左派系メディアの朝日新聞の記者が書いたものであるが、意外なほど公平に日本会議について書いている。
今までの日本会議に関する著作は、菅野完の「日本会議の研究」に代表されるように、「日本会議は日本を戦前の軍国主義に戻そうとしている宗教右翼である」「国民は、安倍政権の背後にこんな危険な団体が暗躍していることを知らない」「だから安倍政権を支持している人たちも含め、日本人は目を覚まして安倍政権と日本会議の目論見を阻止しなければならない」という論調である。しかし、この著作は、著者の私情を挟まず、日本会議の成り立ちと思想と目的とを冷静に記述している。何も知らない人が読めば、「日本会議の言っていることが正しくて、左派リベラルは日本を滅ぼそうと考えている」と思うだろう。
「日本会議の研究」のレビューの数がやたらと多いのに、発売後ある程度経ったこの著作のレビューがまだないので、ある党派(左翼)が意図的に「日本会議の研究」を絶賛するレビューを集団で投稿しているのではないかと勘ぐってしまう。
皮肉にも、昨今の騒動で、日本会議の知名度が上がり、日本会議に入会したい人が増えているという(日本会議広島のホームページ)。左派は誤解しているようだが、今や日本の世論の7割は広い意味の保守であり、護憲リベラルは数パーセントの支持しか得られていない。小沢一郎の党が護憲リベラルになった途端に凋落したのを見ればわかる。最近の民進党の体たらくもそうだ。ただ、未だにテレビ新聞を左翼が牛耳っているため、テレビ新聞を見れば左翼的な考えが世論の主流と誤解してしまうのだ。
国民の7割が日本会議の考えと同一だとは思わないが、日本会議の思想の一部になら共鳴するという人は多いと思う。
そこを無視して、ひたすら日本会議と安倍政権を叩いても、国民に喧嘩を売っているのと等しく、支持は落ちるだけである。
著作と関係ないことを書いてしまったが、ともあれこの著作は日本の「真正保守」の考えをコンパクトにまとめている。そして、その考えが実務的に着々と成就していることを淡々と書いている。惜しむらくは、「本丸」である憲法改正への動きを詳しく書いていないことだ。
日本の「国体」を今の憲法の枠組み内で法律で肉付けし、教育基本法を改正し、憲法改正の道筋をつけた椛島有三と安倍晋三は、日本の歴史に残る存在だろう。
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ドキュメント 日本会議 (ちくま新書1253) 新書 – 2017/5/9
藤生 明
(著)
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国内最大の右派・保守運動とされる日本会議。改憲勢力の一角を占め、国政にも関与してきた。謎めくこの団体を徹底取材し実像に迫る!
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2017/5/9
- 寸法10.8 x 1.2 x 17.4 cm
- ISBN-104480069658
- ISBN-13978-4480069658
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2017/5/9)
- 発売日 : 2017/5/9
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4480069658
- ISBN-13 : 978-4480069658
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 429,433位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,425位ちくま新書
- - 3,748位社会一般関連書籍
- - 4,591位その他の思想・社会の本
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロッキード事件、真っ盛りころ、東京都内の各駅前では、抗議行動が多発して民衆に、その不当性を告発していた。その時、抗議を発信する人達
に、一人の男が大声を発しながら暴力を振るった、その後、真実が明らかになるにつれ、暴力規制法等の法律が制定され右翼はなりを潜めて民衆の前には表れなくなったと思ったが、形を変えた右翼の現状を知るにつけ戦慄を覚えざるをえない。
に、一人の男が大声を発しながら暴力を振るった、その後、真実が明らかになるにつれ、暴力規制法等の法律が制定され右翼はなりを潜めて民衆の前には表れなくなったと思ったが、形を変えた右翼の現状を知るにつけ戦慄を覚えざるをえない。
2018年7月30日に日本でレビュー済み
