本書は、電子書籍の登場を根底におけるテーマとして、ウンベルト・ エーコ、ジャン=クロード・ カリエールという2人の文化人が、文化や書物のあり方について様々な対談を行う。
例えば、以下のような内容。
■新しい技術と学習: 新しい技術が登場すると、あたかもそれが過去の制約や規則を無効にし、先行技術を一掃して便利なものに変えてくれるという感覚があるが、実際には、新しい技術が出てくるたびに、新しい「言語」を習得するための長い長い入門期間が必要になる。
技術は手間を省いてくれるものではなく、手間を増やすだけ。しかし、我々はたえず未来に備える努力を強いられる。
■あらゆる情報を得られる時代で必要な能力: 「知ること」ではなく、「知っていること」から考えをまとめて結論を導く技術。
さらに、習得するという行為そのもの。覚えたり学んだりということ自体、学ばないと見につかない。
例えば、与えられたテーマに対して、出所の違う10の情報を集め、それらを比べ合わせて、何を導けるか。
■文化とフィルタリング: インターネット以前は、文化が保存すべきものと忘れるべきものを示すことでフィルタリングを行い、何が正しく何が間違っているか、という暗黙裡の共通基盤を提供していた。
しかし、インターネットは、文化というフィルタリングにかけることなく、各個人の意見や経験が直接共有されるため、自分自身の頭でフィルタリングしなければならない。
■書物が傑作となるための条件: 多くの読者に読まれ、解釈されること。そして読まれることで互いに影響を与え合うこと。
例えば、ダ・ヴィンチの中には、「モナ・リザ」よりも美しい作品はあるかもしれないが、「モナ・リザ」はそれら以上に解釈されてきた。
タイトルに興味を惹かれて読了。電子書籍の登場をひとつのきっかけとして、話を展開しているが、実際は文化や芸術に関わるあらゆる話題に脱線していく。
その過程で自分の知識では全く知らないような書物や歴史の話が出てくるが、彼らの文化や書物に対する考えは他で触れることがないために新鮮であり、興味深いものだった。
教養について考えてみたい人には、色々と面白いと思う。
【印象に残った言葉】
・文化とはすべてが忘れ去られたのちになお残るものにほかならない、ということです。
・私たちは終身学習刑を宣告されているのです。
・書物は車輪と同じような発明品です。発明された時点で、進化しきってしまっているんです。
・傑作が傑作であるためには、知られるということが大事です。つまり、作品がみずから喚起した解釈を吸収することで、その個性をより強く発揮していれば、傑作は傑作として認知されます。
・本棚に入れておくのは、読んでもいい本です。あるいは、読んでも良かった本です。そのまま一生読まないのかもしれませんけどね、それでかまわないんですよ。
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もうすぐ絶滅するという紙の書物について 単行本 – 2010/12/17
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老練愛書家2人による書物をめぐる対話。
「電子書籍元年」といわれる
今こそ読んでおきたい1冊!
インターネットが隆盛を極める今日、
「紙の書物に未来はあるのか?」との問いに、
「ある」と答えて始まる対談形式の文化論。
東西の歴史を振り返りつつ、
物体・物質としての書物、
人類の遺産としての書物、
収集対象としての書物など
さまざまな角度から
「書物とその未来について」、
老練な愛書家2人が徹底的に語り合う。
博覧強記はとどまるところを知らず、
文学、芸術、宗教、歴史と、
またヨーロッパから中東、インド、中国、南米へとさまざまな時空を駆けめぐる。
この対談は、マーシャル・マクルーハンが「グーテンベルクの銀河系」と呼んだ書物の宇宙への温かい賛辞であり、本を読み愛玩するすべての人々を魅了するでしょう。すでに電子書籍を愛用している人だって本書を読んで紙の本が恋しくならないともかぎりません。(ジャン=フィリップ・ド・トナック 「序文」より)
「電子書籍元年」といわれる
今こそ読んでおきたい1冊!
