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日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2005/7/6
網野 善彦
(著)
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30万部突破のロングセラー
若い読者も、学び直したい人も
歴史に夢中になれる本No.1
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この1冊で日本史の常識が覆った!
日本が農業中心社会だったというイメージはなぜ作られたのか。商工業者や芸能民はどうして賤視されるようになっていったのか。現代社会の祖型を形づくった、文明史的大転換期・中世。そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、多様な民族社会にたいする文字・資料の有りようなど、日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。ロングセラーを続編とあわせて文庫化。
網野さんの本を読まずに歴史小説は書けない。
──北方謙三
武士と農民ばかりが目立つ教科書的なイメージの背後に広がる多様で豊かな中世像に読者は魅了されることだろう。
その歴史観は宮崎駿の『もののけ姫』などのフィクションにも大きな影響を与えた。中世社会の全体像をつかむのにどの本から読めばいいか迷っている方にお薦めしたい。
── 呉座勇一
「われわれが今後の国際社会で生きていくため、その中でほんとうになすべき使命を果 たしていくためには、日本の社会について正確な理解を持ち、自らについて正確な認識 を持っていなくてはなりません。そうでないと、伸ばすべきものをつぶし、無駄なエネル ギーを使い、とんでもないところに日本人がいってしまう危険があると思うのです。そのような意味で、現在ほど歴史を勉強することが大切な意味を持っている時代はなく、また歴史学の担う責任の大きい時代はないといってもよいと思います。」( 本文より)
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日本が農業中心社会だったというイメージはなぜ作られたのか。商工業者や芸能民はどうして賤視されるようになっていったのか。現代社会の祖型を形づくった、文明史的大転換期・中世。そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、多様な民族社会にたいする文字・資料の有りようなど、日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。ロングセラーを続編とあわせて文庫化。
網野さんの本を読まずに歴史小説は書けない。
──北方謙三
武士と農民ばかりが目立つ教科書的なイメージの背後に広がる多様で豊かな中世像に読者は魅了されることだろう。
その歴史観は宮崎駿の『もののけ姫』などのフィクションにも大きな影響を与えた。中世社会の全体像をつかむのにどの本から読めばいいか迷っている方にお薦めしたい。
── 呉座勇一
「われわれが今後の国際社会で生きていくため、その中でほんとうになすべき使命を果 たしていくためには、日本の社会について正確な理解を持ち、自らについて正確な認識 を持っていなくてはなりません。そうでないと、伸ばすべきものをつぶし、無駄なエネル ギーを使い、とんでもないところに日本人がいってしまう危険があると思うのです。そのような意味で、現在ほど歴史を勉強することが大切な意味を持っている時代はなく、また歴史学の担う責任の大きい時代はないといってもよいと思います。」( 本文より)
- ISBN-104480089292
- ISBN-13978-4480089298
- 出版社筑摩書房
- 発売日2005/7/6
- 言語日本語
- 本の長さ409ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2005/7/6)
- 発売日 : 2005/7/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 409ページ
- ISBN-10 : 4480089292
- ISBN-13 : 978-4480089298
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月18日に日本でレビュー済み
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この本は部落問題を学ぶ者にとって大切な「日本の歴史」である。賤民史(部落史)がわかりやすい。必読!
2023年11月1日に日本でレビュー済み
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本書にはさまざまな論点がある。その中で時宗に興味が湧いた。一遍の踊り念仏である。人間の生のエネルギーを宗教的に表現するものだろうか。儒教化された行儀正しい世界では、異様に見えたことだろう。タイムスリップして、踊念仏の現場を見たいものである。
2024年3月29日に日本でレビュー済み
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なかなか興味深い内容。日本人の原点が理解できた。
2011年7月15日に日本でレビュー済み
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所謂"網野史観"を打ち立てたとものとして知られる書。本書には正・続編双方が収められているが、正編は読者を学生(聴衆)に見立てて、講義口調で語られている。実際に一部は講義で使われた物かもしれない。
