ドイツ・ロマン派のなかでも有名な作家たちの短編を集める、という近年では珍しい企画の文庫本。
ティーク「金髪のエックベルト」、シャミッソー「アーデルベルトの寓話」、アーヒム・フォン・アルニム「アラビアの女予言者メリュック・マリア・ブランヴィル」、アイヒェンドルフ「大理石像」、ホフマン「ファールンの鉱山」を収録。
ロマン派の作品は、詩心を持った若者が異界の者の誘惑に遭い、妄想と狂気の世界(夢見る者のユートピアでもある)に入っていく、という内容のものが多いです。本書はそのようなパターンを踏襲しつつも、ひと味違う作品を収録しています。
「アーデルベルトの寓話」と「大理石像」は、心の彷徨ののち、詩人が現実世界で生きてゆく前向きな結末の作品。反対に、地上と地下の間で自己分裂に悩まされる主人公の物語「ファールンの鉱山」は悲劇です。
おすすめは、友情を求める孤独な騎士の悲劇「金髪のエックベルト」と、賢く情熱的な”新しい女”メリュックの人生とフランス革命を描いた「アラビアの女予言者」。どちらも、愛や友情について考えさせられる内容です。
絶版本でしか読めなかった作品の他、翻訳の見当たらない作品が読めるのが嬉しい。こういう企画がこれからも続いてほしいと思います。
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ドイツ幻想小説傑作選 ――ロマン派の森から (ちくま文庫 と 21-1) 文庫 – 2010/2/9
今泉 文子
(翻訳)
- 本の長さ319ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2010/2/9
- ISBN-104480426655
- ISBN-13978-4480426659
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2010/2/9)
- 発売日 : 2010/2/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 319ページ
- ISBN-10 : 4480426655
- ISBN-13 : 978-4480426659
- Amazon 売れ筋ランキング: - 295,044位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作品自体は、良かったのですが。
特に詩人でもある、アイヒェンドルフの詩も交えて展開される、
「大理石像」が気に入りました。
各話自体は良かったのですが、非常にひっかかった事を一つ。
シャミッソーに関する解説文の問題の箇所ですが、「ルイーズ妃」ではなくて、
「ルイーゼ妃」です。
完全に、フランス語読みになってしまっています。
以前から、ドイツ文学関係者のプロの翻訳者の、
プロイセンの歴史、特にプロイセン王家の人々に関する無知さは深刻だと感じています。
彼らはなぜかドイツ文学となると、
途端にプロイセンの歴史と切り離す傾向にあるような?
ドイツ文学者なら、プロイセンの歴史についても、
もう少し知っておいた方がいいのではないでしょうか?
ティーク、シャミッソー、アヒムはいずれもプロイセンと関係の深い
文学者達ですし。
それにしても、一般常識として、ドイツには「ルイーズ」という
発音の名前はない事くらい、わからないものでしょうか?
「Luise」の筆記からしても、なぜルイーズと読めるのか不思議です。
ガイドブックにも、「ルイーゼ」と書いてあるのに。
特に詩人でもある、アイヒェンドルフの詩も交えて展開される、
「大理石像」が気に入りました。
各話自体は良かったのですが、非常にひっかかった事を一つ。
シャミッソーに関する解説文の問題の箇所ですが、「ルイーズ妃」ではなくて、
「ルイーゼ妃」です。
完全に、フランス語読みになってしまっています。
以前から、ドイツ文学関係者のプロの翻訳者の、
プロイセンの歴史、特にプロイセン王家の人々に関する無知さは深刻だと感じています。
彼らはなぜかドイツ文学となると、
途端にプロイセンの歴史と切り離す傾向にあるような?
ドイツ文学者なら、プロイセンの歴史についても、
もう少し知っておいた方がいいのではないでしょうか?
ティーク、シャミッソー、アヒムはいずれもプロイセンと関係の深い
文学者達ですし。
それにしても、一般常識として、ドイツには「ルイーズ」という
発音の名前はない事くらい、わからないものでしょうか?
「Luise」の筆記からしても、なぜルイーズと読めるのか不思議です。
ガイドブックにも、「ルイーゼ」と書いてあるのに。
2010年11月7日に日本でレビュー済み
訳者は多くの翻訳をされているドイツ・ロマン派の研究者です。本書もセンスのある選択で、しかも新訳ということで、それは結構なのですが、本の作られ方に異議があります。
訳者今泉氏と筑摩書房編集者岩川哲司氏はご夫婦のはず。法に反するわけではないものの、身内の仕事を身内が出すのは、八百長あるいはお手盛りの極みではないでしょうか。また、それを許す版元の見識もいかがなものでしょう。
訳者今泉氏と筑摩書房編集者岩川哲司氏はご夫婦のはず。法に反するわけではないものの、身内の仕事を身内が出すのは、八百長あるいはお手盛りの極みではないでしょうか。また、それを許す版元の見識もいかがなものでしょう。