無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。
OK
ヨーロッパ文学講義 新装版 単行本 – 1992/11/1
ウラジーミル ナボコフ
(著),
野島 秀勝
(翻訳)
- 本の長さ490ページ
- 言語日本語
- 出版社阪急コミュニケーションズ
- 発売日1992/11/1
- ISBN-104484921294
- ISBN-13978-4484921297
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
細部と構造にこだわり精細に展開する異色の文学論。ドストエフスキーを否定し、トルストイ、ゴーゴリを絶賛! 「詩の正確さと科学の直感」による、小説読みの達人の異色の講義。東京国際ブックフェア記念復刊。
登録情報
- 出版社 : 阪急コミュニケーションズ (1992/11/1)
- 発売日 : 1992/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 490ページ
- ISBN-10 : 4484921294
- ISBN-13 : 978-4484921297
- Amazon 売れ筋ランキング: - 773,754位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
5グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生向けの本であるが、一般読者にも十分楽しめる。最後に載っている学生のテスト用といおうかレポート用といおうか、出題がおもしろい。出題を見ながら、自分なりの文を書いてみると面白い。
2011年9月19日に日本でレビュー済み
ナボコフといえば『ロリータ』が有名で、あたかも変態作家のような勘違いをする人もいるかもしれないけど、もちろんそんなことはなくて、すばらしい作家/文学者。
本書の趣旨は、作家の生涯とか社会的背景とかそんなものはほとんど無視して、作品そのものの構成がどうなっているか、文章がどれだけ天才的に優れているのか、つまり小説の魅力の核心に的を絞るというもの。
学生に求める姿勢は、「読書は頭でするものじゃない、背筋でするものだ」。(これらのおとぎ話が人生に役立つということはほとんどないだろう、しかし)小説という芸術作品に触れて、背筋のぞくぞくするような感覚を味わうこと、それは人生においてもっとも素晴らしい体験のひとつに違いない、と。
目次
・ジェイン・オースティン『マンスフィールド荘園』
・チャールズ・ディケンズ『荒涼館』
・ギュスターヴ・フロベール『ボヴァリー夫人』
・ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏の不思議な事件』
・マルセル・プルースト『スワン家のほうへ』
・フランツ・カフカ『変身』
・ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』
私はプルーストもジョイスも読んだけれど、読後も(篠田一士『二十世紀の十大小説』や松岡正剛の千夜千冊を読んでも)「うーん、20世紀を代表するとされる小説の魅力がわかったとは……」と悶々としてたのが、これを読んで本当にすっきりした。
ナボコフの語り口は明快だ。
例えば『ユリシーズ』について。いろいろとジョイスの素晴らしい点はあるけど、主要な主題はきわめて単純で、「ブルームと運命」、取り返しのつかない過去、滑稽で悲劇的な現在、そして悲しい未来である、と明確にする。
それから、同時生起、主題の反復、種々の文体、などの手法どのように表現されているのか紹介していくのだけど、特によいと思うのは、例えば「この章の文体は古代英語から現代の俗語に至る英語詩文のパロディの連続である」というところに注釈で、「そして、それは成功していない」と。名作であることや作者の天才は文句なしに認めるけれど(「諸君はブルームがモリーに朝食を運んでくる、素晴らしく芸術的なくだり、あらゆる文学のなかでもっとも偉大といっていい場面の一つを楽しむがいい。この男はなんて美しく書くんだろう!」)、「でもここはダメ」とはっきり指摘する。こういうことは、生涯をかけてジョイスを研究している教授(信者?)には書けないんじゃないかと思う。
また、「リルケのような詩人たち、あるいはトマス・マンのような小説家たちも、カフカに比すれば、小人か石膏の聖人像みたいなものだ」といった、(正しいかどうかは別として)考えるに十分値する偏見。一流の読者であると同時に、一流の作家たる所以かと思う。
