多感な時期によくある、気違いじみたものだったり、人とは違うものだったり、感情を揺さぶられるもの、
に対する興味や憧れを抱く年齢に読んでいたら、人生において相当な衝撃と影響を受けていたかもしれません。
あるいは嫌悪感を抱くほどの性描写に、つまらないものと決めつけていたかもしれません。
ねじ式が図抜けて素晴らしかったです。
稲中みたいなまぬけなツラのキャラクターとは対照的な、背景画の書き込み量のすさまじさに圧倒され、
不条理ものを思わせる会話や、エログロナンセンスな展開に、ページを繰る手が止まりませんでした。
メッセージ性や意味があるものとして読むのではなく、行間や描写を楽しめます。
実際にある風景を描いた写実的な絵は素晴らしく、荒唐無稽な小説や不条理小説が好きな人にもおすすめします。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥836¥836 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥836¥836 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥508¥508 税込
配送料 ¥290 6月14日-16日にお届け
発送元: 田中本のツボ文庫 販売者: 田中本のツボ文庫
¥508¥508 税込
配送料 ¥290 6月14日-16日にお届け
発送元: 田中本のツボ文庫
販売者: 田中本のツボ文庫
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫 つ-14-1 つげ義春コレクション) 文庫 – 2008/10/8
つげ 義春
(著)
この商品はセット買いができます
『つげ義春コレクション 全9巻セット』 こちらをチェック
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥836","priceAmount":836.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"836","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"oB4Yl3PVXnWKBC21jxzPka8LH27hXQZtbSiEOI7ahz%2Fmm6nSBxiSm9BRAK46i53sWAjevAH1w%2Bq9LbRptdB8Ja6eX0KRsBV5OJrQSdHP2i2O%2F5HMrfS%2FmTftpSyGWS7%2B","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥508","priceAmount":508.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"508","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"oB4Yl3PVXnWKBC21jxzPka8LH27hXQZtbV%2BLmK4hgksLsCuc089NJORsC76VE5xcasmnJ9nx2%2Fm3KuqVWmXttDt27WZGPC68ub2nxs970NUvFx9poGVeMnJ%2FOPR3QvdBgkJUTflR9kIUx7bnukzzV9lEMUbdGHHoJeGgFbx8XXbjfblbYEQ7Ig%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
妄想、狂気、旅、そして日常と非日常…衝撃の作品群を集めた「つげ義春コレクション」。
つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる“夢の作品群”と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた“日常もの”を集大成。
【目次】
ねじ式
ゲンセンカン主人
夢の散歩
アルバイト
雨の中の慾情
夜が掴む
コマツ岬の生活
外のふくらみ
必殺するめ固め
ヨシボーの犯罪
窓の手
夏の思いで
懐かしいひと
事件
退屈な部屋
日の戯れ
解題:高野慎三
解説「つげ義春の場末趣味」 川本三郎
■著者のことば
この全集は全作品を収録したものではなく、初期の貸本時代の作の大半は除いてある。全作をまとめるのは量的に難しいだけでなく、稚拙で未熟な過去を晒すのは気がすすまぬからである。が、旧作は目にする機会が少いとのことで一部をここに収めたが、粗末な作であるのは生活苦による乱作のためばかりではなく、マンガ全般のレベルが低かった時代でもあり、その点を酌量して戴ければ幸いである。後期の作に関しては弁解するところはない。
