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環境問題のウソ (ちくまプリマー新書 29) 新書 – 2006/2/10
池田 清彦
(著)
- ISBN-104480687300
- ISBN-13978-4480687302
- 出版社筑摩書房
- 発売日2006/2/10
- 言語日本語
- 本の長さ167ページ
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
環境問題のウソ
生物学者の著者が、環境問題について世間で流れている情報は「かなりいかがわしい」と指摘する。取り上げるのは、地球温暖化、ダイオキシン、外来種、自然保護の4つの問題。例えば、「外来種を駆除しなければ生態系は守れない」という主張がある。だが、生態系は生産者、消費者、分解者から成るシステムで、消費者の外来種が入っても機能は止まらない。生存競争や混血により消滅する生物があっても、それは生物進化の帰結で、生態系の破壊とは言えない。「CO2の排出を抑制しないと地球は大変なことになる」「ダイオキシン排出を規制しないと国民の健康は守れない」といった主張と同じパターンの“ウソ”だとする。
生物学者の著者が、環境問題について世間で流れている情報は「かなりいかがわしい」と指摘する。取り上げるのは、地球温暖化、ダイオキシン、外来種、自然保護の4つの問題。例えば、「外来種を駆除しなければ生態系は守れない」という主張がある。だが、生態系は生産者、消費者、分解者から成るシステムで、消費者の外来種が入っても機能は止まらない。生存競争や混血により消滅する生物があっても、それは生物進化の帰結で、生態系の破壊とは言えない。「CO2の排出を抑制しないと地球は大変なことになる」「ダイオキシン排出を規制しないと国民の健康は守れない」といった主張と同じパターンの“ウソ”だとする。
(日経エコロジー 2006/05/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2006/2/10)
- 発売日 : 2006/2/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 167ページ
- ISBN-10 : 4480687300
- ISBN-13 : 978-4480687302
- Amazon 売れ筋ランキング: - 557,053位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947年、東京生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。山梨大学教育人間科学部教授を経て、現在、早稲田大学国際教養学部教授、山梨大学名誉教授。専門の生物学分野のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する60冊以上の著書を持ち、フジテレビ系「ホンマでっか! ?TV」にも出演する等、テレビ、新聞、雑誌等でも活躍している。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『人間、このタガの外れた生き物 (ISBN-10: 458412406X)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年11月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
池田先生にはぜひ、内容をアップデートした続編または新版を出していただきたい。
2023年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネットオフAmazon店で購入しました。税込1円で送料が300円でした。
中古品なので期待はしていませんでしたが、そこそこ汚れが目立ちます。シールを剥がしたような跡や折り目などもたくさん見受けられました。
良くも悪くもないといった感じです。
内容は面白そうです。
中古品なので期待はしていませんでしたが、そこそこ汚れが目立ちます。シールを剥がしたような跡や折り目などもたくさん見受けられました。
良くも悪くもないといった感じです。
内容は面白そうです。
2019年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
池田先生の本はこれが初読みでした。
予備知識がなくても読み続けられるし、なにより環境問題について関心が深まる効力がありますね。
池田先生の論調好きです。他の本も漁ってみます。
予備知識がなくても読み続けられるし、なにより環境問題について関心が深まる効力がありますね。
池田先生の論調好きです。他の本も漁ってみます。
2007年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
低評価のレビューを購入前に見ていたので、最初は眉にツバをつけて読みすすめていた。読み終えて評価が180度変わった。結論からいって、この本はたいへんな良書だと思う
理由は今のニッポンから無くなってしまった、モノの考え方に対する、何とも言えないバランスの良さである。著者自身は昆虫愛好家でありながら、まず環境保護ありきという昨今の風潮にはつよい疑念を示し、保護するしないは倫理・経済的なメリット・デメリットの兼ね合いで決まるべきとしている。
具体的には、棲息地に道やホテルができることも地域・経済的な社会メリットを生むなら認めようという態度を示しつつ、実体はそうでなく、省庁や一部業者の利権のみからすすめられ、社会的コストの浪費および環境破壊というダブルデメリットを生むから反対だ、という主張は、広い視野から世間を見ており、品格を感じる。
