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病魔という悪の物語 ―チフスのメアリー (ちくまプリマー新書) 新書 – 2006/3/6
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毎日新聞書評(内田麻理香さん評・2020.7.11) で紹介!
緊 急 復 刊 ! ──100年前のアメリカを震撼させた衝撃の実話。
健康保菌者の公衆衛生と人権。「緊急事態宣言」解除の後に、私たちが問われる。
「自粛警察」「ネットリンチ」……目に見えないウイルスによって差別や社会の分断を進めぬために。
伝染病の恐怖と闘う現代人が、今読むべき歴史的教訓の書 !
料理人として働いていた彼女は、腸チフスの無症候性キャリアとして、本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた――。
20世紀初め、毒を撤き散らす悪女として「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る。エイズ、鳥インフルエンザ、新型コロナウイルスなど、伝染病の恐怖におびえる現代人にも、多くの問いを投げかけている。
「これは、ある一人の女性の生涯の物語だ。その女性は、料理がとてもうまい人だった。子どもの面倒見もよく、雇い主からは信頼されていた。だから、料理に存分に腕をふるい、雇い主にも信頼されてそのまま生活していけたとすれば、貧しいながらも、それなりに幸せな人生だったろう。だが、その女性には過酷な運命が待っていた。三七歳になったあるとき、突然、自分自身には身に覚えもないことで、公衆衛生学にとっての注目の的になり、その後の人生が大きく変わっていく。突然、自由を奪われ、病院に収容されるのだ。」
─「はじめに」より
【目次】
第1章 物語の発端(事件以前のメアリー チフス患者の発生 ほか)
第2章 公衆衛生との関わりのなかで(腸チフス チフスと戦争 ほか)
第3章 裁判と解放(法的な問題 「チフスのメアリー」の露わな登場 ほか)
第4章 再発見と、その後(自由になって 恋人の死 ほか)
第5章 象徴化する「チフスのメアリー」(一般名詞化するメアリー 勝ち馬に乗る歴史 ほか)
「恐ろしい伝染病が、いつ社会に蔓延するかは誰にもわからず、もしそうなれば、電車で隣に座る人が、恐ろしい感染の源泉に見えてこないとも限らない。(略)そして、この生物学的な恐怖感が私たちの心の奥底に住み着き、いつその顔を現すかはわからないような状況が、人間社会の基本的条件なのだとするなら、未来の「チフスのメアリー」を同定し、恐怖を覚え、隔離し、あざけり、貶めるという構図は、いつ繰り返されてもおかしくはない。(略)もし、あるとき、どこかで未来のメアリーが出現するようなことがあったとしても、その人も、必ず、私たちと同じ夢や感情をかかえた普通の人間なのだということを、心の片隅で忘れないでいてほしい。」
─本文より抜粋
金森修(かなもり・おさむ) 1954年札幌市生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。パリ第一大学哲学博士。専門は科学思想史・科学史。筑波大学、東京水産大学(現、東京海洋大学)を経て、東京大学大学院教育学研究科教授。主な著書は『フランス科学認識論の系譜』『負の生命論』『自然主義の臨界』『遺伝子改造』(以上、勁草書房)、『バシュラール』(講談社)、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会)、『科学的思考の考古学』(人文書院)、『科学の危機』 (集英社新書)、『科学思想史の哲学』(岩波書店)、『人形論』(平凡社)。2016年逝去。
- 本の長さ144ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2006/3/6
- ISBN-104480687297
- ISBN-13978-4480687296
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出版社より
チフスのメアリーとは
世界で初めて臨床報告されたチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhi)の健康保菌者(発病はしないが病原体に感染している不顕性感染となり感染源となる人)。アイルランドからニューヨークに移住したアイルランド系アメリカ人で、1900年代初頭にニューヨーク市周辺で発生した腸チフス(Typhoid fever)の感染を自覚せずに広めたことで有名になり、腸チフスのメアリーあるいはチフスのメアリー(Typhoid Mary、タイフォイド・メアリー)という通称で知られる。
14歳の時に渡米したメアリーは多くのアイリッシュ同様に貧しかったが、料理の腕が買われ、住み込みの家政婦として働いていた。ただ、住み込み先を変えるたびにその家から感染者が出ていた。
敏腕の衛生官ジョージ・ソーパーによる詳しい調査の結果、感染源がメアリーにあると確信。そこで医師をメアリーに向かわせ、保菌者であるかどうかの検査を要求したが、メアリーは逆上して騒ぎを起こし、とうとう警官がでて強制的に彼女の便を回収、隔離することに。
納得しないメアリーは怒り狂い、ニューヨーク市衛生局を相手に隔離の中止を求めて訴訟を起こす。センセーショナルな記事は世間の注目を集め、Typhoid Maryとしてその名が広く知れ渡るようになる。裁判は衛生局が勝利したものの、一般の人と接触しないこと、料理の職にはつかないことを条件に隔離が解かれる。
しかし、しばらくして彼女は失踪する。そして5年後に居所が判明するのだが……
商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2006/3/6)
- 発売日 : 2006/3/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 144ページ
- ISBN-10 : 4480687297
- ISBN-13 : 978-4480687296
- Amazon 売れ筋ランキング: - 45,727位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9位高校倫理教科書・参考書
- - 51位医学
- - 59位ちくまプリマー新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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自分が偏見ないようにとは思っていても
かかっているバイアス
考えさせられる一冊
「個人の自由と全体の福祉(p.13)」の相克や、歴史の中での善悪の評価の難しさなども論じられるが、全体として伝わってくるのは、著者の意図通り「一人の人生の重みのようなもの(p.17)」、「歴史的状況のある微妙なずれの中で、彼女の人生の大枠は決まってしまった(p.109)」という実感である。
「公衆衛生とか防疫とかいっても、純粋に客観的な科学的判断だけに基づいているのではなく、この種の社会的で文化的な因子との錯綜のなかで、その具体的な成り行きが左右される(p.72)」という箇所は、科学思想史・科学史の研究者だなと思う。
「『チフスのメアリー』を同定し、恐怖を覚え、隔離し、あざけり、貶めるという構図(p.137)」を目の当たりにしつつ本書を読んだ。
「チフスのメアリー」と聞いて、すぐにピンとくる日本人はそうも多くはないでしょう
(もっとも、公衆衛生や医療に携わる人々ならば、すぐにわかる有名な夫人ですし
最近では漫画化もしたので、知名度が地味にあるでしょうが )
欧米ならば現実としての彼女を超えた 記号・象徴 としての彼女が認知されているのではないか、と個人的に考えています
(アメコミではそのままに名前を拝借したキャラがいるほどですから、日本のデバガメていどには知られているのか?)
