「普賢」のあたりでは語り手の教養が文章に力を与えていたが、「荒魂」から「至福千年」にまでなってくると語り手の姿が消えて、多くの登場人物の動きやセリフが文章(作品)の実質でありかつ力ともなる、という仕組みになるのである。ストーリーテリングの力が多くなってきた、とも言える。「紫苑物語」などは文章の古雅な特質が力となっていたが、このあたりになると、時代が近くなってきたせいかちょっと違う。
「無明」などは一種ユーモアを感じさせる、ドミノ倒し構造。シュニッツラーかと思った。
「鏡の中」もいいし、「若菜」もいい。
よくキリスト教が主題の一つとして頻出してくるが、日本文化最大のアナーキーがキリスト教だという認識なのかもしれない。
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石川淳全集 第8巻 単行本 – 1989/12/1
石川 淳
(著)
至福千年,鸚鵡石,無明,鏡の中,一露,若菜,虎の國,天馬賦,武運
- 本の長さ696ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1989/12/1
- ISBN-10448070308X
- ISBN-13978-4480703088
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1989/12/1)
- 発売日 : 1989/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 696ページ
- ISBN-10 : 448070308X
- ISBN-13 : 978-4480703088
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,035,158位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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