あっさりとした読み物本かと思いきや、ヒトの性行動に関する様々な実験なども紹介されており、専門度の高い内容となっている。著者はヒトの性行動を研究する心理学者らしく、こういう本にありがちな性に対する偏見などがみられず、客観的にデータに基づき考察がなされている。性行動のみならず、ヒトの社会行動についての知見を深めるにも十分だと思う。
かなりしっかりとした専門書であるといえる。極端な意見や性に対する安易な回答を求めていた人にとっては、やや物足りない内容だと思われる。
個人的には、参考文献にbeach,F .Aが使われていた時点でさすが!と言った感じ。
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ナンパを科学する 単行本(ソフトカバー) – 2009/4/17
坂口 菊恵
(著)
美人がナンパにあいやすいとは限らない,どうして「だめんず」好きになってしまうのかなど,ヒトの恋愛・性行動にまつわるさまざまな疑問を,進化心理学の立場から,豊富な研究結果を用いて解き明かす一冊。
- ISBN-104487802733
- ISBN-13978-4487802739
- 出版社東京書籍
- 発売日2009/4/17
- 言語日本語
- 本の長さ303ページ
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登録情報
- 出版社 : 東京書籍 (2009/4/17)
- 発売日 : 2009/4/17
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 303ページ
- ISBN-10 : 4487802733
- ISBN-13 : 978-4487802739
- Amazon 売れ筋ランキング: - 494,322位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,235位心理学の読みもの
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「人の行動に関する進化的適応に関する探究を、心理学的手法を用いておこなう分野を進化心理学という」
とのことで、その進化生物学や行動生態学などの知見を用いる進化心理学の手法で、「ナンパ」に代表される人の性行動の多様性、そして性戦略を検証した本。イマイチ散漫な内容で、「ナンパ」以外のことに色々と脱線したり、そもそも前振りが延々と続くので、まあ、ナンパ中心ではなく、進化心理学の本として読むべきか。
1章 女性にスキがあるのか
自己シンクロニーなどからプリコックス感の説明が出る。同様に、ナンパや痴漢によくあう女性はどうかというと、むしろ防御的で、スキを作らないようにしている。
2章 ふたつの性戦略
文化人類学などからの「文化決定因の絶対視」から、「マネーの双子」など、社会構築主義寄りになった性研究が、生物学寄りになってきて、「性淘汰」で、「短期的配偶行動」を取るか、「長期的配偶行動」を取るか、性戦略の理論が出てくる。異性に求める基準における性差にかなりの通文化的な普遍性があるという。ただ、性格特性などによって、同性でも変わる部分はある。
3章 ナンパ相手の選び方
短期的行動特性と、性犯罪などの被害への遭遇度が相関関係にある。セルフモニタリング。また、歩き方などで、アプローチされやすいされにくい、というのが関係ある。
正直、1章のアンケートの「スキがない」被験者たちと、この章とは相性が悪いというか、いまいちピンとこなかった。
ナンパを受けやすい人は痴漢被害にも合いやすい、というのが1章だが、3章ではセルフモニタリングが高く短期的配偶戦略への志向性が高い(かつ、経験への開放性が高い)女性が性的なアプローチに合いやすいとなっている。あとは「ぎこちない歩き方」であったりだが、男性が短期的配偶戦略を取る行動がナンパだが、まあ、女性本人からすれば防御的なつもりでも、「スキがある」ように見えるということだろうか。
このあたり、インタビューなど社会学的なアプローチをしていったほうが核心に迫れたんじゃないかとも思う。以前ナンパ師のインタビューを読んで印象に残ったのだが、歩き方がゆっくりで靴と鞄がそろっていない、というのが「スキ」ということらしい。下世話なところだが、著者は自分自身の説明を得られたのか。
4章 乱暴者の男性に対して、女性の妊娠可能性の高さの変化にともなって顔の男性性に対する好みが変化するなど、面白い。男性はやさしいだけではだめなのだと。5章以降は割愛。テストステロンなどはまだまだ未知といった内容。
女性がナンパに嫌悪感を抱くのは進化適応的な意味がある心理的メカニズムだと思われるし、それは選択する自由を踏みにじられるということも関係するのかもしれない。
性行動をめぐる利害関係は、男性と女性で本質的に一致しないが、同性内でも本人のリソースによって、戦略は変わってくる。人間社会のなかで、「貞淑な妻」戦略や「情熱的な女」戦略、「よい父親」戦略、「よい遺伝子」戦略など、変わってくるということらしい。さて自分はどう振舞おうかな。
