本書は、NHKブックスの一冊として刊行された『 レヴィナスを読む』(1999年)が文庫化されたものです。
専門書、啓蒙書、翻訳書など数多く出している著者の本のなかで、評者にとって本書は、『ジャンケレヴィッチ:境界のラプソディー』(みすず書房)とならんで、触発されるところもっとも多いものがあり、とくに好きな本です。
本のタイトルに、とりあえずフランスの哲学者と呼んでいいレヴィナス(1906-1995)の名が入っていることから、かれの思想なり哲学が解説されている本と思われるかもしれません。
もちろんそういう面が本書の基本にあることはいうまでもありませんが、レヴィナスの思想なり哲学というものがとにかく難解であるため、著者はここで、直接レヴィナスと関わりないようにみえる詩や劇や小説などの文学作品についての話題、あるいはさまざまな他の思想家や哲学者のことばをからめながら、著者独自のキーワードも用いて、レヴィナスの世界へと読者を案内してゆきます。
評者などはそのいっけん道草ないし遠回りのようにみえる箇所がかえっておもしろく読めました。
そしてある意味その部分こそが本書に奥行きと広がりをあたえることにもなっていて、本書が、日本の研究者の本によくありがちな哲学者・思想家の退屈な祖述に終わっていないところとなっています。
逆にいうと、手っとり早くレヴィナスの著作の概要や思想全般について(のみ)知りたい、その詳細な紹介や解説(だけ)を読みたい人にはこの本は向いていないといえます。
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レヴィナスを読む: 〈異常な日常〉の思想 (ちくま学芸文庫 コ 15-2) 文庫 – 2011/8/9
合田 正人
(著)
アウシュヴィッツという異常な事態を経験した人間の運命と向き合う思想家レヴィナス。その眼差しを通し、他者・責任など時代の倫理を探る。
- 本の長さ373ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2011/8/9
- 寸法10.8 x 1.5 x 15.2 cm
- ISBN-104480093923
- ISBN-13978-4480093929
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2011/8/9)
- 発売日 : 2011/8/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 373ページ
- ISBN-10 : 4480093923
- ISBN-13 : 978-4480093929
- 寸法 : 10.8 x 1.5 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 599,801位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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