単に自然や野生動物は大事なものだから保護しましょう、というセンチメンタルな自然保護論とは異なるし、とにかく環境保護!という、結論が先に決まっている一部の環境論とも一線を画する。
いわゆるロンボルグ的主張を、一般の日本人向けに平易に書き下ろしてくれている。そもそもあの分厚くて文字の小さいロンボルグ本はなかなか人に勧められないが、この本なら代用になり得る。
その結果、読みおえたけど私は賛成しない、という人が現れるのは全く構わないと思う。主義主張はいろいろあるし、この本は口語調で書かれており、また何カ所かで筆がすべったというか、ドキッとするようなことも書かれている。それが一部の低評価につながっているのだろう。
ただしこの本のあそこがおかしい、ここが不正確だ、また掘り下げが浅いという批評は枝葉末節である。それなら専門書を読んだらよい。この本は一般書であり、何よりバランスが好ましい。そのような批評が、この本を読まずにダメと思いこむ人を増やすことを、残念に思う。
理由は今のニッポンから無くなってしまった、モノの考え方に対する、何とも言えないバランスの良さである。著者自身は昆虫愛好家でありながら、まず環境保護ありきという昨今の風潮にはつよい疑念を示し、保護するしないは倫理・経済的なメリット・デメリットの兼ね合いで決まるべきとしている。
具体的には、棲息地に道やホテルができることも地域・経済的な社会メリットを生むなら認めようという態度を示しつつ、実体はそうでなく、省庁や一部業者の利権のみからすすめられ、社会的コストの浪費および環境破壊というダブルデメリットを生むから反対だ、という主張は、広い視野から世間を見ており、品格を感じる。
単に自然や野生動物は大事なものだから保護しましょう、というセンチメンタルな自然保護論とは異なるし、とにかく環境保護!という、結論が先に決まっている一部の環境論とも一線を画する。
いわゆるロンボルグ的主張を、一般の日本人向けに平易に書き下ろしてくれている。そもそもあの分厚くて文字の小さいロンボルグ本はなかなか人に勧められないが、この本なら代用になり得る。
その結果、読みおえたけど私は賛成しない、という人が現れるのは全く構わないと思う。主義主張はいろいろあるし、この本は口語調で書かれており、また何カ所かで筆がすべったというか、ドキッとするようなことも書かれている。それが一部の低評価につながっているのだろう。
ただしこの本のあそこがおかしい、ここが不正確だ、また掘り下げが浅いという批評は枝葉末節である。それなら専門書を読んだらよい。この本は一般書であり、何よりバランスが好ましい。そのような批評が、この本を読まずにダメと思いこむ人を増やすことを、残念に思う。
2020年4月7日に日本でレビュー済み
2006再掲
この方のブラックバス関連の本を読もうと思って鎌倉図書館を検索したけどなかったので、とりえず最新のこの本を借りてみた。
ちなみに、この方は養老先生と虫取り仲間で共著もあるようです。
おいらは科学論文は鵜呑みにしてはいけないと習ったので、疑って読むようにしているし、ましてや新聞や雑誌に出るような、これはこの病気に効くなんてのは殆ど信じない。多くのヒトは発表するヒトが教授とかいう肩書きを持っていると信じてしまうのではないかな?
ちなみにこの著者は山梨大学の教授、早稲田教授と言う肩書きをお持ちである。
さて本題。
構成は下記のようになっている。
第1章 地球温暖化問題のウソとホント(地球温暖化は本当なのか温暖化は昔もあったほか)
第2章 ダイオキシン問題のウソとホント(ダイオキシンは危険なのかゴミ焼却とダイオキシンほか)
第3章 外来種問題のウソとホント(外来種悪玉論のいかがわしさ日本の中の外来種ほか)
第4章 自然保護のウソとホント(自然保護はなぜ必要か圏央道と昆虫採集禁止ほか)
どれも専門分野でないので使われているデータが正しいのか、あるいはそのデータの使い方が正しいのかの判断は出来ない。またデータの解釈と言うのは研究者によって異なってもかまわないと思っているので著者の解釈を云々するつもりはない。
しかしである、この方は結局、メリットとデメリットを考え、メリットを取れと言っているようだが、じゃ今後我々はどうするべきかとか、著者自身が望む未来はどのようなものか?が何も書かれていない。
ブラックバスは放っておけば在来種を絶滅させる事なくやがて一定の密度で落ち着くと主張する(彼の進化論のようだ)。駆除を主張するのは利権がらみの連中だそうだ。じゃ、NZのブラウントラウトはどうなの?と聞きたくなります。都合の良いデータだけを引用するのが良い科学者なのでしょうか??と。
第4章ではご自身が原告になって圏央道のトンネル工事(高尾山)に反対していると言う。自然破壊はけしからん、昆虫採取禁止はけしからんと書かれています。逆に言うと高尾山でなければ良いらしい。昆虫採取するためには自然が必要である事は皆が知っている訳で、結局は自分さえよければ良いのか?と勘ぐりたくなる。
異端の科学者は居るべきであるが、この方は異端と言うより単なる屁理屈爺さんのように思う。もちろん、おいらはこの屁理屈爺さんより教養も知識も無いわけであるが。
この方のブラックバス関連の本を読もうと思って鎌倉図書館を検索したけどなかったので、とりえず最新のこの本を借りてみた。
ちなみに、この方は養老先生と虫取り仲間で共著もあるようです。
おいらは科学論文は鵜呑みにしてはいけないと習ったので、疑って読むようにしているし、ましてや新聞や雑誌に出るような、これはこの病気に効くなんてのは殆ど信じない。多くのヒトは発表するヒトが教授とかいう肩書きを持っていると信じてしまうのではないかな?
