ある匿名の人物(たぶん著者)が手に入れた函からその函の持ち主だったと思われる人物の来歴が小説の体裁で語られるというお話。まず驚異的なのはその擬古典調ともいえる文体で、まるで18世紀か19世紀の人が書いたのではないかと思わずにはいられない程の凝り方で、よくここまでできるなと感心してしまう程でどうしたらここまで出来るか著者に聞いてみたくなりました。しかもこの手昔の小説だと大概抽象的で読みにくくなりがちですが、もの凄く読みやすく、そのリーダビリティーにも感心させられました。話の中心の一つのエロっぽい部分には賛否が分れそうですが、別の方のの機械工学や博物学にかかわる部分は万人に向けて面白く読めると思いました。
これが新人のデビュー作とはとても思えない圧倒的に面白い物語。2,3回読むのが待ち遠しい作品です。
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驚異の発明家の形見函 (海外文学セレクション) 単行本 – 2003/1/1
- 本の長さ349ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2003/1/1
- ISBN-104488016359
- ISBN-13978-4488016357
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商品の説明
出版社からのコメント
骨董の"函"が語る自動人形発明家=フランス版平賀源内の数奇な運命! 1983年、パリの骨董品オークションで手に入れた、がらくたの詰まった函。それは産業革命以前のフランスで、自動人形の開発に心血をそそいだ天才発明家の「形見函」だった。10の仕切りのなかには、それぞれ、広口壜、鸚鵡貝、編笠茸、木偶人形、金言、胸赤鶸、時計、鈴、釦、そして最後のひとつは空のまま。フランス革命前夜、のちに発明家となる少年クロード・パージュの指が、ジュネーヴの外科医によって“故意”に切り落とされる事件が起こる。ここに端を発する彼の波瀾万丈の生涯について、函におさめられた10の想い出の品は、黙したまま雄弁と語りはじめるのだ――。18世紀という好奇心にみちた時代を鮮やかに再現し、世界の批評家たちを唸らせた驚異のデビュー作!
とまれ、「形見函」とはいったいどんなものでしょう? 美しく、妖しげなカバーとオブジェにぜひご注目ください。
内容(「MARC」データベースより)
骨董品「形見函」の硝子の蓋を開けると十の仕切り。各々に収められた想い出の小物が語る、フランス革命前夜、自動人形製作に心血を注いだ稀代の発明家クロードの数奇な生涯。
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2003/1/1)
- 発売日 : 2003/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 349ページ
- ISBN-10 : 4488016359
- ISBN-13 : 978-4488016357
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,099,215位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2011年10月21日に日本でレビュー済み
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2005年8月16日に日本でレビュー済み
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「物語」としての面白さがぎっしりつまった小説です。
18世紀ヨーロッパという舞台、魅力的な主人公の成長物語、個性的な脇役たち。
映画好きの方にもお勧めです。「天井桟敷の人々」「レッド・バイオリン」「薔薇の名前」などにはまった人は絶対楽しめると思います。
翻訳はややくだけすぎの部分もありますが、おおむね読みやすいです。
姉妹編の「形見箱と王妃の時計」はメイキングものの楽屋落ち的なストーリーであまり面白くありません。
18世紀ヨーロッパという舞台、魅力的な主人公の成長物語、個性的な脇役たち。
映画好きの方にもお勧めです。「天井桟敷の人々」「レッド・バイオリン」「薔薇の名前」などにはまった人は絶対楽しめると思います。
翻訳はややくだけすぎの部分もありますが、おおむね読みやすいです。
姉妹編の「形見箱と王妃の時計」はメイキングものの楽屋落ち的なストーリーであまり面白くありません。
2003年5月12日に日本でレビュー済み
実はあらすじを読んでもっと常軌を逸した神がかり的な人生譚を期待していたのだが、後半、波瀾万丈さがちょっとおとなしめになってしまったのが星ひとつ減点の理由。だけど奇妙な寓話の積み重ねは、久々に『百年の孤独』的なわくわく感を楽しめた。いやもちろん、そんなに《魔術的》ではないけれど。