本書のテーマは、
「自分にしか書けないことを分かりやすく書く」ための技術を提供することで、
創造的な文章を書く方法として「断片」の重要性を全体にわたって説いている。
雑多なメモ、文章の断片が創作の源になるというのは、いろいろな作家が述べているし、
おぼろげに知っていたが、
この本を読んだことで、より具体的にその効果を感じることができた。
作例として示された学生らの文章の面白さが、その効果を如実に示している。
文章を書くということに関して、
どうもフォーマットというかフレームワークを意識しがちで、
窮屈なイメージがあってなかなか苦手意識があったが、
この本の説く方法論はシンプルで、自分にとってはストンと入ってくるものがあった。
簡単に言えば、思いついたことを素直に書き、
その文章の断片を拾い、組み合わせ、吟味し、編集し、修正する作業の繰り返し、ということになるのだが、
その作業自体が遊びに近くて実に楽しそうだし、
なにより意気込んで文章を書こうとしなくて済む分、必要とされるエネルギーが小さくハードルが低い。
その中で、いかに表層的な受け売りの文句や、単なる説明になりがちなところを排除し
コアな自分の感覚を抜き出せるか、ということに本書はポイントを置いている。
巷にある文章のノウハウ本は、多くはステップが多くて小難しいか、具体性ががないかで
自分はさらっと目次に目を通して買うのを止めてしまうこと多々だが、
本書はすらすら最後まで読めた。
細部に対する観察と、その表現の断片がなにより重要である、ということ、
書くことイコール考えること、などの言葉は、文章を書く以外の創作活動にも通じるエッセンスだと思う。
人間の創作活動は、乱暴に言えば、
対象を観察し、その結果生まれた何かしらの自分の反応を、
手足を動かしながら別のものに置き換えて表現すること、になると思うが、
この本で述べている「書く」作業を、他の創作活動のアクション、
例えば「描く」「形を作る」「企画する」とか置き換えると、なにかしら有用なヒントを得られるんじゃないかと思う。
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文章表現四〇〇字からのレッスン (ちくま学芸文庫 ウ 6-2) 文庫 – 2000/2/7
梅田 卓夫
(著)
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- ISBN-104480086129
- ISBN-13978-4480086129
- 出版社筑摩書房
- 発売日2000/2/7
- 言語日本語
- 本の長さ308ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2000/2/7)
- 発売日 : 2000/2/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 308ページ
- ISBN-10 : 4480086129
- ISBN-13 : 978-4480086129
- Amazon 売れ筋ランキング: - 119,526位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2013年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年3月1日に日本でレビュー済み
レポートや仕事の文章でも、あまりに単調な表現がつづくと読んで
いて退屈になる。「わかりやすく、自分にしか書けない」というフ
レーズに惹かれて手にとってみたが、私が求めているものとはちが
っていた。
本書が伝えるのは「創造的表現」だ。ステレオタイプやありきたり
の言い方に自分の言葉をはめてしまうことで表現の限界を作ったり、
書くことが「つらい」と感じるようになったりするのはもったいな
い。パターン化するのではなく、自分の思っていることをそのまま
書くことで、次第に自分にしか生み出せない言葉ができてくる。は
じめは「書くこと」がはっきりと決まっていなくてもいい。そうい
う状況で、あたえられた「題材」、もしくは漠然としたテーマにつ
いて筆をとるという時には、この本は役に立つかもしれない。
私がふだん書くものは「相手に一意にしか伝わらない」ことを目指
して書くような文書である。内容や文章の配列もほとんど決まって
いる状態で執筆がはじまる。そんな中でさらに「伝わりやすく」
「陳腐ではない」表現はどのようなものであるべきか、ということ
をいつも考えているが、本書はそうした要求に応えるものではない。
ポエムやショート・ショートをうまく書きたいと思う人にとっては
有用かもしれない。
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本書が伝えるのは「創造的表現」だ。ステレオタイプやありきたり
の言い方に自分の言葉をはめてしまうことで表現の限界を作ったり、
書くことが「つらい」と感じるようになったりするのはもったいな
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じめは「書くこと」がはっきりと決まっていなくてもいい。そうい
う状況で、あたえられた「題材」、もしくは漠然としたテーマにつ
いて筆をとるという時には、この本は役に立つかもしれない。
私がふだん書くものは「相手に一意にしか伝わらない」ことを目指
して書くような文書である。内容や文章の配列もほとんど決まって
いる状態で執筆がはじまる。そんな中でさらに「伝わりやすく」
「陳腐ではない」表現はどのようなものであるべきか、ということ
をいつも考えているが、本書はそうした要求に応えるものではない。
ポエムやショート・ショートをうまく書きたいと思う人にとっては
有用かもしれない。
2016年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
お店に行くと1000円で売っていたのでこの価格で買えて良かったです!
