経営者にとってこの本は論語に並ぶような素晴らしい本ではないかと感じた。
地域という題目から、地域・町おこし的な印象が強いかもしれないが、それを企業という言葉に置き換えて考えると、非常に素晴らしいことが書かれていると感じた。
また1980年代の本で現在のITなどソフトな業界はまだかけらもないのであるが、逆に地域という側面から分析をしているため、IT企業のとるべき戦略、またIT企業としてどのようにその他の企業と関わり発展していく必要が有るのか、IT企業の中でも衰退始めている企業はなぜ衰退がはじまっているのかなど、分析・改善・進化を考えるうえでも極めて参考になる本だなと感じた。
今までにない視点を提供してくれる本であり、もし経営者であるならば一冊は持っておきたい本であると感じた。おそらくこれからも何回も読み直すであろう本でした。
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発展する地域 衰退する地域: 地域が自立するための経済学 (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2012/11/7
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地方はなぜ衰退するのか? 日本をはじめ世界各地の地方都市を実例に真に有効な再生法を説く、地域経済論の先駆的名著!
- 本の長さ413ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2012/11/7
- ISBN-104480095020
- ISBN-13978-4480095022
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商品の説明
出版社からのコメント
地域が自立するための処方箋がたくさん詰まった地域経済論の名著を文庫化。雇用から、金融、エネルギーにいたるまで、すべてを地産地消にすることを提唱する、ラディカルでユニークな経済論。これを読めばダメな地域と元気のある地域の差がよくわかる。巻末に元鳥取県知事の片山善博氏による実践面からの解説と、中央大学教授塩沢由典氏による理論経済学から見たジェイコブズ論を収録。
片山善博氏(抜粋)ジェイコブズが述べていることはすぐれて今日的であり、現在のわが国が抱える経済停滞や地方都市の活力減退、地域間格差問題などをあまりに的確に記述していることに驚かされる。筆者のように鳥取県というわが国の中では経済的活力に乏しい地域において、知事として地域経営を実践した者にとっては、自分自身の経験に照らして符合し、共感するところが実に多い。
片山善博氏(抜粋)ジェイコブズが述べていることはすぐれて今日的であり、現在のわが国が抱える経済停滞や地方都市の活力減退、地域間格差問題などをあまりに的確に記述していることに驚かされる。筆者のように鳥取県というわが国の中では経済的活力に乏しい地域において、知事として地域経営を実践した者にとっては、自分自身の経験に照らして符合し、共感するところが実に多い。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2012/11/7)
- 発売日 : 2012/11/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 413ページ
- ISBN-10 : 4480095020
- ISBN-13 : 978-4480095022
- Amazon 売れ筋ランキング: - 85,742位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 260位ちくま学芸文庫
- - 725位コミュニティ (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年2月25日に日本でレビュー済み
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都市経済のことが豊富な実例の紹介からわかる。
都市の停滞を問題視しているが、こだわりすぎてしつこくなってはいるが。
都市の停滞を問題視しているが、こだわりすぎてしつこくなってはいるが。
2014年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地域論、都市論といったものは、災害が多くて今後地方が過疎化する運命にある日本では
非常に重要なジャンルのはずなのですが、いまいち盛り上がりにかける気がするのは
ひとえに日本には「移動の自由」や「メリット」が薄いからかもしれない。
それはそうと、このサブタイトルはじゃっかんミスリーディングな気がする。
内容は結構難しいです。
非常に重要なジャンルのはずなのですが、いまいち盛り上がりにかける気がするのは
ひとえに日本には「移動の自由」や「メリット」が薄いからかもしれない。
それはそうと、このサブタイトルはじゃっかんミスリーディングな気がする。
内容は結構難しいです。
2022年1月7日に日本でレビュー済み
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いまのわが国が抱える経済の停滞や地域間格差問題を的確に記述してくれている一冊
2015年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず,この本の先見性に驚かされる.1984年(!)の時点で,現在の状況がここまで見えていた
書物があったことは,にわかに信じがたい.