(1993年10月 つげ義春全集[全8巻・別巻1]内容見本より)
つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる“夢の作品群”と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた“日常もの”を集大成。
【目次】
ねじ式
ゲンセンカン主人
夢の散歩
アルバイト
雨の中の慾情
夜が掴む
コマツ岬の生活
外のふくらみ
必殺するめ固め
ヨシボーの犯罪
窓の手
夏の思いで
懐かしいひと
事件
退屈な部屋
日の戯れ
解題:高野慎三
解説「つげ義春の場末趣味」 川本三郎
■著者のことば
この全集は全作品を収録したものではなく、初期の貸本時代の作の大半は除いてある。全作をまとめるのは量的に難しいだけでなく、稚拙で未熟な過去を晒すのは気がすすまぬからである。が、旧作は目にする機会が少いとのことで一部をここに収めたが、粗末な作であるのは生活苦による乱作のためばかりではなく、マンガ全般のレベルが低かった時代でもあり、その点を酌量して戴ければ幸いである。後期の作に関しては弁解するところはない。
(1993年10月 つげ義春全集[全8巻・別巻1]内容見本より)
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2008/10/8
- 寸法14.8 x 10.5 x 1 cm
- ISBN-104480425411
- ISBN-13978-4480425416
よく一緒に購入されている商品
対象商品: つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫 つ-14-1 つげ義春コレクション)
¥836¥836
通常5~8日以内に発送します。
¥836¥836
最短で6月12日 水曜日のお届け予定です
残り2点(入荷予定あり)
¥836¥836
最短で6月12日 水曜日のお届け予定です
残り6点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
つげ 義春(つげ・よしはる):1937年、東京葛飾生まれ。子供のころからいくつものアルバイトを経験し、小学校卒業とともにメッキ工場に勤める。その後職を変わりながら、職業としてマンガ家をめざし、1955年に単行本『白面夜叉』で本格デビュー。貸本マンガや子供向け雑誌で活躍。1965年から『ガロ』に作品を発表し、注目を集める。独特な作風で知られ、寡作ながら版を変えて作品集が刊行され続けている。映画化作品に「無能の人」「ゲンセンカン主人」「蒸発旅日記」などがある。著書に『つげ義春の温泉』『つげ義春コレクション』『つげ義春流れ雲旅』『貧困旅行記』『ねじ式 紅い花 漫画アクション版 つげ義春カラー作品集』など多数がある。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2008/10/8)
- 発売日 : 2008/10/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4480425411
- ISBN-13 : 978-4480425416
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,037位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
56グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誰もが奇妙な夢を見る事があるかと思いますが、それをそのまま漫画にすることに成功している、っていう感じですね。作者もそういう作品という事で巻末のコメントにありました。あの夢を見た後の不思議な感覚を再現しています。そして全く対照的な、現実的な作品群も収録されており、そのコントラストがまた面白いです。一見、思いつきで創作されているような印象を受け勝ちですが、この夢と現実の対比も含めて、全て作者の意図的なものであるようです。漫画を楽しむというより、芸術作品として見れる創作物だと思います。大好きです。
2012年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