2016年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
素人の文章を取り上げて具体的で分かりやすい。文章や詩を書くのに実践に役に立つ。
2006年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように書く」
というのが、筆者の考える「よい文章」だという。
壮大なテーマ、わかりやすい受け売りの言葉から出発せず、
自分の内面から出てきた「ことばの断片」を礎として、
断片と断片を組み合わせて文章を組み立てていくことで、
「自分だけの文章」が出来る。
文章表現を自己表現の一手段として捉え、
文字通り「文章を楽しむ」ことを説いた本。
筆者は大学の講義を元に作成しており、
例文の大半は学生の作品。
そこに親近感を抱く一方、
こちらを引き込むような文章が多いのに驚く。
文章を書くことを通して、人は変われる。
そんな気を起こさせてくれた一冊だった。
というのが、筆者の考える「よい文章」だという。
壮大なテーマ、わかりやすい受け売りの言葉から出発せず、
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断片と断片を組み合わせて文章を組み立てていくことで、
「自分だけの文章」が出来る。
文章表現を自己表現の一手段として捉え、
文字通り「文章を楽しむ」ことを説いた本。
筆者は大学の講義を元に作成しており、
例文の大半は学生の作品。
そこに親近感を抱く一方、
こちらを引き込むような文章が多いのに驚く。
文章を書くことを通して、人は変われる。
そんな気を起こさせてくれた一冊だった。
2009年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んで興味深く、実践して(いくつか課題が載っています)楽しい。課題に応じた作品がいくつも載っていて、それがまたユニークで面白い。
あなたにしか書けないことを誰にでも分かるように書くという大切なことを、それこそ誰にでも分かるように教えてくれる。ただ、レポートや報告書を書くための付け焼刃としては役に立たないと思う。
読み物として、テキストとして、一冊で2通りに楽しめる本。
あなたにしか書けないことを誰にでも分かるように書くという大切なことを、それこそ誰にでも分かるように教えてくれる。ただ、レポートや報告書を書くための付け焼刃としては役に立たないと思う。
読み物として、テキストとして、一冊で2通りに楽しめる本。
2007年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が文章を書くと言えばここのレビューくらいなのだが、そこで一番注意しているのは、「いかに、レビューした商品の内容や実態及び、自分が感じたことを正確に伝えるか」である。
しかし、本書が目指しているのはあくまで「創造的表現」であり、エッセイやショートショートを書く人に有益な内容となっている。残念ながら、私にとって役立つ箇所はほとんど無い。
しかし、本書が目指しているのはあくまで「創造的表現」であり、エッセイやショートショートを書く人に有益な内容となっている。残念ながら、私にとって役立つ箇所はほとんど無い。
2010年8月31日に日本でレビュー済み
この本の中に、水の入ったコップについて文章を書くという奇妙な課題が紹介されています。水の入ったコップという何の変哲もないものを見て、自分にしか書けないことをどう見つけるのか。それには、水の入ったコップをとことん見つめて、精密にデッサンすることから始めよというのが著者のメッセージです。
水の入ったコップをそれぞれの仕事の前提となる公知の情報に置き換えれば、誰もが目にできる情報を見て、いかにして自分にしかできない創造的な仕事をするかという、日々、自分が直面している問題になります。自分の経験から私が見つけたその答は、「対象と向き合い、見つめ、徹底的に分析し、浮かんできたインスピレーションをアイディアにまとめ上げること」ですが、これも著者の言う精密なデッサンと同じ発想です。
文章表現という全く異なる分野を扱いながら、その背景にある哲学は同一でした。文章を書くことをとことん突き詰めて考えている著者の真摯な姿が見えてきます。
水の入ったコップをそれぞれの仕事の前提となる公知の情報に置き換えれば、誰もが目にできる情報を見て、いかにして自分にしかできない創造的な仕事をするかという、日々、自分が直面している問題になります。自分の経験から私が見つけたその答は、「対象と向き合い、見つめ、徹底的に分析し、浮かんできたインスピレーションをアイディアにまとめ上げること」ですが、これも著者の言う精密なデッサンと同じ発想です。
文章表現という全く異なる分野を扱いながら、その背景にある哲学は同一でした。文章を書くことをとことん突き詰めて考えている著者の真摯な姿が見えてきます。