しかし、名著には違いないのだけど、絶版なので高い……(付記:復刻版が出るそうですね。素晴らしい)
蛇足:ジョイス以外についてはほとんど触れてないので、レビューとしては甚だ不完全ですが、ほかの方のレビューもないのでとりあえず。
本書の趣旨は、作家の生涯とか社会的背景とかそんなものはほとんど無視して、作品そのものの構成がどうなっているか、文章がどれだけ天才的に優れているのか、つまり小説の魅力の核心に的を絞るというもの。
学生に求める姿勢は、「読書は頭でするものじゃない、背筋でするものだ」。(これらのおとぎ話が人生に役立つということはほとんどないだろう、しかし)小説という芸術作品に触れて、背筋のぞくぞくするような感覚を味わうこと、それは人生においてもっとも素晴らしい体験のひとつに違いない、と。
目次
・ジェイン・オースティン『マンスフィールド荘園』
・チャールズ・ディケンズ『荒涼館』
・ギュスターヴ・フロベール『ボヴァリー夫人』
・ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏の不思議な事件』
・マルセル・プルースト『スワン家のほうへ』
・フランツ・カフカ『変身』
・ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』
私はプルーストもジョイスも読んだけれど、読後も(篠田一士『二十世紀の十大小説』や松岡正剛の千夜千冊を読んでも)「うーん、20世紀を代表するとされる小説の魅力がわかったとは……」と悶々としてたのが、これを読んで本当にすっきりした。
ナボコフの語り口は明快だ。
例えば『ユリシーズ』について。いろいろとジョイスの素晴らしい点はあるけど、主要な主題はきわめて単純で、「ブルームと運命」、取り返しのつかない過去、滑稽で悲劇的な現在、そして悲しい未来である、と明確にする。
それから、同時生起、主題の反復、種々の文体、などの手法どのように表現されているのか紹介していくのだけど、特によいと思うのは、例えば「この章の文体は古代英語から現代の俗語に至る英語詩文のパロディの連続である」というところに注釈で、「そして、それは成功していない」と。名作であることや作者の天才は文句なしに認めるけれど(「諸君はブルームがモリーに朝食を運んでくる、素晴らしく芸術的なくだり、あらゆる文学のなかでもっとも偉大といっていい場面の一つを楽しむがいい。この男はなんて美しく書くんだろう!」)、「でもここはダメ」とはっきり指摘する。こういうことは、生涯をかけてジョイスを研究している教授(信者?)には書けないんじゃないかと思う。
また、「リルケのような詩人たち、あるいはトマス・マンのような小説家たちも、カフカに比すれば、小人か石膏の聖人像みたいなものだ」といった、(正しいかどうかは別として)考えるに十分値する偏見。一流の読者であると同時に、一流の作家たる所以かと思う。
しかし、名著には違いないのだけど、絶版なので高い……(付記:復刻版が出るそうですね。素晴らしい)
蛇足:ジョイス以外についてはほとんど触れてないので、レビューとしては甚だ不完全ですが、ほかの方のレビューもないのでとりあえず。
2004年9月29日に日本でレビュー済み
小説を楽しめる人には不要かもしれない。小説を読んで楽しい読書生活を送っている人にとっては無用どころか邪魔モノかもしれない。
小説なんてクダラナイという人、もう小説なんて読む気がしないという人にこそ、お勧めできる、そんな気がしてきた。
オースティンをここまでおもしろくできるなんて、当時は奇跡だと思った。
ディケンズの章に入ると(まだ2人目なのだが)、はやくもメーター振り切れてる。ここまでで既にお腹一杯だが、フローベルもスティーブンソンもプルーストもカフカもジョイスもまだ残っているのである。
最後には試験問題までついている(笑)。
たらたら長く書く気がしなくなったよ。
さあ、本屋に走れ。
小説なんてクダラナイという人、もう小説なんて読む気がしないという人にこそ、お勧めできる、そんな気がしてきた。
オースティンをここまでおもしろくできるなんて、当時は奇跡だと思った。
ディケンズの章に入ると(まだ2人目なのだが)、はやくもメーター振り切れてる。ここまでで既にお腹一杯だが、フローベルもスティーブンソンもプルーストもカフカもジョイスもまだ残っているのである。
最後には試験問題までついている(笑)。
たらたら長く書く気がしなくなったよ。
さあ、本屋に走れ。