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ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方 単行本(ソフトカバー) – 2012/7/2
購入オプションとあわせ買い
「ビジネス」でも「ワーク」でもなく、「趣味」でもない。DIY・複業・お裾分けを駆使した「ナリワイ」をつくり、現代社会を痛快に生きる方法論。
個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのでなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身に付く仕事をナリワイ(生業)と定義。具体的なナリワイのタネを生活の中から見つけ、1つ1つを自分の小規模な自営業として機能させ、それらを組み合わせていくことで、「働くこと」と「自分の生活」を近づけることを目指す著者の、人生を使ってつくった渾身の「たたき台」。
ポストグローバリゼーション時代の滋味溢れる働き方がここに。
非バトルタイプのためのゆるやかな作戦!
- 本の長さ241ページ
- 言語日本語
- 出版社東京書籍
- 発売日2012/7/2
- ISBN-104487806267
- ISBN-13978-4487806263
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出版社より
はじめに
個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのではなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身につく仕事を「ナリワイ」(生業)と呼ぶ。 これからの時代は、一人がナリワイを3個以上持っていると面白い。 仕事といえば、就職。つまり会社で一つの仕事をする、という考え方が常識だ。さらに現代では、「生活を犠牲にしてやるのが仕事」という定義も半ば常識になってしまっている。仕事は、自分の時間と健康を切り売りして、マネーと交換するものであると。 でも、それがしんどくなってきた。体を壊して、会社を辞める人は少なくないし、私の知人友人でも「うつ」や過労で会社を辞めた人が10人以上出てしまった。 私自身も小さなベンチャー企業で日夜働いていたときには、家での生活と会社での生活が完全に分離していて、当時の記憶があまりない。ストレスなのか、寝る前にハーゲンダッツを食べないと眠れないこともしばしばであった。睡眠時間を削って稼いだお金が、睡眠不足のストレスを解消するためにアイスクリーム代に消える。 どうも、これはおかしい。 いまだに、キャリアコンサルタントと名乗る人がメディアで「人生の大半を占める仕事なのだから、ちゃんと選びなさい」と就活生へのアドバイスを送っている。だが、その前に考えてほしい。人生の大半を、人生から乖離した仕事に占拠されてしまっていいのだろうか。 ところで、大正9年の国勢調査で国民から申告された職業は約3万5000種、現在の厚生労働省の「日本標準職業分類」によれば、いまや2167職種。わずか90年程度前には、はるかに多様な職業の種類があり、職の多様性も高かった。 だが、戦後に「株式会社日本」は多様性を切り捨て業種を絞り込むことで急成長した。それが高度経済成長だ。 21世紀初頭、絞り込んだ産業は曲がり角を迎える。2012年の現在、まずは製造業が大規模リストラをはじめ、わずか3つの会社から2万人以上の人がリストラされる予定である。仕事の多様性を失った私たちは、どこへ行こうというのか。 景気が悪いと言う割には、仕事の量は減らない。その一方で、ゴミは増える一方。もうつくるべきものなんてないのでは? と思うほど。「おかしいな、こんなに忙しいのなんでだろう?」と思わずにはいられない。 この矛盾の原因の一つは専業化にある。一つの仕事だけをやらなければならないという考え方だと、どうしても競争が激しくなったり、一つでは生計を立てるのが難しい仕事でも、無理やり大きくしなければならず、努力の割に結果がでない。これでは苦しい。 そもそも、仕事はもっと多様性のあるものだった。