本書が1987年に現代数学社より出された熱学史の好著の、
”改定版”であることは(1)のレビューで述べた。
全般的に細部の手直しがされていることも(1)レビューで述べた。
3分冊34章の内、節が追加されているのは以下の4か所である。
・第1章、章頭に追加「温度計の発明」
1987年本の内容を補完して節に昇格
・第2章、章末に追加「特殊的作用能力の容認と物在財論の始まり」
(以上第1分冊)
・第18章、章末に追加「高圧機関とフランスにおける発展」
(以上第2分冊)
・第27章、章末に追加「グー・ジュール効果をめぐって」
(以上第3分冊)
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
熱学思想の史的展開: 熱とエントロピ- (2) (ちくま学芸文庫 ヤ 18-2 Math&Science) 文庫 – 2009/1/7
山本 義隆
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,650","priceAmount":1650.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,650","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"rwxRYuaQtzrpG2ld5Y7gYY5HwimDMbdz%2BK8J4PADph4kvGuDU0DR%2FCZM0EekNjcmkmxgUEmjgexdqdGywGQpgcyyPlqvtjFSQEYYFq2zQBovxMZjH1WSuV2xVpTjxI4r","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
- ISBN-104480091823
- ISBN-13978-4480091826
- 出版社筑摩書房
- 発売日2009/1/7
- 言語日本語
- 本の長さ422ページ
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 熱学思想の史的展開: 熱とエントロピ- (2) (ちくま学芸文庫 ヤ 18-2 Math&Science)
¥1,650¥1,650
最短で6月1日 土曜日のお届け予定です
残り5点(入荷予定あり)
¥1,540¥1,540
最短で6月1日 土曜日のお届け予定です
残り6点(入荷予定あり)
¥1,650¥1,650
最短で6月1日 土曜日のお届け予定です
残り10点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2009/1/7)
- 発売日 : 2009/1/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 422ページ
- ISBN-10 : 4480091823
- ISBN-13 : 978-4480091826
- Amazon 売れ筋ランキング: - 136,386位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 18位熱学・熱力学・エントロピー
- - 140位物理学一般関連書籍
- - 500位ちくま学芸文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
量子力学と相対性論は物理学の最後の方に学ぶことになっているが、本来は最初に持ってこなければならないだろう。最初に持ってきて体系そのものを組み直して学ぶようにすることを考えて、実際にそうした方がいいのではないだろうか。
本書は、熱についてその仕事量や運動との関係が解明されても、熱そのものが何なのか、波動なのか振動なのか粒子なのかは、まだ解っていなかった時代、19世紀前半の発展を洗い直している。熱学史上最大の発見」としてのサヂ・カルノーの定理、「熱学最大の問題」としての温度差、それがなければ熱は仕事ができないことの問題、そして、熱量保存則を破る熱と仕事量の等価性を喝破した早熟なアマチュア研究家ジェームズ・ジュールの物語。それで言うと、もっと詳しくもっと熱く書いてもよかったかもしれない。
既に、19世紀後半の電気磁気、次世紀二十世紀前半の電子核子の研究の時代がほの見えている。
最初の問題提起から言うと、真理が明らかになる過程はその理解に影響するし、その体系が必ずしも積み上げたものではなく、二歩も三歩も先に行ったり、逆に後戻りしつつも後から解ったり、やはり、歴史と体系は別々に、しかし双方ともよくよく考え直されねばならないものであるということになるのではないだろうか。
本書は、熱についてその仕事量や運動との関係が解明されても、熱そのものが何なのか、波動なのか振動なのか粒子なのかは、まだ解っていなかった時代、19世紀前半の発展を洗い直している。熱学史上最大の発見」としてのサヂ・カルノーの定理、「熱学最大の問題」としての温度差、それがなければ熱は仕事ができないことの問題、そして、熱量保存則を破る熱と仕事量の等価性を喝破した早熟なアマチュア研究家ジェームズ・ジュールの物語。それで言うと、もっと詳しくもっと熱く書いてもよかったかもしれない。
既に、19世紀後半の電気磁気、次世紀二十世紀前半の電子核子の研究の時代がほの見えている。
最初の問題提起から言うと、真理が明らかになる過程はその理解に影響するし、その体系が必ずしも積み上げたものではなく、二歩も三歩も先に行ったり、逆に後戻りしつつも後から解ったり、やはり、歴史と体系は別々に、しかし双方ともよくよく考え直されねばならないものであるということになるのではないだろうか。
2019年8月23日に日本でレビュー済み
文系の読者なので、科学的な所見は理系の方におまかせしますが、山本義隆さんらしい註が347頁にあったので、その紹介だけでも。
マイヤーが観念的にエネルギーの原理を発見したのに対し、アマチュア科学者であったジュールはいかにもイギリス人らしい経験主義的な実験を通してエネルギーの原理を追求していきます。ファラデーの伝統もあったのですが、電気・磁気・熱・化学親和力・運動が密接に関係しあっていることが徐々に解明されていく過程は凄いな、と。ちなみにジュールの住むマンチェスターでは1842年に大争議が起こりますが、その年にエンゲルスも父の命令でこの町に来ています(p.347)。そして、この年にエンゲルスは彼の第一バイオンリンとなるマルクスと会い、『イギリスにおける労働者階級の状態』の調査も行います。