NECのPC-9801というパーソナルコンピュータが全盛を誇っていた頃に、この「ねじ式」を主題にしたPCゲームがありました。日本語版Wikipediaに記事がありますが、つげさんの作品は1986年に発表され、ゲームの方は1989年に発売されたそうです。
つげ義春さんの世界をアドベンチャーゲーム風にたどっていく内容だったと思います。ゲームの細かいことはすっかり忘れてしまいましたが、ひどく超現実的な絵と内容に強い印象を受けた記憶があります。
ネット検索してみるとオークションなどでたまに出回っていたり、PC-9801のエミュレータでゲームを動かしたというような記事が見つかります。Wikipediaに記事があるほどですから、原作と同様に当時はなかなかの話題作または問題作だったのではないでしょうか。
原作とともにそちらも復刻もされるといいのですが。
つげ義春さんの世界をアドベンチャーゲーム風にたどっていく内容だったと思います。ゲームの細かいことはすっかり忘れてしまいましたが、ひどく超現実的な絵と内容に強い印象を受けた記憶があります。
ネット検索してみるとオークションなどでたまに出回っていたり、PC-9801のエミュレータでゲームを動かしたというような記事が見つかります。Wikipediaに記事があるほどですから、原作と同様に当時はなかなかの話題作または問題作だったのではないでしょうか。
原作とともにそちらも復刻もされるといいのですが。
2022年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
独特の雰囲気・表現力でマニアックな世界です。哀しさと侘しさが漫画全体を、おおっています。
2014年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
先日、某新聞でマンガ家の蛭子能収さんが、人生で大きな影響を
受けたマンガとして紹介していたのが本書です。
それまで「つげ義春」という名前を知らなかった私は、漫画家に
影響を与える漫画家というのに興味が湧き、衝動買いしました。
内容は、色々な内容の短編集で、いずれも「不思議」「ワールド」です。
良い意味で、脳みそグルグルになりました(普段使わないところが刺激された)。
ただ、下ネタが多い。
人に勧めたいけど、セクハラと言われないように相手を選ぶ、そんなマンガです。
受けたマンガとして紹介していたのが本書です。
それまで「つげ義春」という名前を知らなかった私は、漫画家に
影響を与える漫画家というのに興味が湧き、衝動買いしました。
内容は、色々な内容の短編集で、いずれも「不思議」「ワールド」です。
良い意味で、脳みそグルグルになりました(普段使わないところが刺激された)。
ただ、下ネタが多い。
人に勧めたいけど、セクハラと言われないように相手を選ぶ、そんなマンガです。
2013年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ひさしぶりにつげ義春を読もうと思って、ちくま文庫の「つげ義春コレクション」を読んでいますが、やはりいちばんシュールなのが、この「ねじ式/よるが掴む」だと思います。
できればこの本を読む前に、「大場電気鍍金工業所/やもり」を読んでおくと、つげ義春の少年時代が描かれているので兄と小さな弟がいる状況、めっき工場、生まれ育った幸福だった伊豆大島と海への望郷、マンガ家志望などのつげワールドの構成要素を理解することができます。また、「大場〜」には「義男の青春」が収録されていて、旅館の女中さんと仲良くなって、東京でデートしたという話があります。これを読んでおくと、「ねじ式〜」の「懐かしいひと」で再度妻と旅館に訪れている作品がおもしろくなりますね。
つげ義春といえば「ねじ式」というくらい有名ですが、いま再び読んでみるとつげ義春がいままで描いて来た作品とはかなり違うテイストだと感じました。なんというか、周りからなんと思われようが気にしない、でもそれでいて自信がみなぎっているから、なんの意味もないストーリー(本人が夢で見た話と言っています)なのに、読んでいる側は、まるでなにか真理がどこかに隠されているかのような感覚におちいります。
解説にありますが、「ねじ式」が掲載されたのは、ガロの特別増刊号。そこで「つげ義春特集」が組まれた巻頭の作品なので、つげ義春がいちばんブレイクしていた時だと思えば納得ですね。
「ゲンセンカン主人」も、なんというか異様な村の裏社会に妖気ただようエロスと怪奇がまぜこぜになった非常に濃い作品です。
それに比べて後半のいくつかの作品は、私小説的なもので、シュールで濃い作品が、読者から飽きられたのか、つげ本人がもう卒業したのか、ネタ切れなのかわかりませんが、かなり「あっさり」した作品群になっています。とは言うものの、つげワールドはしっかり感じさせるものばかりですので、十分楽しめる内容です。
