絵もストーリーも気持ちよく、いい本と思います。
文字だけの読み物ではこうはいきません。
自分の中では、昔読んだ『マウス』とおなじく、BEST です。

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ロジ・コミックス: ラッセルとめぐる論理哲学入門 (単行本) 単行本 – 2015/7/23
アポストロス・ドクシアディス
(著),
クリストス・パパデミトリウ
(著),
アレコス・パパダトス
(イラスト),
アニー・ディ・ドンナ
(イラスト),
松本 剛史
(翻訳),
高村 夏輝
(監修)
&
3
その他
激動の20世紀、偉大な数学者・哲学者達はいかにして真理の探究に駆り立てられたか?彼らの情熱を追う世界的ベストセラーのオールカラー・グラフィックノベル。
- 本の長さ347ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2015/7/23
- ISBN-10448084306X
- ISBN-13978-4480843067
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2015/7/23)
- 発売日 : 2015/7/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 347ページ
- ISBN-10 : 448084306X
- ISBN-13 : 978-4480843067
- Amazon 売れ筋ランキング: - 332,574位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんな本よく出しましたね。
しかもコミックで。
しかも邦訳まで出ています。
数学の基礎を巡る論理学を中心とした英米系現代哲学黎明期の話です。
日常言語に軸足を移したリングイスティック・ターン(言語的転回)の前までの話です。
哲学史のエピソードの一つです。
ラッセル、ホワイトヘッドのみならず、フレーゲ、カントール、ペアノ、ヒルベルト、ゲーデル等々が出て来ます。
嬉しくなって来ます。
ウィーン学団の話もちゃんと出て来ます。
シュリック、カルナップ、ハンス・ハーン等々、ちゃんと押えてあります。
懐かしくて涙が出そうになります。
数十年前、ケンブリッジを訪れ、ウィトゲンシュタインの墓参りをして、近くに住んでいた画家からラッセルの肖像画を買いました。
ポーランド学派のタルスキーやアメリカのクワインは出て来ません。
残念ながら、最後のギリシャ悲劇の話はピンときませんでした。
どうせなら、最後は1956年のダートマス会議にしてほしかったですね。
AIの幕開けはラッセル・ホワイトヘッドの「プリンキピア・マテマティカ」の定理のプログラムよる証明でした。
アレン・ニューエルとハーバート・サイモンによるこのプログラム「Logic Theorist」は世界初のAIプログラムと言われています。
となると「プリンキピア・マテマティカ」を最後まできちんと読んだのは、ゲーデル以外に少なくとも2人いることになります。
ウィトゲンシュタインはきっと拾い読みですね。
しかもコミックで。
しかも邦訳まで出ています。
数学の基礎を巡る論理学を中心とした英米系現代哲学黎明期の話です。
日常言語に軸足を移したリングイスティック・ターン(言語的転回)の前までの話です。
哲学史のエピソードの一つです。
ラッセル、ホワイトヘッドのみならず、フレーゲ、カントール、ペアノ、ヒルベルト、ゲーデル等々が出て来ます。
嬉しくなって来ます。
ウィーン学団の話もちゃんと出て来ます。
シュリック、カルナップ、ハンス・ハーン等々、ちゃんと押えてあります。
懐かしくて涙が出そうになります。
数十年前、ケンブリッジを訪れ、ウィトゲンシュタインの墓参りをして、近くに住んでいた画家からラッセルの肖像画を買いました。
ポーランド学派のタルスキーやアメリカのクワインは出て来ません。
残念ながら、最後のギリシャ悲劇の話はピンときませんでした。
どうせなら、最後は1956年のダートマス会議にしてほしかったですね。
AIの幕開けはラッセル・ホワイトヘッドの「プリンキピア・マテマティカ」の定理のプログラムよる証明でした。
アレン・ニューエルとハーバート・サイモンによるこのプログラム「Logic Theorist」は世界初のAIプログラムと言われています。
となると「プリンキピア・マテマティカ」を最後まできちんと読んだのは、ゲーデル以外に少なくとも2人いることになります。
ウィトゲンシュタインはきっと拾い読みですね。
2015年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マンガでラッセルの人生を子供時代から辿って行く流れになっています。この手のマンガは分かりやすい反面、著者の想像で書いたようなことでも一度描かれてしまうと、読んだ読者はどこまでが想像でどこまでが事実だったのか、忘れてしまうということが問題かもしれません。絵のパワーってスゴいと思いました.このマンガが良心的なのは、最後の方にある注意書きで、ロジコミックを書くに当たりいろいろな資料をあたって情報は集めたが様々な想像や現実にはなかったことを著者達で追加した旨が記述されていることだろう。
