主人公のジョン・ランプリエールが様々な体験をしていくうちに、さる結社の陰謀に巻き込まれ・・・というお話。
とにかく凄まじいまでのスケールでお話が展開する歴史小説で、文字通り辞書なみに登場人物、情報、事象が叙述されて、読者を翻弄する大作。並みの小説の4〜5冊分の質量で圧倒されること請け合いの書。帯に「エーコ+ピンチョン+ディケンズ+007」と書いてありますが、確かにそれぐらいの情報量、情緒量で最後まで読むと、色々な所に連れまわされ、へとへとになりました。
個人的な感想でいえば、バース「酔いどれ草の仲買人」とカーズワイル「驚異の発明家の形見函」を足してそこに当時覇を競っていた大きな勢力の謀略を絡めた歴史サスペンスと思いましたがどうでしょうか。
あまりに濃密に書き込まれていて、読んでいる間は悠揚陶然な気持ちになりますが、読み終わってから凄まじい疲労を感じて脱力するので、これから読む方は覚悟して読まれることを書き添えておきます。決して万人向きではないですが、でも読んで損はしないと確信しています。
これを28歳で書いたという著者の膂力には感服します。これからの活躍にも期待しますし、他の著作も是非、翻訳して頂きたいですね。
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ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫) 文庫 – 2006/5/27
ローレンス・ノーフォーク
(著),
青木 純子
(翻訳)
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2006/5/27
- ISBN-104488202039
- ISBN-13978-4488202033
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2006/5/27)
- 発売日 : 2006/5/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 496ページ
- ISBN-10 : 4488202039
- ISBN-13 : 978-4488202033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 668,526位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2013年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・ギリシャ・ローマ神話
・18世紀後半のイギリス、フランスの都市生活の様子
がもう嵐のように出てきまくって、テンポのいい文体と相まって情報量が非常に多いように感じられた。固有名詞はギリシャ語、ラテン語のカナ読みで表記してあるので、たとえばクピード(キューピッド)などなじみの薄い読みもある。それはそれで楽しい。翻訳は非常によいと感じた。
一応、推理小説。その展開には非常に驚かされる。先が読めるところもあるが、全体として意外性は抜群。
読むのには案外、時間がかかった。
・18世紀後半のイギリス、フランスの都市生活の様子
がもう嵐のように出てきまくって、テンポのいい文体と相まって情報量が非常に多いように感じられた。固有名詞はギリシャ語、ラテン語のカナ読みで表記してあるので、たとえばクピード(キューピッド)などなじみの薄い読みもある。それはそれで楽しい。翻訳は非常によいと感じた。
一応、推理小説。その展開には非常に驚かされる。先が読めるところもあるが、全体として意外性は抜群。
読むのには案外、時間がかかった。
2021年1月20日に日本でレビュー済み
10年以上前に今は亡きあおい書店川崎店で購入したと思う本書が出てきて、再挑戦してみたが又も敗退してしまった。年取って忍耐力が減少したので、三度目の挑戦はもう無いだろう。著者は本書を書き終えたとき、この上ない満足感に浸ったのだろう。私は置いてきぼりにされたが。がまんして読み進めればきっと面白くなるんだろうと思うが、じらし、ほのめかし、思わせぶりで延々と引っ張るあざとさに耐えられる方向けの本だと思う。
2014年11月14日に日本でレビュー済み
上下巻読了。
猟犬に噛み殺されて死んでしまった父親。
ジョンは、父親の遺産相続を契機に、父親が探し求めてしたものが何だったのかを調べていくうちに、英国東インド会社をめぐる陰謀、暗躍する秘密結社に辿り着く。
身の回りで起こる凄惨な殺人事件。自分が読んだ本に書かれていたような事件・事故が身の回りで起こる。父親が死んだのは、前日に読んだ本のせいではないか・・。妄想にとりつかれ、精神を病んでいるのでは心配になったジョンは医者にかかり、友人から辞書を書くようにすすめられるのだが・・。
端的にいえば、ランプリエール父子三代の、秘密結社に対する復讐劇(←いやいや、最後まで読むと実は・・・)なのだが、複線や、思わせぶりな登場人物、神話からの例えが多いので、読んでいて混乱してくる。
全てのナゾは、終盤になって徐々に判明していくのだが、それまでが長い。拡げられた風呂敷が、ものすごいスピードで収束していく感じである。
ルイ13世治下で行われたユグノー弾圧で、ラ・ロシェルが包囲され、イギリス軍が救援にかけつかるなかで、秘密結社の起こした行為や、ランプリエール(祖父)の行動は、物語のナゾを解く鍵になっている。
英国東インド会社の莫大な富とインドとの関係。港湾の喧噪などが描写されていて、臨場感がある。帆船好き・海賊好きには、面白いのでは。
フランス革命の前年までが小説の舞台となっている。民衆の力・抑圧への発散が、ドタバタの解決部分で予感させる。歴史に詳しいと楽しめるのではないかと思う。
ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズから漂う空気感を、そのまま18世紀後半に移行したような印象だった。
主人公のジョン・ランプリエールは実在の人物で、『古典籍固有名詞辞典』を著したのだそうな。この小説は、実在の事件、人物を混ぜ合わせながら、古典や神話のエピソードを織り交ぜながら、衒学的に謎解きをしていく物語となっている。
登場人物の回想シーンと「現在」とで、どちらの時間の事なのか、分かりにくい。
実は、読んでいて「評判の割には面白くないなぁ〜〜」と思ったけれど、予想外の黒幕や、仲間の裏切り等に、読者の側からも作者から良い意味で裏切られた。
猟犬に噛み殺されて死んでしまった父親。
ジョンは、父親の遺産相続を契機に、父親が探し求めてしたものが何だったのかを調べていくうちに、英国東インド会社をめぐる陰謀、暗躍する秘密結社に辿り着く。
身の回りで起こる凄惨な殺人事件。自分が読んだ本に書かれていたような事件・事故が身の回りで起こる。父親が死んだのは、前日に読んだ本のせいではないか・・。妄想にとりつかれ、精神を病んでいるのでは心配になったジョンは医者にかかり、友人から辞書を書くようにすすめられるのだが・・。
端的にいえば、ランプリエール父子三代の、秘密結社に対する復讐劇(←いやいや、最後まで読むと実は・・・)なのだが、複線や、思わせぶりな登場人物、神話からの例えが多いので、読んでいて混乱してくる。
全てのナゾは、終盤になって徐々に判明していくのだが、それまでが長い。拡げられた風呂敷が、ものすごいスピードで収束していく感じである。
ルイ13世治下で行われたユグノー弾圧で、ラ・ロシェルが包囲され、イギリス軍が救援にかけつかるなかで、秘密結社の起こした行為や、ランプリエール(祖父)の行動は、物語のナゾを解く鍵になっている。
英国東インド会社の莫大な富とインドとの関係。港湾の喧噪などが描写されていて、臨場感がある。帆船好き・海賊好きには、面白いのでは。
フランス革命の前年までが小説の舞台となっている。民衆の力・抑圧への発散が、ドタバタの解決部分で予感させる。歴史に詳しいと楽しめるのではないかと思う。
ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズから漂う空気感を、そのまま18世紀後半に移行したような印象だった。
主人公のジョン・ランプリエールは実在の人物で、『古典籍固有名詞辞典』を著したのだそうな。この小説は、実在の事件、人物を混ぜ合わせながら、古典や神話のエピソードを織り交ぜながら、衒学的に謎解きをしていく物語となっている。
登場人物の回想シーンと「現在」とで、どちらの時間の事なのか、分かりにくい。
実は、読んでいて「評判の割には面白くないなぁ〜〜」と思ったけれど、予想外の黒幕や、仲間の裏切り等に、読者の側からも作者から良い意味で裏切られた。
2007年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章が読みにくくて、さっぱりはかが行きません。
せめて上巻ぐらいは読み通そうと思ったのですが、2/3ぐらいのところで挫折しました。
「我慢して読んでいると、おもしろくなるよ」というご意見があれば、ぜひ教えていただきたいです。
せめて上巻ぐらいは読み通そうと思ったのですが、2/3ぐらいのところで挫折しました。
「我慢して読んでいると、おもしろくなるよ」というご意見があれば、ぜひ教えていただきたいです。
2008年5月24日に日本でレビュー済み
2000年に出た単行本を上下巻に分冊して文庫化したもの。
Lawrence Norfolkの『Lempriere's Dictionary』(1991年)の翻訳。
1780年代後半のイギリス、フランスを舞台とした歴史小説・推理小説。
非常に贅沢な小説だと思う。古典古代、英文学、近世/近代・イギリス/フランス史、インドに関心のある人は、ぜひとも手に取ってみて欲しい。これらに関する無数のモチーフが散りばめられた小説なのだ。衒学的な色合いも強いが、各モチーフが、生き生きと工夫に飛んだ使われ方をしており、楽しくなること請け合いだ。
高山宏とか荒俣宏などが好きな人にお勧め。
ただ、小説として完成度が高いかというと、ちょっと疑問符を付ける必要がある。特に上巻では、謎が解き明かされる気配もなく、ストーリーは混迷を深めて行くばかり。文体にも問題があり、読者は混乱と食傷に悩まされるだろう。
訳は素晴らしい。
Lawrence Norfolkの『Lempriere's Dictionary』(1991年)の翻訳。
1780年代後半のイギリス、フランスを舞台とした歴史小説・推理小説。
非常に贅沢な小説だと思う。古典古代、英文学、近世/近代・イギリス/フランス史、インドに関心のある人は、ぜひとも手に取ってみて欲しい。これらに関する無数のモチーフが散りばめられた小説なのだ。衒学的な色合いも強いが、各モチーフが、生き生きと工夫に飛んだ使われ方をしており、楽しくなること請け合いだ。
高山宏とか荒俣宏などが好きな人にお勧め。
ただ、小説として完成度が高いかというと、ちょっと疑問符を付ける必要がある。特に上巻では、謎が解き明かされる気配もなく、ストーリーは混迷を深めて行くばかり。文体にも問題があり、読者は混乱と食傷に悩まされるだろう。
訳は素晴らしい。
2020年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても綺麗な本でした。
大切に読んでいるところです。
ありがとうございました‼️
大切に読んでいるところです。
ありがとうございました‼️