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ほんものの魔法使 (ちくま文庫 き 12-2) 文庫 – 2006/2/9
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2006/2/9
- ISBN-10448042184X
- ISBN-13978-4480421845
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2006/2/9)
- 発売日 : 2006/2/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 448042184X
- ISBN-13 : 978-4480421845
- Amazon 売れ筋ランキング: - 984,082位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
5 星
合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々へ警告したファンタジー
宝塚雪組公演『ほんものの魔法使』の原作ですが、ながらく絶版になっていたのを復刊してくれたのはありがたい限り。帯に主演のひとり写りをもってくる創元社はわかっています。 この小説、ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきた魔法使アダムが手品師の総本山ともいうべき都市「マジェイア」にやってきて…というファンタジー。旧約のアロンのつえ(Aaron's rod)がヘビに変身する話しや、五つのパンと二匹の魚を増やし人々に食べさせる新約のイエスによる奇跡のアナロジーなどをつかって、魔法と手品(科学的な知見を利用した合理的な技)の違い、合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々への警告などを描いているんですかね。原書は読んでいないのですが、英語では同じMagicという言葉で魔法と手品を表すことが物語の大きな伏線になっているんでしょうか。 雪組ファンならば出演者たちが台詞をしゃべってくれてるような感覚で読み進めることができそう。「アダム、やめてください」モプシーはにわかに真剣な口調になって、後脚で立ちあがると、前足を主人の膝にかけた(p.120) 主人公の膝に前足をかけるもの言う犬のモプシー…想像するだけでたまりません。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年11月5日に日本でレビュー済み
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アダムを探しに行くニニアンが泣かせてくれました。
2021年8月31日に日本でレビュー済み
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ギャリコの紡ぐ物語、ほとんど読んでいましたがこれは取りこぼし。
2021年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宝塚雪組公演『ほんものの魔法使』の原作ですが、ながらく絶版になっていたのを復刊してくれたのはありがたい限り。帯に主演のひとり写りをもってくる創元社はわかっています。
この小説、ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきた魔法使アダムが手品師の総本山ともいうべき都市「マジェイア」にやってきて…というファンタジー。旧約のアロンのつえ(Aaron's rod)がヘビに変身する話しや、五つのパンと二匹の魚を増やし人々に食べさせる新約のイエスによる奇跡のアナロジーなどをつかって、魔法と手品(科学的な知見を利用した合理的な技)の違い、合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々への警告などを描いているんですかね。原書は読んでいないのですが、英語では同じMagicという言葉で魔法と手品を表すことが物語の大きな伏線になっているんでしょうか。
雪組ファンならば出演者たちが台詞をしゃべってくれてるような感覚で読み進めることができそう。
「アダム、やめてください」モプシーはにわかに真剣な口調になって、後脚で立ちあがると、前足を主人の膝にかけた(p.120)
主人公の膝に前足をかけるもの言う犬のモプシー…想像するだけでたまりません。
