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マンガ産業論 単行本 – 2004/7/10
中野 晴行
(著)
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- ISBN-104480873465
- ISBN-13978-4480873460
- 出版社筑摩書房
- 発売日2004/7/10
- 言語日本語
- 本の長さ259ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
世界的にも注目を集める日本のマンガ産業。マンガはなぜ急成長したのか? そして今起こりつつある危機とは? 貸本から週刊漫画誌、TVアニメへと社会の中で大きく伸張したマンガ産業の歴史を振り返り、今後を展望する。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2004/7/10)
- 発売日 : 2004/7/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 259ページ
- ISBN-10 : 4480873465
- ISBN-13 : 978-4480873460
- Amazon 売れ筋ランキング: - 656,252位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 189位書店・古書店の本
- - 801位コミック・アニメ研究
- - 12,256位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年8月12日に日本でレビュー済み
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産業というとやはり数字は大事。作者はできる限りに数字を探して自分の論点を作り上げてすごく感服しました
2004年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人的な問題意識として、商業と文化の対立構造、というものがありまして、今回この本を買ったきっかけでもあります。商業と文化は必ずしも対立するものではない、といったことを漠然と考えていましたので、「マンガ産業論」は興味深く読みました。特に、マンガ雑誌の売り上げ推移、そして現在マンガが必然的に持つ商業性について論じておられた点、とても勉強になりました。マンガを取り巻く環境を考えて、マンガのことを考える・・・。うーん、マンガは面白い。
2004年11月22日に日本でレビュー済み
本書の概略は Amazon に記載されているレビューにあるので、ここでは記載しない。
本書が「産業論」と銘打っているにも関わらず、非常に読みやすい理由のひとつは、読者が夢中になって読んだマンガを題材として書かれているからだろう。
マンガが制作されていた当時の時代背景を知ることで、マンガのストーリー展開が出版社の営業戦略とその時代の嗜好性の変化、社会制度の変化までが浮かび上がってくる。
本書を読んでいて気が付いたのが、マンガと音楽が陥っているジレンマに似ていることである。
・日常生活でマンガや音楽が過剰なほどに供給されているにも関わらず、業界全体の売上縮小傾向に歯止めがかからない。
・マンガ作品の切り売り(音楽CDの場合は、コンピレーションアルバムなど)をすることによって、新しいマンガの販売機会を失っている現状。
・収益を確保する目的で著作権管理を強化するほどに落ち込む利益。新しい販路を求めて、海外のマーケットを開拓努力する出版社(レコード会社)。
・出版社は利益があっても、作者(音楽ならば歌手や作曲家、アレンジャーなど)がなかなか儲けられない仕組み(それには様々な要因が挙げられている)。
・敢えてメジャーデビューをせずに、マイナーなまま作家性にこだわり続ける作り手の増加(これは良作であっても、一般の人にはなかなか知ることができない)。
等々。
最終章では、なぜマンガの売上が落ちているのか、どうしたらマンガの売上が伸びるのかを論じているが、著者自身も有効な手だてはないと思っている論調で本書は締められている。
確かに、私自身のマンガ読書量は減るどころか、増えている。しかし、購入せずに立ち読みだけで済ませてしまうことが多い。その理由は、一冊全てのマンガ(週刊誌)を読むには耐えられない内容の連載が多いからだ。だから、2~3作品を読み終えたら、他誌を再び立ち読み…の繰り返しになる。
