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樽 (創元推理文庫 106-1) ペーパーバック – 1988/1/1

4.8 5つ星のうち4.8 11個の評価

この商品には新版があります:

樽【新訳版】 (創元推理文庫)
¥1,034
(132)
残り10点(入荷予定あり)
ロンドンの波止場では汽船ブルフィンチ号の積荷おろしが始まった。ところが、四個の樽がつり索からはずれて、下に落ちてしまった。その樽の一つから、金貨と死人の手が現われたのだ! 捜査はドーヴァー海峡をはさんで英仏両国にまたがり、探偵の精力的な活動が始まる。緻密冷酷な犯人をたどってアリバイ捜査の醍醐味を描く代表的傑作。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (1988/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1988/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 485ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488106013
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488106010
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 11個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
11グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2009年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フリーマン・ウィルズ・クロフツの代表作にして、
推理小説の新しい地平を開いたといわれる本書「樽」は、
これまで触手が伸びなかったのですが、
最近ミステリの古典に興味を持つようになったことから、
手が伸び、このたび読み終えました。

これまで読まなかった理由は、
「アリバイ崩し=地味=退屈」
というイメージがあったためですが、
この先入観をものの見事に覆すほどの傑作でした。

「アリバイ崩し」は、確かに出てきますが、
それはこの小説の一要素に過ぎません。
犯人像が絞り込まれていくうちに生じた壁の中に
「アリバイ」があるのであって、
小説の主眼は、
緻密な捜査を行い推理を積み重ねていくことで、
事件の真相が次第に明らかになっていく過程を
描くことにあります。

「地味」という点では、
確かに題名の「樽」からして地味。
しかし、20世紀初頭の当時としては、
一般的な運搬道具であった「樽」という日常性から、
女性の変死体という非日常性が出現する冒頭は、
衝撃的であるし、
「樽」がドーヴァー海峡を行き来していた
不可解さを解いていく過程は、
十分に興味深いものです。

そして「退屈」。
それはこの小説には全く当てはまりません。
樽を追いかけていくうちに、
生じた疑問を複数の探偵が一つ、また一つと解消し、
犯人に迫っていく過程は、
リアルかつスリリング。
次の展開が気になり、
頁を繰る手がもどかしくなること請け合いです。

1920年刊行という年月の隔たりを、
全く感じさせない傑作に巡り合えたことについて、
この上ない喜びを感じます。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年6月21日に日本でレビュー済み
本書は、イギリスの推理小説作家クロフツが、1920年に発表した処女作であり、天才的な探偵が登場しないリアルなアリバイ崩しの作品。後にフレンチ警部を主人公としてシリーズを書き綴ることになる著者ですが、本書はそれ以前のもの。全478頁。
私は7~8年前に本書を読みましたが、その時は、トリックそのものが理解できず、不完全燃焼。今回、再読しましたが、苦労した甲斐があり(笑)、とても楽しめました。
この作品、事件の発生状況から事件集結の最後まで、結構、ドラマティックで、物語としてはとても面白い。捜査をする者、される者の心情も手に取るようなのですが、作品そのものの面白さを堪能するには結構ハードルが高い作品だと思います。ポイントは、ずばり、「捜査の過程をどれだけリアルにイメージできるか」です。
そのひとつは、「ロンドンとパリ市内の駅の配置、鉄道と汽船の路線・航路をどれだけ視覚的に認識できるか」ということ。本文庫のはじめに掲載されている地図だけでは理解できませんし、不正確なので混乱します。少なくとも、ロンドンはテムズ川を挟んで、セント・キャサリン波止場、ウォータールー駅、チャリング・クロス駅、ヴィクトリア駅の位置が分かる地図を用意しておくといいですし、パリもサン・ラザール駅、北駅、カルディネ街の位置関係は必須と思います。それに加えて、樽の移動した経路を文庫の地図(拡大コピー)の路線に色分けし、発着の時間を記入しておくと分かりやすい。
本作は、アリバイ崩しの作品ですので、被疑者達の主張内容を時系列的に整理するのも必要です。いずれも、面倒なことではありますが、前者の地図等が認識できてくると、俄然、謎の解明に興味が沸いて、後者もやってみたくなります。
ともあれ、ちょっとハードルが高いですが、焦らず頭に入れていくと、とても楽しめる作品です。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年4月15日に日本でレビュー済み
この作品がなければ、日本に溢れるアリバイ崩しものやらトラベルミステリーやらも存在したかどうか、それぐらいこの作品とクロフツの登場は、画期的な出来事だったと思います。