ちなみにこの著者は山梨大学の教授、早稲田教授と言う肩書きをお持ちである。
さて本題。
構成は下記のようになっている。
第1章 地球温暖化問題のウソとホント(地球温暖化は本当なのか温暖化は昔もあったほか)
第2章 ダイオキシン問題のウソとホント(ダイオキシンは危険なのかゴミ焼却とダイオキシンほか)
第3章 外来種問題のウソとホント(外来種悪玉論のいかがわしさ日本の中の外来種ほか)
第4章 自然保護のウソとホント(自然保護はなぜ必要か圏央道と昆虫採集禁止ほか)
どれも専門分野でないので使われているデータが正しいのか、あるいはそのデータの使い方が正しいのかの判断は出来ない。またデータの解釈と言うのは研究者によって異なってもかまわないと思っているので著者の解釈を云々するつもりはない。
しかしである、この方は結局、メリットとデメリットを考え、メリットを取れと言っているようだが、じゃ今後我々はどうするべきかとか、著者自身が望む未来はどのようなものか?が何も書かれていない。
ブラックバスは放っておけば在来種を絶滅させる事なくやがて一定の密度で落ち着くと主張する(彼の進化論のようだ)。駆除を主張するのは利権がらみの連中だそうだ。じゃ、NZのブラウントラウトはどうなの?と聞きたくなります。都合の良いデータだけを引用するのが良い科学者なのでしょうか??と。
第4章ではご自身が原告になって圏央道のトンネル工事(高尾山)に反対していると言う。自然破壊はけしからん、昆虫採取禁止はけしからんと書かれています。逆に言うと高尾山でなければ良いらしい。昆虫採取するためには自然が必要である事は皆が知っている訳で、結局は自分さえよければ良いのか?と勘ぐりたくなる。
異端の科学者は居るべきであるが、この方は異端と言うより単なる屁理屈爺さんのように思う。もちろん、おいらはこの屁理屈爺さんより教養も知識も無いわけであるが。
2008年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同じような内容の違うものに、二酸化炭素が原因なら直接濃度を下げる手をうてばよいとありました。
納得しました。
アメリカは海面上昇しても国土に影響はあまりでないそうで砂漠に雨が降ってさらにありがたいそうです。
ダイオキシンもどうも毒物なのかどうかわからないようです。
ただ、文章的には少し身勝手な感じはします。
納得しました。
アメリカは海面上昇しても国土に影響はあまりでないそうで砂漠に雨が降ってさらにありがたいそうです。
ダイオキシンもどうも毒物なのかどうかわからないようです。
ただ、文章的には少し身勝手な感じはします。
2021年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は地球全体の平均気温は差ほど変わっていないから温暖化は問題ないと言ってますが土地ごとに適した気温と環境があるのに地球全体の平均気温で語るのは間違っています。
解り易くするために一度、極端なたとえ話をしましょう。
仮にオーストラリアが永久凍土となりロシアが常夏になり地球全体の平均気温が変化しなければ環境問題は存在しないと言えるでしょうか?
