私のような素人的な疑問に一流の学者が判りやすく真摯に答えてくれます。
空想を極力排除し事実を述べようという姿勢が感じられて好感が持てます。
まさに『事実は小説よりも奇なり』感動しました。お勧めです。
事実の積み重ねの中に哲学的なものが醸し出されているようにも思います。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
世界でいちばん美しい物語: 宇宙と生命と人類の誕生 (ちくま文庫 り 7-1) 文庫 – 2006/1/1
- ISBN-104480421769
- ISBN-13978-4480421760
- 出版社筑摩書房
- 発売日2006/1/1
- 言語日本語
- 本の長さ243ページ
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2006/1/1)
- 発売日 : 2006/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 243ページ
- ISBN-10 : 4480421769
- ISBN-13 : 978-4480421760
- Amazon 売れ筋ランキング: - 500,304位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2004年3月12日に日本でレビュー済み
改めて物事の根本を認識し直したいと思った。
物事の根本といえば、生命・宇宙・存在・進化。そういったことだ。
本屋で天文学、生命科学などの本が並んでいるコーナーに行き、これを発見した。
ページを開けると、こんな言葉が目に飛び込んできた。
「私たちはいったい何者なのか。どこからやって来て、どこへ行こうとしているのか。
このような問いこそ、まさしく問うに値する問いである」
まさにその通り。自分が知りたいこともそういうことだった。
通常は、ビッグバンひとつですら、いろんな本が出ていて、
それらもかなり限定された知識を披露するにとどまっていることが多い。
でもこの本は、宇宙のいちばん最初のところから始まって、
徐々に宇宙で物質ができること、地球の誕生、細胞の誕生、光合成と呼吸の出現、
植物と動物がどうして分かれたのか、人類が東アフリカで誕生した理由、人が愛情を持つに至った原因、
そういうことが、1本の大河の流れのように、全体として非常に分かりやすく、
具体的な、科学的な見地や情報の積み重ねで、物語られている。
加えてこの本は、各ジャンルの世界でトップクラスの科学者と編集者の対話という形を取っているから、
とても分かりやすい。この編集者が、じつにいいタイミングで、
こっちも聞きたいと思うことを率直に科学者にぶつけてくれるので、
納得しながら、気もちよく読み進んでいける。
一読しただけで、頭がすっきりしたような、ちょっとロマンチックなお話を聞いたような気分になる。
それは十分にサイエンティフィックなのだけど。
150億年の生命の物語が、自然に今ここで生きている自分にたどり着いた時に浮かんで来たのは、
なんだか心地よい、優しい感情だった。
造本も可愛いイラストをあしらっていて、チャーミング。
物事の根本といえば、生命・宇宙・存在・進化。そういったことだ。
本屋で天文学、生命科学などの本が並んでいるコーナーに行き、これを発見した。
ページを開けると、こんな言葉が目に飛び込んできた。
「私たちはいったい何者なのか。どこからやって来て、どこへ行こうとしているのか。
このような問いこそ、まさしく問うに値する問いである」
まさにその通り。自分が知りたいこともそういうことだった。
通常は、ビッグバンひとつですら、いろんな本が出ていて、
それらもかなり限定された知識を披露するにとどまっていることが多い。
でもこの本は、宇宙のいちばん最初のところから始まって、
徐々に宇宙で物質ができること、地球の誕生、細胞の誕生、光合成と呼吸の出現、
植物と動物がどうして分かれたのか、人類が東アフリカで誕生した理由、人が愛情を持つに至った原因、
そういうことが、1本の大河の流れのように、全体として非常に分かりやすく、
具体的な、科学的な見地や情報の積み重ねで、物語られている。
加えてこの本は、各ジャンルの世界でトップクラスの科学者と編集者の対話という形を取っているから、
とても分かりやすい。この編集者が、じつにいいタイミングで、
