反「社会学」講座であって、「反社会」学講座ではありません。
要は、社会学の定説を社会学的な手法をもって批判している本です。
批判されている定説は「少年犯罪が増えている」とか「少子化は問題だから何とかしなきゃ」などなどマスコミとかでも騒がれていて、一般常識というか、普通の人なら疑問を抱かないようなテーマ。
そのような、もっともらしく見えるように仕立て上げられた俗説がいかに間違っているか、というのを、いろんなところから統計を持ってきて皮肉たっぷりに論証していく。このあたりがなかなか痛快です。
細かな内容ではなく、この本のスタンス自体が評価されるべきだと思います。
俗説に対する著者の反論は、細かく見ていくと疑わしいところもあるけど、少なくとも、問題だと騒がれているいろいろな問題が、「本当に問題なのかアヤシイ」という指摘をしていること自体に価値があると思う。
個人的には、著者の「人間いい加減史観」や「スーペーさん」批判、「自立が美徳という価値観がおかしい。もっと頼れるところに頼れ」という主張は共感できるところが大きい。
だいぶ前に書かれた本だけど、アメリカ社会批判(「アメリカの中産層の生活は、下層の人々の生活を犠牲にして成り立っている」)もまさしく図星でしたね。
文章も話し言葉なので読みやすいです。仕事の行き帰りの電車の中で読了。
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反社会学講座 (ちくま文庫 ま 33-1) 文庫 – 2007/7/10
パオロ マッツァリーノ
(著),
Paolo Mazzarino
(原名)
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- ISBN-104480423567
- ISBN-13978-4480423566
- 出版社筑摩書房
- 発売日2007/7/10
- 言語日本語
- 本の長さ381ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2007/7/10)
- 発売日 : 2007/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 381ページ
- ISBN-10 : 4480423567
- ISBN-13 : 978-4480423566
- Amazon 売れ筋ランキング: - 231,825位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに社会学を面白おかしく語れるんだなと感心。自立、少子化、フリーター、etc. 日常的なテーマを使って皮肉たっぷりに社会に流布している勘違いを指摘する。と同時にデータの見方や結論の持っていきかたの勉強にもなる。
作者の作家としてのユーモアのセンスと、学者としての論理のバランス感覚、好きです。
ネタ的な要素もありますが、面白いので友人に勧めたくなる本です。
作者の作家としてのユーモアのセンスと、学者としての論理のバランス感覚、好きです。
ネタ的な要素もありますが、面白いので友人に勧めたくなる本です。
2006年1月12日に日本でレビュー済み
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社会学の悪い使い方を切り捨てる本。漫談形式でおもしろおかしく書いてあるが、内容は決してちょろいものではなく、都合のいい情報の拾い方や情報発信ってどういうことよ?ということを丁寧に説明している。他の本がでていたら、ぜひ続刊も読みたい
2011年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
メディアに登場する統計学的数字
そこから語られる社会問題とその根拠
そこに、どれだけの信憑性があるのだろう。
メディア(TV、新聞)という自分に取って、体感する事以外のすべてを教えてくれる存在。一切の疑いは無かった。
またメディアをツールとして語る人たちの事も。
識者達、その肩書き、権威に否定など一切感じなかった。
が、この本で、その信頼が一気に崩れ落ちた。
そこから語られる社会問題とその根拠
そこに、どれだけの信憑性があるのだろう。
メディア(TV、新聞)という自分に取って、体感する事以外のすべてを教えてくれる存在。一切の疑いは無かった。
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識者達、その肩書き、権威に否定など一切感じなかった。
が、この本で、その信頼が一気に崩れ落ちた。
2007年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
基本的に、パオロさんの文体が好みです。
ところどころ笑えながらも、「ほぉ、確かに!」と唸らせられるような
鋭いつっこみが散りばめられています。
まさに「事実はひとつ、解釈は無数」のこの世界・・・。
結局は自分の頭で考えることが大切なんだなぁと、
しみじみ感じさせられた一冊でした。
ところどころ笑えながらも、「ほぉ、確かに!」と唸らせられるような
鋭いつっこみが散りばめられています。
まさに「事実はひとつ、解釈は無数」のこの世界・・・。
結局は自分の頭で考えることが大切なんだなぁと、
しみじみ感じさせられた一冊でした。
2014年12月20日に日本でレビュー済み
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おもしろいです。けっしていいかげんなことを主張しているのではなく、データや文献を調べたうえで結論を述べている。
内容が濃くて読んでよかったと思いました。
内容が濃くて読んでよかったと思いました。
2011年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書はいろいろ突っ込みどころがある。
まず、著者。イタリア生まれの30代で日本で教鞭を執る、とあるがそんな本名の学者は存在しない。グループによる「XX委員会 編・著」の亜流と思われるが、そのわりに6−7冊も著書がある。
タイトル。「反・社会」的な強いアジテーションの本かと思ったら、「反・社会学」つまり従来の社会学の主張などをあげつらうだけという弱い内容でがっかり。そして今までの社会学の主張の陥穽を突くということを目指すのなら、「常識の嘘」的なことの指摘の反復が期待される。「エー、そうだったの」という驚きをもたらして欲しい。
冒頭第2章で「実は少年の凶悪犯罪は昔に比べれば減っている」という資料が示されているが、そのレベル(これも強い驚きとまでは行かないのだが)の指摘の提出が続かない。取り上げている内容も雑多に渡ってしまい、いよいよ複数の社会学者(それも単著も出せず、本名で共著を出すレベルではない)による執筆によるテーマの分散かと疑われる。
読み終わって、「はて、この著者が言いたかったことは何なのだろう」と首をかしげた。
投稿者 香港 時刻: 15:46
まず、著者。イタリア生まれの30代で日本で教鞭を執る、とあるがそんな本名の学者は存在しない。グループによる「XX委員会 編・著」の亜流と思われるが、そのわりに6−7冊も著書がある。
タイトル。「反・社会」的な強いアジテーションの本かと思ったら、「反・社会学」つまり従来の社会学の主張などをあげつらうだけという弱い内容でがっかり。そして今までの社会学の主張の陥穽を突くということを目指すのなら、「常識の嘘」的なことの指摘の反復が期待される。「エー、そうだったの」という驚きをもたらして欲しい。
冒頭第2章で「実は少年の凶悪犯罪は昔に比べれば減っている」という資料が示されているが、そのレベル(これも強い驚きとまでは行かないのだが)の指摘の提出が続かない。取り上げている内容も雑多に渡ってしまい、いよいよ複数の社会学者(それも単著も出せず、本名で共著を出すレベルではない)による執筆によるテーマの分散かと疑われる。
読み終わって、「はて、この著者が言いたかったことは何なのだろう」と首をかしげた。
投稿者 香港 時刻: 15:46
2015年3月1日に日本でレビュー済み
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高校生の私でもわかりやすく、社会学の入門書的な本だと思います。