とのことで、その進化生物学や行動生態学などの知見を用いる進化心理学の手法で、「ナンパ」に代表される人の性行動の多様性、そして性戦略を検証した本。イマイチ散漫な内容で、「ナンパ」以外のことに色々と脱線したり、そもそも前振りが延々と続くので、まあ、ナンパ中心ではなく、進化心理学の本として読むべきか。
1章 女性にスキがあるのか
自己シンクロニーなどからプリコックス感の説明が出る。同様に、ナンパや痴漢によくあう女性はどうかというと、むしろ防御的で、スキを作らないようにしている。
2章 ふたつの性戦略
文化人類学などからの「文化決定因の絶対視」から、「マネーの双子」など、社会構築主義寄りになった性研究が、生物学寄りになってきて、「性淘汰」で、「短期的配偶行動」を取るか、「長期的配偶行動」を取るか、性戦略の理論が出てくる。異性に求める基準における性差にかなりの通文化的な普遍性があるという。ただ、性格特性などによって、同性でも変わる部分はある。
3章 ナンパ相手の選び方
短期的行動特性と、性犯罪などの被害への遭遇度が相関関係にある。セルフモニタリング。また、歩き方などで、アプローチされやすいされにくい、というのが関係ある。
正直、1章のアンケートの「スキがない」被験者たちと、この章とは相性が悪いというか、いまいちピンとこなかった。
ナンパを受けやすい人は痴漢被害にも合いやすい、というのが1章だが、3章ではセルフモニタリングが高く短期的配偶戦略への志向性が高い(かつ、経験への開放性が高い)女性が性的なアプローチに合いやすいとなっている。あとは「ぎこちない歩き方」であったりだが、男性が短期的配偶戦略を取る行動がナンパだが、まあ、女性本人からすれば防御的なつもりでも、「スキがある」ように見えるということだろうか。
このあたり、インタビューなど社会学的なアプローチをしていったほうが核心に迫れたんじゃないかとも思う。以前ナンパ師のインタビューを読んで印象に残ったのだが、歩き方がゆっくりで靴と鞄がそろっていない、というのが「スキ」ということらしい。下世話なところだが、著者は自分自身の説明を得られたのか。
4章 乱暴者の男性に対して、女性の妊娠可能性の高さの変化にともなって顔の男性性に対する好みが変化するなど、面白い。男性はやさしいだけではだめなのだと。5章以降は割愛。テストステロンなどはまだまだ未知といった内容。
女性がナンパに嫌悪感を抱くのは進化適応的な意味がある心理的メカニズムだと思われるし、それは選択する自由を踏みにじられるということも関係するのかもしれない。
性行動をめぐる利害関係は、男性と女性で本質的に一致しないが、同性内でも本人のリソースによって、戦略は変わってくる。人間社会のなかで、「貞淑な妻」戦略や「情熱的な女」戦略、「よい父親」戦略、「よい遺伝子」戦略など、変わってくるということらしい。さて自分はどう振舞おうかな。
2009年9月19日に日本でレビュー済み
行動心理学と聞いて、人文科学そのものなのかな?と思ったら、実験には自然科学の手法が駆使されていていました。様々な切り口からのアプローチが、読み進むうちに湧いてくる素朴な疑問に答えてくれます。実のところ歯が立たない内容の部分は読み飛ばしながらも、興味深い本です。
詳述すると所謂「ネタバレ」になってしまうので難しいのですが、ヒトの性行動の性差を考える上で、繁殖のコストが男女で著しく異なることが鍵となることがよくわかりました。私はこれまで社会規範としての刑法や、財産の継承ルールとしての民法(家族法)の側面からしか見てこなかったので、世界が広がった思いがしています。
ところで、本の内容とは直接関係ないのですが、装丁の美しさに息を呑みました。
表紙はご覧の通り、「ナンパ」という文字の不穏なイメージを緩和する猫のシルエット。が、単に「可愛い!」にとどまらず、見返しと栞紐(正式名称を知りません)の色調を表紙と合わせて、本文の紙も含めた優しい春の色合いのグラデーションに仕上げてあります。綺麗なグリーティングカードを思わせる色遣いと硬派な学術書との取り合わせが新鮮です。
詳述すると所謂「ネタバレ」になってしまうので難しいのですが、ヒトの性行動の性差を考える上で、繁殖のコストが男女で著しく異なることが鍵となることがよくわかりました。私はこれまで社会規範としての刑法や、財産の継承ルールとしての民法(家族法)の側面からしか見てこなかったので、世界が広がった思いがしています。
ところで、本の内容とは直接関係ないのですが、装丁の美しさに息を呑みました。
表紙はご覧の通り、「ナンパ」という文字の不穏なイメージを緩和する猫のシルエット。が、単に「可愛い!」にとどまらず、見返しと栞紐(正式名称を知りません)の色調を表紙と合わせて、本文の紙も含めた優しい春の色合いのグラデーションに仕上げてあります。綺麗なグリーティングカードを思わせる色遣いと硬派な学術書との取り合わせが新鮮です。