マンガ自体はなくならないだろうが、最近の行政や司法、消費者団体の暴力や性表現などを理由にした露骨な表現規制などもあり、マンガ業界の厳しさはしばらく続くのだろう。
本書が「産業論」と銘打っているにも関わらず、非常に読みやすい理由のひとつは、読者が夢中になって読んだマンガを題材として書かれているからだろう。
マンガが制作されていた当時の時代背景を知ることで、マンガのストーリー展開が出版社の営業戦略とその時代の嗜好性の変化、社会制度の変化までが浮かび上がってくる。
本書を読んでいて気が付いたのが、マンガと音楽が陥っているジレンマに似ていることである。
・日常生活でマンガや音楽が過剰なほどに供給されているにも関わらず、業界全体の売上縮小傾向に歯止めがかからない。
・マンガ作品の切り売り(音楽CDの場合は、コンピレーションアルバムなど)をすることによって、新しいマンガの販売機会を失っている現状。
・収益を確保する目的で著作権管理を強化するほどに落ち込む利益。新しい販路を求めて、海外のマーケットを開拓努力する出版社(レコード会社)。
・出版社は利益があっても、作者(音楽ならば歌手や作曲家、アレンジャーなど)がなかなか儲けられない仕組み(それには様々な要因が挙げられている)。
・敢えてメジャーデビューをせずに、マイナーなまま作家性にこだわり続ける作り手の増加(これは良作であっても、一般の人にはなかなか知ることができない)。
等々。
最終章では、なぜマンガの売上が落ちているのか、どうしたらマンガの売上が伸びるのかを論じているが、著者自身も有効な手だてはないと思っている論調で本書は締められている。
確かに、私自身のマンガ読書量は減るどころか、増えている。しかし、購入せずに立ち読みだけで済ませてしまうことが多い。その理由は、一冊全てのマンガ(週刊誌)を読むには耐えられない内容の連載が多いからだ。だから、2~3作品を読み終えたら、他誌を再び立ち読み…の繰り返しになる。
マンガ自体はなくならないだろうが、最近の行政や司法、消費者団体の暴力や性表現などを理由にした露骨な表現規制などもあり、マンガ業界の厳しさはしばらく続くのだろう。
2004年9月12日に日本でレビュー済み
~手塚治虫や赤本、貸本など戦後マンガ史研究では現在第一人者といえる中野氏が、コミック市場の歴史的変遷をたどりながらマンガ産業について論じた本で、産業としてのマンガを考えるうえでこの本の内容は必ず知っておくべき基礎知識でしょう。
ここでは中野氏の主張の中で明らかに間違っていると思われることを指摘します。
~~
日本人の活字離れの責任は枝葉末節の解読にこだわる国語教育の責任と言っていますが、これが事実かどうかはこの本でもっと検証すべきだったしょう。物語のおもしろさは国語教育をしなくても身につくものでマンガでなくてもゲームで覚えるものであり、夏目表現論で明らかにされているように、手塚マンガ自体が中野氏の言っている「枝葉末節」の面白さ、言いか~~えれば文学性、ひいてはマンガ性の本質を備えているのです。これは商品的に見れば最も重要な付加価値のひとつなのです。
~~
マンガが真の国際競争力を持つためには、子どもの時点からリテラシーを学ぶこと、つまり初等教育からマンガを国語教育、美術教育で教えるという考え方が必要で、マンガは1990年代初めにはそのレベルまで成熟しましたが、残念ながら初等教育の教材に適した作品のほとんどは売れなくて業界も撤退せざるを得ませんでした。
~~
マンガ業界は児童マンガというものにもっと力を注ぐべきなのです。読者のマンガ離れは雑誌離れとビニールパックがおそらく重要な要因で、マンガが「鉄腕アトム」のメディアミックス戦略以降、いまも依然として口コミや評判によらなければ売れないととらわれている、という構造そのものを改革していくための知恵がマンガ業界にこれから必要とされているのです~~。
少女マンガがテレビドラマやポップス、アニメなど日本の文化産業を牽引したことについて産業論的に考察することはこの本ではほとんどなされていません。少女マンガは中野氏が分け入っていない領域で産業論的にも今後の重要な課題でしょう。~
ここでは中野氏の主張の中で明らかに間違っていると思われることを指摘します。
~~
日本人の活字離れの責任は枝葉末節の解読にこだわる国語教育の責任と言っていますが、これが事実かどうかはこの本でもっと検証すべきだったしょう。物語のおもしろさは国語教育をしなくても身につくものでマンガでなくてもゲームで覚えるものであり、夏目表現論で明らかにされているように、手塚マンガ自体が中野氏の言っている「枝葉末節」の面白さ、言いか~~えれば文学性、ひいてはマンガ性の本質を備えているのです。これは商品的に見れば最も重要な付加価値のひとつなのです。
