コミュニティデザイナーで『社会福祉士』の山崎 亮さんと哲学者 国分功一郎さんの最新刊「僕らの社会主義」(ちくま新書)を読了しました。私も含めて第二次ベビーブーマーにとっては「社会主義」という言葉に対しては、「強い拒否感」があり、山崎さんが著作に関わってなければ、間違いなく手に取ってない部類のジャンルです(笑)
最後の部分で山崎さんが「社会主義的な考えの中には、参考になる言葉もあるし、共感できない言葉もある。それを主義化させてしまうとすべてを受け入れなけらばならなくなる。」ところに違和感を感じていること。「社会主義の中でもおいしそうだと思うところだけをつまみ食いしながら次の地域社会に繋げていきたい。」と述べています。
特にラスキン、モリス、オウエンの名前で知られているイギリスの初期社会主義、「楽しさを自給しながら、生活を美しく飾る、そんな素敵な構想を持った社会主義」について、民主主義、コミュニティ、豊かな生活を中心に語られていました。
十九世紀当時のイギリスは現代社会と同様に深刻な社会問題があった中で、生まれた思想に、現代社会を乗り切るうえで多くのヒントが隠されている。そんなお二人の強い主張と意気込みを感じられる一冊です。
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僕らの社会主義 (ちくま新書 1265) 新書 – 2017/7/5
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いま再びグランド・セオリーが必要とされているのではないか? マルクス主義とは別の「あったかもしれない社会主義」の可能性に…
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2017/7/5
- 寸法10.6 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104480069739
- ISBN-13978-4480069733
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イメージ付きのレビュー

5 星
【主義化させてしまうことへの違和感】
コミュニティデザイナーで『社会福祉士』の山崎 亮さんと哲学者 国分功一郎さんの最新刊「僕らの社会主義」(ちくま新書)を読了しました。私も含めて第二次ベビーブーマーにとっては「社会主義」という言葉に対しては、「強い拒否感」があり、山崎さんが著作に関わってなければ、間違いなく手に取ってない部類のジャンルです(笑) 最後の部分で山崎さんが「社会主義的な考えの中には、参考になる言葉もあるし、共感できない言葉もある。それを主義化させてしまうとすべてを受け入れなけらばならなくなる。」ところに違和感を感じていること。「社会主義の中でもおいしそうだと思うところだけをつまみ食いしながら次の地域社会に繋げていきたい。」と述べています。 特にラスキン、モリス、オウエンの名前で知られているイギリスの初期社会主義、「楽しさを自給しながら、生活を美しく飾る、そんな素敵な構想を持った社会主義」について、民主主義、コミュニティ、豊かな生活を中心に語られていました。 十九世紀当時のイギリスは現代社会と同様に深刻な社会問題があった中で、生まれた思想に、現代社会を乗り切るうえで多くのヒントが隠されている。そんなお二人の強い主張と意気込みを感じられる一冊です。
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2017年7月8日に日本でレビュー済み
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コミュニティデザイナーで『社会福祉士』の山崎 亮さんと哲学者 国分功一郎さんの最新刊「僕らの社会主義」(ちくま新書)を読了しました。私も含めて第二次ベビーブーマーにとっては「社会主義」という言葉に対しては、「強い拒否感」があり、山崎さんが著作に関わってなければ、間違いなく手に取ってない部類のジャンルです(笑)
最後の部分で山崎さんが「社会主義的な考えの中には、参考になる言葉もあるし、共感できない言葉もある。それを主義化させてしまうとすべてを受け入れなけらばならなくなる。」ところに違和感を感じていること。「社会主義の中でもおいしそうだと思うところだけをつまみ食いしながら次の地域社会に繋げていきたい。」と述べています。
特にラスキン、モリス、オウエンの名前で知られているイギリスの初期社会主義、「楽しさを自給しながら、生活を美しく飾る、そんな素敵な構想を持った社会主義」について、民主主義、コミュニティ、豊かな生活を中心に語られていました。
