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摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ) 単行本 – 2005/10/1
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- 本の長さ604ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2005/10/1
- ISBN-104488012078
- ISBN-13978-4488012076
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2005/10/1)
- 発売日 : 2005/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 604ページ
- ISBN-10 : 4488012078
- ISBN-13 : 978-4488012076
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,080,357位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 234,455位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
島田 荘司 1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。
1981年に『占星術殺人事件』で衝撃のデビュー。アジアを中心に海外でもその作品は数多く翻訳されベストセラーとなっている。
国内で本格ミステリーの代表的作家であるばかりでなく、アジア各国でも「推理之神(GOD OF MYSTERY)」と尊敬されている。「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や、台湾・皇冠文化出版有限公司が主催する中国語によるミステリー新人賞「島田荘司推理小説賞」の選考委員をつとめるなど、後進の育成にも尽力している。
Soji Shimada
Soji Shimada was born in 1948 in Hiroshima, Japan.
After graduating from Musashino Art University in Tokyo, he makes his sensational debut with ""The Tokyo Zodiac Murders"" in 1981.
He is regarded as one of the leading figures of Logic (Honkaku) Mystery in Japan, and is even revered as the ""God of Mystery"" throughout Asia.
His works have been translated into Chinese, Korean, Thai, French, and English.
Mr.Shimada is also an ardent promoter of blossoming mystery authors, and recently inaugurated ""The City of Roses Fukuyama Mystery Award Competition"" in his hometown and ""The Soji Shimada Logic Mystery Award Competition"" with Taiwan's Crown Publishing Company.
He serves on the selection committee for both competitions.
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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作者の比重としては、往時のマンハッタンの雰囲気を通して、文明のあり方等を論じている部分が大きいと思うが、謎解きとしても完結している必要がある。ジョディが口にしたファントムは妄想で、実在の人間と錯覚していると仮定しても謎は多い。
(a) 告白対象の興行師ジーグフリード殺害時、ジョディが1Fと34Fを行き来した方法は ?
(b) 踊り子と二人の女優の死は本当に自殺か ? 他殺とすれば偽装工作の方法は ?
(c) 演出家パンドロの殺害において、何故犯人はビルの大時計を用いるという大掛かりな仕掛けを用いたのか ? 目立つだけで、犯人の役に立ってない。
(d) ビルの設計者オーソンの死に際し、ビルの窓が全て割れたのは何故か ?
(e) オーソンが残した謎のヒエログリフの意味は ?
(f) 挿入される、セントラルパークの「地下都市」の話はどう係わって来るのか ?
(g) ジョディの掛かり付けの医師カリエフスキー殺害の動機と方法は ?
結末で明かされる真相は、相変わらず偶然性と環境の特殊条件に頼ったもの。特に、メインのアイデアはアメリカの高層住宅では珍しく無いのではないか ? (f)の謎が放置されるのも腑に落ちない。にも係わらず物語として読めるのは、犯人の造形と時代の雰囲気がマッチしているせいであろう。往時のマンハッタンの雰囲気を味わいたい方へはお勧めか。
もちろん石岡と出会う前のお話ですから無茶なのですが。
マンハッタンの情景が浮かぶような文章はさすがです。
やはり実際に住んでいないと書けない文章だと思いました。
Kindle版で出ていれば星は5つでした。
舞台は1969年のニューヨーク。オーソン・タルマッジによって1910年に作られた摩天楼セントラルパーク・タワーに安藤忠雄のガラスの直方体が突き刺さった年、アメリカを代表する大女優ジョディ・サリナスは御手洗潔に告げる。
「私は、あのフレデリック・ジークフリードを殺しました」
若干20歳にしてコロンビア大学の助教授となっていた御手洗はセントラルパーク・タワーにて1916年から21年までに起こったいくつもの怪事件を読み解いていく。
サリナスの言う「ファントム」とは何者なのか? 死んだ建築家の持っていたヒエログリフのメモの意味は? 密室での女優たちの死はどのようにして起こったのか? 嵐の夜の停電の中、サリナスはどうやって34階から1階まで移動したのか?
ニューヨーク、マンハッタン島の歴史を紐解きながら事件は暗闇の中からその姿を現す。
すべての謎を解いたとき御手洗は何を見るのか?
若いころの御手洗潔の胸のすくような活躍に島田荘司のパワーを見せつけられました。
マンハッタンの摩天楼に暮らす老女優の死に際の殺人告白。「ファントム」の力を借りたその殺人は、実現不可能なものだった。この他に、猟奇事件(時計台の針が少しずつ動くギロチン)。密室殺人?、幽霊、地下都市など出てくる出てくる。作品タイトルとストーリーから誰が読んでも「オペラ座の怪人」を思い出さずにはいられない。
トリックについては、大胆不敵物理トリックだろうと、早い段階から考えられるし、ファントムの正体も、御手洗シリーズを読んでいる人なら、だいたい想像がつくだろう。
ただ、全貌が明らかになった時のイメージ=世界観は酔える。翻訳ものの海外ミステリを読んでいるようなカンジがした。文体のせいなのかな。
<警告>
本書には、要所要所に摩天楼を描いたイラストが挿入されている。喜んでこれをパラパラ見てはいけない。本文を読まずともトリックが判ってしまうから。注意。
ネタバレっぽくなるが、ミスリーディングを目的としたエピソードがあり、これに最後まで惑わされてしまった。くやしい。
ところで、レオナが解決?した「ハリウッド・サーティフィケイト」事件の続き(更なる恐ろしい事件が起こる筈だが、、)はどうなっているの?
奇想こそが、この作者の最大の魅力だと思っている私にとって、
この小説は心行くまで堪能できるものでした。
昔ファンで今は離れてしまった人(私もその一人ですが)は、絶対に読むべき一冊です。
これでもかというほど、謎が連発して提示されるので、収拾可能か?と思いますが、最後は見事に解決されます。
年代設定が、1969年、御手洗潔は、コロンビア大學の助教授という設定で、舞台は、NYのマンハッタン。摩天楼建設の歴史や、セントラルパークの歴史、さらには、謎の提示者は、ブロードウエイの往年の大女優と、道具建ては、完璧にアメリカなので、このあたりの道具建てや歴史背景に興味がまったく無いと面白さは半減するかもしれません。
知的好奇心を満たしてくれる快作です。