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ねにもつタイプ (ちくま文庫) 文庫 – 2010/1/6
購入オプションとあわせ買い
観察と妄想と思索が渾然一体となったキシモトワールドへようこそ
コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。矢吹ジョーの口から出るものの正体。「猫マッサージ屋」開業の野望。バンドエイドとの正しい闘い方―。奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。読んでも一ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。
【目次】
ニグのこと
マシン
星人
馬鹿と高いところ
じんかん
△△山の思い出
ゾンビ町の顚末
郵便局にて
ぜっこうまる
ニュー・ビジネス
くだ
奥の小部屋
フェアリーランドの陰謀
日記より
お隣りさん
ホッホグルグル問題
「毎日がエブリデイ」
疑惑の髪型
桃
かげもかたちも
夏の思い出
目玉遊び
一度きりの文通
戦記
リスボンの路面電車
Don't Dream
Watch Your Step
黄色い丸の中
作法
心の準備
生きる
裏五輪
とりあえず普通に
ピクニックじゃない
床下せんべい
むしゃくしゃして
ゴンズイ玉
べぼや橋を渡って
住民録
夏の逆襲
ツクツクボウシ
十五光年
鍋の季節
西太后の玉
さいきんのわたくし
マイ富士
部屋のイド
グルメ・エッセイ
かわいいベイビー
難問
アイ・スパイ
ある夜の思い出
あとがき
文庫版あとがき
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2010/1/6
- 寸法10.7 x 0.9 x 14.8 cm
- ISBN-104480426736
- ISBN-13978-4480426734
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出版社より
コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。矢吹ジョーの口から出るものの正体。「猫マッサージ屋」開業の野望。バンドエイドとの正しい闘い方――。奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。読んでも一ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。
岸本佐知子(きしもと・さちこ)
上智大学文学部英文学科卒。洋酒メーカー宣伝部勤務を経て翻訳家に。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、ショーン・タン『セミ』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』など多数。編訳書に『変愛小説集』『居心地の悪い部屋』『コドモノセカイ』『楽しい夜』など。著書に『気になる部分』『ねにもつタイプ』がある。『ねにもつタイプ』で第23回講談社エッセイ賞を受賞。
商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2010/1/6)
- 発売日 : 2010/1/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4480426736
- ISBN-13 : 978-4480426734
- 寸法 : 10.7 x 0.9 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,086位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25位ロシア・東欧文学研究
- - 33位ちくま文庫
- - 177位日本文学研究
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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読み始めるとすぐに分かるが、これはエッセイという言葉から通常イメージされるようなエッセイではない。一種独特な創作とでも呼べばいいだろうか。ジャンル分けしづらいので、あえてエッセイと呼ぶしかない、というような文章なのである。本の帯ではそれを「笑いがこみあげる奇妙な世界」と称している。
文章のパターンとしては、以下の2通りに分けることができると思う。
1)独特の感性や感覚を、巧みな語彙力や表現力で綴ったもの。
2)イマジネーション豊かに繰り広げられるトールトーク(ほら話)。
このうち1については子ども時代に通じる話が多く、ほほえましい。しかし2に関しては、正直だんだん食傷気味になってくる。もちろん1と2の合わせ技もあるし、ヴァリエーションの多様化は試みられているのだが、僕は本書を半分ぐらい読んだ時点で飽きてしまった。
ただ、好むと好まざるとにかかわらず、この人はやはり文章がとてもうまい。それは、例えば声に出して読んでみると、よく練られた達意の文章であることに気づくはずだ。すべてのエッセイがこの調子なら、もうエッセイは読まないかもしれないけど、翻訳したものはこれからも信用できると思った。
え、こんな面白い作家さんをずっと知らずにいたのがもったいなかった。
岸本さんの頭の中はワンダーランド。
深く考えず読めて、プッっと、くすっと(にやっと?)ほくそえんでしまう。
特に好きなのはコアラの鼻と戦記。
「なんの汁。コアラ汁。」このセンス・・・天才か。
(コアラの料理ではないです)
あ、あとお風呂場の隅にそっと取り残された絆創膏。あれは共感しきりだった。
そうそう、あるある!とか「なんでやねん!ww」と、つっこみどころ満載なのも楽しい。
岸本ワールドにどっぷりハマってしまった。
こんな面白い本があるなんて。
ありがとう、NHKで紹介してくれた女性芸人さん。
著者はとても思い込みが強く、妄想豊かな人なのだろう
(一部は実際にあった話だろうけど)。
この妄想を物語にまで構築し立てあげれば
星新一のショートショートになるのかもしれない。
もし、妄想豊かな自分を演じて書いているのであれば、
稀代のほらふきとして賞賛されていいだろう。
向き不向きがあり、向かない人は読み続けられないだろう。
評者は、二度は読まないだろうけど、
一度は読み出したら止まらなくなった。
読んでみても悪くないと思う。