十九世紀当時のイギリスは現代社会と同様に深刻な社会問題があった中で、生まれた思想に、現代社会を乗り切るうえで多くのヒントが隠されている。そんなお二人の強い主張と意気込みを感じられる一冊です。
最後の部分で山崎さんが「社会主義的な考えの中には、参考になる言葉もあるし、共感できない言葉もある。それを主義化させてしまうとすべてを受け入れなけらばならなくなる。」ところに違和感を感じていること。「社会主義の中でもおいしそうだと思うところだけをつまみ食いしながら次の地域社会に繋げていきたい。」と述べています。
特にラスキン、モリス、オウエンの名前で知られているイギリスの初期社会主義、「楽しさを自給しながら、生活を美しく飾る、そんな素敵な構想を持った社会主義」について、民主主義、コミュニティ、豊かな生活を中心に語られていました。
十九世紀当時のイギリスは現代社会と同様に深刻な社会問題があった中で、生まれた思想に、現代社会を乗り切るうえで多くのヒントが隠されている。そんなお二人の強い主張と意気込みを感じられる一冊です。
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2021年8月12日に日本でレビュー済み
本書は、哲学分野を主軸とする國分さんと、地域社会デザインの山崎さんの対談形式になっており、専門家の会話を横で聞いている感がありますが、分かりやすく、文字が上滑りするようなことはありません。
社会主義とは何かといったところは、読者の既知の前提なので、そういった説明はありません。なので、タイトルと内容に違いがあるように思います。「美しい地域コミュニティーの哲学」みたいなタイトルの方が正しいような気がします。
「社会主義のつまみ食い」と言われていますが、今の日本の地域を考えない民主主義に反して、地域での対話を通したコミュニティデザインの話が主軸になっています。
お二人とも興味を保たれているウィリアム・モリスが、イギリスで発展しつつある機械生産に懸念を感じ、人々が手にするものは、生産者が楽しく作ったもので、美しいものでなければならないと主張したことは、現代の例えばファスト・ファッションのような後進国の搾取された人々によって作られた洋服を着ている人々が行き交う街が、人間らしさに欠けているような気がすることに通じる気がします。モリスは我が家のカーテンの柄にしていますが、芸術家以外に哲学者であったとは知りませんでした。
モリスが装飾の重要性を訴えていたという話がありますが、これも本書にあるように近代になって逆に排除されてきたもの。機能・効率が優先されて、交通手段、通信手段、建物、道具と全てが信じられないほどスピーディーになった。でも、そのスピーディーの恩恵による成果物はというと、今やモノが満ちあふれていて絶対的に必要なモノはない。モリスの言う、仕事自体を楽しくすれば人々の人生の質が上がるというのは、現代社会においてより当てはまるようになってきたと思います。
オットー・ワーグナーの「芸術は必要にのみ従う」という言葉は今にも強く生きていると思います。「機能美」や、今流行りの「ミニマル」という言葉で表されるように、機能上必要な最小条件まで削っていくことが美につながるという概念かと思います。日本の禅の様式美に近いので特に日本人は共感するのかもしれませんが、本書で語られているように、モダニズム以前の建物にあった装飾には、キーストーンの劣化がわかるような神の顔があったり日本の三猿のような普遍的叡智や地方の民話など、機能上の必要はないけれど精神上に意味があったわけで、もはや機能的に満たされた現代においては、精神上の意味づけを充実させる転換期になっているのではと思いました。
社会主義とは何かといったところは、読者の既知の前提なので、そういった説明はありません。なので、タイトルと内容に違いがあるように思います。「美しい地域コミュニティーの哲学」みたいなタイトルの方が正しいような気がします。
「社会主義のつまみ食い」と言われていますが、今の日本の地域を考えない民主主義に反して、地域での対話を通したコミュニティデザインの話が主軸になっています。
お二人とも興味を保たれているウィリアム・モリスが、イギリスで発展しつつある機械生産に懸念を感じ、人々が手にするものは、生産者が楽しく作ったもので、美しいものでなければならないと主張したことは、現代の例えばファスト・ファッションのような後進国の搾取された人々によって作られた洋服を着ている人々が行き交う街が、人間らしさに欠けているような気がすることに通じる気がします。モリスは我が家のカーテンの柄にしていますが、芸術家以外に哲学者であったとは知りませんでした。
モリスが装飾の重要性を訴えていたという話がありますが、これも本書にあるように近代になって逆に排除されてきたもの。機能・効率が優先されて、交通手段、通信手段、建物、道具と全てが信じられないほどスピーディーになった。でも、そのスピーディーの恩恵による成果物はというと、今やモノが満ちあふれていて絶対的に必要なモノはない。モリスの言う、仕事自体を楽しくすれば人々の人生の質が上がるというのは、現代社会においてより当てはまるようになってきたと思います。
