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階級都市: 格差が街を侵食する (ちくま新書 937) 新書 – 2011/12/1
橋本 健二
(著)
- ISBN-104480066365
- ISBN-13978-4480066367
- 出版社筑摩書房
- 発売日2011/12/1
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.3 x 17.6 cm
- 本の長さ270ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2011/12/1)
- 発売日 : 2011/12/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 270ページ
- ISBN-10 : 4480066365
- ISBN-13 : 978-4480066367
- 寸法 : 10.8 x 1.3 x 17.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 410,844位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちくま新書の全盛期と思われる頃の素晴らしいと同時に、凄みを感じさせる内容。東京23区に限定されているが、それがかえって問題の先鋭化を叙述において、興味深さと同時に達成させている。著者の深い学識と膨大なデータは、縦横無尽に駆使され、読む者を説得する。民俗学的な要素もあり、街歩きの一助ともなるが、この著者の視野、学識、先見の明とも称するべき、確かな論点は、今現在でも、むしろアクチュアルな輝くをもつ。必読。
2012年3月31日に日本でレビュー済み
著者はマルクス主義美的視点から、都市の中に階級差と階級闘争を持ち込み、都市の中心となる産業の変化から、そこに居住する人間の階級の変化を見ていく。
だが、ここで書いている変化については特に新しいわけでもなく、昔からある階級と居住地の関係をあまり示さず、また江戸所払になった人たちが住んでいた地域の話もなく(さすがにこれは名指しでは書きにくいが)、マルクス主義的階級闘争の話を持ち込むのには若干無理を感じる。
さらに労働者階級と資本家階級と書いているが、マルクスの時代の定義とこの本で書かれている定義には乖離があるように見える。単に低所得者層と高所得者層と書くべきで、富裕層が多い所と低所得者が多い地域間でのいざこざを社会階層とするのはいとしても階級闘争に持ち込むにはかなり強引さを感じる。純粋に都市社会学としてみるべきで、階級云々まではどうかと思う。
だが、ここで書いている変化については特に新しいわけでもなく、昔からある階級と居住地の関係をあまり示さず、また江戸所払になった人たちが住んでいた地域の話もなく(さすがにこれは名指しでは書きにくいが)、マルクス主義的階級闘争の話を持ち込むのには若干無理を感じる。
さらに労働者階級と資本家階級と書いているが、マルクスの時代の定義とこの本で書かれている定義には乖離があるように見える。単に低所得者層と高所得者層と書くべきで、富裕層が多い所と低所得者が多い地域間でのいざこざを社会階層とするのはいとしても階級闘争に持ち込むにはかなり強引さを感じる。純粋に都市社会学としてみるべきで、階級云々まではどうかと思う。
2012年3月17日に日本でレビュー済み
下町といえばまず頭に思い浮かぶのが寅さん、人情あふれる古き良き時代を想像させる。しかし、それは「男はつらいよ」が上映されて初めて流布したイメージであることを知った。
下町は
・関東大震災・東京大空襲・公害といった東京で起こった様々な問題で多大な被害をこうむっていたこと
・山の手と下町には確実に格差が存在し、その格差は拡大していること
など、「男はつらいよ」はわからない負の面を知ることができ、東京をまた違った見方でとらえられるようになった。
郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ) とは山の手と下町のとらえ方が明らかに違っていて、本書は壁があり交ることができない、 郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ) では自由に行き来できると書かれていて両方の書籍を読むことを進める。
話は飛ぶが、以前に 〓東(ぼくとう)綺譚 (岩波文庫) を読んだ。この書籍を読んで下町・山の手が少しわかったので、いっそうぼく東綺譚の世界を知ることができたことも収穫だった。
下町は
・関東大震災・東京大空襲・公害といった東京で起こった様々な問題で多大な被害をこうむっていたこと
・山の手と下町には確実に格差が存在し、その格差は拡大していること
など、「男はつらいよ」はわからない負の面を知ることができ、東京をまた違った見方でとらえられるようになった。
郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ) とは山の手と下町のとらえ方が明らかに違っていて、本書は壁があり交ることができない、 郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ) では自由に行き来できると書かれていて両方の書籍を読むことを進める。
話は飛ぶが、以前に 〓東(ぼくとう)綺譚 (岩波文庫) を読んだ。この書籍を読んで下町・山の手が少しわかったので、いっそうぼく東綺譚の世界を知ることができたことも収穫だった。
2020年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私たちは「観客席で観戦する」立場ではなく、その時代を作り上げていく立場にあるのだと、改めて感じさせられました。次の世代の方々への橋渡しとして、何ができるのか考えなおしてみたいと思います。
