なんとも名状しづらい不思議な読後を醸し出す一冊。そこはかとない満足感に包まれます。。
ある復讐劇を目論む奇術師の視点と、検事・弁護士が一進一退の攻防を繰り広げる法廷劇の視点が交互に描かれ、それが驚きをもって交錯する
魅力的な結末に至るには、封を切って進まなければならないとゆう何とも大胆にして憎い演出が施してあります。
既成事実を既成事実のままにデフォルメしてしまった本書はバリンジャーが読者に仕掛けた一大奇術だ。。
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歯と爪 (創元推理文庫 163-2) 文庫 – 1977/7/15
ビル S.バリンジャー
(著),
大久保 康雄
(翻訳)
彼の名はリュウ。生前、彼は奇術師だった。フーディニやサーストンすら試みなかったような一大奇術をやってのけた。まず第一に、ある殺人犯人に対して復讐をなしとげた。第二に自分も殺人を犯した。そして第三に彼は、その謀略工作のなかで自分も殺されたのである――奇才バリンジャーが仕掛ける驚くべき前代未聞の大トリック。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1977/7/15
- ISBN-104488163025
- ISBN-13978-4488163020
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1977/7/15)
- 発売日 : 1977/7/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 232ページ
- ISBN-10 : 4488163025
- ISBN-13 : 978-4488163020
- Amazon 売れ筋ランキング: - 484,364位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多くの方が指摘しているように、ミステリに読み慣れているとある程度真相の目星が尽きます。そしてトリックと結末は、作品としての意外性は確かにあるものの、読み手としては「ああやっぱり」という感じです。袋とじとそこに書かれた言葉や帯の煽り文句はワクワクしますが、逆に自らハードルを上げてしまうという難点は否めません。ちょっと肩透かしでした。しかしそれは今だから言えるのであって、1955年の発表当時はあっと驚く仕掛けだったのかもしれません。また、作品冒頭から作者による読者への罠が仕掛けられており、これについては表記(言葉)のある部分がアンフェアではないかという意見もあって自分も最初はそう思ったのですが、あるミステリ検証サイトによれば、これもまたギリギリではあるがかなり巧妙に仕掛けられた言葉のトリックで、フェアと受け取ることは可能であり、高等な騙しのテクニックではないだろうか、という分析があって、なるほどそう言われると確かに、と思いました。
2012年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多数のミステリ作家がこの本を名著ならびに参考書だと言う。
それを盲目的に信じ、どれほど面白いのだろうかと胸を膨らませて買って読んだ。
はっきり言って途中までは退屈である(これは私の感情なので、一般論ではない。デンマン氏にこの言葉を聞かせれば『異議あり』と言われてしまうかもしれない)。
だが、あともう少しで袋とじだというところに差し掛かると、だんだんと面白くなってきた。(とはいっても、ここでもまだ、はっきり面白いとまでは言えない……)
袋とじまで辿り着き、どうしてこんな中途半端なところで?と疑問に思いつつもその先を読んでみると、ようやく指数関数的に盛り上がってきた。
ここまで読めば半数以上の方は名作だと判断を下すだろうと思う。なので、ぜひとも袋とじを破ってその先を読んで見てほしい。
だが、少しだけ苦言を申したい。
1、これは翻訳もの全般に言えることかもしれないが、文章のテンポの緩急が悪すぎる。
2、この作品はかなり古典の作品である。だから仕方ないのかもしれないが、現代の日本には叙述トリックに重きを置いた作品がたくさん発表されているので、そういった作品を読み慣れている方々からすれば少々不満かもしれない。なぜなら、構成がよくないと思われるからである。この作品は二つのストーリーが時系列順に交差して並べられている(いわゆるカットバック)……のだが途中まではそれらが(曖昧にすら)繋がらない、そしてかつ、その一方はある夫婦の日常生活で、他方は閉鎖空間である法廷での裁判であるから、読者に退屈感を味わわせてしまいがちである。(ただしこれは、どのような叙述トリックで楽しませてくれるのだろうかと期待している読者だけかもしれない。しかしはたしてそれ以外の読者がいるのだろうか)
3、『歯と爪』というタイトルだが、これが少し奇妙だ。歯のほうはいい。問題は爪である。確かに本作において爪は重要な要素である……が、しかし指のほうがさらに重要なのではないだろうか。(これは私の勘違いかもしれないが)
