本書は少子化問題について様々なことが書かれているが、まとまりが
悪く、著者の主張も見えにくい。あえて著者の意見を乱暴にまとめると
以下のとおり。
・女性はもともと多くの子どもを生むのを望んでいない。だから近年の
少子化現象は必然であり、良いことである。文句を言うべきでない。
・少子化現象は大人の立場、経済的側面から述べられるのみだが、
子供の立場に立った議論が必要である。
現在の日本の少子化に関する、目の前にある最大の問題は、不況の長期化
のため将来への不安から結婚や子供を望みながらも、躊躇している若者が
たくさんいることであると私は思うのだが、本書ではそのことには触れら
れていない。また子どもの立場にたった議論の重要性について、著者は
何度も強調していながら、その具体的な議論が全くない。
全体的にぼんやりとした内容で期待はずれ。
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それでも子どもは減っていく (ちくま新書 813) 新書 – 2009/11/1
本田 和子
(著)
- ISBN-104480065172
- ISBN-13978-4480065179
- 出版社筑摩書房
- 発売日2009/11/1
- 言語日本語
- 本の長さ232ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2009/11/1)
- 発売日 : 2009/11/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4480065172
- ISBN-13 : 978-4480065179
- Amazon 売れ筋ランキング: - 850,657位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2016年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レポートの課題図書で
本屋さんで探しても無くて
困っていたので助かりました
本屋さんで探しても無くて
困っていたので助かりました
2011年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
【基本情報】
著者: 本田和子(カズコでなくマスコと読む)
1931年生まれ
専攻: 児童学、児童文化論、児童社会史
(評者の推定としての)
【著者の立場】
「子どもの存在意義は、単に経済効用での
み計られるものではない」(p.228)
【内容】
・第一章
少子化を扱った本をいくつか紹介
・第二章
過去日本で起こった産児制限、たとえば間引きな
ど、が取り上げられる。
・第三章
平塚らいてう×与謝野晶子による論争が主に振り
返られる。母の保護と公的支援を望む平塚と、女
性の経済的自立が優先で、その裏付けなき子育て
は認められないとした与謝野
・第四・五章
近現代の児童史
【評者の感想】
本書の特徴は、女性・子どもに焦点をあてた点。
これは、日本の少子化対策に欠けている視点とし
て、最近指摘されつつあることでもある。
すなわち、従来の少子化対策は、多分に大人のた
めのものであったと捉え、これからは、子どもの
ため、子どもの利益といった視点からの議論が必
要、とする指摘だ。本書が有益だとすれば、その
指摘につながるからだ。
【未購入者へ】
(1990年頃からの)少子化をめぐる一連の議論を
ちょっと総括したいから購入するという目的の人
にはあまり薦められない。
(一応、本書でも議論の整理はされているが)分
量は少ないし、政策ごとの変容も詳しいとはいえ
ないからだ。ただ、第一章に限っては、ブックレ
ビューの形で参考になる点が少なくない。
そういう人にとって本書の難点は、第二章以降
だ。著者の研究蓄積と専門が十分うかがえる内容
ではあるのだが、まるで第一章と独立した読み物
であるかのようにさえ感じられるのだ(わざわざ
第一章を付して「少子化本」としての出版するた
め、体裁を整えたかのように、と邪推したくなる
くらい)。
こちらのほうが読みやすい。
増田雅暢 これでいいのか少子化対策―政策過程からみる今後の課題 (MINERVA福祉ライブラリー) (ミネルヴァ書房、2008)
著者: 本田和子(カズコでなくマスコと読む)
1931年生まれ
専攻: 児童学、児童文化論、児童社会史
(評者の推定としての)
【著者の立場】
「子どもの存在意義は、単に経済効用での
み計られるものではない」(p.228)
【内容】
・第一章
少子化を扱った本をいくつか紹介
・第二章
過去日本で起こった産児制限、たとえば間引きな
ど、が取り上げられる。
・第三章
平塚らいてう×与謝野晶子による論争が主に振り
返られる。母の保護と公的支援を望む平塚と、女
性の経済的自立が優先で、その裏付けなき子育て
は認められないとした与謝野
・第四・五章
近現代の児童史
【評者の感想】
本書の特徴は、女性・子どもに焦点をあてた点。
これは、日本の少子化対策に欠けている視点とし
て、最近指摘されつつあることでもある。
すなわち、従来の少子化対策は、多分に大人のた
めのものであったと捉え、これからは、子どもの
ため、子どもの利益といった視点からの議論が必
要、とする指摘だ。本書が有益だとすれば、その
指摘につながるからだ。
【未購入者へ】
(1990年頃からの)少子化をめぐる一連の議論を
ちょっと総括したいから購入するという目的の人
にはあまり薦められない。
(一応、本書でも議論の整理はされているが)分
量は少ないし、政策ごとの変容も詳しいとはいえ