2009年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わたしがこの本を知ったのは日本経済新聞の記事が最初でした。このおかたい新聞の紙面に「ナンパ」という文字。それはとても目をひくものでしたが、さらに素通りできないオーラを放つ写真がそこにありました。それはこの本の筆者である坂口菊恵氏のご本人の写真でした。このことは筆者がこの研究をする切っ掛けの直結しています。というのも、筆者はあまりに多数のナンパにあい、その不快な経験の憤りからこの研究がスタートしています。著書を読むと様々な角度から科学的考察がなされていて大変面白いものです。しかし、個人的には、理屈抜きで、坂口氏は彼女の発するオーラが男性を惹きつけることが、ナンパに会いやすい最大の要因だと思います。それだけに説得力もあると感じます。
但し、もう少々わかりやすく書いていただくとよかったですね。その点を考慮した評価となっています。
但し、もう少々わかりやすく書いていただくとよかったですね。その点を考慮した評価となっています。
2010年2月1日に日本でレビュー済み
性行動を科学的に分析するのは難しいが、犯罪学の方面からアメリカでは研究が結構盛んらしい。ナンパされやすい女性に共通点があるのか。痴漢に会いやすいタイプがあるのか。本書は、日本ではあまり盛んではない(と思われる)性行動について科学的な説明を加えようと試みた、勇気ある本で、面白かった。
ナンパと性犯罪は、受けやすいタイプの女性というものあるらしく、ある程度、歩き方(後天的なのか?歩き方が先天的とは言えないだろう)などの行動で、ある程度は推察できるという。また、若年で性犯罪の被害にあった女性は、被害を受けたくないという強い防御が働くにもかかわらず、再び被害を受ける可能性が高いという。防御的な行動が犯罪を誘発する可能性もあるらしい。また(差しさわりもあるので、はっきりとは言っていないが)遺伝的な要素もあるらしい。ただし、その可能性が「高い」という差は、実は大きな差ではない場合もあり、ちょっとした差に過ぎないのを、学者が差がある、と言ったとたんに一人歩きしてしまうこともあるらしい。
同性愛も、生まれる前の母体の状態と関係があるらしい。男性の同性愛者は、一般の女性や、異性愛の男性が好むのとは異なる男性(マッチョ)で浮気性な可能性の強いタイプを好む傾向があるらしい。しかし、傾向が強まるというだけであって、全員がそういうタイプを好むわけではない。平均値に目に見える(有意な)差がある、ということらしい。
などなど、面白い本であるが、科学の本なので、その辺のトンデモ本とは一線を画し、あくまでも科学的な分析、発言に終始するため、例えば、ナンパされやすい女には遺伝子的に問題がある、などと言った非科学的な断定を避けているため、読んでいて、分かりにくい。
ナンパと性犯罪は、受けやすいタイプの女性というものあるらしく、ある程度、歩き方(後天的なのか?歩き方が先天的とは言えないだろう)などの行動で、ある程度は推察できるという。また、若年で性犯罪の被害にあった女性は、被害を受けたくないという強い防御が働くにもかかわらず、再び被害を受ける可能性が高いという。防御的な行動が犯罪を誘発する可能性もあるらしい。また(差しさわりもあるので、はっきりとは言っていないが)遺伝的な要素もあるらしい。ただし、その可能性が「高い」という差は、実は大きな差ではない場合もあり、ちょっとした差に過ぎないのを、学者が差がある、と言ったとたんに一人歩きしてしまうこともあるらしい。
同性愛も、生まれる前の母体の状態と関係があるらしい。男性の同性愛者は、一般の女性や、異性愛の男性が好むのとは異なる男性(マッチョ)で浮気性な可能性の強いタイプを好む傾向があるらしい。しかし、傾向が強まるというだけであって、全員がそういうタイプを好むわけではない。平均値に目に見える(有意な)差がある、ということらしい。
などなど、面白い本であるが、科学の本なので、その辺のトンデモ本とは一線を画し、あくまでも科学的な分析、発言に終始するため、例えば、ナンパされやすい女には遺伝子的に問題がある、などと言った非科学的な断定を避けているため、読んでいて、分かりにくい。
2011年4月18日に日本でレビュー済み
この本を読んでもナンパの成功率を上昇させることはできません。残念ながら。
教科書の出版社が出したまじめな科学の本です。
その分だけ、面白味という点では欠けます。
教科書の出版社が出したまじめな科学の本です。
その分だけ、面白味という点では欠けます。
2014年10月8日に日本でレビュー済み
性行動に特化した進化心理学のわりとハードな専門書。面白い。看板と中身の齟齬、女性が性周期で戦略を変えてるってところが以外は特に知らないことはなかったのと、実際のアンケートとか実験のN数が少なすぎてこれではだめでしょというあたりで減点。
2011年7月19日に日本でレビュー済み
ナンパをされることが多いという女性科学者が真面目に論じた本。
さまざまな科学的な実験を試みている。
が、あくまでも小さい範囲のことだし、実験の仮説設定自体も疑問に感じるし、
真面目なアプローチであるが面白みにかける。
男性の顔を合成する実験あたりまでで読むのをやめました。
正直、実践には何も役立ちません。
さまざまな科学的な実験を試みている。
が、あくまでも小さい範囲のことだし、実験の仮説設定自体も疑問に感じるし、
真面目なアプローチであるが面白みにかける。
男性の顔を合成する実験あたりまでで読むのをやめました。
正直、実践には何も役立ちません。