季節ごとに生業は変わるし、色々な仕事があり、それを各自が組み合わせて生活を組み立てていた。それをわずか、40~50年で変えてしまった。ここにも日本の働き方の矛盾の根源がある。 例えば、その矛盾の一つのニート問題は、職の多様性の急激な減少に適応できない人が顕在化しただけ。それなのに、対策が会社に就職するための職業訓練だけでは無力だ。新しい自営業をつくり出さないと解決は困難であると言える。 そんな中で、相変わらず、年収が仕事の価値をはかる強力な基準になっている。しかし、年収が高くても、その分ストレスのために寿命を縮めたり、支出を増やしていたら本末転倒である。
これらを解決する方向性は、これまでにもいくつか提唱されてきている。それは、藤村靖之氏(1944年~。日本の発明家。日本大学工学部客員教授。主著に『月3万円ビジネス』晶文社など)が提唱する「月3万円の仕事を10個作る」であったり、宮本常一氏(1907年~1981年。日本を代表する民俗学者。主著に『生業の歴史』など)が調査していたような複数の仕事を持つ農村の生活などであろう。 例えば、ドイツでも、十数年前までは約1割の企業が労働者の約90%を雇っていたが、今では65%程度になっているそうだ。ドイツの哲学者ハンス・イムラー氏(主著に『経済学は自然をどうとらえてきたか』農山漁村文化協会)も、これからは新しい形の家族経営体(U2)こそが、グローバル化した社会において大きな可能性があるだろうと述べている。 すなわち、これからの仕事は、働くことと生活の充実が一致し、心身ともに健康になる仕事でなければならない。 しかし、現在「新しい働き方」として提唱されているのは、これからさらにグローバル化が進み競争が激しくなる、だから世界に通用する高いレベルで能力を磨き、自分自身を広告的に宣伝し、稼げる仕事をしていこう、おおよそこんな考え方が大半ではないか。 グローバル社会で全世界を相手にした殴り合いの競争をして健康が実現できるのは、かなりのバトルタイプ(戦闘型)だけだ。 本書で述べる「ナリワイ」の作戦は、そうではない。でかい仕事は、バトルタイプの戦場だ。隆盛を誇った巨大ウェブサービスが数年で衰退したという事例を、現代に生きる私たちは目の当たりにしている。「ナリワイ」は、そうではなく、小さな仕事を組み合わせて生活を組み立てていく。つまり、恐竜ビジネスモデルから微生物ビジネスモデルへの転換を図ろうというものだ。起業と言うと、大きな仕掛けやシステムが必要になってくる。そうではなくて、具体的な「ナリワイのタネ」を生活の中から見つけ、一つ一つを自分の小規模な自営業として機能させていくことを目指す。派手な資金調達は無用、むしろ出資者にホームランしか許されなくなるので有害である。 また、現代社会に生きる私たちは、生活を自給する能力がかなり衰えている。何も考えずに暮らしていると、たいしたことをしてなくても支出が高い。だから、稼ぐのを一休みして、立ち止まる余裕がない。考える余裕がないから、妙な住宅ローンを組んだり、目先の運転資金のために不利な仕事も請け負ってしまう。
これでは、人生を盗まれている。 まずは、生活自給力を高めて、無駄な支出をカットしていく必要があるだろう。惰性で買い物していることは、案外多い。これをカットする。すると、余裕が生まれる。新しいことをはじめるときには、やっぱり気持ちや時間の余裕が必要だ。自分のほしい物を、なるべくお金を使わず自分で工夫してつくったりすると、生活自給力がつく。その中でよい工夫があれば、それがそのまま「ナリワイ」になる。 例えば、あなたが料理が好きだったら、それを少しずつ研究して、誰かのホームパーティの料理を担当させてもらえばいい。最初は、ボランティアでもよい。そこからスタートして、少しずつ実績を増やしていけば小さな仕事になる。今や、外食するより、いい素材を仕入れて自分たちでつくった方が、リーズナブルでおいしい食事ができる。それだけ、世の中の食を楽しくするのに役に立っている。規模はともかく、それが仕事にならないはずがない。「ナリワイ」は、「生業」だから、生活でもあり仕事でもある。労働かと言われれば、やっていて楽しいということも大事な条件なので、単なる労働ではない。「ナリワイ」はあくまで、人生を直接充実させるような仕事を指す。 いきなり「ナリワイ」だけで生計を立てるのは難しいかもしれない。しかし、会社勤めでも、就業に差し支えない程度に、一個付け足すぐらいは誰にでもできる。一個でも「ナリワイ」を持つことができれば、それまで収入を完全に会社に依存していたときとは全く違う景色が見えるはずである。それは、生きる自信につながる。