ないからだ。ただ、第一章に限っては、ブックレ
ビューの形で参考になる点が少なくない。
そういう人にとって本書の難点は、第二章以降
だ。著者の研究蓄積と専門が十分うかがえる内容
ではあるのだが、まるで第一章と独立した読み物
であるかのようにさえ感じられるのだ(わざわざ
第一章を付して「少子化本」としての出版するた
め、体裁を整えたかのように、と邪推したくなる
くらい)。
こちらのほうが読みやすい。
増田雅暢 これでいいのか少子化対策―政策過程からみる今後の課題 (MINERVA福祉ライブラリー) (ミネルヴァ書房、2008)
2010年3月5日に日本でレビュー済み
女性を、「産む機能」としてだけ取り上げる政策。
子どもは、将来の前世代の生活を支えるべき年金制度を維持したり、前世代の構築した体制をそれなりに維持する、労働者=払税者として社会構成員の一員となるべく、均質化した優良な労働者としての育成を目的になされている学校教育。
これらを前提として、少子化問題とは、現在の経済的繁栄から転落して、税収の乏しい貧しい国家に成り変わり、弱体化の一途を辿る、また高齢化社会を支えられないとの視点からなされる多産奨励。
このような自民党政府の思惑から脱却(民主党政府がそれをなしえているとも言えないが)して、家内無賃労働ではなく、社会的労働者としての女性、個人の目的と意味、子どもという社会構成員としての存在意義、体制原理と拮抗する者としての存在意義、訪れる社会の形成者としてのパイオニア的責任も負う子どもとして捉え直し、歴史的背景や他国との比較なども含めて、少子化対策がどのような意味を持つのかを解説した書。
保育所の増設、育児休暇の整備、育児手当の増額といった少子化対策は、しばしば働く女性に偏向した政策であり、女性間格差の元凶とも批判されるが、これらは働く女性支援である事にまして、成長困難な時代を生きる子どものための支援であり、少子化解決に直結してはいなくとも、より良い社会を構築する為にも必要不可欠な政策である事にも言及し、出尽くした感のある少子化議論の書とは一線を画す、気付きの書でもある。
子どもは、将来の前世代の生活を支えるべき年金制度を維持したり、前世代の構築した体制をそれなりに維持する、労働者=払税者として社会構成員の一員となるべく、均質化した優良な労働者としての育成を目的になされている学校教育。
これらを前提として、少子化問題とは、現在の経済的繁栄から転落して、税収の乏しい貧しい国家に成り変わり、弱体化の一途を辿る、また高齢化社会を支えられないとの視点からなされる多産奨励。
このような自民党政府の思惑から脱却(民主党政府がそれをなしえているとも言えないが)して、家内無賃労働ではなく、社会的労働者としての女性、個人の目的と意味、子どもという社会構成員としての存在意義、体制原理と拮抗する者としての存在意義、訪れる社会の形成者としてのパイオニア的責任も負う子どもとして捉え直し、歴史的背景や他国との比較なども含めて、少子化対策がどのような意味を持つのかを解説した書。
保育所の増設、育児休暇の整備、育児手当の増額といった少子化対策は、しばしば働く女性に偏向した政策であり、女性間格差の元凶とも批判されるが、これらは働く女性支援である事にまして、成長困難な時代を生きる子どものための支援であり、少子化解決に直結してはいなくとも、より良い社会を構築する為にも必要不可欠な政策である事にも言及し、出尽くした感のある少子化議論の書とは一線を画す、気付きの書でもある。
2009年12月12日に日本でレビュー済み
先進国では、少子化対策によって出生率は若干上昇するが、人口維持の2以上に回復はしない。著者は、その原因を6つに整理する。(1)農業から工業への産業転換により、土地と結び付いた大量の労働力確保が不要化、(2)子供の高学歴・高費用化によって多数は持てない、(3)都市生活による職住の分離、(4)新しいコミュニケーション・ツールによる親子の価値観の分離、(5)通過儀礼がなくなり「成人」概念の流動化、(6)若者におけるエロスの衰弱。どれも大きな問題だが、政府の政策で変えられるようなレベルの話ではない。著者は、このような大きな歴史的傾向と社会の深部の変化を冷静に分析する。つまり、先進国では「人間の生き方」そのものが変わってきたのだ。我々は、少子化の必然性をきちんと理解し、それを前提に社会の制度設計をし直すことが必要である。これはけっして悲観すべきことではなく、適正人口のあり方は、特定の国単位ではなく、地球全体という視点から、はじめて言えることだからである。
2009年12月14日に日本でレビュー済み
スタンスがいい、視点もいい。スタンスとは歴史から学ぶ姿勢であり、当事者から発想する姿勢だ。そして視点とは、例えば目次に並んだ、「科学」される子ども、「学校の生徒」となる子ども、「数学」で計られる子ども、等の視座をさす。 それもそのはず、著者は児童社会史に通じた名うての学者。しかも、お茶の水女子大の学長をつとめた実践の人でもまたあるからだ。ちなみに前著『子どもが忌避される時代』(新曜社、単行本)も、その透徹した思考と確かな筆致に驚かされた。 ただ、本書後半部分の歯切れはよくない。主張が見えにくくなっている。 しかしそれでも、これが必読の書であることはさまたげない。見事に構造化された「目次」一つとっても、これが大勢の人のこの問題に対する大いなる思考の助けにきっとなるように思えるからだ。企業の人事をあずかる私も、もちろんその例外ではない。 それにしても教養の力おそるべし。ご年配の方の、鍛え抜かれた知性と達意の文章おそるべし。そんな醍醐味も意図せず味わえる一書になっている。