いちばん笑ったのが「必殺するめ固め」というタイトル。七輪でするめを焼くと、クルクルっと巻かれるのを見て思いついたのだとは思いますが、なんとも情けない若い夫のすがたを描いています。つげが、人妻好きなのは他の作品を読んでいればわかりますが、するめ固めさせられるのはつげ本人のキャラだとして、ここで登場する精力絶倫の中年オヤジのキャラは他の作品では見られないキャラなので面白かったです。
できればこの本を読む前に、「大場電気鍍金工業所/やもり」を読んでおくと、つげ義春の少年時代が描かれているので兄と小さな弟がいる状況、めっき工場、生まれ育った幸福だった伊豆大島と海への望郷、マンガ家志望などのつげワールドの構成要素を理解することができます。また、「大場〜」には「義男の青春」が収録されていて、旅館の女中さんと仲良くなって、東京でデートしたという話があります。これを読んでおくと、「ねじ式〜」の「懐かしいひと」で再度妻と旅館に訪れている作品がおもしろくなりますね。
つげ義春といえば「ねじ式」というくらい有名ですが、いま再び読んでみるとつげ義春がいままで描いて来た作品とはかなり違うテイストだと感じました。なんというか、周りからなんと思われようが気にしない、でもそれでいて自信がみなぎっているから、なんの意味もないストーリー(本人が夢で見た話と言っています)なのに、読んでいる側は、まるでなにか真理がどこかに隠されているかのような感覚におちいります。
解説にありますが、「ねじ式」が掲載されたのは、ガロの特別増刊号。そこで「つげ義春特集」が組まれた巻頭の作品なので、つげ義春がいちばんブレイクしていた時だと思えば納得ですね。
「ゲンセンカン主人」も、なんというか異様な村の裏社会に妖気ただようエロスと怪奇がまぜこぜになった非常に濃い作品です。
それに比べて後半のいくつかの作品は、私小説的なもので、シュールで濃い作品が、読者から飽きられたのか、つげ本人がもう卒業したのか、ネタ切れなのかわかりませんが、かなり「あっさり」した作品群になっています。とは言うものの、つげワールドはしっかり感じさせるものばかりですので、十分楽しめる内容です。
いちばん笑ったのが「必殺するめ固め」というタイトル。七輪でするめを焼くと、クルクルっと巻かれるのを見て思いついたのだとは思いますが、なんとも情けない若い夫のすがたを描いています。つげが、人妻好きなのは他の作品を読んでいればわかりますが、するめ固めさせられるのはつげ本人のキャラだとして、ここで登場する精力絶倫の中年オヤジのキャラは他の作品では見られないキャラなので面白かったです。
2010年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
奇妙な夢・妄想と現実を往来するファンタジー、だと思います。
起承転結のようなきちんとしたストーリーを持たない、結末のわからない物語ですね。
つげ氏のまんがの凄さは、それが面白いことです。
作者の内部から発している”何か”が作品を通して読み手に伝わってくるようです。
赤塚不二夫氏がトキワ荘に入る前、東京の化学工場に勤務していました。
日中は仕事をしながら、投稿作品を描いていました。
当時、赤塚氏の部屋を訪ねてくる漫画家が、長谷邦夫氏とつげ義春氏であったそうです。
つげ義春氏と赤塚氏が漫画家としてのスタートを切った頃に既に出会っていたことに興味を覚えました。
赤塚氏は、手塚タッチの上手な絵とギャグで児童漫画の頂点に登りつめます。
一方のつげ氏は、成人向けの漫画の時代がやってくるまで、ずっと待機していたような印象です。
独特のタッチと夢に迷い込んでしまったようなグロテスクなファンタジー。
赤塚漫画で育った子供が成人し、やっと受け入れられそうな作品群です。
赤塚氏も次第に大人漫画に進もうとしていたように見えたのですが、かつてのように光り輝くことはなかったように思えます。
つげ義春氏の作品は何も変わらず、時代が彼の領域に入っていったのだと思います。
起承転結のようなきちんとしたストーリーを持たない、結末のわからない物語ですね。
つげ氏のまんがの凄さは、それが面白いことです。
作者の内部から発している”何か”が作品を通して読み手に伝わってくるようです。
赤塚不二夫氏がトキワ荘に入る前、東京の化学工場に勤務していました。
日中は仕事をしながら、投稿作品を描いていました。
当時、赤塚氏の部屋を訪ねてくる漫画家が、長谷邦夫氏とつげ義春氏であったそうです。
つげ義春氏と赤塚氏が漫画家としてのスタートを切った頃に既に出会っていたことに興味を覚えました。