こっちも聞きたいと思うことを率直に科学者にぶつけてくれるので、
納得しながら、気もちよく読み進んでいける。
一読しただけで、頭がすっきりしたような、ちょっとロマンチックなお話を聞いたような気分になる。
それは十分にサイエンティフィックなのだけど。
150億年の生命の物語が、自然に今ここで生きている自分にたどり着いた時に浮かんで来たのは、
なんだか心地よい、優しい感情だった。
造本も可愛いイラストをあしらっていて、チャーミング。
2007年4月30日に日本でレビュー済み
BC700万年に最初の二足歩行猿人のアウストラロピテクスが出現、これがサルとの分岐。BC300万年に細工した石器を使うホモ・ハビリスが出現、BC150万年頃にはホモ・エレクトスが出現。ホモ・エレクトスは100万年程生存したがその間に発祥の地であるアフリカの大地溝帯からいろんな地域に進出(第1次出アフリカ)、その中に北京原人やジャワ原人がいて火を使った。ネアンデルタール人はBC20〜3万年前に棲息し、ホモ・サピエンスに分類されたりされなかったりする。というのは、クロマニョン、シャンスラード、グリマルディなどの現生人類につながる人類だけをホモ・サピエンスとする学者もいる。現生人類はBC15万年頃にアフリカに出現しBC10〜5万年頃に第2次出アフリカを実施。アルタミラ、ラスコー、コスケールの海中洞窟の壁画は彼らの作品。
現生人類の文化は、BC1万年以前の旧石器時代は非定住の狩猟採集生活で人口も世界で数万人くらいと少なく比較的自由な生活だった。ところがその後新石器時代に入ると定住した農耕生活となり食料の確保ができて人口が増え始めた。また、文化や生活様式も進化しその進化は18世紀くらいまで連続的。18世紀以降は産業革命でまた進化のスピードが急になる。ただこの新石器時代は豊かになったが、支配する側される側が出てきて自由が束縛されるようになった。
この本でその他に面白かったのは、
○人種というのはない。いわゆる白人とか黒人とかに特有のDNAはない。あえて、差異を言いたいのであれば民族という言葉を使うべし。なお、民族特有のDNAも見つかっていない。
○他民族や先史時代の人類を野蛮だとか劣ったとか見下して自民族の優秀性を誇ったりする傾向があるが、これはいわれのないことで差別意識の表れ。ネアンデルタール人でもそれなりに文化的だった。
○人とその他の動物との違いは、単語でなく文法を持った言葉を理解できるか、また、生活様式や文化に大きな多様性を生み出すことが出来るかの2点
○先史時代の芸術の意味
○池内了さんの解説が整理がなされていて読みやすかった。
現生人類の文化は、BC1万年以前の旧石器時代は非定住の狩猟採集生活で人口も世界で数万人くらいと少なく比較的自由な生活だった。ところがその後新石器時代に入ると定住した農耕生活となり食料の確保ができて人口が増え始めた。また、文化や生活様式も進化しその進化は18世紀くらいまで連続的。18世紀以降は産業革命でまた進化のスピードが急になる。ただこの新石器時代は豊かになったが、支配する側される側が出てきて自由が束縛されるようになった。
この本でその他に面白かったのは、
○人種というのはない。いわゆる白人とか黒人とかに特有のDNAはない。あえて、差異を言いたいのであれば民族という言葉を使うべし。なお、民族特有のDNAも見つかっていない。
○他民族や先史時代の人類を野蛮だとか劣ったとか見下して自民族の優秀性を誇ったりする傾向があるが、これはいわれのないことで差別意識の表れ。ネアンデルタール人でもそれなりに文化的だった。
○人とその他の動物との違いは、単語でなく文法を持った言葉を理解できるか、また、生活様式や文化に大きな多様性を生み出すことが出来るかの2点
○先史時代の芸術の意味
○池内了さんの解説が整理がなされていて読みやすかった。
2006年1月27日に日本でレビュー済み
ビッグバンの謎は究極の問いで、その謎が解ければ宇宙の疑問も人間の疑問もすべての答えが得られるに違いない。究極の問いの究極の解が得られれば、『私たちはいったい何者なのか。どこからやって来て、どこへ行こうとしているのか』という太古の昔から人類を悩ませてきた自己の存在する理由が判明するだろう。しかし、残念ながら、未だにその答えを知る手がかりはまったく得られていないそうだ。翻ってみれば、我々のもっとも基本的なその始まりを知らないとは驚きでしかない。
