筆者が、読売の文芸担当記者時代
1990年代以降に創作と出版、文学賞の現場を取材し続けてきた日々の実感をもとにしての、本人いわく、ささやかな証言と推察は、期待以上の読みごたえがあった。
持論を明晰な文体の中に上質なユ-モアを所々に入れて潤いを持たせながら突き進む現代文学論は魅力的である。
この書を出した2007年時点で、文学の世界も手書きからファックス、PCへと大きな転換を迎え、
この書で予想されたことは
ある程度裏切られずに現代を迎えていると思われる。
何よりも最後に筆者の
「小説とは、純文学とは、その一作の完成度が批評の対象であるばかりではなく、作者自身も作品ではないだろうか。
そして一人の作家の生涯を小説の中に読み続けることこそ、同時代を生きる人間の究極の文学の喜びではないか。
そのために記者は、作品理解の一助となる作家の肉声を執拗に取材し続け、記事に残す━それがいつの時代も変わらぬ使命なのだと考えている」
という締めくくりを読み
そう思って仕事をする人たちに支えられてこそこれからの文学が生きてくるということなのだろう。
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現代日本の小説 (ちくまプリマー新書 71) 新書 – 2007/11/1
尾崎 真理子
(著)
- 本の長さ175ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2007/11/1
- ISBN-104480687718
- ISBN-13978-4480687715
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2007/11/1)
- 発売日 : 2007/11/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 175ページ
- ISBN-10 : 4480687718
- ISBN-13 : 978-4480687715
- Amazon 売れ筋ランキング: - 240,286位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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