この小説、ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきた魔法使アダムが手品師の総本山ともいうべき都市「マジェイア」にやってきて…というファンタジー。旧約のアロンのつえ(Aaron's rod)がヘビに変身する話しや、五つのパンと二匹の魚を増やし人々に食べさせる新約のイエスによる奇跡のアナロジーなどをつかって、魔法と手品(科学的な知見を利用した合理的な技)の違い、合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々への警告などを描いているんですかね。原書は読んでいないのですが、英語では同じMagicという言葉で魔法と手品を表すことが物語の大きな伏線になっているんでしょうか。
雪組ファンならば出演者たちが台詞をしゃべってくれてるような感覚で読み進めることができそう。
「アダム、やめてください」モプシーはにわかに真剣な口調になって、後脚で立ちあがると、前足を主人の膝にかけた(p.120)
主人公の膝に前足をかけるもの言う犬のモプシー…想像するだけでたまりません。
宝塚雪組公演『ほんものの魔法使』の原作ですが、ながらく絶版になっていたのを復刊してくれたのはありがたい限り。帯に主演のひとり写りをもってくる創元社はわかっています。
この小説、ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきた魔法使アダムが手品師の総本山ともいうべき都市「マジェイア」にやってきて…というファンタジー。旧約のアロンのつえ(Aaron's rod)がヘビに変身する話しや、五つのパンと二匹の魚を増やし人々に食べさせる新約のイエスによる奇跡のアナロジーなどをつかって、魔法と手品(科学的な知見を利用した合理的な技)の違い、合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々への警告などを描いているんですかね。原書は読んでいないのですが、英語では同じMagicという言葉で魔法と手品を表すことが物語の大きな伏線になっているんでしょうか。
雪組ファンならば出演者たちが台詞をしゃべってくれてるような感覚で読み進めることができそう。
「アダム、やめてください」モプシーはにわかに真剣な口調になって、後脚で立ちあがると、前足を主人の膝にかけた(p.120)
主人公の膝に前足をかけるもの言う犬のモプシー…想像するだけでたまりません。
この小説、ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきた魔法使アダムが手品師の総本山ともいうべき都市「マジェイア」にやってきて…というファンタジー。旧約のアロンのつえ(Aaron's rod)がヘビに変身する話しや、五つのパンと二匹の魚を増やし人々に食べさせる新約のイエスによる奇跡のアナロジーなどをつかって、魔法と手品(科学的な知見を利用した合理的な技)の違い、合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々への警告などを描いているんですかね。原書は読んでいないのですが、英語では同じMagicという言葉で魔法と手品を表すことが物語の大きな伏線になっているんでしょうか。
雪組ファンならば出演者たちが台詞をしゃべってくれてるような感覚で読み進めることができそう。
「アダム、やめてください」モプシーはにわかに真剣な口調になって、後脚で立ちあがると、前足を主人の膝にかけた(p.120)
主人公の膝に前足をかけるもの言う犬のモプシー…想像するだけでたまりません。
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2006年7月14日に日本でレビュー済み
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今は亡き名翻訳家、矢川澄子氏。
ギャリコ作『雪のひとひら』は、矢川氏が自身の翻訳作品の中でも特に気に入っている、と述べていた。同じ作家ー翻訳家のコンビによる『ほんものの魔法使』。ティーンエイジャー のみならず、大人が読んでもホッと満足できる作品。美しい日本語が光る。
ギャリコ作『雪のひとひら』は、矢川氏が自身の翻訳作品の中でも特に気に入っている、と述べていた。同じ作家ー翻訳家のコンビによる『ほんものの魔法使』。ティーンエイジャー のみならず、大人が読んでもホッと満足できる作品。美しい日本語が光る。
2022年4月28日に日本でレビュー済み
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本物はみんなどこへ行ってしまったの?