「ラッセルとめぐる論理哲学入門」というサブタイトルは期待しない方がよいと思います。単なる伝記物(史実に忠実ではない部分もあるが)
として購入すれば問題ないと思う.私的には、読み切ったー、という満足感はあったが、それは途中で何度か投げ出そうという気持ちがあったがための満足感だった。星は3つにしました。
「ラッセルとめぐる論理哲学入門」というサブタイトルは期待しない方がよいと思います。単なる伝記物(史実に忠実ではない部分もあるが)
として購入すれば問題ないと思う.私的には、読み切ったー、という満足感はあったが、それは途中で何度か投げ出そうという気持ちがあったがための満足感だった。星は3つにしました。
2015年8月3日に日本でレビュー済み
哲学・思想のコミカライズというと「
ニーチェ―自由を求めた生涯 (ちくま学芸文庫)
」や、
イラストを大胆に構成したヴィジュアルブックのおもむきの「 フーコー (ちくま学芸文庫) 」「 デリダ (ちくま学芸文庫) 」などのBIGINNERシリーズ、
マクルーハン「 メディアはマッサージである (河出文庫) 」に思いいたすけれど、本書は出色の出来栄えです。
コミックなぞとあなどるべからず。
哲学、論理学をコミックでわかりやすく解説しようとしたものではありません。
バートランド・ラッセルを主人公におき、彼をとり囲む数学界、哲学界のタレントたちの織りなす、論理学をめぐるドラマです。
むずかしいところは差しおいて、(マニアックなジャンルですが)門外漢でも歴史ドラマとしてとても楽しめました。
20世紀初頭のヨーロッパが舞台、そして古代ギリシア時代以来わずかな公理からあらゆる定理(世界)を証明できるとする体系の証明が当代きっての天才たちにより試みられてきたけれど、ヒルベルトの形式主義(ヒルベルト・プログラム、完全性定理ともいうのでしょうか)の完成をもってとうとうその知の金字塔が打ち立てられたかと思われた瞬間……!
その時その場に実際いあわせたフォン・ノイマンがつぶやくのです。「これで終わりだ」と。
いったい何が終わったのでしょうか?
あの哲学史的に残る有名なエピソードをすばらしい群像劇でまとめた手法はよみごたえたっぷりです。
もちろんラッセルの主著プリンキピア・マテマティカをホワイトヘッドと書き上げるエピソードも(ラッセルがホワイトヘッドを相当悩ませるけれど、後年ラッセルも論文のまとめを頼んだヴィトゲンシュタインに同じように悩ませられるのは、史実なのかドラマとしての演出なのか)。
思考の世界の住人たちとおもいきや二つの世界大戦と絡みあって進行するストーリーや、1939年のラッセルの講演をベースにしているところ、現代のアテネ(ラッセルがアリストテレス以来の論理学者といわれているし、古代哲学の発祥の地であるアテネと現代の円環を形成しているのかな)から作者たちがあいの手を入れるところなど、読者が退屈しないようなストーリー構成のメリハリのつけ方も秀逸です。
(現代の作者がそのまま登場してしまうのは、 HHhH の例もあるし当世の流行りなのかしら)
おまけですが、ラッセルの家系も統合失調症の罹患者を多くだしてますし、ヴィトゲンシュタインも兄弟の多くが自殺しています。
このコミックのいちばんのクライマックスは上述のシーンではなく、ヴィトゲンシュタインが砲弾の嵐の中で死が目の前にあるところで「世界の意味は世界のうちには存在しない」という真理をみいだすところです。はたして彼らは天才なのでしょうか、狂人でもあるのでしょうか。
おまけ2。ヴィトゲンシュタインが「アッハ」と身悶えしながら笑うところが個人的にツボです。
おまけ3。登場人物はデフォルメされてますが、みなよく本人ににています。
イラストを大胆に構成したヴィジュアルブックのおもむきの「 フーコー (ちくま学芸文庫) 」「 デリダ (ちくま学芸文庫) 」などのBIGINNERシリーズ、
マクルーハン「 メディアはマッサージである (河出文庫) 」に思いいたすけれど、本書は出色の出来栄えです。
コミックなぞとあなどるべからず。
哲学、論理学をコミックでわかりやすく解説しようとしたものではありません。
バートランド・ラッセルを主人公におき、彼をとり囲む数学界、哲学界のタレントたちの織りなす、論理学をめぐるドラマです。
むずかしいところは差しおいて、(マニアックなジャンルですが)門外漢でも歴史ドラマとしてとても楽しめました。
20世紀初頭のヨーロッパが舞台、そして古代ギリシア時代以来わずかな公理からあらゆる定理(世界)を証明できるとする体系の証明が当代きっての天才たちにより試みられてきたけれど、ヒルベルトの形式主義(ヒルベルト・プログラム、完全性定理ともいうのでしょうか)の完成をもってとうとうその知の金字塔が打ち立てられたかと思われた瞬間……!
