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虚数の情緒: 中学生からの全方位独学法 単行本 – 2000/3/1
- 本の長さ1001ページ
- 言語日本語
- 出版社東海大学
- 発売日2000/3/1
- ISBN-104486014855
- ISBN-13978-4486014850
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商品の説明
商品説明
題名からすると、中学生以上に向けた数学解説書のように思われるが、実際はそんな生半可な本ではない。本書は「虚数」の概念を軸として人類文化全体を鳥瞰(ちょうかん)した、実に1000ページを超える大著である。いままで西洋人によって書かれた類書はいくつかあり、それらに触れるたびに西洋文化の重厚さに圧倒される思いをしてきた。本書はその西洋文化の華々しい成果を扱っているわけだが、根底に流れる思想からは強く日本文化の香りがする。その理由は著者が対象について深く理解し血肉とし、それを改めて自らの言葉で述べているからである。
著者は文中で「新しい文化を取り入れるという事は、決して自らの文化への"接ぎ木"をすることではなく、それを深く理解し自らの血肉とすることである」と繰り返し強調しているが、本書はその実践の結果である。また、副題からもわかるとおり中高生の読者を意識しており、冒頭からかなりのページを割いて「学ぶとは、理解するとはどういう事か?」について説いている。
筆者が深く理解することの重要性を意識して書いているため、円周率やネイピア数などを電卓で実際に計算するなど、自ら手を動かし、実感をもって深く理解できるように工夫されている。数学や物理の解説のほかに分子生物学から俳句、漢詩に至るまでの関連事項が豊富な上、研究者の横顔(あまり知られていない日本人科学者のエピソードも豊富)などが多く散りばめられており、読みものとしても十分に楽しめる。時間のあるときに電卓を傍らに置いてゆっくりと楽しみたい本である。(別役 匝)
著者からのコメント
従って,数学を味わう為には,研ぎ澄まされた論理に耐える「知性」と共に,美しさに身を委ねる「感性」が必要なのである.如何に論理的に正しくとも,感情がそれを支持しなければ,決して人はそれを「わかった」とは感じない.ほとんどの人は,形式的な一般論よりも,具体的な例が身に滲みた時,初めてそれを実感をもって「わかる」のである.
負数の平方!根,「虚数」こそ,こうした意味での「具体性に欠ける典型的な例」として捉えられているのではないか,そう考えて著者は,虚数が大活躍する場面を数多く紹介した.それらの具体例を通して,読者が「虚数とは何か」を,「わかる」とは人間精神の如何なる状態を指すのかを,一緒に考えて貰える様に最大限の配慮をした.その結果が三部構成・総頁数千(四百点以上の図・表を含む)を越える本書なのである.
本書は,理科と文科という無意味かつ有害な二分法を廃し,「あらゆる文化に境界など存在しない」ことを知って貰う為にある――主題は理科(虚数)・文科(情緒)の融合をも象徴している.『様々な分野は,一冊の本のそれぞれの章に過ぎない』というカルロ・ルビア(ノーベル物理学賞)の言葉ほど,本書を見事に表したものは他にない.
青年は背伸びする.人は背伸びする心を失った時,老い始める.本書の全てを中学生が理解する事など有り得ない.しかし「手も足も出ない」「一行も理解出来ない」という事もない,楽しめる部分も多いにある.精一杯に背伸びして挑戦して欲しいと思う.
出版社からのコメント
技術・科学図書文化賞は、技術・科学の発展に寄与する図書に贈られるものです。
本書の選定理由として紙面では、「人類文化の全体把握を目指した科目分類に拘らない学習書で、歴史、文化、数学、力学、原子、脳科学など、多くの分野を虚数を軸にわかりやすく解説するとともに、漢字を多用したり、電卓を活用するなど、内容が高く評価された」と評しています。
この受賞を機に是非ともご拝読いただけますようお願いいたします。
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 東海大学 (2000/3/1)
- 発売日 : 2000/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 1001ページ
- ISBN-10 : 4486014855
- ISBN-13 : 978-4486014850
- Amazon 売れ筋ランキング: - 211,762位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 353位数学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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目から鱗の部分もあり、楽しい内容です。
暇潰しにも良いと思います。
工学部出身で、比較的数学が好きだった私が、高校生のころ苦手だったのが「虚数」が現れる複素数でした。
そんな私も親となり、高校生の息子の宿題で複素数「虚数」と再会。
子どものころには気がつかなかった虚数の意味をより理解できたことから、興味が沸き手に取った1冊がこの本でした。
”中学生向け”と著者も書いていますが、明らかにお値段やページ数から大人向けだろうと
高をくくっていましたが、その通りでした。
数学がちょっと好きな大人が読むと楽しめると思います。
ゴリゴリの数学書ではなくて、”全方位”なので国語や歴史、音楽など数学と関係なさそうな
別の話題も豊富なので、わたしはそこも楽しめました。(そこが嫌だって方もあると思います)
数学や物理の話題だけでなく、その他の話題(漢字や古典文学、音楽など)へも、興味や向学心を持たせてくれるような書きぶりが気持ちよかったです。
じっくり何周も読み込みたい1冊で、この本をきっかけに別の本(古典や数学史なんかも)読んでみたいなと思わせてくれます。
「数学(複素数や微分)が面白い」とか「規則性がある数が美しい(きれい)」とかを身近な人に話すと大概引かれます(笑)そんな多少の孤独の中で、本ではあっても良き理解者に出会えたような、
ビビッとくるそんな1冊でした。
一方で、自立した国であれ、東洋の思想文化を基礎とせよと主張しながら、「海外では通用しない」という言葉で著者の気に入らない物事を蔑み始めたりなど、スタンスに一貫性がありません。
教育論に於いては、著者の「俺の考え方が唯一絶対正しい」かのような書きぶりが目に余ります。全体を通じて読めば凡そ納得のいく主張であることもありますが、誰もが無配慮に心の教育を叫んでいるかのような記述はさすがに教育現場への冒涜ではないかと思いました。
とはいえ本書は自ら「本書を疑え」と言っています。その言葉通り、批判的に読むのが良いです。前述のような本書の主張に食ってかかることで自分の価値観を改めて理解し直す良い機会になるでしょう。教養のおさらい本としてはとても有用だと思いますが、鵜呑みにしてはダメ。
先ずは届いた時の本の厚さにびっくり!次いで第0章の序説の長さに2度びっくり!しかし、読み進めるうちに著者の「学問とは何か?」、「数学の根本的なもの」、「数学の楽しさ」を伝えたいという気持ちが伝わって来て、生徒のためというよりも自分のために楽しく読んでいます。もちろん、この本で学んだことは子供たちにも伝えていきます。もっと若いときにこの本と出会いたかったです。