リー群とは群であると同時にC∞多様体であるような構造のことを指している。難しい概念のように思われるがR＾ｎも入ってしまうので身近なものであると同時に、線形代数をより一般化したものとも見れる。一時期には多様体の入門書として紹介されたこともある。また、表現論とも称される。代数的には単に計算しているだけだが一つ一つの行に幾何的な意味を考える必要があるからである。表現論は、それ自身の研究も活発であるが、共形場理論、Modular Tensor Category、量子群、量子不変量のような現代トポロジーの一分野で使われる。原著はプリンストンの本で赤く本来はこちらの方で読んだ方が良い。意欲的な高校生でも読めるということは重要なことだと思う。ただ、この分野には比較的新しい優れた専門書があり、学部3年次では横田一郎「群と位相」があり（これと堀川穎ニの複素代数幾何入門が「正確に」読めたのならどこの大学院、研究所の入試でも受かるはず。）修士課程の厳しさを考えるのなら学部4年次のゼミではフルトン・ハリスの黄色い本もしくは岩波の小林・大島の「リー群と表現論」を読むのが望ましい。（修士で必要に迫られる方が標準か。）数学の本や情報は沢山あるので結局は量をこなした者勝ちである。
ところが、何らかの事情で4年次で病気に罹った等して、混乱した際に修士1年の夏休み前までこの本を読むことは一手である。確かに言えることは講義や図書館で掘りあてた本、Bott-Tu等の標準的とされるテキスト等で難しい定義や定理を頭に沢山詰め込むより、一冊の古典的名著を考えて読むことが近道であるからで、読んだ後は現代的な専門書なり、論文なり理解できるであろう。
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