最初に読んだ時に、前半の樽から死体が発見されるまでのくだりが長くて、途中で挫折しそうになったのを記憶しています。しかしいよいよ事件が発覚してからの展開は面白く、別の樽の存在が明らかになってくるあたりで読むのがやめられなくなりました。

本作は、オリジナルが持つ特有の魅力を今尚保ち続けている古典ミステリーの一つであり、この作品を題材とした鮎川哲也の「黒いトランク」の本当の面白さを理解するには、本作を読む必要があると思います。

読んだ当時の紫を使った樽のイラストの表紙が好きでした。それが変更になってしまったのが残念です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年5月25日に日本でレビュー済み
ミステリーのパイオニアといって良い優れた作品ー樽。これ程、地に足の着いた理に適った推理はお目に描かれません。おそらく,ほとんどの方が手本にしたと思う、アリバイ捜査のバイブルといっても過言ではないでしよう。面白いこと請け合いの大傑作ここにあり。
2004年6月13日に日本でレビュー済み
奇抜なトリックやよけいな情景描写は無用、ただただ自分も
一緒に推理することに喜びを感じる、という人ならば間違い
なく十指に入る傑作と思うはず。「推理小説は二度読んで本
当の良さがわかる」と言われるが、本当に二度読もうと言う
気になる作品はなかなかないのが本当のところ。「樽」なら
確かに二度目も十分に面白い。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年2月23日に日本でレビュー済み
三部からなっており、それぞれに刑事(=探偵)が殺人事件を追っていくわけなんだけど、まずは樽がドンと出てきて読者の興味を引くわけよね。ついで事件となり刑事が事件を追うわけなんだけど、次々と状況証拠が揃い犯人があがるわけ。今度は犯人と思しき男の友人達が無実を証明するという観点から捜査を始めていく。
こういう組み立てで主役交代があって視点が二転三転するけど、それすらも気にならないほどよくできている。余計なものは一切なくただひたすらに足を使って証拠を集め、推理を組み立て、犯人の嘘を見抜いていくという展開に心は躍ったよ。
名探偵が推理を披露し暴いた犯人は意外な人物だった・・・という派手さはないが、とても堅実でしっかりしたストーリーに大満足の一冊。最近の作家さんにはないものがあって逆に新鮮でもあり面白かった。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年11月16日に日本でレビュー済み
作者の代表作であると共に、ミステリ黄金時代のアリバイ崩し物の代表作。当時、最も構成美を誇っていたヴァン・ダインの「グリーン家」を上回る構成と賞賛を浴びた。作中、センセーショナルなのは冒頭の船着場の死体出現場面だけで、後はひたすらアリバイ崩しである。作者の前歴は鉄道技師で、そのため鉄道を使ったアリバイ・トリックが多いのだが、イギリスという地理的条件から、英仏海峡を跨いだ作品も多い(「英仏海峡の謎」という作品もある)。クロフツの影響を受けた日本の代表的作家は鮎川哲也氏だろう。

クロフツはクィーン等と異なり華麗なトリックこそないが、とにかく手堅い。本作は、クロフツが練りに練ったアリバイ・トリックを披露したもので、私も樽が一つのうちは謎解きについて行こうと思ったのだが、樽が二つ存在することが分かった時点で追うのを諦めた。まさしく精緻な構想である。

ミステリの黄金期を飾るアリバイ・トリック物で、後世に大きな影響を与えた名作。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年10月19日に日本でレビュー済み
有名ですが昨今の日本の新しいミステリー小説とは,ものすごく雰囲気が異なります。おちゃらけゼロ。ひたすら事件を追っていきます。戦前の作品ですが,イギリスを中心とした時刻表通りに運行される交通機関が舞台の作品です。この作品を気に入った人は,「黒いトランク」がお勧めです。作者が,樽のトリックは間違っている!,といって書いた作品だそうです。でも,どこか間違っているのか,良く読まないと分からないかも。また,「瀬戸内海の惨劇」もお薦めです。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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