難解な始まりに少々戸惑いながらも、もう一人の主人公、鈴木淳一の登場からテンポよくストーリーが進められて行く。
自分が一体誰なんだ、という話は幼鳥やサイコトパス、もっと遡れば神獣聖戦13からの山田正紀のお手の物のテーマである。その真偽の結果が分からないままにするのも山田正紀ならではであるが、今回の話はその境地だろう。本当に納得するには後書きにある「ある映画にインスパイアされた」と書いてあるその映画を探すしかないのか。
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カオスコープ (創元クライム・クラブ) 単行本 – 2006/7/27
山田 正紀
(著)
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2006/7/27
- ISBN-104488012132
- ISBN-13978-4488012137
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2006/7/27)
- 発売日 : 2006/7/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 4488012132
- ISBN-13 : 978-4488012137
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,115,074位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 89,341位文芸作品
- カスタマーレビュー:
著者について
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2008年9月2日に日本でレビュー済み
殺人事件を交通事故や労災事故に偽装する奴は多いだろうが、
本書は交通事故を殺人事件に偽装する珍しいパターンが出て来ます。
一人称と三人称が交互に語られる構成だが、
一人称のぼくは記憶喪失で、
自分が犯人であるという嫌疑を晴らしたくて、
探偵することになる。
ぼくが語る世界がディックの世界みたいに変で、
P・K・ディックの世界が好きな人には楽しく読めるであろう。
脳の目的は神経の統合調整であり、
考えること、自意識は脳にとってオマケの機能にしか過ぎないという、
人間原理を否定してる、
素晴しいSFとしても読めます。
語り手の記憶に信用が置けない
アンフェアぎりぎりのミステリだが、
謎の真相が知りたくて一気読み出来るだろう。
同じような状況が何度も語られるが、
全く同じセリフなのに、
会話している人物が入れ替わってしまうという
アクロバティックな仕掛けもあります。
小説でしか出来ないミステリとして高評価するべきだろう。
作者は某映画にインスパイアされたと言っているが、
ディックの何でしょうかねぇ?
本書は交通事故を殺人事件に偽装する珍しいパターンが出て来ます。
一人称と三人称が交互に語られる構成だが、
一人称のぼくは記憶喪失で、
自分が犯人であるという嫌疑を晴らしたくて、
探偵することになる。
ぼくが語る世界がディックの世界みたいに変で、
P・K・ディックの世界が好きな人には楽しく読めるであろう。
脳の目的は神経の統合調整であり、
考えること、自意識は脳にとってオマケの機能にしか過ぎないという、
人間原理を否定してる、
素晴しいSFとしても読めます。
語り手の記憶に信用が置けない
アンフェアぎりぎりのミステリだが、
謎の真相が知りたくて一気読み出来るだろう。
同じような状況が何度も語られるが、
全く同じセリフなのに、
会話している人物が入れ替わってしまうという
アクロバティックな仕掛けもあります。
小説でしか出来ないミステリとして高評価するべきだろう。
作者は某映画にインスパイアされたと言っているが、
ディックの何でしょうかねぇ?
2006年9月3日に日本でレビュー済み
記憶障害に悩む作家・鳴瀬君雄は、ある朝自宅で他殺死体を発見した。ポケットには血の付いたナイフがあり、自分が殺人者になってしまったか? 一方、街を震撼させている「万華鏡連続殺人事件」を追う刑事・鈴木は、奇妙な傷害事件に興味を抱いた。被害者の名は鳴瀬君雄。重傷を負ったまま行方不明になった彼を捜して鳴瀬宅へ向かうが、その2人は衝撃の事実に直面すること……。
物語は、2つの視点から物語が交互に繰り返される作品で、途中までこの視点でのもどかしさを味わいますが、その視点での不安定さは良い意味での幻惑感となっています。点と線が交わる過程では評価が分かれるようにも思いますが、全編を通して読みごたえはありました。
物語は、2つの視点から物語が交互に繰り返される作品で、途中までこの視点でのもどかしさを味わいますが、その視点での不安定さは良い意味での幻惑感となっています。点と線が交わる過程では評価が分かれるようにも思いますが、全編を通して読みごたえはありました。