2006年2月26日に日本でレビュー済み
寓意を含んだ話というものは、ともすれば、物語として不満が残る場合があるんだけど、この作はファンタジーとしても一級品。少年少女に向けたラストのメッセージは、執筆当時70に近い著者の年齢を考えるとみずみずしく愛に満ちて胸を打つ。矢川澄子氏の訳も素晴らしく、若い方にぜひ読んでもらいたい。
2020年1月19日に日本でレビュー済み
魔法使い達の町マジェイアに一匹の犬を連れた男がやって来た。
彼の目的は、年に一度開催される魔術コンテストに参加することなのだが、この町で言うところの「魔術」は即ち「手品」を意味している。
マジェイアでほんものの魔法使いと言えるのは、実のところ流れ者の男アダムだけなのだ。
アダムは、コンテストの予選で割った卵を魔法で元どおりに戻して見せるのだが、手品師に過ぎない審査員達は目にしたものを額面どおりには受け取らず、如何なる種があるものかと頭を抱えてしまう。
しかし、コンテストも本選となるとアダムの技に対する疑念が深まり、マジェイアの魔法使い達は、彼を恐ろしい罠にはめようと画策するのだった・・・
マジェイアの手品に感銘を受けてしまう純朴なアダムにハラハラさせられるが、そんな彼を心配して色々と助言するもの言う犬モプシーの存在が頼もしい。
犬ながらも、読者が最も感情移入するのはこのモプシーではないだろうか。
モプシーが魔術師名匠組合の面々に捕らえられてしまった後、アダムはモプシーの行方を心配するが、モプシー(と恐らくは読者も)はそれ以上に自分の目が届かなくなったアダムのことが心配でたまらなくなる。
また、アダムの助手役を務めることとなる少女ジェインも意義深いキャラクターとなっている。
ジェインはマジェイア市長にして魔術師名匠組合の統領でもある父親を持っており、若くして才能の高さを示す兄の助手を務めることを期待されているのだが、不器用さという悩みを抱えている。
父や兄から見放された彼女をアダムは助手として採用するのだが、彼は彼女の不器用さなど全く問題にしない。
郊外の農場へピクニックに出かけた際、ジェインは父親に強いられてアダムの魔法の種を聞き出そうとするのだが、彼は農場一帯を指し示して魔法はごくありふれたものであると言う。
そこでは、ちっぽけなどんぐりから樫の巨木が育ち、ついこの間まではこの世に存在もしていなかった子馬が活き活きと駆け回り、ヒツジ達は羊毛を紡ぎだしていた。
更にアダムはジェインに目を閉じさせ、他の場所のことを考えてみるように言うと、ジェインの脳裏には家族で行った海辺の景色や匂いや音がまざまざと浮かんでくる。
アダムは、確かにほんものの魔法使いではあるけれど、魔法と手品の差異には頓着しておらず、物事に対するスタンスだけをジェインに教えたのだ。
誰もが額の奥に持っている魔法の箱。
それには人類を月にまで到達させる力を持つ「意志」が確かに収められている。
自分の中の魔法の存在に気付いたジェインは、それまで彼女の心に重く圧し掛かっていた悩みから開放されるのだ。
彼の目的は、年に一度開催される魔術コンテストに参加することなのだが、この町で言うところの「魔術」は即ち「手品」を意味している。
マジェイアでほんものの魔法使いと言えるのは、実のところ流れ者の男アダムだけなのだ。
アダムは、コンテストの予選で割った卵を魔法で元どおりに戻して見せるのだが、手品師に過ぎない審査員達は目にしたものを額面どおりには受け取らず、如何なる種があるものかと頭を抱えてしまう。
しかし、コンテストも本選となるとアダムの技に対する疑念が深まり、マジェイアの魔法使い達は、彼を恐ろしい罠にはめようと画策するのだった・・・
マジェイアの手品に感銘を受けてしまう純朴なアダムにハラハラさせられるが、そんな彼を心配して色々と助言するもの言う犬モプシーの存在が頼もしい。
犬ながらも、読者が最も感情移入するのはこのモプシーではないだろうか。
モプシーが魔術師名匠組合の面々に捕らえられてしまった後、アダムはモプシーの行方を心配するが、モプシー(と恐らくは読者も)はそれ以上に自分の目が届かなくなったアダムのことが心配でたまらなくなる。
また、アダムの助手役を務めることとなる少女ジェインも意義深いキャラクターとなっている。
ジェインはマジェイア市長にして魔術師名匠組合の統領でもある父親を持っており、若くして才能の高さを示す兄の助手を務めることを期待されているのだが、不器用さという悩みを抱えている。
父や兄から見放された彼女をアダムは助手として採用するのだが、彼は彼女の不器用さなど全く問題にしない。