4、復讐……? うん……、確かに復讐だね……。
いろいろと苦言を書いては見たが、しかし、私はこの作品を貶めるつもりはまるでない。むしろ、現代日本にあふれる叙述トリックミステリに勝るとも劣らないとさえ思っている。
これまで内外問わず数々のミステリを読んできた方々にでも、胸を張ってお勧めしたい作品である。
これから読もうと思っている方は、どうか最後まで読んでいただきたいと思う。
それを盲目的に信じ、どれほど面白いのだろうかと胸を膨らませて買って読んだ。
はっきり言って途中までは退屈である(これは私の感情なので、一般論ではない。デンマン氏にこの言葉を聞かせれば『異議あり』と言われてしまうかもしれない)。
だが、あともう少しで袋とじだというところに差し掛かると、だんだんと面白くなってきた。(とはいっても、ここでもまだ、はっきり面白いとまでは言えない……)
袋とじまで辿り着き、どうしてこんな中途半端なところで?と疑問に思いつつもその先を読んでみると、ようやく指数関数的に盛り上がってきた。
ここまで読めば半数以上の方は名作だと判断を下すだろうと思う。なので、ぜひとも袋とじを破ってその先を読んで見てほしい。
だが、少しだけ苦言を申したい。
1、これは翻訳もの全般に言えることかもしれないが、文章のテンポの緩急が悪すぎる。
2、この作品はかなり古典の作品である。だから仕方ないのかもしれないが、現代の日本には叙述トリックに重きを置いた作品がたくさん発表されているので、そういった作品を読み慣れている方々からすれば少々不満かもしれない。なぜなら、構成がよくないと思われるからである。この作品は二つのストーリーが時系列順に交差して並べられている(いわゆるカットバック)……のだが途中まではそれらが(曖昧にすら)繋がらない、そしてかつ、その一方はある夫婦の日常生活で、他方は閉鎖空間である法廷での裁判であるから、読者に退屈感を味わわせてしまいがちである。(ただしこれは、どのような叙述トリックで楽しませてくれるのだろうかと期待している読者だけかもしれない。しかしはたしてそれ以外の読者がいるのだろうか)
3、『歯と爪』というタイトルだが、これが少し奇妙だ。歯のほうはいい。問題は爪である。確かに本作において爪は重要な要素である……が、しかし指のほうがさらに重要なのではないだろうか。(これは私の勘違いかもしれないが)
4、復讐……? うん……、確かに復讐だね……。
いろいろと苦言を書いては見たが、しかし、私はこの作品を貶めるつもりはまるでない。むしろ、現代日本にあふれる叙述トリックミステリに勝るとも劣らないとさえ思っている。
これまで内外問わず数々のミステリを読んできた方々にでも、胸を張ってお勧めしたい作品である。
これから読もうと思っている方は、どうか最後まで読んでいただきたいと思う。
2005年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品には、二つの特徴がある。一つ目が、「意外な結末が待っていますが、あなたはここで、おやめになることができますか?」と、結末部分を袋綴じにして、やめられたら返金する体裁にしていることだ。仮に、やめられたとしても、実際に、わずか672円のために、わざわざ出版社に送り返す人がどれだけいるかということを考えれば、読者の好奇心をくすぐる商魂たくましい商法ともいえるのだが、少なくとも、結末に、それだけの自信がなければできない商法であることも事実だろう。実際、私の場合は、袋綴じを開けずに途中で投げ出すことは微塵も考えられず(名作という触れ込みであっても、読み続けるのに苦痛を感じ、途中で投げ出したい誘惑にかられる長編ミステリは、少なくない!)、その結末も、想定範囲を超えたものであったことを付け加えておこう。
二つ目が、犯罪が行われるまでの経緯と、名前を伏した被告の法廷での裁判場面を、本当に几帳面に、一場面ごとに交互に描いている点である。こうした構成自体は上手いと思うのだが、率直にいって、このストーリー構成で、この手法を取られると、事件の全貌がなかなか見えてこず、読者としては、もどかしく感じる面なきにしもあらずではある。しかし、移り気な視聴者相手に、特にテンポ感のある展開が求められるテレビ・ドラマの脚本を何と二百以上も書いたというバリンジャーは、さすがにその文体には冗長さがなく、ストーリー・テリングにも長けており、飽きさせずに、最後まで読者を導いてくれている。
本書のあとがきでは、この作品と同列、もしくはそれに近い位置を与えられる作品として、アガサ・クリスティーの名作を挙げた論評が紹介されているのだが、それは、少々、誉めすぎとしても、この作品の奇抜なトリックと意外な真相が、それと比較されること自体は確かに納得のいくものであり、この作品は、十分、名作の名に値する作品であると思う。