著者である私イトウは、ナリワイをつくる生活をはじめて6年目。モンゴルに行きたいのに参加したいツアーがなかったという経験をもとにはじめた、年に2回だけの「モンゴル武者修行ツアー」や、健康的な自営業を実践している人に、暮らし方を含めて現場で直接教われる学校があったらいいのに、と思って企画した短期集中講座「熊野暮らし方デザインスクール―田舎で土窯パン屋を開く」をはじめ、7つのナリワイをつくった。他には、結婚式を木造校舎で内装から招待状、写真撮影、引き出物までデザイナーさんや作家さんと企画運営する「木造校舎ウェディング」や、セルフリノベーションでつくったシェアオフィス「スタジオ4」や、京都の一棟貸しの宿「古今燕(こきんえん)」などの運営もしている。友達の梅農家の収穫期だけ、助っ人として梅の収穫にも行く。ついでに、農家さんが日々の農作業に追われてなかなか手がつけにくい商品開発の分野のお手伝いもしている。山村で、おばあさんたちが編んでいた花飾り「ハナアミ」の販売のお手伝いもしている。 どれも、飛び込み営業をして獲得したとかではなく、生活の中で出会った人たちの役に立つことを見つけたらやる、というシンプルなきっかけから始まったものだ。 これらは、すぐに一個だけで生計を立てられるものではないが、それぞれを組み合わせて、主に東京で暮らしている。 特に住居の自給には力を入れていて、解体、土壁塗り、ペンキ塗り、襖張り、ブロック塀壊し、床張り、掘り出し物件探し、は一通りできるようになった。これらは、やるときは知り合いを誘って遊び要素もいれつつ実践練習しているので、部活みたいな感覚で楽しいものだ。 ちなみに、私は就職とともに上京したこともあり、会社員時代は、あまりに忙しく知人友人が一人も増えなかった。しかし、やむにやまれずナリワイをつくるようになって、生活と密着した仕事を少しずつ増やしていっているうちに、気がついたら、けっこう日々新しい人と知遇を得る機会に恵まれるようになってきた。
企業のビジネスのお手伝いをするクライアントワークをあまりしていないので、「でっかい案件が取れた!」というような大盛り上がりは少ないのだが、じわじわ楽しい。滋味があるというかんじだろうか。 本書では、私、イトウのここ5年間の「ナリワイ」を発掘、開発する日々で、やってみて分かったことをまじえながら、皆さんと「ナリワイ」について考えていきたい。貨幣経済がグローバル化して、比較競争できるビジネスは世界レベルで競争が起きていく。 そんな時代に、どういう働き方・暮らし方があり得るか。 仕事であり同時に生活でもあり、娯楽にもなりうる「ナリワイ」は、過当な競争に巻き込まれない。そんな仕事を、つい60年前には大勢の人が持っていた。それが高度経済成長期に忘れられただけで、そもそも会社勤めが一般的になったのは、せいぜい40~50年前のこと。 競争とは無関係な部分をつくり出し、生活をゆるぎないものにする一つの作戦が、個々人が自分の「ナリワイ」を持つことである。自分でつくった小さな事業が、直接目に見える人に役に立ち、仕事になる、これはとても面白い。 もちろん、0からナリワイを開発するのは訓練が要るかもしれないが、私が開発したナリワイを他の人にやり方をお知らせしたりすれば、後からやる人は楽になるだろうと考えている。 いわば、私は実験台である。だから、本書は私が七転八倒して得た研究成果の最前線現場報告でもある。皆が皆、七転八倒せず、せいぜい二転三倒ぐらいで済むように、と。 実験の道はまだ半ばであるが、ナリワイという働き方が、現代社会の閉塞感を解き放つ力を持っていると確信している。
仕事も、ほしい物も、自分でつくるのは面白い。 興味を持った方は、本文を読みすすめてほしい。
伊藤洋志
目次
はじめに
ナリワイ練習問題
第1章|ナリワイとはなにか
ナリワイで生きるということ
そもそも仕事は自分でつくるものだった
難しそうに見せる技術を見抜け!
