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霧に橋を架ける (創元海外SF叢書) 単行本 – 2014/5/30

4.2 5つ星のうち4.2 20個の評価

2つの月が浮かぶ世界で、危険な“霧"の大河に架橋しようとする人々の苦闘と絆を描きヒューゴー賞・ネビュラ賞を受賞した表題作を始め、全11編を厳選収録した短編集。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2014/5/30)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/5/30
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 286ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488014526
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488014520
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 20個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
20グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年6月6日に日本でレビュー済み
アメリカのSF・ファンタジー界で中堅どころの作家ながら、日本ではあまり紹介されて来なかった作者の短編集。
作風は一般文芸よりで、ルーシャス・シェパードやエイミー・ベンダーに似た傾向が有る。
収録作のうちSFは「スパー」と「水の名前」、「シュレディンガーの娼館」、「変化後のノース・パークで犬たちが進化させるトリックスターの物語」、それに表題作。ファンタジーは「陳亭、死者の国」と「ポニー」。奇妙な味の小説が「26モンキーズ、そして時の裂け目」と「蜜蜂の川の流れる先で」。一般文芸が「噛みつき猫」と「ストーリー・キット」。
いずれも設定等は作者が描く人間の物語に必要最小限のものしか無く、ハードSFファンには物足り無く感じられるかも知れないが、非現実的な状況での人間の葛藤や苦悩を美事な筆力で描き出しており、何で今迄纏まった紹介がされなかったのか不思議で仕方が無い。この作者については、今後もっと紹介をして行って欲しい。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題作は面白いと思いました。プロジェクトXな感じです。しかしそこにたどり着くまでの短編(複数)がかなりしんどかったです。
1つひとつはよくできた短編だと思います。アンソロジー的なものに入っていたら気に入ったかもしれません。が、どれも読み味がなんとなく似ていること、何より文章が超くどいことから、一気に読んだらすっかりうんざりしてしまいました。現在時制の詩的なこってり文体は一度に大量摂取すべきではないと思いました。なぜ前半にこれらを固めたのでしょうか。
表題作の文章は普通で読みやすかったです。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
感じられる作品でした。スリルやファンタジックな要素も程よく織り交ざっております。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短篇集です。
ピンと来ない作品もありましたが、
表題作(中編)だけでもお金をはらった甲斐があると思いました。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 他のレビューを読んで期待して購入しましたが、好みの分かれるところと思います。まあ、嫌いではありません、むしろ好きですが、各テーマをもう少し深めるか、各話の結末をファンタジックよりもう少しだけSFに振ってくれると嬉しかったかも。。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年3月27日に日本でレビュー済み
基本的にはアイデア一発の「もしも」SF。ただ、描写のための取材を念入りに行い、リアリティーを付け加えている。何か一つ以上、現世界とは違う謎の現象が起こるのだが、その現象は謎のままで、人々はただその現象を受け入れ対応していく。その現象のメカニズムはずっと謎のままで、そこが私には歯がゆかった。
 人によって好き嫌いの分かれるタイプの短編集。
2016年10月18日に日本でレビュー済み
2年前にハードカバーで出版された時はスルーしていたのですが、今回文庫化を機会に読んでみました。
事前情報は、各賞受賞、2014年度ベスト1等という帯の惹句だけです。
短い作品が多いので読み易かったのですが、自分の中でも評価は分かれています。
好きな作品と、感心はするけど自分には合わないなと思うのと、何が言いたいのか良くわからないのと。
好きなのは、未来に向かって時間と空間が広がって行くように感じた「水の名前」、中では一番古い時期に書かれたためか比較的オーソドックスなSF「シュレディンガーの娼館(キャットハウス)」と、スバル・フォレスターで老犬と惜別の旅をする「蜜蜂の川の流れる先で」の3篇。
わからないのは、小説家としての思考の流れを内訳話的に、また図式的に説明した(と思える)「ストーリー・キット」。
その他の作品には、感心したり、驚いたり、とまどったり。中でもとまどったのは表題作で、舞台の描写はともかく、主人公と助演女優等登場人物の関係の描写が多く、小説としては感心しましたが、わざわざ幻想的な架空の世界を設定する必要性を感じませんでした。
読後、各種の書評や感想等を読んでみると、表題作についてはその架空世界の描写に関する評価が高く、また他の作品も含めて他者との関係性の問題について取り組んでいる作家との評価があります。
自分の興味の対象とは少し方向性が違うようで、違和感については半分納得しましたが、それでも、好きな作品が3点あったのは儲けものです。なお、どの作品もアイデアはユニークで、文章も練られており、ほとんどの作品は楽しめました。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年11月16日に日本でレビュー済み
 アメリカの女流作家の最新SF短篇集で、11篇を収載。女性らしい繊細な優しさ、詩的なセンス、理科系の感覚がブレンドした好篇が多い。本書全体としてコミュニケーション/ディスコミュニケーションが大きなテーマになっているという気がする。

 いちばん気に入ったのは最初に載っている「26モンキーズ」。
 オチが洒落ていて、なぜたくさんの種類の猿が、なぜ26匹もいるのかが一度に納得できるし、そこからいろいろな連想が湧き上がるように構成されている。読者は読み終えて優しい、そして幾分哀しい気持ちに満たされる。

 次の「スパー」は、最初から最後までセックスそのものを(かなり詩的に)描いている。女性が感じるセックスを純粋に表現したのだと思う。《 それは内腿から膝までをてらてらと光らせている・・・入れては出す(インアウト)。やりっぱなし(イン&アウト)》の文章に感心した(なぜかというと・・・いや、それは書けない)。

 「噛みつき猫」は両親が離婚しようとしている不和な家庭の3歳の女の子が主人公。情緒不安定なその子が噛みつく癖のある猫を手に入れ、感情移入して、いつしか同化していく・・・。その感情移入の心理を淡々と描いている。シンプルで的確な幻視の描写が巧い。

 中篇の長さがある「蜜蜂の川の流れる先で」。たぶん、著者は実際に「蜜蜂の川」を体験し、終盤に幻想を加え、年老いて死期を迎えた愛犬への思いをフィクションにしたのだろう。構成に作家としての力量を感じるが、幻視の部分はない方がよかった。幻視が始まるまでの文章が素晴らしいだけに、甘さが出たのが残念。

 表題作の「霧に橋を架ける」は、責任技師として霧の河に橋を架ける建築家と、先祖代々その河の渡し守を仕事とする女との、数年にわたるロマンチックな恋愛譚。
 舞台は月が二つある異星で、時代設定は中世~近世のヨーロッパを想わせるアナログ時代。だからファンタジーなのだが、橋を架ける過程が綿密に描かれているので、映画「黒部ダム」みたいな面白さがある。
 何よりも霧のイメージがいい。その中に魚や巨大な化け物が棲んでいるし、漁師が舟を浮かべ漁をする。渡し守は常に死の危険を冒し霧の上に漕ぎ出すという設定なのだ。
 ハッピーエンドなのがちょっと気に入らないが、主人公二人の間にも橋が架かったようなので、ファンタジーでもあるし、まあいいかと納得した。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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