文学全集はたいてい文章が並んでいるだけの、そっけない
本が多い。
しかるにこれは、21世紀の本らしく、ページに余白が十分に
とられ、また頁の下方に国語辞典のようにやさしい注が書かrている
のも面白い。
それにクラシックな挿絵付きで、これだけでも楽しめる。
さて、この全集は著者一人に1冊なので、作品の選択が難しいが、
昔読んだ「高瀬舟」や阿部一族などは出てないけれど、高峰秀子の
映画になった「雁」や舞姫などが読める。
また鴎外は軍医という国家の役人と(それも高級な)作家・文学者という
2面を持った人で、この両極が鴎外の問題だったとよく言われるようだが、
これを考慮して編者は意識して後ろのほうの「かのように」を選択配置し
ている。
まだ当方この"as if"の哲学または思想を十分は理解していないものの
「かのように」の思考は、きわめて強力で、明治末の時代だけでなく、
それから100年たった現代日本の理解するためにも大いに有効な
思考法だと思われる。
鴎外は大学時代、学者になる希望を持っていたそうだが、この「かの
ように」は「事実」というものの綿密な分析にもとずいた哲学的考察が貫かれた
みごとな作品だと思われる。
当方1アマチュアの心を揺さぶるのである。
ぜひ見てみたい本だと思う。
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明治の文学 第14巻 森鴎外 単行本 – 2000/10/1
- ISBN-104480101543
- ISBN-13978-4480101549
- 出版社筑摩書房
- 発売日2000/10/1
- 言語日本語
- 本の長さ470ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2000/10/1)
- 発売日 : 2000/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 470ページ
- ISBN-10 : 4480101543
- ISBN-13 : 978-4480101549
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,091,238位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 320位日本文学の全集・選書
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著者について
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1862‐1922。島根県出身。本名は林太郎。幼少期に東京へ移り東大医学部を卒業後、軍医となる。ドイツへ留学帰国後執筆活動をはじめる。自己見解を 曲げないことでも有名で、医学界、文学界の双方において論議を巻き起こす。「高瀬舟」「山椒大夫」などから、堪能な語学を生かしての翻訳作品と著書多数(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『舞姫』(ISBN-10:4903620522)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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