著者は、リブロなどを経て池袋ジュンク堂の副店長を務めたベテラン書店員で、前に『書店繁盛記』という文庫を読んだ。
この本はその続編のようなもので、やはり読みたかったのは、書店員から見た日本の出版業界の現状。
〈アマゾンが上陸した2000年以降、いわゆる「リアル書店」の勢いに陰りが見え始めた。出版業全体の下降とほぼ軌を一にしている。〉
〈「とにかく、児童書は買う人と読む人が違うので、買う人、つまり大人は誰かのアドバイスが欲しいわけですよ。どんな本がいいかしら、ってしょっちゅう聞かれます」〉
〈持谷(みすず書房前社長)が話した言葉が私に残った。「わが社のロングセラーの中で、とびぬけて売上が上がった年があります。それが阪神淡路と東日本の震災の年でした。ひとは大きな不幸に出会うと、本と向き合うものです。事故や災害だけでなく、たとえば思い病気にかかるとか。本というのはそういう役割を持っている。と私は信じています。(略)そんな時、人は書店に向かいます。(略)だから書店を日本からなくしてはいけない。」〉
〈「日本の出版流通インフラは雑誌が支えてきた」私はいつも若い社員に「『広辞苑』は『週刊少年ジャンプ』の配達のついでに地方の書店に運ばれる、決してその逆ではない」と、まず教える。その紙の『週刊少年ジャンプ』の売上が下がっている。〉
文章は基本的に読みやすいが、ときどき読点の打ち方に戸惑う。編集者が直せばいいのにと思う。
じつは章タイトルも悪い。内容がわかりづらい。何を考えて見出しをつけているんだか。筑摩書房ともあろうものが。
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増補 書店不屈宣言 (ちくま文庫) 文庫 – 2017/12/7
田口 久美子
(著)
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購入オプションとあわせ買い
長年、書店の現場に立ち続けてきた著者によるリアル書店レポート。困難な状況の中、現場で働く書店員は何を考え、どう働いているのか。大幅改訂版。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2017/12/7
- 寸法10.6 x 1.3 x 14.8 cm
- ISBN-104480434844
- ISBN-13978-4480434845
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2018年2月16日に日本でレビュー済み
『増補 書店不屈宣言――わたしたちはへこたれない』(田口久美子著、ちくま文庫)は、リアル書店員によるリアル書店讃歌です。
著者は電子書籍拡大の趨勢に疑問を投げかけています。「本はかたちがあってこそ本だ。本は紙とインクでできたモノなのだ。著者にはじまり、さまざまな業態のいろいろな人の手を通して読者に渡るのが本だ。その流れの最後の場所に私たち書店員がいる。それらの『本』をふさわしい居場所に置き、読者に見つけてもらい、手渡しする場として機能したい、と私たちは願っている。そんな思いをかかえながら、毎日の『書店働き』は続く」。
「書店はお客さんが育ててくれる、と私は思っている。というよりお客さんの呼吸をうまく把握できる棚をつくれるかどうか、にかかっている。だから長い年月が必要なのだ」。
「出版の現状は出口がよく見えない。私は書店員だし、小さい頃から本が常に傍らにある世界で生きてきた。だから町に書店があってほしい、と願う。紙の本を知らないで育つと、人は記憶をどうやってとどめるのだろうか。生半可な予想を寄せ付けないほど先が見えない」。
アマゾンに対する著者の警戒心は強烈です。「私たちはこういう大切な『マニア・学問の人』、つまり日常的に本が周辺にあるひと、を新興ネット書店・アマゾンに奪われているわけだ。だが、そのお客さんにとってはまことに便利な時代なったのだろう、書店員として認めるのは悲しいけれど」。
