本書の他、宮台真司のブログ「若い世代のコミュニケーション-その変化と処方箋-」など
を読んだりして得た知見や考えを以下に記します。
(A) (B)
母性原理 父性原理
農村型コミュニティ 都市型コミュニティ
同心円を広げてつながる 独立した個人としてつながる
集団内部の同質的結びつき 異集団間の異質な人の結びつき
安定・内・深化 成長・外・拡張
空間的解決 時間的解決
感情的安心 システム的安全
しきたり(暗黙的) マニュアル(形式的)
情緒的(非言語的) 規範的(言語的)
絆をもたらす 便利をもたらす
アナログ デジタル
(A)と(B)のバランスが大切。(A)があったから、(B)ができた。
(B)を強めるには(A)という土台がしっかりしていないとダメ。
(B)が支配的になりすぎると「孤独死、ひきこもり、自殺」などが増える。
時代の空気として求められているのは、(A)の方向を強めること。
今はバランスを欠いている状態であり、(A)への揺り戻し(スパイラルアップへの準備)
が来ている。
(A)を強めるには希薄化してしまった「感情や共感の拠り所となる普遍的な価値原理」
を再構築する必要がある。
こうした価値や感情の拠り所となる普遍的な“不動なるもの”や“変わらないもの”
を見つける(あるいは再構築する)には、逆説的ではあるが“動かす”“変えてみる”
ことが必要。
動かすことで、動かしていけないものが見えてくる。
変えてみることで、変わらないものが見えてくる。
安定するには、成長しなければならない。
深化するには、拡張しなければならない。
(A)強めるには(B)が必要。
しかも、(A)を強めるには、それを自分一人でなく他者と共有する(あるいは共同で
作り上げる)必要があり、“動かす”“変えてみる”を「共同体験」する必要がある。
それには、物理的な距離として近いこと、同じ空気を感じられること(空気感の共有)
が結構重要になるのではないか。
社会全体で一気に「感情や共感の拠り所となる価値原理」を構築するのは無理だが、
家族や家の周辺地域なら可能ではないか。
“動かす”“変えてみる”とは、少し違った文化を受け入れてみること。
例えば、従兄弟の子どもを居候させるとか、留学生の受け入れみたいなこと。
あるは、完全なる核家族から少し広げて、親世帯の近居に住んだり、
地域の人たちと交流を深めるみたいなこと。
“動かす”“変えてみる”といっても、仰々しく考えるのではなく、身近なリスクの
少ない異文化受け入れを積極的に行おうという感じ。
そうした共体験を通じて、家族のあるいは地域の絆が深まる。
家族や近所の人ときちんと挨拶する。それが第一歩(それだけじゃダメだけど)。
こうした知見を与えてくれた本書に心から感謝したい。
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コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来 (ちくま新書) (ちくま新書 800) 新書 – 2009/8/8
広井 良典
(著)
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第9回大佛次郎論壇賞受賞
「ポスト成長時代」の中心テーマ
高度成長を支えた古い共同体が崩れ、個人の社会的孤立が深刻化する日本。人々の「つながり」をいかに築き直すかが最大の課題だ。幸福な生の基盤を根っこから問う。
「ポスト成長時代」の中心テーマ
高度成長を支えた古い共同体が崩れ、個人の社会的孤立が深刻化する日本。人々の「つながり」をいかに築き直すかが最大の課題だ。幸福な生の基盤を根っこから問う。
- ISBN-104480065016
- ISBN-13978-4480065018
- 出版社筑摩書房
- 発売日2009/8/8
- 言語日本語
- 寸法10.9 x 1.5 x 17.4 cm
- 本の長さ292ページ
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登録情報
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- ISBN-10 : 4480065016
- ISBN-13 : 978-4480065018
- 寸法 : 10.9 x 1.5 x 17.4 cm
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年12月28日に日本でレビュー済み
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読みやすい!
2014年12月13日に日本でレビュー済み
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後半がよくわからない。
ま、著者は本当はそっちが専門分野なんですよね?
ま、著者は本当はそっちが専門分野なんですよね?