2016年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仕事や休日町をよく歩くが「階級都市を歩く」という体感コースが秀逸。
春日近辺の太陽のない街は知らなかった。あと成城や足立区の関連書も
軽く紹介されており題名のインパクトよりは気軽に読めた。今住んでるウオー
ターフロントの高層ビルは20m山の手理論なんかあるのか、とか自分の
出身札幌にも山の手があり歴史は違うが相似形かなとかよい新書でした。
統計的な議論や何とか理論はそんなに面白くはなかったが東京散歩の本
は多いがこちらは読みでがありました。
題名は少し疑問もあるが地理ベースで東京の真実を見せてくれる。
春日近辺の太陽のない街は知らなかった。あと成城や足立区の関連書も
軽く紹介されており題名のインパクトよりは気軽に読めた。今住んでるウオー
ターフロントの高層ビルは20m山の手理論なんかあるのか、とか自分の
出身札幌にも山の手があり歴史は違うが相似形かなとかよい新書でした。
統計的な議論や何とか理論はそんなに面白くはなかったが東京散歩の本
は多いがこちらは読みでがありました。
題名は少し疑問もあるが地理ベースで東京の真実を見せてくれる。
2018年8月5日に日本でレビュー済み
本書で著者は、既存の都市研究が都市の現象を叙述したものでしかなく、理論的に都市構造を明らかにしていと批判する。
本書はいくつかの都市構造を階級面から明らかにしようとする理論を紹介している。
しかし、本書公判で、筆者自身が東京の都市構造を明らかにしようとしているが、
その中身は単なる都市の散歩紀行にすぎず、東京という都市あるいは都市に共通する構造を説明できていない(しようとしていない)。
筆者自身自らが設定した問題に全く答えられていない。
本書はいくつかの都市構造を階級面から明らかにしようとする理論を紹介している。
しかし、本書公判で、筆者自身が東京の都市構造を明らかにしようとしているが、
その中身は単なる都市の散歩紀行にすぎず、東京という都市あるいは都市に共通する構造を説明できていない(しようとしていない)。
筆者自身自らが設定した問題に全く答えられていない。
2012年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終わって、ちょっとなつかしい感じがしました。
さまざまな統計データによって、日本の都市社会に生じた格差の現実を浮き彫りにする点では、最近よくある格差論のひとつといえます。しかし本書は格差社会の非人道性を告発することがテーマではない。第五章は「格差都市」東京の現状レポートなのですが、なかば著者自身の「食べ歩き」のエッセーとなっていて、気楽な読み物として読める。
80年代、「ぴあ」や「angle」などのタウン情報誌がはなやかだったころ、作家やエッセイストたちが、さかんにこのような記事を書いて雑誌に載せていました。あのころ日本は「総中流社会」とよばれ、階級対立が緩和されて、「山の手」、「下町」のちがいも、所属する階級の差ではなく、個人が趣味によって選択できる「ライフスタイル」の差異と認識されていました。著者と同年生まれの私も、東京の「街歩き」を楽しんだものです。
しかしこのような楽しみ方は日本の特殊事情によるところが大きい。外国では同じ都市の中でも高級住宅街とスラム街の間には厳然として見えない壁がある。新自由主義経済下で格差が拡大、固定化した最近は、その壁が顕在化し、低所得者を締め出すゲーテッドコミュニティという形態さえみられるようになった。所得格差が拡大してきた日本でも、同じ傾向が広まりつつある。
著者がもっとも批判するのはこの点です。格差を対立の原因にするのではなく、異なるものどうしが交流することで、新しい文化創造の活力とすることを提唱する。物々しい題名の割には、結論は穏健で、こういってはなんですが「微温的」なものでありました。
じつは、ここに根源的な問題があります。差異を「格差」と捉えるか、「多様性」と捉えるか。今日の格差社会の現実に対しては、80年代の趣味人的な多様性愛好者の精神が役に立たないのはあきらかで、もっと別な道を考える必要があるでしょう。
さまざまな統計データによって、日本の都市社会に生じた格差の現実を浮き彫りにする点では、最近よくある格差論のひとつといえます。しかし本書は格差社会の非人道性を告発することがテーマではない。第五章は「格差都市」東京の現状レポートなのですが、なかば著者自身の「食べ歩き」のエッセーとなっていて、気楽な読み物として読める。
80年代、「ぴあ」や「angle」などのタウン情報誌がはなやかだったころ、作家やエッセイストたちが、さかんにこのような記事を書いて雑誌に載せていました。あのころ日本は「総中流社会」とよばれ、階級対立が緩和されて、「山の手」、「下町」のちがいも、所属する階級の差ではなく、個人が趣味によって選択できる「ライフスタイル」の差異と認識されていました。著者と同年生まれの私も、東京の「街歩き」を楽しんだものです。
しかしこのような楽しみ方は日本の特殊事情によるところが大きい。外国では同じ都市の中でも高級住宅街とスラム街の間には厳然として見えない壁がある。新自由主義経済下で格差が拡大、固定化した最近は、その壁が顕在化し、低所得者を締め出すゲーテッドコミュニティという形態さえみられるようになった。所得格差が拡大してきた日本でも、同じ傾向が広まりつつある。
著者がもっとも批判するのはこの点です。格差を対立の原因にするのではなく、異なるものどうしが交流することで、新しい文化創造の活力とすることを提唱する。物々しい題名の割には、結論は穏健で、こういってはなんですが「微温的」なものでありました。
じつは、ここに根源的な問題があります。差異を「格差」と捉えるか、「多様性」と捉えるか。今日の格差社会の現実に対しては、80年代の趣味人的な多様性愛好者の精神が役に立たないのはあきらかで、もっと別な道を考える必要があるでしょう。