日本会議とは何だろう?と読んでみました。昔で言う「右翼」です。右翼も左翼も、原料が違うだけで、製法は同じ。自分の足で歩けない、自分の頭で考えられない。他人の力に寄生してそれを暴力(=快感)に変換する生物。「国を愛せないのなら、何で日本に住んでいるんですか?」というような気持ち悪い日本語を話します。
2023年4月22日に日本でレビュー済み
宅の主人が昨夏に買い求めた本をわたしも再度読みたくて2冊目を購入。あらためて日本会議とは何かについて深く考えさせられた。すべての国民に、そしてジャーナリストを志す中学生、高校生、大学生に読んでもらいたい一冊。わたしは著者とはちょっとした知り合いで、著者がまだAERA編集部の記者をしていたことの知り合いです。著者は後輩の面倒をよく見る、やさしくて面白い方でした。わたしもかわいがってもらいました。藤生明さん、お元気ですか? わたしは朝日新聞社内部でがんばります。甲斐さやか 拝
2017年10月9日に日本でレビュー済み
『ドキュメント 日本会議』(藤生明著、ちくま新書)には、興味深いことが書かれています。
民族派活動家から退いた評論家の鈴木邦男へのインタヴューが目を惹きます。「憲法についても、活動家のころは前文が日本語になっていない、九条に問題ありと、改憲を本気で訴えていた。今は、そうした改憲によって生じる反動のほうが、むしろ怖い気がする。占領軍は自国でできないことを実現しようと、情熱をもって日本国憲法をつくった。『その情熱が、いま改憲しようという人に果たしてあるのかな』。占領軍がつくった、日本人のものじゃないと批判をするが、ただ昔に戻りたいという理由ならば、改正する必要はないと鈴木は思うようになった」。
1997年、反創価学会の諸教団と自民党との間の「アンチ学会の空気が後押しする中、日本会議は結成された。現在、神社本庁、伊勢神宮、熱田神宮、靖国神社、明治神宮、黒住教、大和教団、延暦寺、念法眞教、佛所護念会教団、新生佛教教団、崇教真光、解脱会などの代表者らが日本会議の役員をつとめる。ところが、自民党のほうが上手だった。政権復帰後、徐々に公明党・創価学会に接近をはじめる。1999年に自民、自由、公明の自自公連立政権が発足。その後は民主党政権を除いて、公明党とともに政権与党であり続けている。村上(正邦)は渋い顔だ。『政権から出て行ってほしいと思うけれどね。日本会議と公明党が内閣の脇を固める形になっちゃってね』。とはいえ、それは引退した村上だから言えることだろう。多くの自民党議員にとって、『公明党・創価学会は自陣にとって最大の集票マシン、生命維持装置』という現実がある。・・・公明党関係者は『それで、安倍内閣の足を引っ張っている公明党には閣外に出ていってとかよく言えると思う。伝わらないとでも思っているのでしょうか』と牽制を忘れない。・・・ならば、日本会議、とりわけ、実務を担う日本協議会・日青協はどうか。機関誌を読み込むと、公明党に違和感を覚えている様子がよく分かる」。
椛島有三ら、生長の家脱会者が日本会議の中枢に多くいますが、現在の成長の家はこう宣言しています。「『成長の家は2016年6月9日、夏の参院選に対する教団の方針<与党とその候補者を支持しない』を発表しました。安倍政権は12年以来、立憲主義をないがしろにし、生長の家の信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです』と主張。次いで、『安倍政権に日本の政治を任せておくことの危険と問題を理解するには、立憲主義が西洋の近代民主主義のみならず、明治以降の天皇制の根幹をなす思想であることを知らねばなりません』と、立憲主義の重要性を訴えている。そのうえで、椛島ら日本会議の危険性についてこう述べる。『抑止力の必要性を強調する安倍政権に目立つのは中国・北朝鮮に対する強硬な姿勢です。それは右翼組織『日本会議』と一致しています。安倍政権がこのような団体の支持を得て抑止力を強調しているのであれば、自ら敵を作り出す危険性があります』。・・・リベラルな内容だ。・・・教団にとってみれば、椛島らはもはや交わりようのない、鬼っ子といった位置づけなのだろう」。
著者は、こう結論づけています。「私も、『安倍政権を陰で牛耳る』といった日本会議批判は過ぎた表現だと思う。ただ、日青協以来、運動は自らの組織を大きく見せ、多方面に強い影響力をもつ団体であるというイメージ拡散に軸足を置いてきた。数百万もの署名活動や地方議会決議、武道館一万人集会、傘下のさまざまな団体づくり・・・。実際、その演出に成功した。ところが、自分たちが注目され、批判を浴びると、小さなグループの寄せ集めにすぎないと弁明を始めた」。
