昭和史探求者,保阪正康さんは過去40年に亘って戦場体験者4000人を対象に聞き取り調査を行ってきました.本書はその報告です.畢生の労作と言うべきでしょう.類書はありません.語る兵士たちの思いが行間に鬱積しているのが感じられます.軽々には読めません.兵士たちは重い口を開き,戦地で見聞きした,あるいは自ら行った残虐行為を語っています.スラスラ口述しているようですが,実際はそうではなく,訥々と,淀みながら,時間をかけて喋っていた.吾らは読まなければならない.読んで戦場の兵士の心中を知を ----.戦争という非倫理の極限に身をおけば,日本人はここまで残忍,非道になるのです.だとすれば,吾らは二度と戦争をしない.戦争のDNAを,吾らは戦争をしないことによって意識して眠らせる.これしかないでしょう.日本兵が中国で行った大規模殺傷事件の一例を端折りながら紹介します
中国,平頂山事件(128頁)
南京虐殺は私でも知っています.しかし平頂山事件は本書で知りました.平頂山は撫順炭鉱から4kmほど離れた農村で,戸数は400戸,人口は3000人余でした.住民の大半は炭鉱労働者とその家族だった.この村に日本軍兵士が入ってきたのは昭和7年(1932)9月15日午後11時半ころ.各戸に伝令が走り,広場の一角に止まっているトラックの前に村人全員が集まるように指示された.トラックの荷は被いがかけられていたが,村民が集まると被いはとり払われた.荷のすべてが機関銃だった.機関銃には兵士がはりついていて一斉に火を噴き,村民をなぎ倒していった.3000人といえどもすぐに倒れ,まだ息をしている者には兵士が銃剣で殺害していく.死体にはガソリンをかけ,一斉に燃やした.それでは時間がかかるので,最後はダイナマイトで穴をあけ,次々埋めていった,関東軍の幹部会議では村民の全員を殺害するだけでなく,家屋まで焼き払えと命じている.つまり一村をこの世から抹殺せよ,と決められていた.
日本は1931~1945年までの中国侵略戦争で1000万人以上2000万人ともいわれる中国国民を殺し,その上,略奪・放火・強姦・拉致など残虐の限りを尽くした,と記載されている( 48頁),.日本人の鬼畜の如き悪行に中国は「温情と礼節をもって,あるいは徳義をもって対応」したと著者は記し,更に次のように続け,中国の歴史的配慮を説明しています(99頁).
日本軍兵士に復讐,報復めいた刑を科すのではなく,自らの蛮行を反省させ,そして中国とのこれからの友好と不戦を誓わせ,日本に送り返す.そうすると彼らはその恩義にこたえるために,必ず中国に好感をもつ日本人になるだろうとの計算が窺えるのだ.中国帰還者連絡会(中帰連)はその意味では,中国側の思惑と一体になって「戦争の記憶と記録を誠実に語り継いでいる」のではなかったかと思う.
中国で極刑を免れ,早々に帰国を許された日本兵は中帰連を結成し,中国との友好を深めました.本書の読者の一人,私も本書のそこかしこに述べられている中国の方々の寛大な心を知り,大いに認識を改めました.中国を白い目で見るような現政府の姿勢は誤りです.歴史を無視している.政府の要人は多分歴史を知らないのでしょう.しかし,それでは日中の友好は画餅に終わります.日本政府は隣国友好を外交の柱と決め,折衝して下さい.尖閣領有を一方的に主張するような姿勢は世紀遅れと私には映りますが,如何でしょうか.
