山下氏の『論理学史』は論理学入門書として画期的だったが、その中で参考文献として巻末に挙げられていたのがこの同著者による『思想の中の数学的構造』だった。
長らく入手困難だったのが文庫として入手可能になったことは喜ばしい。
論理学の初心者には『論理学史』を無条件に薦めるが、『プルードン研究』(1974、岩波書店)の執筆者の一人だった山下氏は、『〜の数学的構造』のなかでも比例的思考を批判した一人としてプルードンを挙げているのが興味深い。
シュンペーターの評価(『経済分析の歴史』3)の評価とは違って、充分近代的だと山下氏は述べている。
ライプニッツと華厳経が相似だと言う説は『東洋の合理思想』(講談社現代新書)等にもあった説だが、こちらの方が図が多くわかりやすいかもしれない
レヴィ=ストロースの構造主義などもこれほどコンパクトに数学的に説明した本は他にないだろう。
全体に抽象度が高いが、歴史的変遷をたどっているのでわかりやすい。
ゲーデル以前を扱うがその論理学自体の歴史性を問う姿勢は十分ゲーデル以降の研究態度だ。
副読本とは言えないくらい高度の充実度を持った本書ではあるが、『
論理学史
』との併読をお勧めする。
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思想の中の数学的構造 (ちくま学芸文庫 ヤ 15-1 Math&Science) 文庫 – 2006/11/8
山下 正男
(著)
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- 本の長さ386ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2006/11/8
- ISBN-104480090185
- ISBN-13978-4480090188
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2006/11/8)
- 発売日 : 2006/11/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 386ページ
- ISBN-10 : 4480090185
- ISBN-13 : 978-4480090188
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2008年12月10日に日本でレビュー済み
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2013年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第1章のレヴィ=ストロースと群論の話は大変に面白く読めたのですが、その後の展開は思想史に疎い私には
やや強引な当てはめにも聞こえてしまいます。これは私が不勉強のせいなのでしょう。
「思想の中に存在する構造を見つけてみると数学で説明できた」というよりは、
タモリ倶楽部の空耳アワーの様にも読めてしまうのです...
特に、宗教の話を群論に当てはめてズバッと断言してしまうのはやや危険な香りすらもしてきますが...
(他には、プラトンと射影幾何学もどうかなぁと....)
こうした試みは読者自身が発見していくには愉しいと思うのですが、先に答えを言われると悔しい様な
感情が沸き起こっているせいなのかもしれませんが。
皆さん、是非とも寛容な気持ちで楽しんで読んでください。
最終章はカントールの集合論で、大好きな話で締めくくりです。
やや強引な当てはめにも聞こえてしまいます。これは私が不勉強のせいなのでしょう。
「思想の中に存在する構造を見つけてみると数学で説明できた」というよりは、
タモリ倶楽部の空耳アワーの様にも読めてしまうのです...
特に、宗教の話を群論に当てはめてズバッと断言してしまうのはやや危険な香りすらもしてきますが...
(他には、プラトンと射影幾何学もどうかなぁと....)
こうした試みは読者自身が発見していくには愉しいと思うのですが、先に答えを言われると悔しい様な
感情が沸き起こっているせいなのかもしれませんが。
皆さん、是非とも寛容な気持ちで楽しんで読んでください。
最終章はカントールの集合論で、大好きな話で締めくくりです。
2011年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古代から近代、ギリシアから中国、ヨーロッパと広く思想を取り上げて、その思想の筋に数学的構造を読み取って解説を加えるという著書。偶然リストを見ていて見つけた著作だが、読んでみると面白い。
構成は全体を三部に分けて、「構造の学とその応用」「数学と思想の構造的共時性」「数学的構造と社会イメージ」とそれぞれ題し、思想構造を数学のアイディアで読み解く論述が続く。
読んでいくとまず思想の筋合いについての説明もいいが、そんな思想が数学的な道具立てで問題が図示されて構造があらわになっていく様子が、なぞっていくと愉しい。どちらかというと思想をダシにして数学的思考法をデモンストレーションしている感が強くて、思想関連の著書をいくらか読んでいる自分としてはかえって新鮮でいい。群というアイディアや、集合論から数学基礎論への研究の進み方についての言及は、興味を沸き立たせてくれた。この辺を持って知ってみたいと思った。
一方でライプニッツの思想についての解説が多いのは、ブルバキの構造主義数学の影響もあるのだろうか。かれらの「数学史」が少し読みやすくなったかもしれない。数学についても思想についてもさらに興味がわいてくるかもしれない一冊。
構成は全体を三部に分けて、「構造の学とその応用」「数学と思想の構造的共時性」「数学的構造と社会イメージ」とそれぞれ題し、思想構造を数学のアイディアで読み解く論述が続く。
読んでいくとまず思想の筋合いについての説明もいいが、そんな思想が数学的な道具立てで問題が図示されて構造があらわになっていく様子が、なぞっていくと愉しい。どちらかというと思想をダシにして数学的思考法をデモンストレーションしている感が強くて、思想関連の著書をいくらか読んでいる自分としてはかえって新鮮でいい。群というアイディアや、集合論から数学基礎論への研究の進み方についての言及は、興味を沸き立たせてくれた。この辺を持って知ってみたいと思った。
一方でライプニッツの思想についての解説が多いのは、ブルバキの構造主義数学の影響もあるのだろうか。かれらの「数学史」が少し読みやすくなったかもしれない。数学についても思想についてもさらに興味がわいてくるかもしれない一冊。