ここで彼女をはじめて知ったというかたは、wikipediaで検索をしてみてください、調理をしている夫人が描かれた一枚の画がでてくるはずです
影がかかっているためにか、どことなく陰鬱な印象をあたえる婦人がフライパンを片手に "卵" とおぼしきものを炒める姿があります
が、その手元を注視していただくとわかるように
彼女がその手で調理するものは "卵" ではなく "髑髏"、本来はコンロが描かれているであろう場所においては
病院でベットに横並びになっている人々の姿が描かれているのです
( もうすこし範囲を広げて検索をかけると、子供向けの絵本の魔女をそのまま貼りつけたような、
露骨というよりも 醜悪 といってさしつかえない風刺画にいきあたることができるかもしれません)
wikipediaの略歴から彼女の紹介しますと
「 メアリー・マローン(Mary Mallon、1869年9月23日 - 1938年11月11日)
世界で初めて臨床報告されたチフス菌の健康保菌者
(病原体による感染が起こっていながら明瞭な症状が顕れないまま、他の宿主にその感染症を伝染させる可能性のある宿主) 」
この本で書かれているものは、チフスの健康保菌者であるがゆえに辿らざるをえなかった
数奇な彼女の生涯を主軸として、当時の科学史・衛生史・そしてその社会 とについてがおさめられています
ただ彼女の履歴を紹介するだけならば『変人偏屈列伝』を読むことをおすすめするところです
そちらの本であれば、視覚的・物語的な楽しみもありかつ、本を普段読まない層にもより受けとられやすいことでしょう
けれども、そのあとにいまいちどこの本を手に取り以下の順で読んでみてください
第5章 象徴化する「チフスのメアリー」 → 第1章 〜 第4章 → 終章
第5章を読むことで、後世にどのように彼女が
" ある事件の 加害者 (そして 被害者 ) " から " 病魔・薬殺魔 " の象徴となったのか
第1章 〜 第4章 においては、彼女の履歴を注視するだけではなく
彼女の生涯とともに綴られるその社会背景や当時の反応を鑑みながら、筆者が読者に問わんとしていることを
個々に考察することで、この本の真価を得られるのではないでしょうか
ただ公衆衛生という物の大切さを理解するという点では、わかりやすい内容だと思う。手洗いって大事だなという事。トイレや下水処理の重要性など、今では当たり前過ぎる事のありがたさを改めて認識させられた。
公衆衛生学の初学者向けに事実だけを丁寧に列挙しておりますが、感染症対策は何が正解なのか、公衆衛生の名のもとの基本的人権無視はどこまで許されるのか、だれもが加害者になる可能性があるなど、色々と考えされられる本となります。
伝染病は怖い、公権力に何とかしてほしい、とりあえず隔離する、医学的に根拠の薄いまま隔離が進み、差別が生まれる。ハンセン病も同じことをたどったことを考えいると、普遍的な問題なのかなと思います。
腸チフス、ハンセン病で何が起きて、何を誤ったのか、そこから何を学んだのかということを、このコロナの流行の中で問いかけるしかないのかなと思いました。
本書は2006年に出版された子供向けの本だが、著者は何を意図して書いたのだろうか。もちろん興味本位でないのは明らかで、著者がこの本を書きたいと思ったときに心を突き動かしたものは、ある種の悲しみだった。著者は、病魔を撒き散らす悪意など全くない、気丈で善良な一人の女性の弱さや悲しさを感じ取ってほしいという。また、子供たちに、個人の自由と社会全体の福祉の相克について考えさせる狙いもあったようだ。一読して今のコロナウィルスの状況との類似性に驚いた。著者はすでに故人となっているが、天国から歴史の繰り返すさまを感慨深く眺めているかもしれない。