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戦場体験者 沈黙の記録 (単行本) 単行本 – 2015/7/23
保阪 正康
(著)
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日本の敗戦から70年。戦争体験者が減るなかで、実際の戦場を体験した人々が、戦後社会をどう生き、悲惨な体験をどう伝えようと…
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2015/7/23
- 寸法14 x 2.3 x 19.6 cm
- ISBN-104480818421
- ISBN-13978-4480818423
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2015/7/23)
- 発売日 : 2015/7/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4480818421
- ISBN-13 : 978-4480818423
- 寸法 : 14 x 2.3 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 475,577位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 961位東洋史
- - 982位日本史ノンフィクション
- - 1,472位地方別日本史の本
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月6日に日本でレビュー済み
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2015年11月26日に日本でレビュー済み
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日本における最も大規模で悪質な「隠蔽」が
どのように行われてきたかを教えてくれている。
つくづく読めてよかったと
この本に巡り会えた幸運を喜んでいる。
この著者がやらなければ
これを書いた人がほぼ皆無だったという
現実に慄然としている。
どのように行われてきたかを教えてくれている。
つくづく読めてよかったと
この本に巡り会えた幸運を喜んでいる。
この著者がやらなければ
これを書いた人がほぼ皆無だったという
現実に慄然としている。
2015年9月11日に日本でレビュー済み
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「公式」な戦史ではなく、戦場で苦悩しながら生きた人々と、それを駒のように「死」を強要する帝国軍人(司令官)のありようを知ることができた。
ふたたび、そのような歪んだ社会システムをを作ろうとする今の政治に対して警鐘を鳴らす貴重な本。戦争の「事実」と「真実」が見事に結合している。
ふたたび、そのような歪んだ社会システムをを作ろうとする今の政治に対して警鐘を鳴らす貴重な本。戦争の「事実」と「真実」が見事に結合している。
2023年3月14日に日本でレビュー済み
大変貴重な私家版の戦記を多数蒐集されている保坂氏ですが、戦友会や戦場体験者にも長年に渡り接しており、その中で語られた沈黙の裏側に迫っています。元憲兵が古書店の戦記本を買い漁って自分たちの行ってきた虐殺を隠蔽しようとしてきた話には呆れると同時に、良心的な店主により本が守られた話に心が温まりました。戦友会が中国人住民などを虐殺した者同士の傷の舐め合う場になっていたというのは重要な発見です。私は日本軍が沖縄で住民を虐殺した事実をきちんと残さなければならないと考えております。保坂様におかれましては今後のご活躍に期待しております。
2015年9月29日に日本でレビュー済み
著者は昭和史を専門とする作家である。仕事柄、この40年間に約4000人の将兵への聞書きを行なったという。戦争体験者が高齢化し亡くなりつつある今日、本書のような形での戦争の記録は、今後はもはや不可能であろう。戦争体験と言えばこれまでは原爆、空襲、あるいは集団疎開と言った「被害者」の立場からの記録がほとんどであった。もちろん被害者としての筆舌に尽くし難い戦争体験とその記録は、後世まで伝えていくべき日本人の遺産である。一方、戦場経験者の記録はどうかといえば、被害者の記録に比べて圧倒的に少ない。これまでは個人的な戦記での告白など、一般には入手しにくい媒体で細々と伝えられてきたに過ぎない。これに対して本書は、聞書きの専門家である著者が、個人あるいは戦友会などでの多くの取材のエッセンスをまとめたものであり、貴重な記録といえる。
著者が戦場体験の聞書きを始めたのは、日中戦争を体験した元軍人たちのグループを知ったことが最初である。このグループは、「反戦的市民団体」の活動として、辛い戦場体験を積極的に発表することとしていた。彼らは贖罪の意味も込めて、中国や東南アジアでの凄まじい残虐行為の数々を告白し始めた。著者はこのような元軍人グループ、戦友会、あるいは個人から戦場で体験した残虐行為の聞書きを続け、その数は4000人中の500人に及ぶという。このような聞書きには、聞く側にも厳しい心構えがなければならない。著者はそれを「五つの条件」(日常空間での聞書きを避ける、ひらすら黙って聞く、匿名が条件、証言内容の真偽は聞き手が判断、聞いた証言は聞き手もその重さを背負う覚悟をする)を心に刻み実践することで、元将兵たちの重い心の扉を開くことが出来たという。
本書が紹介している戦場体験者たちの証言内容は、中国や東アジアでの一般住民に対する残虐行為(三光作戦など)、捕虜に対する不当で残虐な処刑、スパイの疑いを掛けた集落の全住民虐殺(平頂山事件)など読み続けるのが辛いほどである。軍医や衛生兵という戦闘から一歩引いた立場で戦場にいた人達は、軍隊と性の問題(慰安婦など)、戦況悪化の中での傷病兵遺棄(あるいは青酸カリによる自殺強制)など、従来あまり報告されていなかった事実を赤裸々に告白している。兵士たちの告白での共通なのは、職業軍人(尉官以上)たちの無責任さと無能さ(もちろん例外もあるが)、いざとなると兵士を見殺しにしても自分だけは生き延びようとする身勝手さである。