その上で,記述には納得しかねる部分もあるので,その点に注意.
・都市を独立した経済単位と捉えるとき,国家をひとまとまりと考えるよりも様々な事象が
説明できる.←その通りで,最初感動したが,よく考えたら都市でなく,例えば企業や個人
を経済単位と考えても,以下だいたい同じような論旨が通るかもしれない.
・特に「輸入置換都市」という,輸入品を(ショボくても)自前で作るようになると,都市は
自立・持続的な方向へ歩み始める.←比較優位という概念をを真っ向から否定.ここが本書
の最も魅力的なところであり,同時に簡単に鵜呑みにしてはいけないところだろう.
・「輸入置換都市」になるためには,自発的なベンチャースピリット(本書ではインプロビ
ゼーションと呼ばれる)が必要.←これを惹起する方法の記載が少ないので,もやもやが溜ま
る.
・輸入置換ができない都市は,一時は調子がよくても衰退は必至で,救う方法はない.救お
うと投資すると発展している都市まで衰退に巻き込まれる.←これが本当なら,日本の地域
再生プロジェクトは壮大な無駄である.まあそうかもしれないのだが….
(これに関する記述は,曇りのない新自由主義で,読んでいて少し辛いです.)
・都市が独自の通貨を持てば,為替の変動で経済は守られる.←少し金融政策を過小評価し
すぎているだろう.
とはいえ非常に刺激を受けた.より詳細な論評ができる実力を付けたいと思わせる,
存在感のある書物である.もちろん星5つ.
書物があったことは,にわかに信じがたい.
その上で,記述には納得しかねる部分もあるので,その点に注意.
・都市を独立した経済単位と捉えるとき,国家をひとまとまりと考えるよりも様々な事象が
説明できる.←その通りで,最初感動したが,よく考えたら都市でなく,例えば企業や個人
を経済単位と考えても,以下だいたい同じような論旨が通るかもしれない.
・特に「輸入置換都市」という,輸入品を(ショボくても)自前で作るようになると,都市は
自立・持続的な方向へ歩み始める.←比較優位という概念をを真っ向から否定.ここが本書
の最も魅力的なところであり,同時に簡単に鵜呑みにしてはいけないところだろう.
・「輸入置換都市」になるためには,自発的なベンチャースピリット(本書ではインプロビ
ゼーションと呼ばれる)が必要.←これを惹起する方法の記載が少ないので,もやもやが溜ま
る.
・輸入置換ができない都市は,一時は調子がよくても衰退は必至で,救う方法はない.救お
うと投資すると発展している都市まで衰退に巻き込まれる.←これが本当なら,日本の地域
再生プロジェクトは壮大な無駄である.まあそうかもしれないのだが….
(これに関する記述は,曇りのない新自由主義で,読んでいて少し辛いです.)
・都市が独自の通貨を持てば,為替の変動で経済は守られる.←少し金融政策を過小評価し
すぎているだろう.
とはいえ非常に刺激を受けた.より詳細な論評ができる実力を付けたいと思わせる,
存在感のある書物である.もちろん星5つ.