オットー・ワーグナーの「芸術は必要にのみ従う」という言葉は今にも強く生きていると思います。「機能美」や、今流行りの「ミニマル」という言葉で表されるように、機能上必要な最小条件まで削っていくことが美につながるという概念かと思います。日本の禅の様式美に近いので特に日本人は共感するのかもしれませんが、本書で語られているように、モダニズム以前の建物にあった装飾には、キーストーンの劣化がわかるような神の顔があったり日本の三猿のような普遍的叡智や地方の民話など、機能上の必要はないけれど精神上に意味があったわけで、もはや機能的に満たされた現代においては、精神上の意味づけを充実させる転換期になっているのではと思いました。
2022年11月18日に日本でレビュー済み
國分さんの本が好きで手にとった。
山崎さんも面白い。
対話系の本は知り合いが増えるような感覚が良い
山崎さんの本も読んでみよう。
山崎さんも面白い。
対話系の本は知り合いが増えるような感覚が良い
山崎さんの本も読んでみよう。
2017年9月22日に日本でレビュー済み
社会主義と言えば、マルクス・レーニン主義を思い浮かべる。
しかし本書で取り上げられるのは、暴力を前提とする革命思想ではない。
オーエン、ラスキン、モリス、カーライル……初期の社会主義思想家である。
共産主義は失敗だったと、現時点では歴史が証明している。
エンゲルスは、オーエンらの初期の社会主義者を「空想的社会主義」と批判した。
しかし、本当にそうか……。
物質的豊かさより生活の楽しさを優先する生き方を提案・実践する場合、
本書の社会主義思想は大いに参考になると思う。いわば「マイルドな社会主義」と言えるだろうか。
共産主義か資本主義かという議論は、意味がないと私は思う。
本書に書かれていることは、たしかに「空想的」かもしれないが、今や二者択一の世の中ではない。
コンパクトにまとめられた良書である。
しかし本書で取り上げられるのは、暴力を前提とする革命思想ではない。
オーエン、ラスキン、モリス、カーライル……初期の社会主義思想家である。
共産主義は失敗だったと、現時点では歴史が証明している。
エンゲルスは、オーエンらの初期の社会主義者を「空想的社会主義」と批判した。
しかし、本当にそうか……。
物質的豊かさより生活の楽しさを優先する生き方を提案・実践する場合、
本書の社会主義思想は大いに参考になると思う。いわば「マイルドな社会主義」と言えるだろうか。
共産主義か資本主義かという議論は、意味がないと私は思う。
本書に書かれていることは、たしかに「空想的」かもしれないが、今や二者択一の世の中ではない。
コンパクトにまとめられた良書である。
2021年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同調しあってるだけで、なんら突っ込んだ展開なし。残念。
2017年7月27日に日本でレビュー済み
なかなか面白く読みました。
この本の中から印象に残った部分を拾い出してみます。
>楽しさ自給率
僕は現代の消費的な豊かさばかり求める風潮に疑問を持っていて、創造的な豊かさこそ必要だと考えてきましたが、この楽しさ自給率というのはとても近い概念に感じました。
>学者や知識人は格差がどうだとか言ってるけど、その言葉は実際に格差に苦しんでる人たちには全然届かない。またインテリはショッピングモールを嫌うけども、実はあのような空間でこそバリアフリーや人々が集える場所が実現されている。
現代のまちづくりや地域の政治に関わる人たちに欠けている視点があって、そこを鋭くついていると思います。
>雇われて働く人の数が少し多すぎやしないか。江戸時代までは93%の人たちが個人事業主として働いていた。
現代の歪みや閉塞感はまさに給料を貰って働く人の割合が多すぎることが元凶だと思う。
さて、僕が共感した部分だけ抜き出すとこの本は現代社会を痛烈に批判しまくってような印象を受けるかもしれないが、そんなことは全然なくて、終始穏やかに、これからの地域社会の在り方についての可能性が語られています。
欲を言えば、建築に興味がない、知らない人にとっては、馴染みのない人名がたくさん出て来てよくわからなくなってしまうというのはあった。でも、それを差し引いてもとても良い本でした。
この本の中から印象に残った部分を拾い出してみます。
>楽しさ自給率
僕は現代の消費的な豊かさばかり求める風潮に疑問を持っていて、創造的な豊かさこそ必要だと考えてきましたが、この楽しさ自給率というのはとても近い概念に感じました。