アマゾンの書評にも言及されています。「アマといえば、アマゾンの書評を作家さんたちは結構気にしているみたいで、アマゾンじゃなくても、ブログで書評を書いている読者がたくさんいて、ちょっと前までは考えられないような影響力があるみたいです」。
著者は現状を嘆くだけでなく、町の小規模書店が何とか書籍で食べていく道についても頭を巡らせています。「一つの解答は昨今話題の『セレクト書店』、でも立地(大都市でないと難しい)と経営センスが不可欠。成功している店主は、多分他の業態でも成功する、でもあえて書店を選んでいる。しかもそれまでの書店経営とは違う、つまり自分で本を『セレクト』して並べる、という『優れもの』なのだ。今までの書店は『自分でセレクト』していないの? という疑問にはこう答えるしかありません。はい、今までの書店のかなりが『取次が下支えしている書店』です(かなり、です、全部ではありません)」。
必要に応じて添えられている「文庫版追記」によって、私たちは現状を知ることができます。「4年が経ち、ケータイ小説の売れ行きは減少の一途をたどっている。もともとの『ケータイで小説を読む』ということが、『えっ、そんな時代があったの』と若いコたちが笑いそうな現象にまでなっているらしい。ネット環境は飛ぶように進む」。
読み終わって、やはり、本は「紙」で読みたい、町の書店で求めたい――と、強く感じました。
著者は電子書籍拡大の趨勢に疑問を投げかけています。「本はかたちがあってこそ本だ。本は紙とインクでできたモノなのだ。著者にはじまり、さまざまな業態のいろいろな人の手を通して読者に渡るのが本だ。その流れの最後の場所に私たち書店員がいる。それらの『本』をふさわしい居場所に置き、読者に見つけてもらい、手渡しする場として機能したい、と私たちは願っている。そんな思いをかかえながら、毎日の『書店働き』は続く」。
「書店はお客さんが育ててくれる、と私は思っている。というよりお客さんの呼吸をうまく把握できる棚をつくれるかどうか、にかかっている。だから長い年月が必要なのだ」。
「出版の現状は出口がよく見えない。私は書店員だし、小さい頃から本が常に傍らにある世界で生きてきた。だから町に書店があってほしい、と願う。紙の本を知らないで育つと、人は記憶をどうやってとどめるのだろうか。生半可な予想を寄せ付けないほど先が見えない」。
アマゾンに対する著者の警戒心は強烈です。「私たちはこういう大切な『マニア・学問の人』、つまり日常的に本が周辺にあるひと、を新興ネット書店・アマゾンに奪われているわけだ。だが、そのお客さんにとってはまことに便利な時代なったのだろう、書店員として認めるのは悲しいけれど」。
アマゾンの書評にも言及されています。「アマといえば、アマゾンの書評を作家さんたちは結構気にしているみたいで、アマゾンじゃなくても、ブログで書評を書いている読者がたくさんいて、ちょっと前までは考えられないような影響力があるみたいです」。
著者は現状を嘆くだけでなく、町の小規模書店が何とか書籍で食べていく道についても頭を巡らせています。「一つの解答は昨今話題の『セレクト書店』、でも立地(大都市でないと難しい)と経営センスが不可欠。成功している店主は、多分他の業態でも成功する、でもあえて書店を選んでいる。しかもそれまでの書店経営とは違う、つまり自分で本を『セレクト』して並べる、という『優れもの』なのだ。今までの書店は『自分でセレクト』していないの? という疑問にはこう答えるしかありません。はい、今までの書店のかなりが『取次が下支えしている書店』です(かなり、です、全部ではありません)」。
必要に応じて添えられている「文庫版追記」によって、私たちは現状を知ることができます。「4年が経ち、ケータイ小説の売れ行きは減少の一途をたどっている。もともとの『ケータイで小説を読む』ということが、『えっ、そんな時代があったの』と若いコたちが笑いそうな現象にまでなっているらしい。ネット環境は飛ぶように進む」。
読み終わって、やはり、本は「紙」で読みたい、町の書店で求めたい――と、強く感じました。