ありえませんよね。ソコに生きていた生物の多くは死に絶え自然環境で起きていた循環は崩壊し何かしらの被害を受けることは想像に難くありません。
そんな極端な事象は起こりえないと思うでしょう。でも現実には温暖化が進めばグリーンランドを始めとした真水の氷が溶け始めて海水の塩分濃度が下がり熱塩循環が停止し北大西洋に熱い海水が流れなくなることでヨーロッパ全体が寒冷化し逆に冷たい海水が流れていた地域では更に温暖化が進むのです。
理解し難いかもしれませんが要は先のたとえ話のような局所的に熱い場所、冷たい場所が現実には生まれるということです。
この著者はソレを知らずに温暖化=地球全てが熱くなるという自分の中の想像だけで物事を語り、地球全てが熱くなる前に別の異常が起きるという可能性も考えもせず自分の持論とって都合の良い情報しか集めていないことがよく解かります。
また、外来生物に対する認識も間違っています。
噛み砕いて著者の理屈を説明すると外来種がやってきても生産者・捕食者・分解者といった役割を別の生物が行うようになるだけで外来種の侵入は気にしなくても問題ないという理論である。
ハッキリ言いましょう。自然界の生産者・捕食者・分解者の役割はどんな生物がやっても問題ないと言うことは絶対にありえません。
仮に彼の言う通りにサバクトビバッタが日本にやってきたらどうなるでしょう?
知ってる人は知っているでしょうが、あの蝗害が日本でも起こりえるようになると言うことです。
サバクトビバッタは2020年 西アフリカで約4000億匹発生し、毎日35000人分の食料を食い荒らしながらアフリカ大陸の東側へ1日 約150㎞を進むという人類に手がつけられない災害をまき散らしました(コレを書いてる現在でも被害は終息してません)
異常な繁殖力を持ち悪食で毒性を蓄えており、食用にして駆除することもでいないサバクトビバッタは、もはや生物と言うよりも天変地異そのもので自然界の分解者としての役割を果たしたとしても人々を飢え死にさせたり経済的な大ダメージを与えることのできる存在であり断じて国内に入ってきてはいけない生き物です。
この話を聞いてもバッタの天敵となるカビが繁殖しやすい日本などでは繁殖しないと考える人も居るかもしれませんが生物が与える影響を完全に予測できる人はこの世に存在しません。楽観的に考えて安易に害虫や害獣を国内に入れるよりも最悪の場合を想定した上で行動するのが賢い判断です。間違っても著者のような考えに賛同しないよう気を付けてください。
たとえサバクトビバッタが環境被害を与えなかったとしても世界には猛毒を持つ生物だっています。著者の言い分通り海外の生物が居ついて日常的に猛毒生物を目にするような社会を本当に望みますか?
靴を履いたら靴の中に潜んでいたタランチュラに刺されたなんて海外ではよくある話が日本でも起きて欲しいですか?
少なくと私は嫌ですし猛反対ですね。
最後に著者は持論が正しければ存在しない環境問題を騒ぐ理由は何か?という自問に対し存在しない環境問題をでっちあげて金儲けしていると答えていたがコレも正確ではない。
事実、金勘定してる経営者や投資家は最初の内は科学者たち鳴らす警鐘を無視し、二酸化炭素排出量の少ない車を作る方針を取らなかった。
その理由は新たな技術開発に掛かるコストを払ってエコカーを作っても売れる保証が無かったからです。
しかし、そんな中でも日本のトヨタは1980年代からエコカーを作っていました。当初は環境危機意識が日本にもなく高価なプリウスは売れませんでしたが時代が進むにつれて環境に良い車は売れていくようになっていき世界中の投資家や経営者はエコカーが売れる確証を得て動き始めました。
ちなみに金になる保証があるのにアメリカの車メーカーは新しいモノづくりをめんどくさがってトランプ政権下時代では日本でアメリカ車の不買運動が起きてる公平な取引が行われていないとイチャモンつけて駄々っ子になってました。
金になろうとも動かない奴はテコでも動きません。
さて、これらの話を聞いても本当に金になるからという理由で人々は環境問題という名の嘘を声高に叫んでいるのでしょうか?