長い考察が続いて一向に著者の意図が見えないまま正編の最後まで進むと、以下の様な骨子らしい。日本語の構成要素(かな、カナ、漢字)の分野別の使用頻度や識字率、女性の地位、社会のある層の人々に対する評価、交易(社会経済)のあり方、日本における天皇のあり方等が主に神仏との係わりの中で14世紀(南北朝分裂の事 ?)を境に急激に変化した。現代はその14世紀と匹敵する激動の時代であり、若者には天皇制を中心としてこれからの社会の仕組みを考えて欲しい。
これだけの事を言うには胡乱な構成(良く言えば聴衆に考えさせる構成)である上に、以下の不満を覚えた。
(1) 著者の言う14世紀に何故急激な変遷が起こったのか全く説明されていない。
(2) 「***は重要な問題と考えられる」とか「***は大きな影響を与えたと考えられる」とかの言い放ちの表現が多く、「何がどう重要で、それが後世に如何に影響を与えたか」の説明がない。
これも聴衆に考えさせるとの趣向なのか ? だが、これらの議論を欠いたままでは"新史観"とは呼べまい。むしろ、続編の方に見所がある。冒頭から農本主義偏重の歴史観を否定し、縄文時代から塩や黒曜石を中心とした"商業"が成立していたとの論は潔い。この時代に関しては素人との断りがあるが、縄文・弥生・古墳時代の論考は秀逸に映った。そして、関東以北や九州以南にも焦点を当て、海上ネットワークを介した東アジア全体との係わりの中で、都市型・重商主義的社会像を描いている辺りは"新史観"と呼ぶに相応しい。上記の(2)の欠点も殆ど見られない。ただし、農業に関しては余りにもバラ色過ぎる感が否めないし、結局"14世紀の境目"とは何だったか最後まで説明されない点にも不満が残る。
東アジアにおける日本の今後のあり方の参考という意味で一読の価値はあると思ったが、正編は削るか、1/4程度に圧縮した方がよりスッキリした論考になると思った。
長い考察が続いて一向に著者の意図が見えないまま正編の最後まで進むと、以下の様な骨子らしい。日本語の構成要素(かな、カナ、漢字)の分野別の使用頻度や識字率、女性の地位、社会のある層の人々に対する評価、交易(社会経済)のあり方、日本における天皇のあり方等が主に神仏との係わりの中で14世紀(南北朝分裂の事 ?)を境に急激に変化した。現代はその14世紀と匹敵する激動の時代であり、若者には天皇制を中心としてこれからの社会の仕組みを考えて欲しい。
これだけの事を言うには胡乱な構成(良く言えば聴衆に考えさせる構成)である上に、以下の不満を覚えた。
(1) 著者の言う14世紀に何故急激な変遷が起こったのか全く説明されていない。
(2) 「***は重要な問題と考えられる」とか「***は大きな影響を与えたと考えられる」とかの言い放ちの表現が多く、「何がどう重要で、それが後世に如何に影響を与えたか」の説明がない。
これも聴衆に考えさせるとの趣向なのか ? だが、これらの議論を欠いたままでは"新史観"とは呼べまい。むしろ、続編の方に見所がある。冒頭から農本主義偏重の歴史観を否定し、縄文時代から塩や黒曜石を中心とした"商業"が成立していたとの論は潔い。この時代に関しては素人との断りがあるが、縄文・弥生・古墳時代の論考は秀逸に映った。そして、関東以北や九州以南にも焦点を当て、海上ネットワークを介した東アジア全体との係わりの中で、都市型・重商主義的社会像を描いている辺りは"新史観"と呼ぶに相応しい。上記の(2)の欠点も殆ど見られない。ただし、農業に関しては余りにもバラ色過ぎる感が否めないし、結局"14世紀の境目"とは何だったか最後まで説明されない点にも不満が残る。
東アジアにおける日本の今後のあり方の参考という意味で一読の価値はあると思ったが、正編は削るか、1/4程度に圧縮した方がよりスッキリした論考になると思った。
2023年1月28日に日本でレビュー済み
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支配者側からみた歴史が主流だと思いますが、中世日本社会のいわゆる庶民の生活や風習が行き行きと描かれています。一番なるほどねと思ったのは「百姓」という言葉は農民だけをさす言葉ではないということ。いわゆる普通の人を指すということでした。奥能登の輪島の農民は大規模な廻船貿易をやって利益を稼いでいたのですが、身分は水呑み百姓で石高を持たない豊かな自営業者のような人もいたということです。よく考えてみると畑を耕す人。農機具を作る鍛冶屋 生産物の成果を計算する人 売りさばく人がいないと生計は成り立たないので、今の時代とそこは変わらないのかなと思いました。
その他荘園 悪党 海賊と商人 金融業者について等この時代の生活の実態に関心を持っている人は肯定 否定を問わず読破されても決して損はないと思います
その他荘園 悪党 海賊と商人 金融業者について等この時代の生活の実態に関心を持っている人は肯定 否定を問わず読破されても決して損はないと思います
2023年1月4日に日本でレビュー済み
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通説に疑問を持ち、何が日本社会の姿か、きちんと見定めないと日本はとんでもない方向に行く。その通りだと思います。
2022年4月28日に日本でレビュー済み
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30年前の本だが、自分の中では新しい日本史。
教科書が変わるのには時間がかかるとはいえ、百姓=農民のような認識はかなり根深いと思われる。
ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」とか好きな人は面白く読めると思う。