2014年12月6日に日本でレビュー済み
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著者のジェイン・ジェイコブスは『アメリカ大都市の死と生』で著名な都市の経済論の論客である。彼女は経済学者ではなくジャーナリストであったので、その筆は理論的というよりも経験主義的で、その主張は厳密でもない。しっかり定義せずに新出概念を提示するあたりは、ちょっと学問的に脇が甘い感じがする。
だが一方で、既存の経済学が見落としていた「都市を基本単位に据えた経済」というものを鮮やかに描くのは爽快である。国を単位に経済を見れば、統計などの面で対象を厳密に扱うことができ学問的に厳密にはなるけれども、経済のダイナミズムを解明するという点ではあまりにその解像度が低すぎて、どうして経済は成長する(できる)のかという基本的なことすらもよく分からない有様なのである。
本書では、都市を経済の単位に見て、経済成長のダイナミズムの中心を「輸入置換」という現象に置く。これは、これまで他の都市から輸入されていた財を、自ら生産するようになること、つまり輸入品を地場品で置換することである。これによって、これまで輸入に当てられていた資本を他の輸入品に振り向けることもでき、より重要なことに置換品の生産のための雇用も生まれるのである。
都市が発展していくためには、この「輸入置換」が次々に起こっていく必要がある。さもなければ、その「都市」は僅かな特産品のみを生産するだけの地域になってしまい、情勢の変化などに脆くなり、発展の道がなくなるからである。
では、この「輸入置換」が起こるためにはどうしたらよいのだろうか? 著者は、そのためには「インプロヴィゼーション」が必要だという。「インプロヴィゼーション」とは、即興的な工夫とでも言えばいいだろうか。先進都市から輸入されている物品は、発展途上にある都市にとっては高度すぎることが多く、自前でそのものを作ることは難しい。またそのための設備や材料も乏しいだろう。だから、あり合わせのものでなんとかする必要がある。この「あり合わせのものでなんとかする」のがインプロヴィゼーションである。
これをもっと乱暴にまとめてしまうと、経済発展の原動力は広い意味での「創造性」にあるといえるだろう。本書ではここまで乱暴にはまとめない。経済発展は個人の才覚だけの問題ではないことも示す。しかし大きく見れば、経済が活性化するということは、創造性ある事業家が様々な事業を地域内で興していくこと以外にはない、というのが著者の見解であるようだ。
後半は、逆に都市の衰退のダイナミズムについて述べる。都市に衰退をもたらすものの第一に掲げられているのは為替変動の間違ったフィードバックである。マクロ経済学では、ある国家の競争力が落ちてきたらその国家の通貨の価値が下がり、輸出がしやすくなることによって(輸出品が安価になるために) 競争力を取り戻すというフィードバック機構がある、とされている。しかし著者によればこの仕組みはうまく働かない。
なぜなら、通貨は国家を単位にして流通しているが、経済の実態は都市が単位だからである。ある為替水準は、ある都市にとっては高すぎ、ある都市にとっては低すぎる。円安になると喜ぶ企業もあれば、いやがる企業もある。つまりいくら為替変動というフィードバック機構があっても、それは都市という単位ではさほど有益なものではないということである。
ひとたび衰退が始まると、それは坂を転げ落ちるように進んでしまい、挽回が難しい。競争力を取り戻すための現実的な処方箋は、ほとんどないようである。ただ、衰退を遅らせることはできる。それが著者のいう「衰退の取引」というもので、こういう取引が行われるようになることは衰退の象徴でもあり、また衰退しているさなかではやむを得ないものでもあり、しかもある面では衰退をさらに進めてしまうものでもある。
それは、軍需産業への依存、後進国への輸出に頼ること、また補助金に頼った取引である。これらは詰まるところ、都市に必要な創造性を発揮させる機会を減らし、経済を単調なものにしてしまうのである。だがしかし、これらを続けている間はある程度経済を回すことができる。だから衰退の過程にある都市(または国家)は、こうした取引を続けていくことになる。そしてこれらの取引への依存度がどんどん高まってしまい、経済は後戻りできないほど衰退していくのだという。
著者が提示する、この衰退の過程を回避する空想的な解決策は、都市ごとに通貨を独立させることである。そうすれば為替変動により適切なフィードバックが働き、都市は競争力を取り戻せるかもしれない、という。この思考実験は、まだまだ多くの検証が必要だと思う。それにいくらこの方法が有効だとしても、現実的な問題(例えば九州と本州で異なる通貨にするということだけでも、クリアすべき障壁が膨大にある)のために実現はできないだろう。