一部ではそういった人たちは居るかもしれません。しかし、この本で取り上げられた内容はソレとは無関係だと思います。
何故なら、本書の著者は世間の環境問題に対する意識や空気を生理的・直感的に嫌っていてることが文章から読み取れるからです。
環境問題で人類が滅んでも良いのかと言われても著者は別に良いよとした態度で他人との議論を煙たがっていて非論理的で誠実さを欠いた人物像が浮き彫りになっていました。
確かに化学の世界では権威を疑えと言う言葉もあります。しかし、彼は権威は疑っても自らを疑わず、彼よりも学歴の低い私でも知っているようなことや疑問を抱くこともなく良くも調べずに書を綴っています。
それでも環境問題を疑う論を見たいのであれば、この本以外のものを探すべきだと私は思いました。
解り易くするために一度、極端なたとえ話をしましょう。
仮にオーストラリアが永久凍土となりロシアが常夏になり地球全体の平均気温が変化しなければ環境問題は存在しないと言えるでしょうか?
ありえませんよね。ソコに生きていた生物の多くは死に絶え自然環境で起きていた循環は崩壊し何かしらの被害を受けることは想像に難くありません。
そんな極端な事象は起こりえないと思うでしょう。でも現実には温暖化が進めばグリーンランドを始めとした真水の氷が溶け始めて海水の塩分濃度が下がり熱塩循環が停止し北大西洋に熱い海水が流れなくなることでヨーロッパ全体が寒冷化し逆に冷たい海水が流れていた地域では更に温暖化が進むのです。
理解し難いかもしれませんが要は先のたとえ話のような局所的に熱い場所、冷たい場所が現実には生まれるということです。
この著者はソレを知らずに温暖化=地球全てが熱くなるという自分の中の想像だけで物事を語り、地球全てが熱くなる前に別の異常が起きるという可能性も考えもせず自分の持論とって都合の良い情報しか集めていないことがよく解かります。
また、外来生物に対する認識も間違っています。
噛み砕いて著者の理屈を説明すると外来種がやってきても生産者・捕食者・分解者といった役割を別の生物が行うようになるだけで外来種の侵入は気にしなくても問題ないという理論である。
ハッキリ言いましょう。自然界の生産者・捕食者・分解者の役割はどんな生物がやっても問題ないと言うことは絶対にありえません。
仮に彼の言う通りにサバクトビバッタが日本にやってきたらどうなるでしょう?
知ってる人は知っているでしょうが、あの蝗害が日本でも起こりえるようになると言うことです。
サバクトビバッタは2020年 西アフリカで約4000億匹発生し、毎日35000人分の食料を食い荒らしながらアフリカ大陸の東側へ1日 約150㎞を進むという人類に手がつけられない災害をまき散らしました(コレを書いてる現在でも被害は終息してません)
異常な繁殖力を持ち悪食で毒性を蓄えており、食用にして駆除することもでいないサバクトビバッタは、もはや生物と言うよりも天変地異そのもので自然界の分解者としての役割を果たしたとしても人々を飢え死にさせたり経済的な大ダメージを与えることのできる存在であり断じて国内に入ってきてはいけない生き物です。
この話を聞いてもバッタの天敵となるカビが繁殖しやすい日本などでは繁殖しないと考える人も居るかもしれませんが生物が与える影響を完全に予測できる人はこの世に存在しません。楽観的に考えて安易に害虫や害獣を国内に入れるよりも最悪の場合を想定した上で行動するのが賢い判断です。間違っても著者のような考えに賛同しないよう気を付けてください。
たとえサバクトビバッタが環境被害を与えなかったとしても世界には猛毒を持つ生物だっています。著者の言い分通り海外の生物が居ついて日常的に猛毒生物を目にするような社会を本当に望みますか?
靴を履いたら靴の中に潜んでいたタランチュラに刺されたなんて海外ではよくある話が日本でも起きて欲しいですか?
少なくと私は嫌ですし猛反対ですね。
最後に著者は持論が正しければ存在しない環境問題を騒ぐ理由は何か?という自問に対し存在しない環境問題をでっちあげて金儲けしていると答えていたがコレも正確ではない。
事実、金勘定してる経営者や投資家は最初の内は科学者たち鳴らす警鐘を無視し、二酸化炭素排出量の少ない車を作る方針を取らなかった。
その理由は新たな技術開発に掛かるコストを払ってエコカーを作っても売れる保証が無かったからです。
しかし、そんな中でも日本のトヨタは1980年代からエコカーを作っていました。当初は環境危機意識が日本にもなく高価なプリウスは売れませんでしたが時代が進むにつれて環境に良い車は売れていくようになっていき世界中の投資家や経営者はエコカーが売れる確証を得て動き始めました。
ちなみに金になる保証があるのにアメリカの車メーカーは新しいモノづくりをめんどくさがってトランプ政権下時代では日本でアメリカ車の不買運動が起きてる公平な取引が行われていないとイチャモンつけて駄々っ子になってました。
金になろうとも動かない奴はテコでも動きません。
さて、これらの話を聞いても本当に金になるからという理由で人々は環境問題という名の嘘を声高に叫んでいるのでしょうか?