郊外の農場へピクニックに出かけた際、ジェインは父親に強いられてアダムの魔法の種を聞き出そうとするのだが、彼は農場一帯を指し示して魔法はごくありふれたものであると言う。
そこでは、ちっぽけなどんぐりから樫の巨木が育ち、ついこの間まではこの世に存在もしていなかった子馬が活き活きと駆け回り、ヒツジ達は羊毛を紡ぎだしていた。
更にアダムはジェインに目を閉じさせ、他の場所のことを考えてみるように言うと、ジェインの脳裏には家族で行った海辺の景色や匂いや音がまざまざと浮かんでくる。
アダムは、確かにほんものの魔法使いではあるけれど、魔法と手品の差異には頓着しておらず、物事に対するスタンスだけをジェインに教えたのだ。
誰もが額の奥に持っている魔法の箱。
それには人類を月にまで到達させる力を持つ「意志」が確かに収められている。
自分の中の魔法の存在に気付いたジェインは、それまで彼女の心に重く圧し掛かっていた悩みから開放されるのだ。
2023年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「大人にも読んで欲しい」みたいに紹介されていて手に取ったものの、最後まで面白いとは思えませんでした。宝塚の演目になっていることを読み終わってから知りましたが、そちらの方が楽しめるのかもしれません。
マジシャンの街に職業マジシャンのギルドがあり、そのメンバーであることが大変な名誉であること、選考する側にも思想の対立するグループがあること、その栄えあるメンバーになることに憧れて、本物の魔法が使える少年がやってくること、お連れの犬は少年とだけ話ができることなど、設定はすごく魅力的。
しかし、純粋無垢な少年魔法使いがオーディションで使う本当にタネも仕掛けもない魔法が、一部職業マジシャンたちの反感を買う。そしてその憎悪が高まる中舞台で披露する華やかな魔法のマジックで結果的に聴衆の暴動を引き起こす。
とまぁここまで読むのにも非常に退屈だったが少年の無垢ゆえのすっとぼけと割り切って、結末に期待して我慢して読んだが、特に何もなく終わった。というか何かあったような書きぶりはしているが、私にはそのメッセージは伝わってこなかった。最後のショーで暴動を収めるために魔法で天井から大金が降らせて…というのはブルガーコフ作の巨匠とマルガリータで悪魔が使った魔法ではないか。そして混乱に乗じて逃げ消えた。少年は結局何がしたかったのだ?ヘタクソマジシャンのニニアンを審査員に魔法で一流と認めさせて結果彼を不幸にしている。何がしたかったのだ?技術も精神力もないニニアンが事件の後の1年間で世界中に知られるマジシャンになったらしい。何があったのだ?マジシャンをやめて少年を探しにいく深刻そうな決意で最後は締めくくられるが展開が雑すぎて受け止めきれない。
合理的になりすぎた社会へのアンチテーゼ、的な評価をたくさんみたが、全く私には感じられなかった。むしろ、マジックの技術を磨いて切磋琢磨しているマジック職人たちの社会をこけにして消えていっただけのような複雑な気持ちにさせられる物語だった。
マジシャンの街に職業マジシャンのギルドがあり、そのメンバーであることが大変な名誉であること、選考する側にも思想の対立するグループがあること、その栄えあるメンバーになることに憧れて、本物の魔法が使える少年がやってくること、お連れの犬は少年とだけ話ができることなど、設定はすごく魅力的。
しかし、純粋無垢な少年魔法使いがオーディションで使う本当にタネも仕掛けもない魔法が、一部職業マジシャンたちの反感を買う。そしてその憎悪が高まる中舞台で披露する華やかな魔法のマジックで結果的に聴衆の暴動を引き起こす。
とまぁここまで読むのにも非常に退屈だったが少年の無垢ゆえのすっとぼけと割り切って、結末に期待して我慢して読んだが、特に何もなく終わった。というか何かあったような書きぶりはしているが、私にはそのメッセージは伝わってこなかった。最後のショーで暴動を収めるために魔法で天井から大金が降らせて…というのはブルガーコフ作の巨匠とマルガリータで悪魔が使った魔法ではないか。そして混乱に乗じて逃げ消えた。少年は結局何がしたかったのだ?ヘタクソマジシャンのニニアンを審査員に魔法で一流と認めさせて結果彼を不幸にしている。何がしたかったのだ?技術も精神力もないニニアンが事件の後の1年間で世界中に知られるマジシャンになったらしい。何があったのだ?マジシャンをやめて少年を探しにいく深刻そうな決意で最後は締めくくられるが展開が雑すぎて受け止めきれない。
合理的になりすぎた社会へのアンチテーゼ、的な評価をたくさんみたが、全く私には感じられなかった。むしろ、マジックの技術を磨いて切磋琢磨しているマジック職人たちの社会をこけにして消えていっただけのような複雑な気持ちにさせられる物語だった。