にしても、都市を単位に経済のダイナミズムを考えるという本書の視点は有効である。どうやって都市に経済発展を起こせるか、というところまでは踏み込んでいないが、そのヒントがたくさん詰まっている良書。
だが一方で、既存の経済学が見落としていた「都市を基本単位に据えた経済」というものを鮮やかに描くのは爽快である。国を単位に経済を見れば、統計などの面で対象を厳密に扱うことができ学問的に厳密にはなるけれども、経済のダイナミズムを解明するという点ではあまりにその解像度が低すぎて、どうして経済は成長する(できる)のかという基本的なことすらもよく分からない有様なのである。
本書では、都市を経済の単位に見て、経済成長のダイナミズムの中心を「輸入置換」という現象に置く。これは、これまで他の都市から輸入されていた財を、自ら生産するようになること、つまり輸入品を地場品で置換することである。これによって、これまで輸入に当てられていた資本を他の輸入品に振り向けることもでき、より重要なことに置換品の生産のための雇用も生まれるのである。
都市が発展していくためには、この「輸入置換」が次々に起こっていく必要がある。さもなければ、その「都市」は僅かな特産品のみを生産するだけの地域になってしまい、情勢の変化などに脆くなり、発展の道がなくなるからである。
では、この「輸入置換」が起こるためにはどうしたらよいのだろうか? 著者は、そのためには「インプロヴィゼーション」が必要だという。「インプロヴィゼーション」とは、即興的な工夫とでも言えばいいだろうか。先進都市から輸入されている物品は、発展途上にある都市にとっては高度すぎることが多く、自前でそのものを作ることは難しい。またそのための設備や材料も乏しいだろう。だから、あり合わせのものでなんとかする必要がある。この「あり合わせのものでなんとかする」のがインプロヴィゼーションである。
これをもっと乱暴にまとめてしまうと、経済発展の原動力は広い意味での「創造性」にあるといえるだろう。本書ではここまで乱暴にはまとめない。経済発展は個人の才覚だけの問題ではないことも示す。しかし大きく見れば、経済が活性化するということは、創造性ある事業家が様々な事業を地域内で興していくこと以外にはない、というのが著者の見解であるようだ。
後半は、逆に都市の衰退のダイナミズムについて述べる。都市に衰退をもたらすものの第一に掲げられているのは為替変動の間違ったフィードバックである。マクロ経済学では、ある国家の競争力が落ちてきたらその国家の通貨の価値が下がり、輸出がしやすくなることによって(輸出品が安価になるために) 競争力を取り戻すというフィードバック機構がある、とされている。しかし著者によればこの仕組みはうまく働かない。
なぜなら、通貨は国家を単位にして流通しているが、経済の実態は都市が単位だからである。ある為替水準は、ある都市にとっては高すぎ、ある都市にとっては低すぎる。円安になると喜ぶ企業もあれば、いやがる企業もある。つまりいくら為替変動というフィードバック機構があっても、それは都市という単位ではさほど有益なものではないということである。
ひとたび衰退が始まると、それは坂を転げ落ちるように進んでしまい、挽回が難しい。競争力を取り戻すための現実的な処方箋は、ほとんどないようである。ただ、衰退を遅らせることはできる。それが著者のいう「衰退の取引」というもので、こういう取引が行われるようになることは衰退の象徴でもあり、また衰退しているさなかではやむを得ないものでもあり、しかもある面では衰退をさらに進めてしまうものでもある。
それは、軍需産業への依存、後進国への輸出に頼ること、また補助金に頼った取引である。これらは詰まるところ、都市に必要な創造性を発揮させる機会を減らし、経済を単調なものにしてしまうのである。だがしかし、これらを続けている間はある程度経済を回すことができる。だから衰退の過程にある都市(または国家)は、こうした取引を続けていくことになる。そしてこれらの取引への依存度がどんどん高まってしまい、経済は後戻りできないほど衰退していくのだという。
著者が提示する、この衰退の過程を回避する空想的な解決策は、都市ごとに通貨を独立させることである。そうすれば為替変動により適切なフィードバックが働き、都市は競争力を取り戻せるかもしれない、という。この思考実験は、まだまだ多くの検証が必要だと思う。それにいくらこの方法が有効だとしても、現実的な問題(例えば九州と本州で異なる通貨にするということだけでも、クリアすべき障壁が膨大にある)のために実現はできないだろう。