教科書が変わるのには時間がかかるとはいえ、百姓=農民のような認識はかなり根深いと思われる。
ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」とか好きな人は面白く読めると思う。
2019年6月2日に日本でレビュー済み
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いわゆる史実を並べた一般の歴史書とは異なり、日本という国や日本人が、どのような過程を経て今の姿になったかを教えてくれる貴重な著作と言える。
日本および日本人の成り立ちを知る上で、特に重要と感じた項目を、以下に列挙する。
1) 日本では、南北朝の動乱後、14世紀に始まった室町時代を境として、以下のような大きな変化が生まれた。
a) 現存する日本の村の約4分の3は、室町時代を起点にしている。
b) 女流文学が活性化していたのは、14世紀まで。
c) 13世紀後半から14世紀にかけて、金属貨幣が本格的に流通し始める。
d) 神仏とのつながりによって、特別の身分とみなされていた職人も、南北朝の動乱を経て、15世紀になると守護大名のような世俗的な権力を頼るようになった。
2) 差別について
もともと縄文時代のころは、生きること自体が大変なことであり、人を差別するという感覚は存在しなかった。
8世紀の奈良時代になると、国家が政策として苦境に陥った人々を救済する組織をつくるが、9世紀の終わりごろ(平安時代)には、財政的に困難となる。
ただし、鎌倉後期(13~14世紀)になると、非人・放免・牛飼などと呼ばれて区別されていた人々は、ケガレとして排除しようとする風潮の一方で、自然・動物・子ども・処刑・葬送・楽器・刀・鎧など、当時神聖とみなされていた対象にたいして特異な力をもっている人々としてもとらえられており、この両者がせめぎあっていた。
しかし、14世紀(室町時代)以降、社会が徐々に文明化されてくると、ケガレとしての差別の感覚がより強くなり、さらに江戸時代(17世紀)になると、ますますその風潮が定着する。
3) 天皇制について
天皇制は、「日本」という国号とともに、律令制度が確立した天武・持統のときに始まった。従って、天皇は、種々の決定にあたり律令制にもとづいて太政官の承諾を必要とし、太政官とは常に緊張関係にあった。
その後、天皇制は、鎌倉・室町時代と織田信長の時代に、危機を迎える。特に、後醍醐天皇は権力の回復を試みて、鎌倉幕府を滅亡に導いたが、室町時代には、足利氏と対立し、南朝を樹立することになった。その後、義満の時代に南北朝は統一されたが、いまの天皇制も起源は北朝であるにもかかわらず、南朝を正統としている。
4) 縄文時代・弥生時代
日本は、縄文時代・弥生時代を起源として固有の文化が形成されたと考えられがちだが、当時の日本の地形は現在と大きく異なっており、すでに大陸から数十万から百万人以上の人々が渡来していた。また、当初は、縄文時代は狩猟、弥生時代は農耕中心の時代と考えられてきたが、最近の研究では、縄文時代には、すでに畑作や稲作がはじまっており、縄文文化と弥生文化が共存していた時期もかなり長期間つづいていたことがわかっている。
日本および日本人の成り立ちを知る上で、特に重要と感じた項目を、以下に列挙する。
1) 日本では、南北朝の動乱後、14世紀に始まった室町時代を境として、以下のような大きな変化が生まれた。
a) 現存する日本の村の約4分の3は、室町時代を起点にしている。
b) 女流文学が活性化していたのは、14世紀まで。
c) 13世紀後半から14世紀にかけて、金属貨幣が本格的に流通し始める。
d) 神仏とのつながりによって、特別の身分とみなされていた職人も、南北朝の動乱を経て、15世紀になると守護大名のような世俗的な権力を頼るようになった。
2) 差別について
もともと縄文時代のころは、生きること自体が大変なことであり、人を差別するという感覚は存在しなかった。
8世紀の奈良時代になると、国家が政策として苦境に陥った人々を救済する組織をつくるが、9世紀の終わりごろ(平安時代)には、財政的に困難となる。
ただし、鎌倉後期(13~14世紀)になると、非人・放免・牛飼などと呼ばれて区別されていた人々は、ケガレとして排除しようとする風潮の一方で、自然・動物・子ども・処刑・葬送・楽器・刀・鎧など、当時神聖とみなされていた対象にたいして特異な力をもっている人々としてもとらえられており、この両者がせめぎあっていた。
しかし、14世紀(室町時代)以降、社会が徐々に文明化されてくると、ケガレとしての差別の感覚がより強くなり、さらに江戸時代(17世紀)になると、ますますその風潮が定着する。
3) 天皇制について
天皇制は、「日本」という国号とともに、律令制度が確立した天武・持統のときに始まった。従って、天皇は、種々の決定にあたり律令制にもとづいて太政官の承諾を必要とし、太政官とは常に緊張関係にあった。
その後、天皇制は、鎌倉・室町時代と織田信長の時代に、危機を迎える。特に、後醍醐天皇は権力の回復を試みて、鎌倉幕府を滅亡に導いたが、室町時代には、足利氏と対立し、南朝を樹立することになった。その後、義満の時代に南北朝は統一されたが、いまの天皇制も起源は北朝であるにもかかわらず、南朝を正統としている。
4) 縄文時代・弥生時代
日本は、縄文時代・弥生時代を起源として固有の文化が形成されたと考えられがちだが、当時の日本の地形は現在と大きく異なっており、すでに大陸から数十万から百万人以上の人々が渡来していた。また、当初は、縄文時代は狩猟、弥生時代は農耕中心の時代と考えられてきたが、最近の研究では、縄文時代には、すでに畑作や稲作がはじまっており、縄文文化と弥生文化が共存していた時期もかなり長期間つづいていたことがわかっている。