一部ではそういった人たちは居るかもしれません。しかし、この本で取り上げられた内容はソレとは無関係だと思います。
何故なら、本書の著者は世間の環境問題に対する意識や空気を生理的・直感的に嫌っていてることが文章から読み取れるからです。
環境問題で人類が滅んでも良いのかと言われても著者は別に良いよとした態度で他人との議論を煙たがっていて非論理的で誠実さを欠いた人物像が浮き彫りになっていました。
確かに化学の世界では権威を疑えと言う言葉もあります。しかし、彼は権威は疑っても自らを疑わず、彼よりも学歴の低い私でも知っているようなことや疑問を抱くこともなく良くも調べずに書を綴っています。
それでも環境問題を疑う論を見たいのであれば、この本以外のものを探すべきだと私は思いました。
2010年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者は、世の中に流通している「環境問題」のウソについて、4つの事例(地球温暖化問題、ダイオキシン問題、外来種問題、自然保護)を取り上げて解説している。最初の2つについては、著者以外にも言及している人が居るので目新しさは無いが、後半の2つについては著者のオリジナルな論考であり興味深い。科学理論は種々の仮説(論考)を戦わす(議論する)ことで進歩するものであり、オリジナルな論考は科学の進歩に不可欠である。
外来種問題は、一時期メディアに取り上げられ世間を騒がせたが、生物学者らしい視点で論考していて面白い。既存の生態系に新しい生物が加わることで、生態系が変わる、とうことを、良い悪いではなく単に「起こりうること」という立場で捉えている。これだけ人間の活動がグローバルになってしまったため、そういうことは簡単に起きてしまう。人類の進化による必然であるといえる。特定の生物を意図的に混入するのでなければ、混ざってしまった外来種の存在は認められるべき、という立場である。筆者には、そのことに対する良し悪しの判断はありません。なぜなら、生物の進化はそうやって起きてきたからである。以前のほうが良い、という価値観があるから、外来種を取り除く、という行為が発生するのだと言える。
また、著者は、人間だけ「他の生物と違う」という立場で自然保護を捉えている。人間だけ天敵がいなくなったのは、圧倒的に発達した脳のお陰です。肉食動物がその身体的機能の優位性で草食動物を餌にして(利用して)生きているのと同じく、人類は、種の保存のために、知恵を使って、人類以外の動植物を支配(活用)しています。これは必然であり、行き過ぎない限り、自然の摂理なのかもしれません。
この本は、世間で流通している情報を何の批判も無く(思考停止状態)信じることに対する若者への警鐘である。そのためか、少し扇情的な書き方をしているのが損をしてると思う。
外来種問題は、一時期メディアに取り上げられ世間を騒がせたが、生物学者らしい視点で論考していて面白い。既存の生態系に新しい生物が加わることで、生態系が変わる、とうことを、良い悪いではなく単に「起こりうること」という立場で捉えている。これだけ人間の活動がグローバルになってしまったため、そういうことは簡単に起きてしまう。人類の進化による必然であるといえる。特定の生物を意図的に混入するのでなければ、混ざってしまった外来種の存在は認められるべき、という立場である。筆者には、そのことに対する良し悪しの判断はありません。なぜなら、生物の進化はそうやって起きてきたからである。以前のほうが良い、という価値観があるから、外来種を取り除く、という行為が発生するのだと言える。
また、著者は、人間だけ「他の生物と違う」という立場で自然保護を捉えている。人間だけ天敵がいなくなったのは、圧倒的に発達した脳のお陰です。肉食動物がその身体的機能の優位性で草食動物を餌にして(利用して)生きているのと同じく、人類は、種の保存のために、知恵を使って、人類以外の動植物を支配(活用)しています。これは必然であり、行き過ぎない限り、自然の摂理なのかもしれません。
この本は、世間で流通している情報を何の批判も無く(思考停止状態)信じることに対する若者への警鐘である。そのためか、少し扇情的な書き方をしているのが損をしてると思う。