グローバリゼーション時代には「作戦」が必要
クライアントワークの限界
苦労の次元を変える
一人でもダブルインカムに
ナリワイという弱いコンセプト
即日満席vs.ぼちぼち満席
ナリワイがはじまる条件
会社でも働きやすくなる
ナリワイ10か条
ナリワイ練習問題
第2章|人生における支出を点検し、カットする
そもそも人はどれくらいお金が必要なのか?
不安の出所はどこだ?
現代社会の「消費させる」プレッシャー
ケチとは違うのだよ、ケチとは!
もしものときになんとかなる環境づくり
ナリワイ練習問題
第3章|ナリワイをつくろう!
未来を見る
ナリワイの形をつくる
足下を見る
ナリワイの種は些細なことから
まずはボールを触ることから
「プロ」がやると逆につまらなくなる
ナリワイ練習問題
第4章|ナリワイをやってみる
情報よりも現場百ぺん
適正な価格を検討する
世界の手助けを借りる
複業のススメ
床張りを通して社会を考える
仲間を見つける
範囲を広げていく
ナリワイ練習問題
第5章|ナリワイはみんなでやればもっと楽しい
最も強いリスクヘッジとは?
現代社会の幻影を疑え!
冷静に淡々とやっていく
ナリワイをつくろう! ふたたび
あとがき
商品の説明
著者について
1979年生まれ。香川県丸亀市育ち。京都大学大学院農学研究科森林科学専攻修士課程修了。大小様々な仕事を組み合わせて生計を建てるナリワイ実践者。
大学院在籍時に、全国の職人さんの見習いをしながら、弟子の技能の身につけ方と独立生計の建て方を調査。手仕事一本ではなく、農業や素材栽培も含め生業を営む染織工房が、いきいきと仕事をしている様子を見て、専業よりも複業的生活の可能性を感じる。
大学院卒業後、ほぼ新卒4人からなるベンチャーに参加。就職サイトや雑誌の立ち上げを終えるも、肌荒れのため退職。「増刊現代農業」(現:「季刊地域」)などでフリーランスの記者として活動をはじめる。
2007年より、個人が小さい元手ではじめられる頭と体をつかう仕事をテーマにナリワイづくりを開始。現在、シェアアトリエ「スタジオ4」や、京都の一棟貸し宿「古今燕」などの運営、「モンゴル武者修行ツアー」、「熊野暮らし方デザインスクール」などワークショップ企画から、「木造校舎ウェディング」企画運営、和歌山県古座川町の花飾り「ハナアミ」のお手伝いなどのナリワイの傍ら、「地球のココロ」(@ニフティ)の連載や、自由大学で講義を担当(不定期)。
「床さえ張れれば家には困らない! 」を合い言葉に、床張りだけができるセミプロ大工集団「全国床張り協会」や、景観が悪く圧迫感もあって、震災時には倒壊して危険なブロック塀を、ハンマーによって人力解体する「ブロック塀ハンマー解体協会」といったナリワイのサークル的ギルド団体の設立等の活動も行う。
登録情報
- 出版社 : 東京書籍 (2012/7/2)
- 発売日 : 2012/7/2
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 241ページ
- ISBN-10 : 4487806267
- ISBN-13 : 978-4487806263
- Amazon 売れ筋ランキング: - 178,275位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,803位社会学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
文中に頻出する「非バトルタイプ」という言葉が自分にドンピシャ。肌感覚だが、8割以上の方が非バトルタイプではないだろうか? となると、この本は多くの方にとって生き方のヒントになると思う。
私自身も、和太鼓奏者、和太鼓指導者、チラシデザイナー、ウェブデザイナー、介護ドライバー、引越し手伝い、イベンター、人材紹介、営業マンなどいろいろやっている。生き方を肯定された気がして、「これでいいのだ」と思えた。
都内のリーマンができるナリワイは何かというものは分かってもToDoが分からない
いや分かるけども、todoが明確でない
いまリライトしたら変わるかもな。。