インターネットが隆盛を極める今日、
「紙の書物に未来はあるのか?」との問いに、
「ある」と答えて始まる対談形式の文化論。
東西の歴史を振り返りつつ、
物体・物質としての書物、
人類の遺産としての書物、
収集対象としての書物など
さまざまな角度から
「書物とその未来について」、
老練な愛書家2人が徹底的に語り合う。
博覧強記はとどまるところを知らず、
文学、芸術、宗教、歴史と、
またヨーロッパから中東、インド、中国、南米へとさまざまな時空を駆けめぐる。
この対談は、マーシャル・マクルーハンが「グーテンベルクの銀河系」と呼んだ書物の宇宙への温かい賛辞であり、本を読み愛玩するすべての人々を魅了するでしょう。すでに電子書籍を愛用している人だって本書を読んで紙の本が恋しくならないともかぎりません。(ジャン=フィリップ・ド・トナック 「序文」より)
- 本の長さ472ページ
- 言語日本語
- 出版社CCCメディアハウス
- 発売日2010/12/17
- 寸法4.2 x 13.6 x 17.8 cm
- ISBN-104484101130
- ISBN-13978-4484101132
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商品の説明
著者について
ジャン=クロード・カリエール Jean-Claude Carriere
1931年生まれ。フランスの作家、劇作家、脚本家。ルイス・ブニュエル作品の
脚本家として知られ、手がけた脚本は80余、主な脚本に『ブリキの太鼓』
『存在の耐えられない軽さ』があり、大島渚監督作品『マックス、モン・アムール』
の脚本も担当している。演出家ピーター・ブルックの台本執筆にも30年にわたって携わり、
自身の著作も約30点を数える。邦訳された主な著作に『珍説愚説辞典』(国書刊行会)、
『万国奇人博覧館』(筑摩書房)、『教えて!! Mr.アインシュタイン』(紀伊國屋書店)
などがある。
ウンベルト・エーコ Umberto Eco
1932年生まれ。イタリアの中世学者、記号学者、哲学者、文芸批評家、小説家。
1980年に発表した『薔薇の名前』(東京創元社)がベストセラーとなり、
広く読まれるようになる。ボローニャ大学人文科学部長を務め、多数の著書がある。
邦訳された主な著作に、小説では『フーコーの振り子』『前日島』(共に文藝春秋)、
『バウドリーノ』(岩波書店)があり、試論的エッセイとしては『開かれた作品』
(青土社)、『論文作法──調査・研究・執筆の技術と手順』(而立書房)、『美の歴史』
『醜の歴史』(共に東洋書林)などがある。
ジャン=フィリップ・ド・トナック Jean-Philippe de Tonnac(進行役)
1958年生まれ。フランスのエッセイスト、ジャーナリスト。本書では対談の
コーディネーターを務めた。詩人ルネ・ドーマルの評伝の著者で、科学、文化、
宗教に関する対談のコーディネートを多数行なっている。ロジェ゠ポル・ドロワとの
共著『ギリシア・ローマの奇人たち──風変わりな哲学入門』(紀伊國屋書店)が
邦訳されている。
■訳者
工藤妙子(くどう・たえこ)
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部文学科仏文学専攻卒業。仏文翻訳家。
主な訳書:クロード・シュロー『クローンの国のアリス』(青土社)、サルヴァトーレ・
ウォーカー『闇のアンティーク』(扶桑社)、ドゥニ・ロベール『愛撫の手帖』
、ローラン・グラフ『ハッピー・デイズ』(角川書店)など。
好きなもの:文学、文鳥、文楽。趣味は飲食文化研究とジョギング。
1931年生まれ。フランスの作家、劇作家、脚本家。ルイス・ブニュエル作品の
脚本家として知られ、手がけた脚本は80余、主な脚本に『ブリキの太鼓』
『存在の耐えられない軽さ』があり、大島渚監督作品『マックス、モン・アムール』
の脚本も担当している。演出家ピーター・ブルックの台本執筆にも30年にわたって携わり、
自身の著作も約30点を数える。邦訳された主な著作に『珍説愚説辞典』(国書刊行会)、
『万国奇人博覧館』(筑摩書房)、『教えて!! Mr.アインシュタイン』(紀伊國屋書店)
などがある。
ウンベルト・エーコ Umberto Eco
1932年生まれ。イタリアの中世学者、記号学者、哲学者、文芸批評家、小説家。