それでもビッグバンですべてが始まったという。
この本では宇宙、生物、人類の誕生と進化がそれぞれの専門家が問いに答える形で物語られる。一冊で全体像を得ようとする欲張りなために、かなり足早に語られる。個々で見れば美しく驚異的なのに、この本では敢えて触れられていない物語も多い。断片的には知っていたこともあるし、昔の教科書には出てこなかったり、内容が覆ったりしている部分もある。また、この本が出版されてからの最新の研究成果も当然ながら触れられていない。
しかし、素朴な疑問に真摯に答えてくれる本書は最高の入門書だろう。タイトル通りに『世界でいちばん美しい物語』であることに間違いはない。
宇宙の進化、生物の進化、人間による文化の進化、すべての進化はまだ途上であり、過去の歴史は指針を与えてくれるだけで、どこに向かっているのかは謎だ。本書では共通する複雑性の進化からひとつの未来像が提示されている。その真偽は図りようがない。
地球上では人類は選ばれた存在かもしれないが、この銀河系に地球と似たような惑星が10億個はあるらしい。とすれば、人類は選択肢のひとつでしかない。長い長い進化の過程では圧倒的に滅びてきた種が多いのだ。
人類の歴史からだけではなく、宇宙の歴史からも学ぶべき事が多すぎる。
それでもビッグバンですべてが始まったという。
この本では宇宙、生物、人類の誕生と進化がそれぞれの専門家が問いに答える形で物語られる。一冊で全体像を得ようとする欲張りなために、かなり足早に語られる。個々で見れば美しく驚異的なのに、この本では敢えて触れられていない物語も多い。断片的には知っていたこともあるし、昔の教科書には出てこなかったり、内容が覆ったりしている部分もある。また、この本が出版されてからの最新の研究成果も当然ながら触れられていない。
しかし、素朴な疑問に真摯に答えてくれる本書は最高の入門書だろう。タイトル通りに『世界でいちばん美しい物語』であることに間違いはない。
宇宙の進化、生物の進化、人間による文化の進化、すべての進化はまだ途上であり、過去の歴史は指針を与えてくれるだけで、どこに向かっているのかは謎だ。本書では共通する複雑性の進化からひとつの未来像が提示されている。その真偽は図りようがない。
地球上では人類は選ばれた存在かもしれないが、この銀河系に地球と似たような惑星が10億個はあるらしい。とすれば、人類は選択肢のひとつでしかない。長い長い進化の過程では圧倒的に滅びてきた種が多いのだ。
人類の歴史からだけではなく、宇宙の歴史からも学ぶべき事が多すぎる。
2004年11月8日に日本でレビュー済み
これをよんだのは高校生の時でした。天文とか物理とか生物とか、常識程度の知識があれば、素直に読んでいける本です。そして、間違いなく感動的な本。科学的視点で世界の始まりが描かれているはずなのに、自分が生まれてきた道筋を辿るような気持ちになる。広大な宇宙とその歴史のなかに自分がいるのだと、思えるからなんでしょうね。
そして振り返ってこれからのことを考えさせられる本です。
そして振り返ってこれからのことを考えさせられる本です。
2001年10月28日に日本でレビュー済み
宇宙の始まりや未来の話、あるいは生物発生の秘密の話を聞けば聞くほど、哲学的なことを考えてしまうのはなぜだろう。確かに「始めに光りありき」という聖書と「ビッグバン」はあまりにも類似している。私達自身はビッグバンの塵から出来ているから、私達自身の中に宇宙の記憶を持っているのかもしれない、というこの本の主張は説得力がある。あるいは宇宙の物理法則が本の少しずれていただけでも今の宇宙は存在していなかったという事実。(たとえば核力がほんの少し強かったなら、水素は生まれないので太陽の輝きも地球の海も在りえなかったらしい)やはり神みたいな何かの意図があったのだ、というほうが今の世界を説明できる。しかもこの本は哲学的大命題である、「人はなぜ死ぬのか」ということを科学的用語で説明している。「死は生の必然である」そうなのだ。(ここで詳しい説明は出来ないが)こう明確に語られると、まずは納得した。しかし私は「人はなぜ生きていくのか」「私はなぜ死ななくてはならないのか」という問いを決して捨てはしないだろう。この本は純粋に科学的な本ではあるが、実はその底に常に哲学的な問いを発している本なのである。その意味では実に文学的な「世界で一番美しい物語」なのかもしれない。刺激的な本であった。今年約100冊読んだ中でベスト3にはいる。