ラスト五十頁。有罪を証明する証拠を丹念に組み上げ、消去法で犯人を絞り込んでいくエラリーの推理が素晴らしかったなあ。まるで、将棋の〈王様〉が詰まされる様を見ているかのよう。ぞくぞくしました。
本書を読もう思ったんは、飯城勇三(いいき ゆうさん)『エラリー・クイーン完全ガイド』(星海社新書)のなか、本作品に影響を受けた作品として、青崎有吾『水族館の殺人』の名前が挙がっていたから。
青崎有吾作品がとても面白かったのと、クイーンの〝国名シリーズ〟の次の作品『オランダ靴の謎』が読みごたえあったんで、本書にも手を伸ばした次第。期待以上の出来栄えに大満足っすね。手にとって良かったです。
それと、巻末の芦辺 拓氏の解説文のなか、次のくだりには「ほんま、そのとおりやね!」と思いました。感謝しつつ、引かせていだきます。
《読者におかれては、どうかこの解説ページの直前をチラ見したりされませんように。できれば、終盤六十ページほどはパラパラめくるのも禁止です。そして、全編の一割以上を占める解決編をたんのうするためにも、それまでのときに退屈と思えるかもしれない問題編を熟読されることをおすすめしておきます。》p.473
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フランス白粉の謎【新訳版】 (創元推理文庫) 文庫 – 2012/9/28
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老舗デパートのショーウィンドウから転がり出た死体の謎を解き明かし、唯一無二の犯人を指摘するエラリーの名推理! クイーンの名を不動のものとした、国名シリーズ第2弾。
- 本の長さ476ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2012/9/28
- ISBN-104488104371
- ISBN-13978-4488104375
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2012/9/28)
- 発売日 : 2012/9/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 476ページ
- ISBN-10 : 4488104371
- ISBN-13 : 978-4488104375
- Amazon 売れ筋ランキング: - 73,562位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 288位創元推理文庫
- - 452位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
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2023年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年5月9日に日本でレビュー済み
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欲しい物を見つけるのも簡単、すぐ到着。
2019年8月20日に日本でレビュー済み
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国名シリーズ第一作と同様、この作品も余計な要素を排除し、推理の論理性のみで勝負した潔さが光る「ザ・本格ミステリ」。ショッキングな死体発見で始まるが、その後は決してドラマチックな展開ではなく、クイーン父子が捜査の過程でわかって来た事、その時点で推理した内容などが逐一明かされる親切設計。そして「読者への挑戦状」を挟み、関係者を一同に集めて謎解き、と言う本格ミステリのひな形を確立したような作品だと思った。犯人の意外性はなく、犯行に特別なトリックが使われたわけでもないが、多くの容疑者の中から真犯人を論理的に推理する過程に、素晴らしく読み応えがあった。
クイーン警視が語ったように、論理的に推理した犯人を追い詰める物証はなく、ハッタリによって自殺に追い込むのは減点かも知れない。が、最後に犯人が判明したところで即座に終わるなど、余計な要素を極力排除し、本格ミステリのひな形を確立した事に敬意を表して満点評価としたい。
クイーン警視が語ったように、論理的に推理した犯人を追い詰める物証はなく、ハッタリによって自殺に追い込むのは減点かも知れない。が、最後に犯人が判明したところで即座に終わるなど、余計な要素を極力排除し、本格ミステリのひな形を確立した事に敬意を表して満点評価としたい。
2012年10月6日に日本でレビュー済み
第二作にして早や本領発揮の傑作。
不可能犯罪趣味やケレンとは無縁の論理的ミステリの極北。
このいわばロジックに淫した世界をエンターテインメントたらしめているのは若き合作者たちの鬼気迫る新しいミステリを開拓せんとする情熱に他ならない。
終盤の謎解き部分の迫力、最後の一行で犯人を明かすこだわり、素晴らしき第二長編。
不可能犯罪趣味やケレンとは無縁の論理的ミステリの極北。