1980年に発表した『薔薇の名前』(東京創元社)がベストセラーとなり、
広く読まれるようになる。ボローニャ大学人文科学部長を務め、多数の著書がある。
邦訳された主な著作に、小説では『フーコーの振り子』『前日島』(共に文藝春秋)、
『バウドリーノ』(岩波書店)があり、試論的エッセイとしては『開かれた作品』
(青土社)、『論文作法──調査・研究・執筆の技術と手順』(而立書房)、『美の歴史』
『醜の歴史』(共に東洋書林)などがある。
ジャン=フィリップ・ド・トナック Jean-Philippe de Tonnac(進行役)
1958年生まれ。フランスのエッセイスト、ジャーナリスト。本書では対談の
コーディネーターを務めた。詩人ルネ・ドーマルの評伝の著者で、科学、文化、
宗教に関する対談のコーディネートを多数行なっている。ロジェ゠ポル・ドロワとの
共著『ギリシア・ローマの奇人たち──風変わりな哲学入門』(紀伊國屋書店)が
邦訳されている。
■訳者
工藤妙子(くどう・たえこ)
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部文学科仏文学専攻卒業。仏文翻訳家。
主な訳書:クロード・シュロー『クローンの国のアリス』(青土社)、サルヴァトーレ・
ウォーカー『闇のアンティーク』(扶桑社)、ドゥニ・ロベール『愛撫の手帖』
、ローラン・グラフ『ハッピー・デイズ』(角川書店)など。
好きなもの:文学、文鳥、文楽。趣味は飲食文化研究とジョギング。
登録情報
- 出版社 : CCCメディアハウス (2010/12/17)
- 発売日 : 2010/12/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 472ページ
- ISBN-10 : 4484101130
- ISBN-13 : 978-4484101132
- 寸法 : 4.2 x 13.6 x 17.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 100,023位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,471位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2019年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年3月19日に日本でレビュー済み
本の虫、という言葉があります。
本書の3人は、まさにそれ。(正確には、エーコと
カリエールという碩学、それに進行役のトナック)
基本的には、書物談義なのですが、出てくる、出てくる。
時間軸を縦横に、世界を書物と、関連する博識で読み解き、
前キリスト時代、から、最近の話題まで、古今東西(西洋中心
だが)の歴史、宗教、思想をとりまぜて、発想は自由自在。
書物の収集家でもある二人の、書物への偏愛を、これでもか
のうんちく披露の連続。あっけにとられます。
また、書物だけではなく、人間の脳の威力を感じられる、
変幻自在の引用。映画、歴史、宗教、哲学、錬金術、芸術、
なんでもござれの二人の博識には、ただただ脱帽です。
タイトルのは、いかにも、電子書籍やネット上での知識の
時代への変遷を語る、かのように思わせますが、とんでもない。
彼らは、紙の書物は、それができたときから、すでに完成した
形態になっており、昨今のような、デジタル機器やPCで読む
メディアのように短命ではなく、電気が不要で、普遍のメディア
である、という偏愛と自信が垣間見えます。
本書の体裁から、一見、固くとっつきにくそうな印象を与えますが、
読みやすくこなれた翻訳で、あたかも、舞台の二人の対談を
観客として楽しんでいるかのような錯覚をもつほど、知的娯楽で
遊べる本です。
本書の3人は、まさにそれ。(正確には、エーコと
カリエールという碩学、それに進行役のトナック)
基本的には、書物談義なのですが、出てくる、出てくる。
時間軸を縦横に、世界を書物と、関連する博識で読み解き、
前キリスト時代、から、最近の話題まで、古今東西(西洋中心
だが)の歴史、宗教、思想をとりまぜて、発想は自由自在。
書物の収集家でもある二人の、書物への偏愛を、これでもか
のうんちく披露の連続。あっけにとられます。