民族派活動家から退いた評論家の鈴木邦男へのインタヴューが目を惹きます。「憲法についても、活動家のころは前文が日本語になっていない、九条に問題ありと、改憲を本気で訴えていた。今は、そうした改憲によって生じる反動のほうが、むしろ怖い気がする。占領軍は自国でできないことを実現しようと、情熱をもって日本国憲法をつくった。『その情熱が、いま改憲しようという人に果たしてあるのかな』。占領軍がつくった、日本人のものじゃないと批判をするが、ただ昔に戻りたいという理由ならば、改正する必要はないと鈴木は思うようになった」。
1997年、反創価学会の諸教団と自民党との間の「アンチ学会の空気が後押しする中、日本会議は結成された。現在、神社本庁、伊勢神宮、熱田神宮、靖国神社、明治神宮、黒住教、大和教団、延暦寺、念法眞教、佛所護念会教団、新生佛教教団、崇教真光、解脱会などの代表者らが日本会議の役員をつとめる。ところが、自民党のほうが上手だった。政権復帰後、徐々に公明党・創価学会に接近をはじめる。1999年に自民、自由、公明の自自公連立政権が発足。その後は民主党政権を除いて、公明党とともに政権与党であり続けている。村上(正邦)は渋い顔だ。『政権から出て行ってほしいと思うけれどね。日本会議と公明党が内閣の脇を固める形になっちゃってね』。とはいえ、それは引退した村上だから言えることだろう。多くの自民党議員にとって、『公明党・創価学会は自陣にとって最大の集票マシン、生命維持装置』という現実がある。・・・公明党関係者は『それで、安倍内閣の足を引っ張っている公明党には閣外に出ていってとかよく言えると思う。伝わらないとでも思っているのでしょうか』と牽制を忘れない。・・・ならば、日本会議、とりわけ、実務を担う日本協議会・日青協はどうか。機関誌を読み込むと、公明党に違和感を覚えている様子がよく分かる」。
椛島有三ら、生長の家脱会者が日本会議の中枢に多くいますが、現在の成長の家はこう宣言しています。「『成長の家は2016年6月9日、夏の参院選に対する教団の方針<与党とその候補者を支持しない』を発表しました。安倍政権は12年以来、立憲主義をないがしろにし、生長の家の信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです』と主張。次いで、『安倍政権に日本の政治を任せておくことの危険と問題を理解するには、立憲主義が西洋の近代民主主義のみならず、明治以降の天皇制の根幹をなす思想であることを知らねばなりません』と、立憲主義の重要性を訴えている。そのうえで、椛島ら日本会議の危険性についてこう述べる。『抑止力の必要性を強調する安倍政権に目立つのは中国・北朝鮮に対する強硬な姿勢です。それは右翼組織『日本会議』と一致しています。安倍政権がこのような団体の支持を得て抑止力を強調しているのであれば、自ら敵を作り出す危険性があります』。・・・リベラルな内容だ。・・・教団にとってみれば、椛島らはもはや交わりようのない、鬼っ子といった位置づけなのだろう」。
著者は、こう結論づけています。「私も、『安倍政権を陰で牛耳る』といった日本会議批判は過ぎた表現だと思う。ただ、日青協以来、運動は自らの組織を大きく見せ、多方面に強い影響力をもつ団体であるというイメージ拡散に軸足を置いてきた。数百万もの署名活動や地方議会決議、武道館一万人集会、傘下のさまざまな団体づくり・・・。実際、その演出に成功した。ところが、自分たちが注目され、批判を浴びると、小さなグループの寄せ集めにすぎないと弁明を始めた」。
2017年7月31日に日本でレビュー済み
この本は、いたずらに「日本会議=日本を陰で動かす闇の組織」という偏見を捨て、あくまでも客観的であろうと
する著作者の姿勢に好感が持てる。特に「地方から中央を包囲する」という彼等の影響力拡大のプロセスは、リベ
ラル派も大いに学ぶ余地があるのではないだろうか。何よりも評価するべきことは、この本の著者が朝日新聞の記
者であることだと思われる。何故ならば、日本会議と朝日新聞は水と油、犬猿の仲と言ってもいい関係だ。そのよ
うな新聞の記者がこれだけ客観的な本を書けるのだから。これが産経新聞が左派の本を書いたらきっと「反日勢力」
のレッテルを貼った主観的な文章になるに違いない。
する著作者の姿勢に好感が持てる。特に「地方から中央を包囲する」という彼等の影響力拡大のプロセスは、リベ
ラル派も大いに学ぶ余地があるのではないだろうか。何よりも評価するべきことは、この本の著者が朝日新聞の記
者であることだと思われる。何故ならば、日本会議と朝日新聞は水と油、犬猿の仲と言ってもいい関係だ。そのよ
うな新聞の記者がこれだけ客観的な本を書けるのだから。これが産経新聞が左派の本を書いたらきっと「反日勢力」
のレッテルを貼った主観的な文章になるに違いない。