このいわばロジックに淫した世界をエンターテインメントたらしめているのは若き合作者たちの鬼気迫る新しいミステリを開拓せんとする情熱に他ならない。
終盤の謎解き部分の迫力、最後の一行で犯人を明かすこだわり、素晴らしき第二長編。
2013年8月19日に日本でレビュー済み
デパートの展示室から女性の死体が転がり出て・・・というお話。
このレビューを読むような方ならもう既に1回はもとより2,3回は読んでいる人の方が多いと思われますが、私は恥ずかしながら今回の新訳が初読で、年齢にあるまじくわくわくしながらページを繰りました。
読んだ結果としてやはり、処女作と比べても飛躍しているように思うし、面白さも増しているように思いました。特に様々な現場から残された証拠を元に合理的、論理的に犯罪を追及していくところはスリルを感じてページを繰る手が思わず速くなりました。ポー以降の近代合理主義を徹底しているその姿勢にも感銘を受けますし、原著刊行から80年くらい経っても古びた所もなく楽しく読めるところに驚きました。最近の進化した推理小説から読み始めた方は多少、物足りないものがあるかもしれませんが、この小説や他の作家の多くの古典があればこそ、最近の推理小説もあると思うので、小説としての面白さとは別に歴史的価値のある重要な作品であることは論を待たないと思います。
そして、この作品の最大の魅力である部分、興を削ぐかもしれませんが、殆どの方が読む前から知っていると思うので書いてしまいますが、最後の一行まで犯人の名前を伏せて読者に悟らせず、小説を牽引しているところに、この作品の画期性があると思うし、二作目でここまで大胆不敵な構成を構築して、しかも見事に成功しているので驚きます。さすが、ミスター・ミステリ。
今、2010年代の視点で読んでも面白い小説。推理小説好きな人にはやはり必読だと思います。
このレビューを読むような方ならもう既に1回はもとより2,3回は読んでいる人の方が多いと思われますが、私は恥ずかしながら今回の新訳が初読で、年齢にあるまじくわくわくしながらページを繰りました。
読んだ結果としてやはり、処女作と比べても飛躍しているように思うし、面白さも増しているように思いました。特に様々な現場から残された証拠を元に合理的、論理的に犯罪を追及していくところはスリルを感じてページを繰る手が思わず速くなりました。ポー以降の近代合理主義を徹底しているその姿勢にも感銘を受けますし、原著刊行から80年くらい経っても古びた所もなく楽しく読めるところに驚きました。最近の進化した推理小説から読み始めた方は多少、物足りないものがあるかもしれませんが、この小説や他の作家の多くの古典があればこそ、最近の推理小説もあると思うので、小説としての面白さとは別に歴史的価値のある重要な作品であることは論を待たないと思います。
そして、この作品の最大の魅力である部分、興を削ぐかもしれませんが、殆どの方が読む前から知っていると思うので書いてしまいますが、最後の一行まで犯人の名前を伏せて読者に悟らせず、小説を牽引しているところに、この作品の画期性があると思うし、二作目でここまで大胆不敵な構成を構築して、しかも見事に成功しているので驚きます。さすが、ミスター・ミステリ。
今、2010年代の視点で読んでも面白い小説。推理小説好きな人にはやはり必読だと思います。
2019年7月28日に日本でレビュー済み
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ご存知、エラリークイーンの「国名シリーズ」の第2弾です
ネタバレしない程度にレビューすると、デパート社長夫人が、ショーウィンドーの中から、死体で発見されるという衝撃的なシーンから始まります
一体、どうやって、「ショーウィンドーで殺人が行われたのか」
おなじみのクイーン親子を中心に、多彩な登場人物を交え、少しずつ、「犯人に繋がるヒント」を見つけながら、最後は、このシリーズの特徴である「読者への挑戦状」をクイーンから叩きつけられます
ただ、推理小説の人気ランキングを取っても、上位に来ることが少ないように、「国名シリーズ」の中では、
・確かに、「犯人にたどりつく論理性」はあったものの、
・「犯人と被害者の関係」が希薄なこと、
・その結果、殺害の動機がいまいちはっきりわからないこと 等
から、星は4つかなあと思いました
「国名シリーズ」を全巻読まないと気が済まないという方以外は、パスされても良い作品かと思いました
ネタバレしない程度にレビューすると、デパート社長夫人が、ショーウィンドーの中から、死体で発見されるという衝撃的なシーンから始まります
一体、どうやって、「ショーウィンドーで殺人が行われたのか」
おなじみのクイーン親子を中心に、多彩な登場人物を交え、少しずつ、「犯人に繋がるヒント」を見つけながら、最後は、このシリーズの特徴である「読者への挑戦状」をクイーンから叩きつけられます
ただ、推理小説の人気ランキングを取っても、上位に来ることが少ないように、「国名シリーズ」の中では、
・確かに、「犯人にたどりつく論理性」はあったものの、
・「犯人と被害者の関係」が希薄なこと、
・その結果、殺害の動機がいまいちはっきりわからないこと 等
から、星は4つかなあと思いました
「国名シリーズ」を全巻読まないと気が済まないという方以外は、パスされても良い作品かと思いました