巨匠石川淳の、戦中から戦後の約三十年に書かれた短篇たち。
さすがの石川淳も、最初の頃はけっこう書きにくい体験もしていたんだなあと、「マルスの歌」では読みとれます。
「影ふたつ」「灰色のマント」「まぼろし車」などでは、観念的な幻想が使われて、ちょっと生硬な感じがして残念とも言えます。
ただ、歴史の枠を応用した「喜寿童女」「金鶏」「ゆう女始末」などは流石です。素晴らしい出来栄え。
なんとなくナボコフ的なところがあるように、つまりどこか形而上なところが含まれているようにも思えます。
副島蒼海が、石川九楊の言うとおり能書として書かれたり。
最後の短篇では、著者自身批判した文化大革命もちょっと書かれています。
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石川淳短篇小説選 (ちくま文庫 い 24-4 石川淳コレクション) 文庫 – 2007/1/1
マルスの歌,黄金伝説,無尽燈,焼跡のイエス,かよい小町,雪のイヴ 他
- 本の長さ437ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2007/1/1
- ISBN-10448042301X
- ISBN-13978-4480423016
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2007/1/1)
- 発売日 : 2007/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 437ページ
- ISBN-10 : 448042301X
- ISBN-13 : 978-4480423016
- Amazon 売れ筋ランキング: - 987,415位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年6月10日に日本でレビュー済み
小学生のとき以来、石川淳を読むのは久々なのだが、滅茶苦茶おもしろい。小説の企みが非情にうまい作家である。初期の芥川賞受賞作家ということだが、考えてみれば、綿矢りさとかいった名前だったと思うが、芥川賞受賞後、何年も書けない芥川賞受賞作家がごろごろいる。一例をあげれば大岡玲、松村栄子、その他もろもろ。また書いていても、つまらないのしか書けないのがさらにごろごろといる。してみれば芥川賞受賞作家というものはピンキリなんだということがよくわかる、それほどすごいのが今回の石川淳短篇小説選である。すごい作家は最初から最後まですごいし、駄目な作家は芥川賞受賞作品そのものも駄目なら、その後の作品もまともな芸術言語に達していない。松浦寿輝とか堀なんとかといった最近の受賞者も格好だけはまともだが、内実は下手な小説しか書けないし。芥川賞も受賞作なしということを実施しなければ、下手な三文小説家で日本文学はインフレを起こしてしまう、というかすでにインフレ。しょせん芥川賞も商業主義に毒されているにすぎず、まともな言語芸術の道案内の役から降りてしまっている。