今は駐在員として アメリカに住んでいるが、アメリカ人は本当に人生を楽しんでいる。彼らの多くは床はりくらい自分でやるし、友達の家の改築なんかにも手伝いにいったりしている。細かい仕上げなんか気にせず大雑把だが問題ないレベルであるし、誰も文句は言わない(自分たちでやったのだから)。そしてやはりパーティーをやる。仕事も長時間やることはない。一部のWall Streetなんかで働くエリート人間以外は終業時間になればそそくさとオフィスを去って庭仕事や家の修理、ボートで釣りに行ったり馬の世話をしたり。彼らは他人の仕事に支配されていない。自分の生業を別に持っているケースも稀ではない(アメリカでは会社員も公務員も副業OK)。以前会った消防士はロブスターを獲る漁船のオーナーでもあった。伊藤さんのような考え方はアメリカ人の多くが持っていて、実践可能である。そのような土壌がある。
日本ではそれが難しい。特に有名大学を出て大企業に入ってしまった人間でさらに35歳までそのままサラリーマンをしてしまった人間には、生業を始めることすら難しい。なぜならたいていの場合、周りの人間も有名大学を出た有名企業に勤める一生サラリーマンコースの人間が大半だから。彼らを飲みに誘えば来てくれるし、二次会、三次会まで付き合ってくれるだろうが、「床張りやろや」といえば、勘弁してくれや、だろう。また、35歳にもなるとそもそも体力的に厳しい。嫁にも冷ややかな目で見られること間違いない。もちろん35歳には35歳なりの生業を考えればよいのだろうが、何せ長いサラリーマン生活で今の仕事は抜群にできてもそれ以外の分野では思考停止気味である。学生の時にバックパック一つで世界中を旅した時のように固定の価値観に縛られずに新しくて刺激的な体験をし続けたいと思う(伊藤氏が羨ましい)。
ただ、一生サラリーマンであるのベストだとはもちろん思わないが、一生ナリワイで生活というのも良いかどうかはわからないと思う。伊藤さんが60, 70歳になった時にどのような人生観でおられるか、非常に興味がある。
とことで、伊藤さんの文章はふざけたところと教養のあるところが良い具合にバランスを取っていて、読んでいて心地が良い。直接お話をしてもきっと魅力的な方なのだろうと思う。逆に言うとそのような特別な魅力のある方なのでナリワイを自然に実践し、生きて行けているのだろう、とも思う。誰でも伊藤さんのようにナリワイで生きていけるかというと難しいだろう
何事もゴールまでには小さな階段がたくさんあるもの。強固で成長性のある事業というのも、まずは小さなここからという意識で、今やっていること、新しいことに取り組んでいきます。
荒唐無稽ではないだろう。江戸時代には、お百姓は家も食料も自分達で調達し、紙や布を出荷もしていたようだ。
そんな世界が既に存在していたのだ。
いまは、どんな技能と知識が価値を持つか見極め、技能を高めねば仕事は無いという価値観が主流。
会社一つしかないと、しがみつくしかないと考えてしまう。専業化された仕事内容は、やりがいを損ないがちだ。
本書は、これとは対極にある生き方の提案である。
著者は、モンゴルに魅かれ足を運ぶうちモンゴルツアーを企画する。スケジュールがなく、遊牧文化を探索して
見習いするワークショップになっている。効率を求め、リスクを求めない会社のあり方とは、全く別のもの。
床張りや木造校舎結婚式のプロデュースも手掛ける。著者の姿を通し「ナリワイ」という枠を理解するのはやさしい。
現代、仕事は専業化されることで、歪が生じてきている。それを解消する手段があればそれがナリワイとなる。
その歪を見つけ、ナリワイにする方法も指南している。
ナリワイを始める前に大切なことは、人生の支出を減らすこと。その方法は、ナリワイに興味が無い人にも、
色々と参考になるであろう。
仕事に困っている人は読んだほうがよい。それにサラリーマンの生活に閉塞感を感じている人もである。
本書の今の価値観に乗らない視点から、光明が見えるかもしれない。
正社員だと、会社が決めた方針に従わなければならない為、理不尽でも嫌な事でも断れない。
そんな時にこの本を読んで、20年近く勤めた会社を辞めた。
仕事など自分で作ればよいのだ。名もない家事があるように、名もない仕事があってもよい。というかたくさんある。とにかく、いろんな仕事を生み出して、複数で安定させるのも良いし、発展性のある仕事を伸ばしても良い。