その時その場に実際いあわせたフォン・ノイマンがつぶやくのです。「これで終わりだ」と。
いったい何が終わったのでしょうか?
あの哲学史的に残る有名なエピソードをすばらしい群像劇でまとめた手法はよみごたえたっぷりです。
もちろんラッセルの主著プリンキピア・マテマティカをホワイトヘッドと書き上げるエピソードも(ラッセルがホワイトヘッドを相当悩ませるけれど、後年ラッセルも論文のまとめを頼んだヴィトゲンシュタインに同じように悩ませられるのは、史実なのかドラマとしての演出なのか)。
思考の世界の住人たちとおもいきや二つの世界大戦と絡みあって進行するストーリーや、1939年のラッセルの講演をベースにしているところ、現代のアテネ(ラッセルがアリストテレス以来の論理学者といわれているし、古代哲学の発祥の地であるアテネと現代の円環を形成しているのかな)から作者たちがあいの手を入れるところなど、読者が退屈しないようなストーリー構成のメリハリのつけ方も秀逸です。
(現代の作者がそのまま登場してしまうのは、 HHhH の例もあるし当世の流行りなのかしら)
おまけですが、ラッセルの家系も統合失調症の罹患者を多くだしてますし、ヴィトゲンシュタインも兄弟の多くが自殺しています。
このコミックのいちばんのクライマックスは上述のシーンではなく、ヴィトゲンシュタインが砲弾の嵐の中で死が目の前にあるところで「世界の意味は世界のうちには存在しない」という真理をみいだすところです。はたして彼らは天才なのでしょうか、狂人でもあるのでしょうか。
おまけ2。ヴィトゲンシュタインが「アッハ」と身悶えしながら笑うところが個人的にツボです。
おまけ3。登場人物はデフォルメされてますが、みなよく本人ににています。
2017年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
白川学で老子を読んでみようと考え「共生」「相対」を理念とした。タイミング的にアインシュタインの宿題、宇宙の起源解明のNHKコズミックフロントなどからアドラーへ、さらにはB/ラッセルに至ってこの本をのぞいてみた。自然科学と人文科学とのコラボレーション楽しみな展開となってきたが老眼の身には少々つらい。しかし、裾野が広がり様々な視点が開けて良い本だった。さらに相対性理論の哲学から廣松渉著作集と時間を埋める展開が続いている。
2015年7月27日に日本でレビュー済み
20世紀前半の数理論理学の勃興を描いた群像劇である。主役であり、狂言回しでもあるのはバートランド・ラッセル。
彼をめぐり、カントール、ホワイトヘッド、フレーゲ、ペアノ、ウィトゲンシュタイン、ヒルベルトというスタアたちが
まさに綺羅星のように自分の役割を演じていく。勿論、クルト・ゲーデルも登場する。
形式としてマンガを選んでいるところも大変興味深い(グラフィック・ノベルと著者たちは呼んでいる。)。活字で描い
ていたら、このスピード感は絶対に得られなかったと思う。マンガだからこそどんどん読み進めることができる。勢いに
乗っていくことがこのストーリーの味わいを深める。
物語を描く原作・作画チームのディスカッションが枠物語として本質的な役割をしている。
アイスキュロス「オレステイア」を引用。
訳者あとがきを排したスタイルが翻訳書としては例外的にクールだ。
そして、彼らの物語はフォン・ノイマンとアラン・チューリングへつながり、コンピュータの時代を準備したのだとする
ラストも見事だ。
高校生にぜひ読んで欲しい。
それにしても、真理を求める代償は大きい。