二つ目が、犯罪が行われるまでの経緯と、名前を伏した被告の法廷での裁判場面を、本当に几帳面に、一場面ごとに交互に描いている点である。こうした構成自体は上手いと思うのだが、率直にいって、このストーリー構成で、この手法を取られると、事件の全貌がなかなか見えてこず、読者としては、もどかしく感じる面なきにしもあらずではある。しかし、移り気な視聴者相手に、特にテンポ感のある展開が求められるテレビ・ドラマの脚本を何と二百以上も書いたというバリンジャーは、さすがにその文体には冗長さがなく、ストーリー・テリングにも長けており、飽きさせずに、最後まで読者を導いてくれている。
本書のあとがきでは、この作品と同列、もしくはそれに近い位置を与えられる作品として、アガサ・クリスティーの名作を挙げた論評が紹介されているのだが、それは、少々、誉めすぎとしても、この作品の奇抜なトリックと意外な真相が、それと比較されること自体は確かに納得のいくものであり、この作品は、十分、名作の名に値する作品であると思う。
2021年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何か袋とじとかの技法を使い、予想もつかないどんでん返しを期待させたが、完璧に予想通りの展開。
2013年1月15日に日本でレビュー済み
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結末が袋とじで、その袋とじを破いてなければ返金を受け付ける、という本。
そのため、結末への「引き」が強い作品なんかとおもいきや…
普通のミステリよりもラストが気にならない作品。
ミステリは余り読まずに推理も得意ではないのだけど、
素直に読んで思ったとおりの結末で意外性のかけらもなく、
どこに「引き」があるのか正直わからなかった。
袋とじの前まで読んだとき、冒頭からちゃんと読んだ人なら、
100人中50人はこの結末を予想するだろうし、
残りのうち40人はちょっとだけ違うけどはっきりした推理をするのでは。
つまり、90人は「え、どういうことなの!?」という感想は抱かないと思う。
ただ、裁判と過去とが平行して進む構成は面白く、
文章も読みやすいのは良かった。
そのため、結末への「引き」が強い作品なんかとおもいきや…
普通のミステリよりもラストが気にならない作品。
ミステリは余り読まずに推理も得意ではないのだけど、
素直に読んで思ったとおりの結末で意外性のかけらもなく、
どこに「引き」があるのか正直わからなかった。
袋とじの前まで読んだとき、冒頭からちゃんと読んだ人なら、
100人中50人はこの結末を予想するだろうし、
残りのうち40人はちょっとだけ違うけどはっきりした推理をするのでは。
つまり、90人は「え、どういうことなの!?」という感想は抱かないと思う。
ただ、裁判と過去とが平行して進む構成は面白く、
文章も読みやすいのは良かった。
2011年2月16日に日本でレビュー済み
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幻冬舎から出版されている、『ミステリーの書き方』で
お勧めしていたので参考書代わりに購入してみました。
その手の本では有名なのかもしれないが、
袋とじ返本システムなんて売り方として面白いし、
サクサク読める翻訳も、
内容もいいです。
また『ミステリーの書き方』を読んでから見ると、
著者の視点で読めるので2度美味しいかもしれないです。
初版が1977年で新版2010年…
名作は読み継がれていくんですね。
古典的名作ミステリーは読んでおくべきと思い知らされました!
お勧めしていたので参考書代わりに購入してみました。
その手の本では有名なのかもしれないが、
袋とじ返本システムなんて売り方として面白いし、
サクサク読める翻訳も、
内容もいいです。
また『ミステリーの書き方』を読んでから見ると、
著者の視点で読めるので2度美味しいかもしれないです。
初版が1977年で新版2010年…
名作は読み継がれていくんですね。
古典的名作ミステリーは読んでおくべきと思い知らされました!
2013年5月22日に日本でレビュー済み
これは、叙述トリックものの古典と言うか、文字通り教科書みたいな作品です。
《今となってはそう珍しくもない手法や、時代を感じさせる描写が数多く登場する》といった声も聞きますが、芸術が時と共に生まれる以上、古典作品と現代作品を同列に語る事は、難しいかと思われます。描かれた時代を考慮するまでもなく、本作品は大納得の名作です。
しかし反面、翻訳作品である点を除いても難解な部類に入り、読む人によっては充分に楽しめない小説なのかも知れません。自分の周りでも、ラストのトリックの意味を全て理解出来ず終いな人達が、数名います。残念な事です。
《今となってはそう珍しくもない手法や、時代を感じさせる描写が数多く登場する》といった声も聞きますが、芸術が時と共に生まれる以上、古典作品と現代作品を同列に語る事は、難しいかと思われます。描かれた時代を考慮するまでもなく、本作品は大納得の名作です。
しかし反面、翻訳作品である点を除いても難解な部類に入り、読む人によっては充分に楽しめない小説なのかも知れません。自分の周りでも、ラストのトリックの意味を全て理解出来ず終いな人達が、数名います。残念な事です。