2011年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、コミュニティの再構築の意義を経済学的、社会学的見地から論じるものです。昔は当たり前に存在していたコミュニティが、工業化に端を発す「経済成長至上主義」の中で崩壊したものの、今後は経済成長の頭打ちと価値観の多様化の中で改めてコミュニティの構築が必要となる、というのが論旨です。「なぜコミュニティの構築が必要か」という点について丁寧かつ整理されて論じられている点は非常に評価できます。特に、「グローバル化・国・地域」と「市場・公・共」との相関をマトリックスで整理する手法は秀逸と感じました。この部分は一読の価値ありです。
一方で、後半は哲学的な議論に終始し、「では具体的にどのようにコミュニティを構築していくのか」という処方箋の部分が欠けている点には若干のもの足りなさを感じました。今後、本書の続編として「処方箋」の部分を深堀した書籍が出ることを期待したいと思います。
一方で、後半は哲学的な議論に終始し、「では具体的にどのようにコミュニティを構築していくのか」という処方箋の部分が欠けている点には若干のもの足りなさを感じました。今後、本書の続編として「処方箋」の部分を深堀した書籍が出ることを期待したいと思います。
2018年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この人の本は、私にとってとても魅力的なテーマの本が多いので、まとめ買いをしました。しかし、無理して読み進んでも、私の心に届かない。脳に届かない。全く引き込まれるパワーを感じられずじまいでした。
無理して、知識を詰め込んだ受験勉強を思い出した次第です。
無理して、知識を詰め込んだ受験勉強を思い出した次第です。
2012年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は都市政策・宗教・福祉政策・環境・公共政策・哲学まで
幅広く多角的な視点から「コミュニティに関すること」について
論じられており、学ぶところ大であります。
それらのすべての問題は「コミュニティを鍵として解決する」、
と私は読みました。
そうかな?
この本では「コミュニティは善きもの」と無意識のうちに仮定されています。
たぶん著者は実際の団体の運営に関わったことが無いのでしょう。
実際にはコミュニティが問題をさらにおかしくするんですけどね。
コミュニティはどうあるべきかを書かなければ片手落ちだよなあ、
と思いました。ごめんなさい。
幅広く多角的な視点から「コミュニティに関すること」について
論じられており、学ぶところ大であります。
それらのすべての問題は「コミュニティを鍵として解決する」、
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そうかな?
この本では「コミュニティは善きもの」と無意識のうちに仮定されています。
たぶん著者は実際の団体の運営に関わったことが無いのでしょう。
実際にはコミュニティが問題をさらにおかしくするんですけどね。
コミュニティはどうあるべきかを書かなければ片手落ちだよなあ、
と思いました。ごめんなさい。
2019年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても良い品でした
2010年2月2日に日本でレビュー済み
大佛次郎論壇賞受賞ということで買って読んでみました。
著者の本は初めてでしたが、期待以上に充実した内容でした。
全体は3部構成になっていますが、全体を貫く視点は一定です。
それは、「コミュニティはウチ向きとソト向きのバランスが大事」ということで、
この論点が、農村型/都市型、文化/文明、空間/時間、等々に変奏され、
土地の取り扱いの私有財か公共財かの国の歴史による違い、
医療へのアプローチの違い
百万年超に及ぶ時間スパンでの人類や産業の発展サイクルと絡ませての、
コミュニティ・人間の意義についての著者独自の見解など、
壮大なスケールで、コミュニティの原理的側面について、
読者に数多くの気づきを与えてくれます。
この本を読むまでは、「今後は、医療・介護ケアだ」と言われても、
少子高齢化だから、日本はやむなく手をつけざるを得ないという印象でしたが、
単に市場の要請というよりも、文明史的転換を背景にした歴史の必然であり、
しかも今後数十年というよりも、著者によれば400年単位レベルで続くような
動きであることに、自らの不明を恥じることになりました。
これほどの良書であるにも関わらず、レビューの数が少ないので書いてみました。
読みやすいが内容の薄い新書とは違い、間違いなくお勧めできる一冊です。
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しかも今後数十年というよりも、著者によれば400年単位レベルで続くような
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