カントールは重い鬱病を患い精神病院で亡くなった(1918年)。ヒルベルトの一人息子のフランツが統合失調症だった。
クルト・ゲーデルは尿道疾患で入院した病院で職員が自分を毒殺しようとしているという妄想にとらわれ餓死した(1978年)。
彼をめぐり、カントール、ホワイトヘッド、フレーゲ、ペアノ、ウィトゲンシュタイン、ヒルベルトというスタアたちが
まさに綺羅星のように自分の役割を演じていく。勿論、クルト・ゲーデルも登場する。
形式としてマンガを選んでいるところも大変興味深い(グラフィック・ノベルと著者たちは呼んでいる。)。活字で描い
ていたら、このスピード感は絶対に得られなかったと思う。マンガだからこそどんどん読み進めることができる。勢いに
乗っていくことがこのストーリーの味わいを深める。
物語を描く原作・作画チームのディスカッションが枠物語として本質的な役割をしている。
アイスキュロス「オレステイア」を引用。
訳者あとがきを排したスタイルが翻訳書としては例外的にクールだ。
そして、彼らの物語はフォン・ノイマンとアラン・チューリングへつながり、コンピュータの時代を準備したのだとする
ラストも見事だ。
高校生にぜひ読んで欲しい。
それにしても、真理を求める代償は大きい。
カントールは重い鬱病を患い精神病院で亡くなった(1918年)。ヒルベルトの一人息子のフランツが統合失調症だった。
クルト・ゲーデルは尿道疾患で入院した病院で職員が自分を毒殺しようとしているという妄想にとらわれ餓死した(1978年)。
2015年9月13日に日本でレビュー済み
丸善でおすすめされていたので購入してみました。
海外でも高い人気があり、哲学を解説した本の中ではよく売れているとのこと。
価格も少し高めですが、印刷や紙の質も良いので、
本棚に並べておくのも格好になると思いつつ読了しました。
内容は、イギリスの哲学者であるバートランドラッセルの、
生涯を通じた真理の探究を軸にした物語です。
同時代の哲学者たちとの関わりあいの中から、
どんな議論があったかが分かります。
とっつきにくい論理を巡る議論の中で、
単純な哲学解説本ではなく、その背景も含めて、
ドラマチックな物語となって印象に残ります。
ただ、外国風のマンガなので横書きなうえ、
スタイルが違うので読みにくいです。
印刷はきれいですが、イラストは普通です。
しかしながら、巻末の人物解説も充実し、
更に難しい内容を、ラッセルの人生に重ねることで、
興味深く読み進めさせ、損は無い本です。
海外でも高い人気があり、哲学を解説した本の中ではよく売れているとのこと。
価格も少し高めですが、印刷や紙の質も良いので、
本棚に並べておくのも格好になると思いつつ読了しました。
内容は、イギリスの哲学者であるバートランドラッセルの、
生涯を通じた真理の探究を軸にした物語です。
同時代の哲学者たちとの関わりあいの中から、
どんな議論があったかが分かります。
とっつきにくい論理を巡る議論の中で、
単純な哲学解説本ではなく、その背景も含めて、
ドラマチックな物語となって印象に残ります。
ただ、外国風のマンガなので横書きなうえ、
スタイルが違うので読みにくいです。
印刷はきれいですが、イラストは普通です。
しかしながら、巻末の人物解説も充実し、
更に難しい内容を、ラッセルの人生に重ねることで、
興味深く読み進めさせ、損は無い本です。
2015年10月7日に日本でレビュー済み
"コミックス" と思って読んだほうが良いと思う. 気分転換にはなった.