アジア太平洋戦争は日本人の軍人軍属の戦死230万人、民間人の国外・国内での空襲等による死者80万人以上、合計310万人以上(1963年の厚生省発表)の犠牲をもたらした。さらに、日本の侵略戦争は、アジア・太平洋各国に2000万人以上の死者をふくむ史上最大の惨害をもたらした(各国の政府公表合計)。辛うじて生きて帰国した戦場経験者の中には長くPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんだ人も多いという。本書によれば、死の床までかつての残虐行為の悪夢に苦しみながら亡くなった人も少なくない。こうして、戦争は末端の兵士に過酷な経験を負わせ、無事帰国した場合もPTSDで苦しめるのである。このような事態は、ヴェトナム戦争やイラク戦争のアメリカ軍帰還兵のうちの相当数が精神的・肉体的疾患で長く苦しんでいるように、現代の戦争でも変わらない。
本書が貴重な記録として残した戦場体験者たちの声は、「自分達のように戦場で人を殺させてはならない、自分達は家族や友人・知人達と平和に楽しく暮らしたかった」ということに尽きるではないだろうか。
著者が戦場体験の聞書きを始めたのは、日中戦争を体験した元軍人たちのグループを知ったことが最初である。このグループは、「反戦的市民団体」の活動として、辛い戦場体験を積極的に発表することとしていた。彼らは贖罪の意味も込めて、中国や東南アジアでの凄まじい残虐行為の数々を告白し始めた。著者はこのような元軍人グループ、戦友会、あるいは個人から戦場で体験した残虐行為の聞書きを続け、その数は4000人中の500人に及ぶという。このような聞書きには、聞く側にも厳しい心構えがなければならない。著者はそれを「五つの条件」(日常空間での聞書きを避ける、ひらすら黙って聞く、匿名が条件、証言内容の真偽は聞き手が判断、聞いた証言は聞き手もその重さを背負う覚悟をする)を心に刻み実践することで、元将兵たちの重い心の扉を開くことが出来たという。
本書が紹介している戦場体験者たちの証言内容は、中国や東アジアでの一般住民に対する残虐行為(三光作戦など)、捕虜に対する不当で残虐な処刑、スパイの疑いを掛けた集落の全住民虐殺(平頂山事件)など読み続けるのが辛いほどである。軍医や衛生兵という戦闘から一歩引いた立場で戦場にいた人達は、軍隊と性の問題(慰安婦など)、戦況悪化の中での傷病兵遺棄(あるいは青酸カリによる自殺強制)など、従来あまり報告されていなかった事実を赤裸々に告白している。兵士たちの告白での共通なのは、職業軍人(尉官以上)たちの無責任さと無能さ(もちろん例外もあるが)、いざとなると兵士を見殺しにしても自分だけは生き延びようとする身勝手さである。
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本書が貴重な記録として残した戦場体験者たちの声は、「自分達のように戦場で人を殺させてはならない、自分達は家族や友人・知人達と平和に楽しく暮らしたかった」ということに尽きるではないだろうか。
2016年3月9日に日本でレビュー済み
私は歴史の専門家ではないが、本書は、いわゆるオーラルヒストリーと極めて近いと言えるものではないかと思っている。ただし、単に戦場体験者の話を聞き取り、記録したものをまとめたのではなく、著者自身の聞き取りに対する考え方、現在の政治状況への考え方なども含まれているので、学術的なものとは言えないが、貴重な意見も多く、興味深い。
いくら命令されたこととはいえ、戦争に行って敵兵を殺すことを直接的に語った経験は、それほど目にしない。まして、それが戦時下であっても違法とされる行為(捕虜の虐待や殺害など)であれば、なおのことである。本書では、著者が実際に戦場を体験した人たちと信頼関係を築き、自身が課したいくつかのルールに則って、聞き出したものである。違法行為も含め、実際の戦場であれば予想されることがほとんどだが、それでも読んでいて気分が悪くなったり、憤りを感じる体験がほとんどである。ただ、実際に自分がその時、その場所にいたとしたら、違法行為を拒否できたという自信はない。だからこそ、こういった記録から目を背けるべきではないし、同じ状況下に身を置くようなことになるのを避けなければいけないと考えている。
証言者たちが語った事柄については、長年聞き取りを続けてきた著者が“真実”と判断して記述されたのだろうから、私は信頼したい。
それにしても、114ページに書かれているが、1945年8月14日以降、日本政府・大本営が行った文書などの焼却・隠滅は、極めて愚かな行為である。証拠を隠滅したものの言い分など、信用されないのは当然である。
いくら命令されたこととはいえ、戦争に行って敵兵を殺すことを直接的に語った経験は、それほど目にしない。まして、それが戦時下であっても違法とされる行為(捕虜の虐待や殺害など)であれば、なおのことである。本書では、著者が実際に戦場を体験した人たちと信頼関係を築き、自身が課したいくつかのルールに則って、聞き出したものである。違法行為も含め、実際の戦場であれば予想されることがほとんどだが、それでも読んでいて気分が悪くなったり、憤りを感じる体験がほとんどである。ただ、実際に自分がその時、その場所にいたとしたら、違法行為を拒否できたという自信はない。だからこそ、こういった記録から目を背けるべきではないし、同じ状況下に身を置くようなことになるのを避けなければいけないと考えている。
証言者たちが語った事柄については、長年聞き取りを続けてきた著者が“真実”と判断して記述されたのだろうから、私は信頼したい。
それにしても、114ページに書かれているが、1945年8月14日以降、日本政府・大本営が行った文書などの焼却・隠滅は、極めて愚かな行為である。証拠を隠滅したものの言い分など、信用されないのは当然である。
2017年1月25日に日本でレビュー済み
戦争体験者の談話や戦記は数多く出ているが、軍人ではなく、「兵隊さん」は戦場でどんな経験をして、戦後、どんな苦しみを抱いていたのかを知るためには、出色の書。保阪氏が聞き取り調査をしなければ、歴史証言としては残らなかった当事者たちの言葉はとても重要である。虚心に彼等の証言に向き合うために、しっかりと考え学びたい本である。再び「戦争できる国」になろうとしている今、日本人必読の一冊。