また、書物だけではなく、人間の脳の威力を感じられる、
変幻自在の引用。映画、歴史、宗教、哲学、錬金術、芸術、
なんでもござれの二人の博識には、ただただ脱帽です。
タイトルのは、いかにも、電子書籍やネット上での知識の
時代への変遷を語る、かのように思わせますが、とんでもない。
彼らは、紙の書物は、それができたときから、すでに完成した
形態になっており、昨今のような、デジタル機器やPCで読む
メディアのように短命ではなく、電気が不要で、普遍のメディア
である、という偏愛と自信が垣間見えます。
本書の体裁から、一見、固くとっつきにくそうな印象を与えますが、
読みやすくこなれた翻訳で、あたかも、舞台の二人の対談を
観客として楽しんでいるかのような錯覚をもつほど、知的娯楽で
遊べる本です。
2016年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エーコさんの訃報があって、久しぶりに著作を読みたくなり
Kindle版を購入しました。対談とは知らずに購入しましたが、
お二方の語り、話が面白い!!お二方の波長が合ってか、テーマの
面白さもあり、ぐいぐいと引き込まれ、次々と引き出しが開けられていくような、
めまいのする深さと面白さ。
彼らの生い立ちも含め、ほんとに本の世界(この世界)を楽しんでいる
(楽しい)のだと思いました。年齢を感じさせず、子供のようにいきいきと
語る・話をする姿が目の前に浮かんでくるようです。分野は違いますが、
昔読んで面白かった対談の本『思想のドラマトゥルギー』林達夫、久野収著を思い出しました。
個人的には、最近、購入して読む本は、もっぱらKindleで読むことが
多くなりましたが、開架されている図書館の特集棚、方向性を持った本屋さんの書籍の並べ方から
わくわくするような発見もあり、(この本を読んで)物としての本を見直すきっかけになりました。
そんなわけで、電子書籍でこの本を読み終えましたが、本の体裁も良かったので、
紙の本も買ってしまいました。
Kindle版を購入しました。対談とは知らずに購入しましたが、
お二方の語り、話が面白い!!お二方の波長が合ってか、テーマの
面白さもあり、ぐいぐいと引き込まれ、次々と引き出しが開けられていくような、
めまいのする深さと面白さ。
彼らの生い立ちも含め、ほんとに本の世界(この世界)を楽しんでいる
(楽しい)のだと思いました。年齢を感じさせず、子供のようにいきいきと
語る・話をする姿が目の前に浮かんでくるようです。分野は違いますが、
昔読んで面白かった対談の本『思想のドラマトゥルギー』林達夫、久野収著を思い出しました。
個人的には、最近、購入して読む本は、もっぱらKindleで読むことが
多くなりましたが、開架されている図書館の特集棚、方向性を持った本屋さんの書籍の並べ方から
わくわくするような発見もあり、(この本を読んで)物としての本を見直すきっかけになりました。
そんなわけで、電子書籍でこの本を読み終えましたが、本の体裁も良かったので、
紙の本も買ってしまいました。
2013年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たくさんの本についての話題に満ちていて、飽きずに読めた。二人の賢者の柔軟で、個人的な嗜好を肯定する姿勢に勇気付けられる。
2017年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二人の巨匠の対談。書物の歴史からいろいろ事細かに両人の趣向や趣味なども立ち入って興味がどんどん広がっていく奥深い本。
エーコが多様でユニークな古典本のコレクターだったとは。。詳しい内容は読んでください。
えっ!? こんなことまで語っていいのか?というこぼれ話もちらほら。
おもしろいのは蔵書の相続の話までリアルに語っております。
この本の装丁も素敵ですのでお勧めです。(小口、天、地←本の部分の名前 ページの上下側面が青色なのがまたいい感じですよ!)
エーコが多様でユニークな古典本のコレクターだったとは。。詳しい内容は読んでください。
えっ!? こんなことまで語っていいのか?というこぼれ話もちらほら。
おもしろいのは蔵書の相続の話までリアルに語っております。
この本の装丁も素敵ですのでお勧めです。(小口、天、地←本の部分の名前 ページの上下側面が青色なのがまたいい感じですよ!)