にしても、都市を単位に経済のダイナミズムを考えるという本書の視点は有効である。どうやって都市に経済発展を起こせるか、というところまでは踏み込んでいないが、そのヒントがたくさん詰まっている良書。
2019年1月2日に日本でレビュー済み
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本書は都市研究家ジェイン・ジェイコブズによるエッセイ。経済学の専門書ではないので、気軽にすらすら読めます。
衰退しない都市をつくるにはどうしたらよいのかという論考です。
1.経済学の基本原理である自由貿易と分業は、地域を2つに分ける。発展する地域と、衰退する地域。
2.輸入置換都市(輸入したものを自国で生産する都市)になれないと衰退する。
3.供給地域も資源枯渇・代替品との競争によって、いずれ衰退する。
4.大都市から地域への交付金や借款は一時しのぎにすぎない。
5.大都市は、軍隊風の「目的・計画」ではなく、いわば「漂流」するような臨機応変の改良(improvization)によって発展する。
6.自己修正力のある経済でなければ衰退する。そういう都市の在り方を目指すべき。
著者の基本的なアイデアは「大都市・多様性・インプロビゼーション」なのですが、1984年の著作なので、IT・プラットフォーム・AIの時代に読むと的外れな感もあります。
都市デザインとかに興味のある人には参考になるかもしれません。現在の主流な経済学に違和感のある人にもいいでしょう。アイデアのヒントになるはずです。
衰退しない都市をつくるにはどうしたらよいのかという論考です。
1.経済学の基本原理である自由貿易と分業は、地域を2つに分ける。発展する地域と、衰退する地域。
2.輸入置換都市(輸入したものを自国で生産する都市)になれないと衰退する。
3.供給地域も資源枯渇・代替品との競争によって、いずれ衰退する。
4.大都市から地域への交付金や借款は一時しのぎにすぎない。
5.大都市は、軍隊風の「目的・計画」ではなく、いわば「漂流」するような臨機応変の改良(improvization)によって発展する。
6.自己修正力のある経済でなければ衰退する。そういう都市の在り方を目指すべき。
著者の基本的なアイデアは「大都市・多様性・インプロビゼーション」なのですが、1984年の著作なので、IT・プラットフォーム・AIの時代に読むと的外れな感もあります。
都市デザインとかに興味のある人には参考になるかもしれません。現在の主流な経済学に違和感のある人にもいいでしょう。アイデアのヒントになるはずです。
2019年6月17日に日本でレビュー済み
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"都市は修正自在型の経済であって、そこでは、経済的創造に対するわれわれの修正自在な能力によって『新しい小さなこと』を確立することができるだけでなく、それらを日常生活の中に取り入れることができるのである。"約30年前に、また学者"専門家"ではなく独学のジャーナリスト"活動家"としての経験主義で書かれた本書は【それでも】今になっても地域振興、産業政策に関係している人に沢山のヒントを与えてくれる。
個人的にも、近年著者の活動が【ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命】として映画化されたのを鑑賞したのを機会に、積読状態にしてしまっていた本書を久々に引っ張りだしてきたわけですが。端的に要約すれば"国家単位に注目をして経済を語るのではなく、都市を中心に視点を設定することで経済全体の流れがわかる"そんな内容の本書からは今の創造都市論、創造階級論の始点を確かに覗いた様な興奮を覚えます。
まちづくりや地域おこし協力隊などに関わる人、あるいは経済、経営学に興味がある人にオススメ。(というか、必読書?)
個人的にも、近年著者の活動が【ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命】として映画化されたのを鑑賞したのを機会に、積読状態にしてしまっていた本書を久々に引っ張りだしてきたわけですが。端的に要約すれば"国家単位に注目をして経済を語るのではなく、都市を中心に視点を設定することで経済全体の流れがわかる"そんな内容の本書からは今の創造都市論、創造階級論の始点を確かに覗いた様な興奮を覚えます。
まちづくりや地域おこし協力隊などに関わる人、あるいは経済、経営学に興味がある人にオススメ。(というか、必読書?)