」(223)というのが究極目標の政治的活動だと思います。今までの「外交」を論じた上で、もしこういったアニメを通じての日本熱が事実だとしたら展開できる、パブリック・ディプロマシー(同じく山田氏によって「国民・世論に幅広く訴える」と定義されている 223ページ)とそれプラスの何かをフルに使った「新しい外交」を論じた本は無いものかなあと思います。