2015年7月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原題の直訳が「本から離れようとしてもそうはいかない」と言うらしく、特に対電子書籍に限定した話ではなく、
「どのようにして情報は残っていくのか?」ということがメインテーマとなっているように感じました。
情報の後世への伝達(選別)のされ方ということで、通常の選別では残らない考えも、
例外的なルート(奇書など)として残るかも知れず、そうした「本来は残らなかったもの」というのが、
ウンベルト・エーコ氏が蔵書を収集する際の基準となっているようです。
また、思ったのが、安易に古典を軽視しない方が良いということで、
残ってきた(=読まれてきた)という蓄積には、凄いポテンシャルがあると気づかされました。
圧倒的な知識量があるからこそ、一見、関係のない事柄から、類似のイメージ、モチーフとか見出すことが出来て、
やはり本は読めば、読むほど、次読む本も面白くなるんだなぁと確認させられました。
「どのようにして情報は残っていくのか?」ということがメインテーマとなっているように感じました。
情報の後世への伝達(選別)のされ方ということで、通常の選別では残らない考えも、
例外的なルート(奇書など)として残るかも知れず、そうした「本来は残らなかったもの」というのが、
ウンベルト・エーコ氏が蔵書を収集する際の基準となっているようです。
また、思ったのが、安易に古典を軽視しない方が良いということで、
残ってきた(=読まれてきた)という蓄積には、凄いポテンシャルがあると気づかされました。
圧倒的な知識量があるからこそ、一見、関係のない事柄から、類似のイメージ、モチーフとか見出すことが出来て、
やはり本は読めば、読むほど、次読む本も面白くなるんだなぁと確認させられました。
2011年1月19日に日本でレビュー済み
愛書家で「珍説愚説愛好家」お二人の対談です。対談はそれぞれの自宅で行われています。たとえていえば,稀代の女好きの男たちが,見目麗しい女性に囲まれて女性について語るような感じで,志向に偏りはありますが,その徹底ぶりは潔いです。日本では,紙の本は駆逐されると語るビジネス系作家/ビジネスマンが多いようですが,さまざまな種類の本をひとくくりに考えてはいけません。本好きで,ヨーロッパ的な知性に興味をもっている人,通じている人には,たいへんおもしろく読めるはずです。翻訳もなめらかです。
●予言者の特徴は,本当の予言者であれ偽の予言者であれ,間違えるということである。
●忘れられたバロック詩人。フィルタリングされた多くの文学作品。ボワローによる「芸術」規定からもれた俗っぽい豊かさ。
●二十世紀のイタリアでおそらく最も偉大な詩人,エウジェーニオ・モンターレ(byエーコ)。
●西アフリカ・マリ,トンブクトゥの図書館。
●インキュナビラ:1452(1455)〜1500.12.31までに印刷された印刷本。
●歴史に残り,長持ちするためには,難解でなければならない。ハイデガー,ヘラクレイトス。
●古典的作品が当初いかに批判されたか。失われた時を求めて,白鯨,ボヴァリー夫人,ディッキンソン,フレッド・アステア,クラーク・ゲーブル。
●自分が陥る紋切り型をはっきりさせるために,自分の贋作を作ることは有用な訓練だ。
●今日では誰もが自分の考えを人に聞かせようとするので,単純な愚かしさが露呈してしまう場合がある。昔の愚かしさは人目に触れることがなかったが,最近の愚かしさはやたらと大声でわめきたてられる。
●教養があることが頭がいいことにはならない。
●「おまえたちがまだ森で暮らしていた頃,我々はすでに男色の風習を持っていた」
●書架の整理は世界を少しばかり秩序立てようとするのと同じくらい難しい作業で,そんな難行に手を出す人はいない。
●予言者の特徴は,本当の予言者であれ偽の予言者であれ,間違えるということである。
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●インキュナビラ:1452(1455)〜1500.12.31までに印刷された印刷本。
●歴史に残り,長持ちするためには,難解でなければならない。ハイデガー,ヘラクレイトス。
●古典的作品が当初いかに批判されたか。失われた時を求めて,白鯨,ボヴァリー夫人,ディッキンソン,フレッド・アステア,クラーク・ゲーブル。
●自分が陥る紋切り型をはっきりさせるために,自分の贋作を作ることは有用な訓練だ。
●今日では誰もが自分の考えを人に聞かせようとするので,単純な愚かしさが露呈してしまう場合がある。昔の愚かしさは人目に触れることがなかったが,最近の愚かしさはやたらと大声でわめきたてられる。
●教養があることが頭がいいことにはならない。
●「おまえたちがまだ森で暮らしていた頃,我々はすでに男色の風習を持っていた」
●書架の整理は世界を少しばかり秩序立てようとするのと同じくらい難しい作業で,そんな難行に手を出す人はいない。
2017年5月6日に日本でレビュー済み
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薔薇の名前以来全ての著作を読んでいるがこの書物への偏愛ぶりは流石だ。
本屋さん大賞でくだらない本ばかり選んでいる自称目利きの書店員に読ませたい。
本屋さん大賞でくだらない本ばかり選んでいる自称目利きの書店員に読ませたい。