>学者や知識人は格差がどうだとか言ってるけど、その言葉は実際に格差に苦しんでる人たちには全然届かない。またインテリはショッピングモールを嫌うけども、実はあのような空間でこそバリアフリーや人々が集える場所が実現されている。
現代のまちづくりや地域の政治に関わる人たちに欠けている視点があって、そこを鋭くついていると思います。
>雇われて働く人の数が少し多すぎやしないか。江戸時代までは93%の人たちが個人事業主として働いていた。
現代の歪みや閉塞感はまさに給料を貰って働く人の割合が多すぎることが元凶だと思う。
さて、僕が共感した部分だけ抜き出すとこの本は現代社会を痛烈に批判しまくってような印象を受けるかもしれないが、そんなことは全然なくて、終始穏やかに、これからの地域社会の在り方についての可能性が語られています。
欲を言えば、建築に興味がない、知らない人にとっては、馴染みのない人名がたくさん出て来てよくわからなくなってしまうというのはあった。でも、それを差し引いてもとても良い本でした。
2019年4月18日に日本でレビュー済み
コミュニティデザイナーの山崎亮氏と哲学者國分功一郎氏の共著。19世紀イギリスの思想を建築の歴史とともに読み解き、現在の日本が抱える問題を考える大変興味深い本でした。
異色な二人の共通点は、失敗した社会主義者として語られるオウエンやモリス等の思想家に着目していること。言葉の固定観念に捕らわれず、柔軟に社会主義の有用な点を見直すべきではないかと二人は主張します。真に豊かな生活とは何かを考えさせられる中で、生活を美しく飾る、楽しく生きる力をつけるといった、すぐにも実践できそうなヒントもあり、読み物として面白いだけでなく勇気づけられる内容です。
異色な二人の共通点は、失敗した社会主義者として語られるオウエンやモリス等の思想家に着目していること。言葉の固定観念に捕らわれず、柔軟に社会主義の有用な点を見直すべきではないかと二人は主張します。真に豊かな生活とは何かを考えさせられる中で、生活を美しく飾る、楽しく生きる力をつけるといった、すぐにも実践できそうなヒントもあり、読み物として面白いだけでなく勇気づけられる内容です。
2017年8月8日に日本でレビュー済み
ともに40代前半の学者ふたりが、社会主義について熱く語りあっている。ただし、ふたりが語る社会主義は、エンゲルスが「空想的社会主義」とレッテルを貼って切りすてた、イギリスの初期社会主義思想です。ロバート・オーエン、トマス・カーライル、ジョン・ラスキン、ウィリアム・モリスなどの著作や行動が、くわしく、豊かに論じられる。
「社会主義=マルクス・レーニン主義」という等式は、ふたりにはまったくない。ふたりにとってマルクス・レーニン主義は「失敗した全体主義」、過去の遺物です。
ふたりとも、行動する学者、現実世界と密接にかかわって思索を深めるタイプの学者だ。國分は、東京都小平市の都道建設計画の見直しを問う住民投票に深くかかわり、地方自治、民主主義、住民参加などについて魅力的な提言をしてきた。山崎は「コミュニティデザイナー」として活躍し、人口減少に悩む地方自治体や集落でさまざまな実績をあげてきた。
民主主義、コミュニティ、まちづくり、楽しさの自給自足(楽しさ自給率)、社会主義のつまみぐいなど、自在に語っている立場も思考も用語も、これまでの「右派、左派」といった感覚とは完全に断絶している。
山崎が研究所の上司(経済学者・林敏彦)から言われたという「主義は病気だ」ということばが、対談全体を貫いている。「正しさの体系」への執着が、全体主義という牢獄をつくる。「日和をみながら」楽しく、面白く生きる方策を探り続けるーそれが、ふたりのいう「僕たちの社会主義」のようです。
若く、行動する学者の、エネルギーと希望に満ちた対話に、乾杯。
「社会主義=マルクス・レーニン主義」という等式は、ふたりにはまったくない。ふたりにとってマルクス・レーニン主義は「失敗した全体主義」、過去の遺物です。
ふたりとも、行動する学者、現実世界と密接にかかわって思索を深めるタイプの学者だ。國分は、東京都小平市の都道建設計画の見直しを問う住民投票に深くかかわり、地方自治、民主主義、住民参加などについて魅力的な提言をしてきた。山崎は「コミュニティデザイナー」として活躍し、人口減少に悩む地方自治体や集落でさまざまな実績をあげてきた。
民主主義、コミュニティ、まちづくり、楽しさの自給自足(楽しさ自給率)、社会主義のつまみぐいなど、自在に語っている立場も思考も用語も、これまでの「右派、左派」といった感覚とは完全に断絶している。
山崎が研究所の上司(経済学者・林敏彦)から言われたという「主義は病気だ」ということばが、対談全体を貫いている。「正しさの体系」への執着が、全体主義という牢獄をつくる。「日和をみながら」楽しく、面白く生きる方策を探り続けるーそれが、ふたりのいう「僕たちの社会主義」のようです。
若く、行動する学者の、エネルギーと希望に満ちた対話に、乾杯。