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マンガが真の国際競争力を持つためには、子どもの時点からリテラシーを学ぶこと、つまり初等教育からマンガを国語教育、美術教育で教えるという考え方が必要で、マンガは1990年代初めにはそのレベルまで成熟しましたが、残念ながら初等教育の教材に適した作品のほとんどは売れなくて業界も撤退せざるを得ませんでした。
~~
マンガ業界は児童マンガというものにもっと力を注ぐべきなのです。読者のマンガ離れは雑誌離れとビニールパックがおそらく重要な要因で、マンガが「鉄腕アトム」のメディアミックス戦略以降、いまも依然として口コミや評判によらなければ売れないととらわれている、という構造そのものを改革していくための知恵がマンガ業界にこれから必要とされているのです~~。
少女マンガがテレビドラマやポップス、アニメなど日本の文化産業を牽引したことについて産業論的に考察することはこの本ではほとんどなされていません。少女マンガは中野氏が分け入っていない領域で産業論的にも今後の重要な課題でしょう。~
2004年12月16日に日本でレビュー済み
戦後マンガ史を各種統計、単行本etc....の多用な素材をもとにごくごく丁寧に「マンガ産業」の誕生から現在までを描きだしている手腕は見事であり、かなりの労作であると言える一作だと思う。
おそらくマンガ研究にとっても価値のある研究だったろうし、一般読者の読み物としても一定以上の興味関心を引くデータにあふれている。
だが、惜しいのは、データ等をもとに議論を構成していくのは素晴しくはあるのだが、データから確実に言えることのみでは、議論の幅に厚みをもたらすことに充分に成功しているとはいえず、議論の幅に厚みを持たせたいがために脇の甘い議論をかなりしているのが残念なところだ。どうも、現在流通しているマンガの言説の再生産、焼き直しを言っているだけなのではないかと思われる箇所が少なからず見受けられる。
もちろん、一般書として売っているのだからアカデミックなガリガリの根拠のある議論ばかりをする、という方向性にいくわけにもいかないのだろう。
これは、中野氏への批判というよりも、中野氏が議論の幅に厚みを持たせようとしたときに、説得力を持って参照できるような面白い先行研究がマンガ研究の分野であまり多く蓄積されていない、などといったことに原因が求められるのかもしれない。マンガ研究史にもっと蓄積がたまったときに、またもう一度読みたいと思わせる本だ。
そして、(循環的なコメントになるが)そのような未来のための礎石として、本書は有意義な仕事となることだろう。
おそらくマンガ研究にとっても価値のある研究だったろうし、一般読者の読み物としても一定以上の興味関心を引くデータにあふれている。
だが、惜しいのは、データ等をもとに議論を構成していくのは素晴しくはあるのだが、データから確実に言えることのみでは、議論の幅に厚みをもたらすことに充分に成功しているとはいえず、議論の幅に厚みを持たせたいがために脇の甘い議論をかなりしているのが残念なところだ。どうも、現在流通しているマンガの言説の再生産、焼き直しを言っているだけなのではないかと思われる箇所が少なからず見受けられる。
もちろん、一般書として売っているのだからアカデミックなガリガリの根拠のある議論ばかりをする、という方向性にいくわけにもいかないのだろう。
これは、中野氏への批判というよりも、中野氏が議論の幅に厚みを持たせようとしたときに、説得力を持って参照できるような面白い先行研究がマンガ研究の分野であまり多く蓄積されていない、などといったことに原因が求められるのかもしれない。マンガ研究史にもっと蓄積がたまったときに、またもう一度読みたいと思わせる本だ。
そして、(循環的なコメントになるが)そのような未来のための礎石として、本書は有意義な仕事となることだろう。
2004年10月16日に日本でレビュー済み
この本を読むと、マンガ産業の構造が良くわかり、興味深い。
マンガ文化はなくならないと思うが、このまま衰退していくのでは?
確かに、昔ほど面白いと思うマンガは少ない。
そんな我々の懸念に、答えてくれる本でもある。
マンガ文化はなくならないと思うが、このまま衰退していくのでは?
確かに、昔ほど面白いと思うマンガは少ない。
そんな我々の懸念に、答えてくれる本でもある。