赤塚氏は、手塚タッチの上手な絵とギャグで児童漫画の頂点に登りつめます。
一方のつげ氏は、成人向けの漫画の時代がやってくるまで、ずっと待機していたような印象です。
独特のタッチと夢に迷い込んでしまったようなグロテスクなファンタジー。
赤塚漫画で育った子供が成人し、やっと受け入れられそうな作品群です。
赤塚氏も次第に大人漫画に進もうとしていたように見えたのですが、かつてのように光り輝くことはなかったように思えます。
つげ義春氏の作品は何も変わらず、時代が彼の領域に入っていったのだと思います。
2013年6月23日に日本でレビュー済み
日本人として生まれ育ち、この作品に出会えて、心底よかったな、と感じられた。感動した!と言うのとも異なる。読んでよかった。
心が温まるお話は詰め込まれておらず、幸せな読後感、と言うのも全くない。じっとり・どんより・ぐったりとする一冊だ。それでも。
「闇」を掬い取って見せてくれる稀有な作品だと思う。単なるエログロではなくて。淡々と描かれる日常と非日常の狭間、その闇に。
懐古趣味でもなくて。平成の世だからこそ、じっくりと味わって頂きたい作品だとお薦めできる。闇は傍らに口を開けているものだ。
「大好きな作品」と公言するのは憚られるかもしれぬ。だが「中身」がある。ペンと言う刃で刻まれていった暗い記憶を共有したい。
【 収録作品 (初出掲載雑誌 等) 】
▼ 「ねじ式」 (『ガロ』1968年6月臨時増刊号)
▼ 「ゲンセンカン主人」 (『ガロ』1968年7月号)
▼ 「夢の散歩」 (『夜行No.1''』1972年4月刊行)
▼ 「アルバイト」 (『ポエム』1977年1月号)
▼ 「雨の中の慾情」 (『夜行No.11』1981年12月刊行)
▼ 「夜が掴む」 (『漫画サンデー』1976年9月号)
▼ 「コマツ岬の生活」 (『夜行No.7''』1978年6月刊行)
▼ 「外のふくらみ」 (『夜行No.8''』1979年5月刊行)
▼ 「必殺するめ固め」 (『カスタム・コミック』1979年7月号)
▼ 「ヨシボーの犯罪」 (『カスタム・コミック』1979年9月号)
▼ 「窓の手」 (『カスタム・コミック』1980年3月号)
▼ 「夏の思いで」 (『夜行No.2''』1972年9月刊行)
▼ 「懐かしいひと」 (『終末から2』1973年8月刊行)
▼ 「事件」 (『夜行No.5''』1974年4月刊行)
▼ 「退屈な部屋」 (『漫画サンデー』1975年10月号)
▼ 「日の戯れ」 (『カスタム・コミック』1980年11月号)
※ 本書は『つげ義春全集6』(1994年2月25日、筑摩書房刊)を文庫化したものである。
※ 収録作品の初出については、本書巻末・高野慎三氏の解題より転記させて頂いた。
心が温まるお話は詰め込まれておらず、幸せな読後感、と言うのも全くない。じっとり・どんより・ぐったりとする一冊だ。それでも。
「闇」を掬い取って見せてくれる稀有な作品だと思う。単なるエログロではなくて。淡々と描かれる日常と非日常の狭間、その闇に。
懐古趣味でもなくて。平成の世だからこそ、じっくりと味わって頂きたい作品だとお薦めできる。闇は傍らに口を開けているものだ。
「大好きな作品」と公言するのは憚られるかもしれぬ。だが「中身」がある。ペンと言う刃で刻まれていった暗い記憶を共有したい。
【 収録作品 (初出掲載雑誌 等) 】
▼ 「ねじ式」 (『ガロ』1968年6月臨時増刊号)
▼ 「ゲンセンカン主人」 (『ガロ』1968年7月号)
▼ 「夢の散歩」 (『夜行No.1''』1972年4月刊行)
▼ 「アルバイト」 (『ポエム』1977年1月号)
▼ 「雨の中の慾情」 (『夜行No.11』1981年12月刊行)
▼ 「夜が掴む」 (『漫画サンデー』1976年9月号)
▼ 「コマツ岬の生活」 (『夜行No.7''』1978年6月刊行)
▼ 「外のふくらみ」 (『夜行No.8''』1979年5月刊行)
▼ 「必殺するめ固め」 (『カスタム・コミック』1979年7月号)
▼ 「ヨシボーの犯罪」 (『カスタム・コミック』1979年9月号)
▼ 「窓の手」 (『カスタム・コミック』1980年3月号)
▼ 「夏の思いで」 (『夜行No.2''』1972年9月刊行)
▼ 「懐かしいひと」 (『終末から2』1973年8月刊行)
▼ 「事件」 (『夜行No.5''』1974年4月刊行)
▼ 「退屈な部屋」 (『漫画サンデー』1975年10月号)
▼ 「日の戯れ」 (『カスタム・コミック』1980年11月号)
※ 本書は『つげ義春全集6』(1994年2月25日、筑摩書房刊)を文庫化したものである。
※ 収録作品の初出については、本書巻末・高野慎三氏の解題より転記させて頂いた。