広告会社で人が死に、一風変わった社員が入社し・・・というお話。
セイヤーズが昔働いていて知悉している、広告業界で不審死が起こるという事で、著者が自身で体験したらしい、昔のイギリスの広告業界が詳しくでてくるので、それを楽しむ為の風俗(性風俗にあらず)喜劇として楽しめる作品でした。
メインの事件も勿論面白いですが、若島さんの解説に依ると、著者のセイヤーズも契約している版元にはあまり期待しないでもらいたい旨、手紙を書いたそうで、推理小説としては前作や次作には一歩譲るかも。
あまり関係ないですが、日本では学生さんの就職先で広告代理店が人気がある(或いはあった)そうですが、この頃のイギリスでも、広告業界は花のある職場だったのでしょうか。日本の広告代理店では、自殺者が出たり、贈収賄や談合でイメージ低下した上、テレビの仕事も減ったそうで、大変らしいですが。
とはいえ読んで損のない娯楽小説でした。機会があったらシリーズ順に是非。
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殺人は広告する (創元推理文庫 M セ 1-9) 文庫 – 1997/9/1
広告主が訪れる火曜のピム社は賑わしい。特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。これには文案部も音をあげる。妙な新人が入社したのは、その火曜のことだった。前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は、社内を混乱の巷に導くが……。広告代理店の内実を闊達に描くピーター卿物の第八弾は、真相に至るや見事な探偵小説に変貌する。モダン!
- 本の長さ506ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1997/9/1
- ISBN-104488183093
- ISBN-13978-4488183097
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1997/9/1)
- 発売日 : 1997/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 506ページ
- ISBN-10 : 4488183093
- ISBN-13 : 978-4488183097
- Amazon 売れ筋ランキング: - 229,202位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本の内容はよかったと思いますが、髪の毛が十数本挟まって油染みもあり、少し気持ち悪かったです。
2018年4月10日に日本でレビュー済み
1933年に発表されたビーター卿シリーズの第八長編。セイヤーズ自身の体験に基づき、当時のロンドンの広告業界をユーモラスに辛辣に、さらに所謂ブライト・ヤング・シングスの生態を戯画化して描いた風俗小説としては無類の面白さだが、殺人トリックはやや児戯に類する感がある。翌年刊行される大作『ナイン・テイラーズ』のアペリティフのような愉快で愛すべき作品ではあるが。
2006年4月21日に日本でレビュー済み
ピーター卿が仕事を始めます。
お金に困ってるわけでもないのに、その目的は・・・?
今回は時代の先端を行く広告代理店が舞台です。
会社の雰囲気、社員の雰囲気、仕事のやり方などが生き生きと描写されていて、
謎解き以外も楽しめること請け合いです。
「時代の雰囲気」を楽しめることもセイヤーズ作品の醍醐味だと思います。
もちろん、ピーター卿の推理も冴えわたりますよ!
お金に困ってるわけでもないのに、その目的は・・・?
今回は時代の先端を行く広告代理店が舞台です。
会社の雰囲気、社員の雰囲気、仕事のやり方などが生き生きと描写されていて、
謎解き以外も楽しめること請け合いです。
「時代の雰囲気」を楽しめることもセイヤーズ作品の醍醐味だと思います。
もちろん、ピーター卿の推理も冴えわたりますよ!
2003年12月22日に日本でレビュー済み
セイヤーズのストーリーテリングが最も冴えている傑作。今回はハリエット・ヴェインは登場しません。ピーター卿が初めて一般市民のようにお金を稼ぎます。広告業界の様子が生き生きと描かれていて、ピム社の社員達の騒動もおかしく、しかもそんな何気ない日常の出来事が大きな犯罪と密接に関わっているというおもしろさ。推理小説としても、広告業界舞台裏物語としても思う存分楽しめて、もう言うことありません。セイヤーズの筆には脱帽します。
2017年2月12日に日本でレビュー済み
探偵小説というよりヒーローものですね。麻薬の売人と渡り合ったり、クリケットの試合では大活躍をしたり… セイヤーズさん自身が身を置いていた広告業界の(今と変わらぬ)本質が生き生きと(楽しげに)描かれているのが良い。探偵ものとしてはネタが小さくて展開も控えめです。ところでパブリック・スクールとは、イートンとハロウだけらしい…(ピーター卿の個人的見解です)