一連の研究によって仕事→熱の変換、熱→仕事への変換があることはわかってきたのですが、トムソンは《仕事の熱への変換は常に可能であるにひきかえ、熱は限られた状況でしか仕事を生まない。具体的に言うと、熱の仕事への変換には温度差を必要とする》ことにこだわります(p.388)。やがて、トムソンは、熱が移動しても場合によっては仕事が得られないのはエネルギーが消失したのではなく散逸の結果であると悟ります(p.403)。ジュールはミクロな分子の回転エネルギーがマクロな仕事を生むと考えていましたが、それには膨大な数の分子が同方向に回転しなければならなかったからだ、ということで2巻は終了。
マイヤーが観念的にエネルギーの原理を発見したのに対し、アマチュア科学者であったジュールはいかにもイギリス人らしい経験主義的な実験を通してエネルギーの原理を追求していきます。ファラデーの伝統もあったのですが、電気・磁気・熱・化学親和力・運動が密接に関係しあっていることが徐々に解明されていく過程は凄いな、と。ちなみにジュールの住むマンチェスターでは1842年に大争議が起こりますが、その年にエンゲルスも父の命令でこの町に来ています(p.347)。そして、この年にエンゲルスは彼の第一バイオンリンとなるマルクスと会い、『イギリスにおける労働者階級の状態』の調査も行います。
一連の研究によって仕事→熱の変換、熱→仕事への変換があることはわかってきたのですが、トムソンは《仕事の熱への変換は常に可能であるにひきかえ、熱は限られた状況でしか仕事を生まない。具体的に言うと、熱の仕事への変換には温度差を必要とする》ことにこだわります(p.388)。やがて、トムソンは、熱が移動しても場合によっては仕事が得られないのはエネルギーが消失したのではなく散逸の結果であると悟ります(p.403)。ジュールはミクロな分子の回転エネルギーがマクロな仕事を生むと考えていましたが、それには膨大な数の分子が同方向に回転しなければならなかったからだ、ということで2巻は終了。
2013年2月24日に日本でレビュー済み
科学史書の読み方としてはいろんなスタイルあるだろうが,当時の科学者たちがどのように考え推察したのかを追体験するのは非常に興味深い。
現在の熱力学の教科書では天下り的にカルノーサイクルが導入されるものと思うが,カルノーがこの最大効率を持つ熱機関に至ったことはカルノーの自然観からすれば当然であった。彼は熱を水流(これは保存量であるな)になぞらえ,水車における最大効率機関との間に巧みなアナロジーを用いたのだった。このことは当時の技術的な動向やそれと関連して産業革命後の自然克服への盛り上がりなど,様々な要素があった。これらを感じつつページを進めるというのは非常に優雅な読書である。
さてカルノーの議論は作動物質に寄らないカルノー関数の存在を示唆するものであった。ここに現代の熱力学に受け継がれることになる普遍性の一端を見ることできまた面白い。またカルノーは熱の特殊性に着目し,理論を展開した。彼ははじめ熱量保存則を認めた上で議論をしていたが,後年の資料では熱物質論に対して疑問を投げかけている。彼は最後まで,熱の特殊性にこだわり続けた。対してジュールは,当時としては信じられないほどの精度で,自分の信ずるところを確認する実験を行い,熱物質論を叩き潰したのだった。ジュールの立場は熱と運動の同等性を主張するものであり,カルノーの思想とは真っ向からぶつかるものであった。ジュールの意見はしばらく無視されていたが,彼を見出したのは他でもない,トムソン(後のケルビン卿)であった。トムソンはこれらの二つの相対する理論の間に横たわる矛盾にどのように折り合いをつけるか,というところである。結局,これらの統合はトムソンではなくクラウジウスによって行われる,ということに触れて第3巻に続くのであった。
現在の熱力学の教科書では天下り的にカルノーサイクルが導入されるものと思うが,カルノーがこの最大効率を持つ熱機関に至ったことはカルノーの自然観からすれば当然であった。彼は熱を水流(これは保存量であるな)になぞらえ,水車における最大効率機関との間に巧みなアナロジーを用いたのだった。このことは当時の技術的な動向やそれと関連して産業革命後の自然克服への盛り上がりなど,様々な要素があった。これらを感じつつページを進めるというのは非常に優雅な読書である。
さてカルノーの議論は作動物質に寄らないカルノー関数の存在を示唆するものであった。ここに現代の熱力学に受け継がれることになる普遍性の一端を見ることできまた面白い。またカルノーは熱の特殊性に着目し,理論を展開した。彼ははじめ熱量保存則を認めた上で議論をしていたが,後年の資料では熱物質論に対して疑問を投げかけている。彼は最後まで,熱の特殊性にこだわり続けた。対してジュールは,当時としては信じられないほどの精度で,自分の信ずるところを確認する実験を行い,熱物質論を叩き潰したのだった。ジュールの立場は熱と運動の同等性を主張するものであり,カルノーの思想とは真っ向からぶつかるものであった。ジュールの意見はしばらく無視されていたが,彼を見出したのは他でもない,トムソン(後のケルビン卿)であった。トムソンはこれらの二つの相対する理論の間に横たわる矛盾にどのように折り合いをつけるか,というところである。結局,これらの統合はトムソンではなくクラウジウスによって行われる,ということに触れて第3巻に続くのであった。
2016年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当は3冊のうち最も優しく、大学で習うことに近いのかもしれない。多くがカルノーとジュールの話だ。疑問が熱エントロピー、ボルツマンのエントロピー、ギブスのエントロピー、情報のエントロピーを区別することだとすると、もっともつかみ所のない熱エントロピーの始まりの部分だ。もしもエントロピーの概念を他の科学分野で使う場合、熱学者と同じ労力を用いているだろうかと疑問がわき、もっとも重要なところがだ、何度も読む気にはならなかった。